MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士

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【第六章:強襲!! 上位管理者アンドロイド・コウガイジ!!】

【第93話】

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「とっ、止まったのか……?」
「一体、何が……?」
 急に走り出したトラック上の艦内で立ったまま拘東されていた第35部隊メンバー。
 素肌に叩きつける風圧と加速Gに身を寄せ合って耐えていたのが一瞬で止まったのに戸惑う彼・彼女らは辺りを見回す。
『オイラだブウ!!』
「ピッグマン殿!?」
 横からばぁと現れた豚顔な人形アンドロイドに驚く全員。
『お前さん方がアダムとイブなのはさておき とりあえずこいつがぜってえに動けないように車輪をぶっ壊しちゃるからちょいと待ってろ。
 エロガッパ、おめえも手伝え!!』
 ピッグマンは顔をコウキンジョウでぐるぐる巻きにされたまま機能停止したコウガイジ様の方をみやりつつ叫ぶ。
「カッパマン、私も行くわ」 「私も行きます!!」
『では私はコウキンジョウの縛り方を変えて 』
 ピッグマンがトラックを完全停止させるのを確認し、安堵の息を吐くサン博士と全裸スカジャンのソルジャー・マツモト。
 電撃銃を構えたまま立ち上がるご婦人方を少し下がらせたカッパマンは機能停止状態コウガイジの顔面グルグルコウキンジョウをほどいで手足に結び変えるべく操作する。
『その必要はないぞ、SYK一0 2 2』
『!!』
『!?』
『博士、お嬢さ……ぐあっ!!』
 反撃する間もなく一瞬で顔面を掴まれたカッパマンはサン博士とマツモトを突き飛ばすように下がらせたものの、そのまま掴み上げられてしまう。
『これがミクラ博士謹製のキンコジュとやらか。これだけを外して持ち帰れればミクラ・ブレイン様もお喜びなるかもしれないが……それは無理そうだな』
 三度笠を落としてしまい、頭部に嵌められたアンドロイド制御特殊デバイス・キンコジュを露出させたカッパマンはそれを無理やり外そうとするコウガイジに抵抗するものの、全く効果は無い。
『ならば焼き溶かすのみだ……エイメーン』
「やめろおおおお!!」
 このままではカッパマンがあの時のチンゲン先生のように焼き殺されてしまう。
 サン博士は仲間を救うべくコウガイジに電撃弾を何発も撃ち込む。
『サンマイカ』
 それを無視して起動音声と共に熱を帯び始めるコウガイジの寵手。
 もうカッパマンは助けられない……サン博士がマツモトの手を引いて逃げようとしたその時だった。
『モンキー……』
『なにい!?』
 腕から30センチも離れていない場所に出現していた光の穴。
 そこから突き出してコウガイジの腕を掴んでいたのは見覚えのあるごっつい金属腕だ。
『アームクラッシュ!!』
『ぐあああああ!!』
 その最大出力で握りしめられて一瞬で外装もろとも内部機構を破壊されたコウガイジの腕。
 サン博士のグラビディ腹パンとは比較にならない激痛アラートにコウガイジはカッパマンを取り落として悲鳴を上げる。
『モンキーラリアット!!』
 一瞬で広がった白穴から飛び出したモンキーマンは敵の顔面にメタルアームハンマーで追撃。
 その重槌撃を食らったコウガイジはそのままぶっ飛び、地面を転がっていく。
『カッパマン、博士を頼むぞ!!』
『うむ!!』
 上位管理者アンドロイドの中でも最強クラスの武闘派とは言え腕と顔面を潰した今が好機。
 ベニヒサゴとジョウビョウのエネルギー残量の都合で瞬間移動が遅れてしまったものの、博士と仲間の無事を確かめたモンキーマンは敢えてモンキーロッドを抜かず拳で殴り掛かる。

【MMS 第94話につづく】
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