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第一章:『新たなる試練』
【第3話】
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「おお、流石は武神の長神様! 我が主様もそのまことにありがたきお言葉をお聞きになればお喜びになること間違いありませぬ!」
わざとらしい大仰な物言いで感謝しつつ一礼して立ち上がる黒甲冑の男、ヤミネコ。
「あと、これは郎党様方への言伝となりますが…ヤミノミヤの試練はあなた方のモノとは比較にならないぐらい苛烈なものとなります。それ故、この場の全員で挑む事をおすすめいたします」
「……」
五武神にオカルト研究会メンバー、魔物&式神は忠告、マウント、脅しと言った色々な含みを持たせた言葉に警戒しつつも耳を傾ける。
「では、ヨウ様と皆様にご武運があらん事を…」
そう言いつつヤミネコは闇渦にズブズブと沈み去っていく。
敵が魔力反応消失と共に完全に消えた神ノ間。
「……御鐡院、今のあれは」
「ああ、間違いない。あの時の私達が遭遇した……」
マョイガの儀の最終試練で挑んだ第六災・タマタメシで遭遇した黒巫女の少女を思い出した茜と須田丸。
「ああ、ウチが須田丸くんの前ですっぽんぽんでクネクネしとった時のアレや」
「英里子お姉さん!?」
「蓑田おじさん!?」
英里子のトンデモ発言に思わずつっこんでしまう雲隠家の双子。
「据え膳食わぬは男の恥とは言うが……流石に女子にそういう事をさせるのは男としてどうかと思うぞ、ナルカミノモノ」
「須田丸君、いくらラブラブでもえっちな事はほどほどにね……そして末永くお幸せになるんだよお? ボク先生とのお約束だよお?」
変態認定不可避な誤解で思考停止フリーズした須田丸の右から穏やかに諭すチノミヤノミコト様と左から腕を肩に回し、青筋を浮かべた顔をひくつかせて呟くゴブガミ。
「お前と言う奴は!! お前と言う奴は!!」
「ぴえええん!! デカボ院、かんにんやあ!! かんにんやあ!!」
タケルとミカへの情操教育と言う名の目隠しをツミレに任せ、無理やり膝に乗せた英里子のケツを平手16連打でしばく茜。神乃間は一転して黒甲胃の狼籍者とはまた違う意味のカオス状態に陥る。
「……なるほど、そのような事があったとは」
「はい、報告が遅れてしまい申し訳ございません」
やらかした英里子のケツを処し終え、その治療をミズノミヤ様に任せた茜はオカルト研究会マョイガ探索隊サブリーダーとしてあの時タマタメシで起こった事を報告する。
「ふむそなたが記憶になかったと言う事なら事実であろう。だが、ヤミノミヤとやらは何をしようと言うのだ?」
茜達が遭遇したと言う黒巫女の少女にシャドウサグルと言う謎の存在。
黒甲胃のヤミネコと無関係ではないであろう物にタメシヤノミコト様は頭を抱える。
「妻を助けないと……美香、無事で……」
「雲隠!?」「アニキ!?」
命は取り留めたものの、かなりのダメージで意識を失い、回復ウォータースライム上に寝かされている探リーダーのうめくような言葉。
「リーダー……」
意識や肉体を凌駕した愛する者を守ろうと言う執念の意思表示と言う武人の鑑っぷりに胸を打たれたオカルト研究会マヨイガ探索隊メンバーのみならず五武神と眷族魔物&式神達は思わず涙する。
「ここまで言われちゃ引けんよ……お前ら喧嘩売られたらどうするかわかっとるよな?」
「千倍返しだ!!」
オカルト研究会マョイガ探索隊メンバーのみならず五武神と春属魔物&式神達は英里子の言葉に力強く叫ぶ。
「皆の者!! これより我々マヨイガ武神とおかると研究会のもののふは共に闇乃宮に挑み、ミズノモノを救出するぞよ!!」
「おおつ!!」
英里子に続くタメシヤノミコト様の言葉に一致団結した17人は関の声を上げる。
ほぼ同時刻、どこか別の場所と思しき黒板張りの間。
『……ヤミネコよ、見事であったぞ』
『お褒めに預かり光栄でございます、主様』
黒い火が灯された和ろうそくが立てられた燭台が置かれた薄暗い部屋。
その上座、板上に置かれて御簾に囲まれた畳内から響く声に黒甲胃男は答える。
『我が眷属らよ、時長くして我らによる戦の時が来た』
『ニヤォォォォン!!』 『ニヤアン!!』 『ニャッ! !』 『ミヤオン! !』 『ニャー! !』
畳の前で背を伸ばして座りつつ、その声に応じる5匹の大小様々な猫達
「戦ってどういう事よ!! 私や皆をどうするつもりなの!?」
そんな黒板張り部屋の隅に置かれた座敷牢に薄い着物一枚で閉じ込められていた美香はこの不穏な展開に叫び聞く。
『ミズノモノ殿、ご安心なされ……そなたの安全は保障いたしましょう』
「何が安全!? 身ぐるみ剥いで誘拐してこんな動物みたいな橿に閉じ込めて力まで封じるなんて……どういうつもりよ!?」
右手の水神紋上にきつく巻かれてほどけない黒い庫気を放つ帯を見せつけつつヤミネコに問う美香。
『リーダー、あのヒトメスうるさいにゃ!! しつけ直した方がいいんじゃニャいか?』
『そうだぜ!! 個室に三食昼寝付き、素敵なヒト毛皮までもらっているのにゼイタクだニャ!!』
『もともとウチらと同じハダカなんだからお望みどおりにしてやればいいにゃ!!』
いきなり黒甲胃の男と共に人語で話し出す猫達。
かつて先輩や皆と共にマョイガで予測不能展開にいくつも遭遇してきた美香でもこの超展開には言葉をつぐむ。
『皆の者、静かにするがよい』
『主様!! 申し訳ありませんにゃ』
すぐさま畳の方に向き直り、平身低頭香箱ごめんなさいする5匹の猫。
『よいよい、わかればよいのじゃ。 ヤミネコよあとはそちに任せたぞよ』
『かしこまりました、主様。 仰せのままに』
ヤミネコは和ろうそくの黒い火を吹き消し暗闇に消えていく。
【第4話に続く】
わざとらしい大仰な物言いで感謝しつつ一礼して立ち上がる黒甲冑の男、ヤミネコ。
「あと、これは郎党様方への言伝となりますが…ヤミノミヤの試練はあなた方のモノとは比較にならないぐらい苛烈なものとなります。それ故、この場の全員で挑む事をおすすめいたします」
「……」
五武神にオカルト研究会メンバー、魔物&式神は忠告、マウント、脅しと言った色々な含みを持たせた言葉に警戒しつつも耳を傾ける。
「では、ヨウ様と皆様にご武運があらん事を…」
そう言いつつヤミネコは闇渦にズブズブと沈み去っていく。
敵が魔力反応消失と共に完全に消えた神ノ間。
「……御鐡院、今のあれは」
「ああ、間違いない。あの時の私達が遭遇した……」
マョイガの儀の最終試練で挑んだ第六災・タマタメシで遭遇した黒巫女の少女を思い出した茜と須田丸。
「ああ、ウチが須田丸くんの前ですっぽんぽんでクネクネしとった時のアレや」
「英里子お姉さん!?」
「蓑田おじさん!?」
英里子のトンデモ発言に思わずつっこんでしまう雲隠家の双子。
「据え膳食わぬは男の恥とは言うが……流石に女子にそういう事をさせるのは男としてどうかと思うぞ、ナルカミノモノ」
「須田丸君、いくらラブラブでもえっちな事はほどほどにね……そして末永くお幸せになるんだよお? ボク先生とのお約束だよお?」
変態認定不可避な誤解で思考停止フリーズした須田丸の右から穏やかに諭すチノミヤノミコト様と左から腕を肩に回し、青筋を浮かべた顔をひくつかせて呟くゴブガミ。
「お前と言う奴は!! お前と言う奴は!!」
「ぴえええん!! デカボ院、かんにんやあ!! かんにんやあ!!」
タケルとミカへの情操教育と言う名の目隠しをツミレに任せ、無理やり膝に乗せた英里子のケツを平手16連打でしばく茜。神乃間は一転して黒甲胃の狼籍者とはまた違う意味のカオス状態に陥る。
「……なるほど、そのような事があったとは」
「はい、報告が遅れてしまい申し訳ございません」
やらかした英里子のケツを処し終え、その治療をミズノミヤ様に任せた茜はオカルト研究会マョイガ探索隊サブリーダーとしてあの時タマタメシで起こった事を報告する。
「ふむそなたが記憶になかったと言う事なら事実であろう。だが、ヤミノミヤとやらは何をしようと言うのだ?」
茜達が遭遇したと言う黒巫女の少女にシャドウサグルと言う謎の存在。
黒甲胃のヤミネコと無関係ではないであろう物にタメシヤノミコト様は頭を抱える。
「妻を助けないと……美香、無事で……」
「雲隠!?」「アニキ!?」
命は取り留めたものの、かなりのダメージで意識を失い、回復ウォータースライム上に寝かされている探リーダーのうめくような言葉。
「リーダー……」
意識や肉体を凌駕した愛する者を守ろうと言う執念の意思表示と言う武人の鑑っぷりに胸を打たれたオカルト研究会マヨイガ探索隊メンバーのみならず五武神と眷族魔物&式神達は思わず涙する。
「ここまで言われちゃ引けんよ……お前ら喧嘩売られたらどうするかわかっとるよな?」
「千倍返しだ!!」
オカルト研究会マョイガ探索隊メンバーのみならず五武神と春属魔物&式神達は英里子の言葉に力強く叫ぶ。
「皆の者!! これより我々マヨイガ武神とおかると研究会のもののふは共に闇乃宮に挑み、ミズノモノを救出するぞよ!!」
「おおつ!!」
英里子に続くタメシヤノミコト様の言葉に一致団結した17人は関の声を上げる。
ほぼ同時刻、どこか別の場所と思しき黒板張りの間。
『……ヤミネコよ、見事であったぞ』
『お褒めに預かり光栄でございます、主様』
黒い火が灯された和ろうそくが立てられた燭台が置かれた薄暗い部屋。
その上座、板上に置かれて御簾に囲まれた畳内から響く声に黒甲胃男は答える。
『我が眷属らよ、時長くして我らによる戦の時が来た』
『ニヤォォォォン!!』 『ニヤアン!!』 『ニャッ! !』 『ミヤオン! !』 『ニャー! !』
畳の前で背を伸ばして座りつつ、その声に応じる5匹の大小様々な猫達
「戦ってどういう事よ!! 私や皆をどうするつもりなの!?」
そんな黒板張り部屋の隅に置かれた座敷牢に薄い着物一枚で閉じ込められていた美香はこの不穏な展開に叫び聞く。
『ミズノモノ殿、ご安心なされ……そなたの安全は保障いたしましょう』
「何が安全!? 身ぐるみ剥いで誘拐してこんな動物みたいな橿に閉じ込めて力まで封じるなんて……どういうつもりよ!?」
右手の水神紋上にきつく巻かれてほどけない黒い庫気を放つ帯を見せつけつつヤミネコに問う美香。
『リーダー、あのヒトメスうるさいにゃ!! しつけ直した方がいいんじゃニャいか?』
『そうだぜ!! 個室に三食昼寝付き、素敵なヒト毛皮までもらっているのにゼイタクだニャ!!』
『もともとウチらと同じハダカなんだからお望みどおりにしてやればいいにゃ!!』
いきなり黒甲胃の男と共に人語で話し出す猫達。
かつて先輩や皆と共にマョイガで予測不能展開にいくつも遭遇してきた美香でもこの超展開には言葉をつぐむ。
『皆の者、静かにするがよい』
『主様!! 申し訳ありませんにゃ』
すぐさま畳の方に向き直り、平身低頭香箱ごめんなさいする5匹の猫。
『よいよい、わかればよいのじゃ。 ヤミネコよあとはそちに任せたぞよ』
『かしこまりました、主様。 仰せのままに』
ヤミネコは和ろうそくの黒い火を吹き消し暗闇に消えていく。
【第4話に続く】
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