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【第七章:最終任務・ミクラ・ブレイン破壊指令!!】
【第108話】
しおりを挟む「よしっ、到着だわ!!」
『おうっ!!』
伏兵に警戒しつつエデン中央管理塔、最上階のサーバールームに突入したサン博士とモンキーマン。
すぐに扉をロックした1人と1体は銃を構えたまま周囲を警戒する。
『あれが……ミクラ・ブレインなのか?』
「ええ、間違いないわ……」
強化防壁ガラス筒内でピコピコ点滅する長方形のマシンサーバー。
幼いころ、父と一緒に一度だけエデンの最重要機密ルームであるここを訪れてその現物を見た事があるサン博士はそれがミクラ・ブレインの心臓部にして頭脳そのものである事を確信する。
「……なるほど、 そういうことなのね」
『これが起動していると言う事は、まさか……!!』
かつて管理者である人類が外部から操作するためのキーボードやマウス、モニターはおろかその他諸々の認証機器の類は全て取り払われていたそれに唯一残されていたのは強化ガラスに半分埋め込まれるように固定された一脚の大き目な機械椅子。
ミクラ・フトウ博士がマスターブレインサーバーを完成させた際、自身の思考プロセスや研究データをデジタルデータ化して完全移植するために開発した特殊付属機器、マインドダイバー。
研究者は自身の頭脳を特殊スキャンで解析することで永久保存が可能なコピー分身をデジタルサーバー上に生成し、24時間365日閲覧参照が可能。
マスター・ブレインはそれらを人工知能用学習データとして参照し、24時間365日技術開発に取り組むことが出来ると言う利用する側もされる側にとってもウィンウィンな夢の機器。
その完成当初はエデン勤めの特権にして唯一無二な研究データの直接的アーカイブ化手段として利用されていたものの、エデンのみならず全世界のネットワークと常接して膨大なデータを取得可能なエデン・ネットワー クでのアーカイブ化が可能となったが故に旧技術化。
それでもなお一部の研究者が自身の研究データアーカイブ共有化において必要としていたのみならず、万が一の事態に必要とされる可能性も考えて取り外さずに残されていたのである。
「普段は電源が入っていないあれが動いていると言うことはつまり、自分の土俵まで降りて来い。と言うことなのね。ミクラ・ブレイン」
サン博士は強化ガラス内のサーバーを睨むがブイブイ言うだけのそれは何の反応も見せない。
『博士、これは乗るべきではない罠だ。俺が物理でこのサーバーをぶっ壊してしまえばいい』
そう言いつつモンキーロッドを腕から取り出しシュコンと伸ばすモンキーマン。
「待ちなさい、モンキーマン」
『博士!?』
モンキーマンを止めたサン博士はグラビディブレイド&シチセイケンのナイフベルトに二丁電撃銃のレッグホルスターのみならず、胸部と手足のプロテクターとガントレットデバイスも取ってしまい黒ボディースーツ一枚になってマインドダイバーに深く腰掛ける。
「5分よ、モンキーマン」
『サン博士、何を考えているんだ!?』
サン博士の無謀な蛮行に絶叫してしまうモンキーマン。
「もし私が5分経っても覚醒帰還しなかったら……このヤツを閉じ込めたサーバーを物理的にぶっ壊すのよ」
『だが、それでは……』
そんな事をしようものならその電脳世界にブレインダイブ中のサン博士も無事では済まない。
人型戦闘用アンドロイド、モンキーマンはレジスタンス軍エージェントとしての使命を果たさんとするサン博士の意思と自身の創造者たるミクラ・フトウ博士の最重要命令『愛娘サン・フトウを守る』意思の狭間で葛藤する。
「セイテンタイセイ、聞こえているでしょ? 万がーの時は迷わないのよ」
『な、にっ……!?』
モンキーマンの意思に関係なく勝手にサムズアップする右手。
それを見届けたサン博士は大きく息を吸い込んで、アームレスト先端にあるスキャン開始スイッチをオンにする。
【MMS 第109話につづく】
『おうっ!!』
伏兵に警戒しつつエデン中央管理塔、最上階のサーバールームに突入したサン博士とモンキーマン。
すぐに扉をロックした1人と1体は銃を構えたまま周囲を警戒する。
『あれが……ミクラ・ブレインなのか?』
「ええ、間違いないわ……」
強化防壁ガラス筒内でピコピコ点滅する長方形のマシンサーバー。
幼いころ、父と一緒に一度だけエデンの最重要機密ルームであるここを訪れてその現物を見た事があるサン博士はそれがミクラ・ブレインの心臓部にして頭脳そのものである事を確信する。
「……なるほど、 そういうことなのね」
『これが起動していると言う事は、まさか……!!』
かつて管理者である人類が外部から操作するためのキーボードやマウス、モニターはおろかその他諸々の認証機器の類は全て取り払われていたそれに唯一残されていたのは強化ガラスに半分埋め込まれるように固定された一脚の大き目な機械椅子。
ミクラ・フトウ博士がマスターブレインサーバーを完成させた際、自身の思考プロセスや研究データをデジタルデータ化して完全移植するために開発した特殊付属機器、マインドダイバー。
研究者は自身の頭脳を特殊スキャンで解析することで永久保存が可能なコピー分身をデジタルサーバー上に生成し、24時間365日閲覧参照が可能。
マスター・ブレインはそれらを人工知能用学習データとして参照し、24時間365日技術開発に取り組むことが出来ると言う利用する側もされる側にとってもウィンウィンな夢の機器。
その完成当初はエデン勤めの特権にして唯一無二な研究データの直接的アーカイブ化手段として利用されていたものの、エデンのみならず全世界のネットワークと常接して膨大なデータを取得可能なエデン・ネットワー クでのアーカイブ化が可能となったが故に旧技術化。
それでもなお一部の研究者が自身の研究データアーカイブ共有化において必要としていたのみならず、万が一の事態に必要とされる可能性も考えて取り外さずに残されていたのである。
「普段は電源が入っていないあれが動いていると言うことはつまり、自分の土俵まで降りて来い。と言うことなのね。ミクラ・ブレイン」
サン博士は強化ガラス内のサーバーを睨むがブイブイ言うだけのそれは何の反応も見せない。
『博士、これは乗るべきではない罠だ。俺が物理でこのサーバーをぶっ壊してしまえばいい』
そう言いつつモンキーロッドを腕から取り出しシュコンと伸ばすモンキーマン。
「待ちなさい、モンキーマン」
『博士!?』
モンキーマンを止めたサン博士はグラビディブレイド&シチセイケンのナイフベルトに二丁電撃銃のレッグホルスターのみならず、胸部と手足のプロテクターとガントレットデバイスも取ってしまい黒ボディースーツ一枚になってマインドダイバーに深く腰掛ける。
「5分よ、モンキーマン」
『サン博士、何を考えているんだ!?』
サン博士の無謀な蛮行に絶叫してしまうモンキーマン。
「もし私が5分経っても覚醒帰還しなかったら……このヤツを閉じ込めたサーバーを物理的にぶっ壊すのよ」
『だが、それでは……』
そんな事をしようものならその電脳世界にブレインダイブ中のサン博士も無事では済まない。
人型戦闘用アンドロイド、モンキーマンはレジスタンス軍エージェントとしての使命を果たさんとするサン博士の意思と自身の創造者たるミクラ・フトウ博士の最重要命令『愛娘サン・フトウを守る』意思の狭間で葛藤する。
「セイテンタイセイ、聞こえているでしょ? 万がーの時は迷わないのよ」
『な、にっ……!?』
モンキーマンの意思に関係なく勝手にサムズアップする右手。
それを見届けたサン博士は大きく息を吸い込んで、アームレスト先端にあるスキャン開始スイッチをオンにする。
【MMS 第109話につづく】
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