MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士

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【第六章:強襲!! 上位管理者アンドロイド・コウガイジ!!】

【第95話】

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「カチッ?」
 モンキーマン達と同じクリック音を感知したトラック下のサン博士とマツモト。
 レジスタンス軍としてこの手の音はほぼ100%危険な代物だと熟知している2人はその発生源を探りつつトラック付近から退避しようとする。
『ほあああああ!!』
「なっ!?」
「きゃあああ!!」
 そんな2人に襲い掛かったのは機能停止していたはずの上位管理者アンドロイド・コウガイジ。
 怪音の発生源を探していて意識が逸れた隙を付いた赤髪の男は2人を瞬時に捕えて担ぎあげ、すぐさま駆け出す。
『よう、惜しかったなSYK-000!! 肉弾戦では遅れを取ったが知恵比べでは双方ともに一勝一敗と言ったところか!?』
 モンキーマン達の一足飛びではとても届かない距離まで逃げ、サン博士とマツモトの首を両腕でヘッドロックしたまま高笑いするコウガイジ
『くそっ……完全に機能停止していたはずなのに、何をしやがったんだ!?』
 下手に動こうものならサン博士もマツモトも窒息死どころか一瞬で首をへし折られて殺されてしまう。
 モンキーマン達は抵抗の意思がない事をホールドアップで示しながら最悪の事態を打開する方法を模索する。
『まあお前らの旧式なアンドロイドスキャン技術じゃ無理だろうが……俺は最前線に立ち、近接兵器をメイン装備とすることを想定された武闘派アンドロイドだ。それ故に甚大なダメージを受けても自己修復時間を稼ぐための機能停止を偽装する戦闘サポート特殊プログラムが組み込まれてたんだよ』
 先刻のガッパマンのバショウセンで一時的に機能停止していた量産型アンドロイドソルジャーを遠隔操作し再起動させたコウガイジは呼び寄せたそれらにサン博士の拘東を指示。
 手足を拘束するのみならず、口伽も追加装着させる。
(モンキーマン殿、我々はどうすれば!?)
(博士がヤツに連れ去られちゃ俺たちも人類もおちまいだブウ!!)
 拘東されてもなお暴れるサン博士が数の暴力で量産型アンドロイドソルジャーに取り押さえられ、武器とプロテクターのみならず特殊防刃&防弾素材の黒ボディースーツも脱がされていく様を見守る事しかできないチーム・サンのアンドロイド3体は戦闘用人工知能をクロックアップさせて策を練るが、王を取られた以上万策尽きたと言う答えしか出てこない。
『さて、今のカチッ!! の出どころだがそれは俺だ』
 そう言いつつ露骨に紫ドクロが描かれた怪しげなリモコンスイッチを見せるコウガイジ。
『そしてこのスイッチを作動させてから5分後……そのトラックに仕掛けられた実験動物爆殺用時限爆弾が作動する』
「ひえっ……」
 遠すぎてよく見えないが内蔵赤LEDでカウントダウンを始めているであろうリモコンスイッチを見せつける
 コウガイジ。
『お前ら、巻き込んじまって済まねえな……すべては俺の想定を怠ったが故のミスだ。 博士を責めないでくれ』
「モンキーマン殿……」
「お気にしないでください!! 我々もエージェント様方と最期までご一緒出来ず申し訳ございません!!」
「我々に構わずあのサイコアンドロイドを……」
「いや、レジスタンス軍万歳!! 人類万歳!!」
『レジスタンス軍万歳!! 人類万歳!!』
『レジスタンス軍万歳ブウ!! 人類バンザイブウ!!』
『お前ら……万歳!!』
「うーっ、うっうっうーっ!! (人類バンザイ!!)」
「レジスタンス万歳!! サン様、バンザイ!!」
 二度目の命を与えられたレジスタンス軍第35部隊員とサン博士の部下として運命を共にした2体のエデンアンドロイド達、機械に捕囚される最悪の末路を迎えたサン博士とマツモトは人類として最期の万歳三唱を始める。

【MMS 第96話につづく】
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