89 / 111
【第六章:強襲!! 上位管理者アンドロイド・コウガイジ!!】
【第89話】
しおりを挟む
チーム・サンがエデン第五区画で長きにわたる激闘を終える小一時間前、エデン第二区画。
レジスタンス軍第36部隊拠点(仮)となっている中央管理施設。
「……なるほと そういうことがあったのか」
警戒中のソルジャー達の前に突如現れた光の穴から着ぐるみパジャマ姿でワープ帰還したソルジャー・マツモト。
その本人確認とボディチェックの後、司令官代理として直々に事情聴取を行ったコマンダー・ジャンヌは考える。
「ご心配をおかけして申し訳ありません、コマンダー」
女性ソルジャーによるボディチェックの際に着替えたスポーツブラ&スパッツ姿でパイプ椅子に座った少女兵士・マツモトは上官に謝罪する。
「今回の人質の件は敵による参戦指名が発端とはいえ……お前が一介のソルジャーとして上官命令無視と独断行動を試みた件は事実。
無事に帰還したとは言え処罰は与えねばならない、それは追って通達する」
「了解です、コマンダー」
「よし、では次の件だが……ジェイコブ例のモノはどうだ?」
聴取を終えたソルジャー・マツモトに待機を命じ、同室内で彼女が上位管理者アンドロイドに持たされた段ボール箱中身の調査確認を行っていたメカニックソルジャーに進捗を訪ねるコマンダー・ジャンヌ。
「コマンダー殿、結論から申し上げますとこの箱の中身は全て我々に危害を加える類の物ではありません。
付属のメモによりますとこの黒い服は防弾、防刃仕様であると同時に防電、防熱、防寒仕様の戦闘用アンダーウェアだそうです。防弾は未確認ですが防刃性能は嘘ではなさそうです」
ジェイコブは黒い全身タイツを一枚取り出し、デスク上に用意していたソルジャーナイフをザクザク突き立てつつ横に切り裂く実演をして見せるがペラペラの黒タイツには穴も開かず裂け目も出来ない。
「そしでこのグラサン猫のポーチ内のUSBメモリ内にあったのはgazou.file端子データと3Dプリンター用の立体図面データの2点でした」
そう言いつつノートパソコンをぐるりと回してコマンダーとマツモトに画面を見せるジェイコブ。
コマンダー・ジャンヌとソルジャー・マツモトは3DCGで描写されたアサルトライフル型重火器の立体図面を理解しようとするがその情報量の多さに一瞬であきらめる。
「ジェイコブ、済まないがメカニックソルジャーではない私たちでも分かるようにそれについて説明してくれないか?」
「失礼しました、コマンダー!! ついいつもの癖で……簡略に申し上げますとこれは現在我がレジスタンス軍部隊の主力兵器となっている対アンドロイド仕様アサルトライフルの改良図面。
どうやらこの改良を施すことにより現状サン博士殿しかお持ちでない自動充電機能付き電撃銃機構を追加できるようです」
「それは本当か、ジェイコブ!!」
「ええ、本当でございますコマンダー。
それに必要となる資材の算出はまだ途中ですが……第三区画のゴソウカンでエージェント殿方が荒稼ぎしたあの銃火器を全て改造するのは不可能ではないかと思われます」
わけもわからぬまま自分が持ち帰らせられたUSBメモリのデータがそんなすごい武器の図面だったとは……コマンダーとメカニックの話を聞きつつも話に割入れないソルジャー・マツモト。
「とりあえず、まずはそのデータをもとに3Dプリンターで改造試作。
そしてエージェント・サンがお戻りになったらすぐにご報告と今後の活用の件でご相談を……」
『させねぇよ!! ヴァーカ!!』
「!!」
「なにっ!?」
「この声は!!」
突如室内のスピーカーから流れ出す大音声に3人は動きが止まる。
【MMS 第90話につづく】
レジスタンス軍第36部隊拠点(仮)となっている中央管理施設。
「……なるほと そういうことがあったのか」
警戒中のソルジャー達の前に突如現れた光の穴から着ぐるみパジャマ姿でワープ帰還したソルジャー・マツモト。
その本人確認とボディチェックの後、司令官代理として直々に事情聴取を行ったコマンダー・ジャンヌは考える。
「ご心配をおかけして申し訳ありません、コマンダー」
女性ソルジャーによるボディチェックの際に着替えたスポーツブラ&スパッツ姿でパイプ椅子に座った少女兵士・マツモトは上官に謝罪する。
「今回の人質の件は敵による参戦指名が発端とはいえ……お前が一介のソルジャーとして上官命令無視と独断行動を試みた件は事実。
無事に帰還したとは言え処罰は与えねばならない、それは追って通達する」
「了解です、コマンダー」
「よし、では次の件だが……ジェイコブ例のモノはどうだ?」
聴取を終えたソルジャー・マツモトに待機を命じ、同室内で彼女が上位管理者アンドロイドに持たされた段ボール箱中身の調査確認を行っていたメカニックソルジャーに進捗を訪ねるコマンダー・ジャンヌ。
「コマンダー殿、結論から申し上げますとこの箱の中身は全て我々に危害を加える類の物ではありません。
付属のメモによりますとこの黒い服は防弾、防刃仕様であると同時に防電、防熱、防寒仕様の戦闘用アンダーウェアだそうです。防弾は未確認ですが防刃性能は嘘ではなさそうです」
ジェイコブは黒い全身タイツを一枚取り出し、デスク上に用意していたソルジャーナイフをザクザク突き立てつつ横に切り裂く実演をして見せるがペラペラの黒タイツには穴も開かず裂け目も出来ない。
「そしでこのグラサン猫のポーチ内のUSBメモリ内にあったのはgazou.file端子データと3Dプリンター用の立体図面データの2点でした」
そう言いつつノートパソコンをぐるりと回してコマンダーとマツモトに画面を見せるジェイコブ。
コマンダー・ジャンヌとソルジャー・マツモトは3DCGで描写されたアサルトライフル型重火器の立体図面を理解しようとするがその情報量の多さに一瞬であきらめる。
「ジェイコブ、済まないがメカニックソルジャーではない私たちでも分かるようにそれについて説明してくれないか?」
「失礼しました、コマンダー!! ついいつもの癖で……簡略に申し上げますとこれは現在我がレジスタンス軍部隊の主力兵器となっている対アンドロイド仕様アサルトライフルの改良図面。
どうやらこの改良を施すことにより現状サン博士殿しかお持ちでない自動充電機能付き電撃銃機構を追加できるようです」
「それは本当か、ジェイコブ!!」
「ええ、本当でございますコマンダー。
それに必要となる資材の算出はまだ途中ですが……第三区画のゴソウカンでエージェント殿方が荒稼ぎしたあの銃火器を全て改造するのは不可能ではないかと思われます」
わけもわからぬまま自分が持ち帰らせられたUSBメモリのデータがそんなすごい武器の図面だったとは……コマンダーとメカニックの話を聞きつつも話に割入れないソルジャー・マツモト。
「とりあえず、まずはそのデータをもとに3Dプリンターで改造試作。
そしてエージェント・サンがお戻りになったらすぐにご報告と今後の活用の件でご相談を……」
『させねぇよ!! ヴァーカ!!』
「!!」
「なにっ!?」
「この声は!!」
突如室内のスピーカーから流れ出す大音声に3人は動きが止まる。
【MMS 第90話につづく】
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!
ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった!
もしかすると 悪役にしか見えない?
私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」
そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる