88 / 111
【第五章:エデン第五区画/特殊物理学研究ラボ】
【第88話】
しおりを挟む
『ぴぎゃああああん!!』
『おひり、壊れる、壊れるう!!』
交互にリズミカルに、時には片方を休ませつつ片方を集中連撃と言う緩急を付けた尻叩きを何十発もキンカク&ギンカク姉妹に食らわせ続けるサン博士。
「真っ赤に腫れるなんて よく出来た人造皮膚なのねえ?」
叩かれると赤くなる人間の皮膚の炎症状態をもほぼ完全再現してしまうミクラ・ブレイン謹製のアンドロイド用人工皮膚に関心を抱きつつも手を休めないサン博士に対し、痛覚センサーアラートで人工知能が処理落ち寸前の姉妹は赦しを乞いながら泣き叫ぶばかりだ。
『なあ、これどうすればいいんだブウ?』
討伐対象である上位管理者アンドロイドであるキンカク&ギンカク姉妹の無力化と拘東に成功したのはとにかく、サン博士の逆鱗に触れてしまったが故に泣いて謝っても許されない無限スパンキングに処されると言う展開に戸惑うばかりのピッグマン。
『私に問われても……モンキーマン殿はなにかご存じで?』
右のピッグマンから来た質問をそのまま左のモンキーマンへと流すカッパマン。
『まあ確かに俺と博士はこの人類VSミクラ・ブレインの戦争において開戦直後から幾多の死地を乗り越えてきた唯一無二のパートナーだ。
だが、俺でもやらん挑発行為をやってのけたあいつらはもう……』
要するに貴方でも無理なんですね。
ピッグマンとカッパマンはモンキーマンの婉曲な言い回しにいろいろな意味で納得する。
『うむ、それはその通りだモンキーマンよ。だが我としても愛娘達がそっちの性癖に目覚められても困る。無理を承知でどうにかするしかあるまい……』
『だからしつこ……ミクラ博士!?』
いつの間にかモンキーマンのすぐ隣に出現じていたこざっぱりした黒髪に眼鏡、ズボンとYシャツ上に白衣を羽織った若い男。
10年前の人工知能暴走の際にエデンからの脱出確認がとれず、事実上の死亡とされていたプロジェクト・エデン総合責任者にして世紀を代表した天才科学者ミクラ・フトウが在りし日の姿で現れると言う事態に3体の戦闘用アンドロイド達は思わずバックジャンプし、博士を守る態勢を取る。
『SYK―000、そう騒ぐな。
この姿は在りし日のミクラ・フトウを我が開発した立体ホログラム機器で再現した代物。
かつての人類に愛されたCGアイドルやヴォイチューバー技術とかの発展形でありそなたらに危害を加えることが可能な代物ではない』
ミクラ・フトウの姿と口を借りてチーム・サンに語り掛けるミクラ・ブレインは直角に曲げた右腕をわざと部分的に砂嵐にして立体ホログラムである事を見せる。
「それで何かしら? お仕置きも済んだし今からコイツ等をぶっ壊すことに異議あり!! とでも言うのかしら?」
サン博士に引っぱたかれまくった結果、アンドロイドボディなのに何故か真っ赤に腫れあがった臀部。
恐怖と激痛、そして認めてはいけないであろう何かを感じてしまうわけの分からなさ故の涙と鼻水でぐじゃぐじゃの顔のまま息も荒く全身を震わせる上位管理者アンドロイド姉妹、キンカク&ギンカクは涙目で命乞いする。
『うむ、それはやむを得ぬと言いたいところなのだが……そなた等に知らせねばならない事がある。まずはこれを見るがよい』
そう言いつつ指を鳴らし、特殊物理学ラボ内中空に巨大エアモニターを映し出すホログラム・ミクラ。
『こっ、これは!?』
『まずいですぞ、博士!!』
「急いで戻らないと!!」
そこに映し出されたエデン第二区画の光景を前に立ち上がるサン博士。
『先刻そなたらが奪ったベニヒサゴとジョウビョウを使うがよい。
先ほどの特殊物理兵器対応アップデート済みのそなたらアンドロイドならマップ情報と座標を利用して瞬間移動できるはずだ』
「モンキーマン!!」
『おうっ!!』
ホログラム・ミクラの説明を受けたモンキーマンはすぐにベニヒサゴとジョウビョウを取り出し、仲間の救援に向かうべくその引き金に手をかける。
【MMS 第89話につづく】
『おひり、壊れる、壊れるう!!』
交互にリズミカルに、時には片方を休ませつつ片方を集中連撃と言う緩急を付けた尻叩きを何十発もキンカク&ギンカク姉妹に食らわせ続けるサン博士。
「真っ赤に腫れるなんて よく出来た人造皮膚なのねえ?」
叩かれると赤くなる人間の皮膚の炎症状態をもほぼ完全再現してしまうミクラ・ブレイン謹製のアンドロイド用人工皮膚に関心を抱きつつも手を休めないサン博士に対し、痛覚センサーアラートで人工知能が処理落ち寸前の姉妹は赦しを乞いながら泣き叫ぶばかりだ。
『なあ、これどうすればいいんだブウ?』
討伐対象である上位管理者アンドロイドであるキンカク&ギンカク姉妹の無力化と拘東に成功したのはとにかく、サン博士の逆鱗に触れてしまったが故に泣いて謝っても許されない無限スパンキングに処されると言う展開に戸惑うばかりのピッグマン。
『私に問われても……モンキーマン殿はなにかご存じで?』
右のピッグマンから来た質問をそのまま左のモンキーマンへと流すカッパマン。
『まあ確かに俺と博士はこの人類VSミクラ・ブレインの戦争において開戦直後から幾多の死地を乗り越えてきた唯一無二のパートナーだ。
だが、俺でもやらん挑発行為をやってのけたあいつらはもう……』
要するに貴方でも無理なんですね。
ピッグマンとカッパマンはモンキーマンの婉曲な言い回しにいろいろな意味で納得する。
『うむ、それはその通りだモンキーマンよ。だが我としても愛娘達がそっちの性癖に目覚められても困る。無理を承知でどうにかするしかあるまい……』
『だからしつこ……ミクラ博士!?』
いつの間にかモンキーマンのすぐ隣に出現じていたこざっぱりした黒髪に眼鏡、ズボンとYシャツ上に白衣を羽織った若い男。
10年前の人工知能暴走の際にエデンからの脱出確認がとれず、事実上の死亡とされていたプロジェクト・エデン総合責任者にして世紀を代表した天才科学者ミクラ・フトウが在りし日の姿で現れると言う事態に3体の戦闘用アンドロイド達は思わずバックジャンプし、博士を守る態勢を取る。
『SYK―000、そう騒ぐな。
この姿は在りし日のミクラ・フトウを我が開発した立体ホログラム機器で再現した代物。
かつての人類に愛されたCGアイドルやヴォイチューバー技術とかの発展形でありそなたらに危害を加えることが可能な代物ではない』
ミクラ・フトウの姿と口を借りてチーム・サンに語り掛けるミクラ・ブレインは直角に曲げた右腕をわざと部分的に砂嵐にして立体ホログラムである事を見せる。
「それで何かしら? お仕置きも済んだし今からコイツ等をぶっ壊すことに異議あり!! とでも言うのかしら?」
サン博士に引っぱたかれまくった結果、アンドロイドボディなのに何故か真っ赤に腫れあがった臀部。
恐怖と激痛、そして認めてはいけないであろう何かを感じてしまうわけの分からなさ故の涙と鼻水でぐじゃぐじゃの顔のまま息も荒く全身を震わせる上位管理者アンドロイド姉妹、キンカク&ギンカクは涙目で命乞いする。
『うむ、それはやむを得ぬと言いたいところなのだが……そなた等に知らせねばならない事がある。まずはこれを見るがよい』
そう言いつつ指を鳴らし、特殊物理学ラボ内中空に巨大エアモニターを映し出すホログラム・ミクラ。
『こっ、これは!?』
『まずいですぞ、博士!!』
「急いで戻らないと!!」
そこに映し出されたエデン第二区画の光景を前に立ち上がるサン博士。
『先刻そなたらが奪ったベニヒサゴとジョウビョウを使うがよい。
先ほどの特殊物理兵器対応アップデート済みのそなたらアンドロイドならマップ情報と座標を利用して瞬間移動できるはずだ』
「モンキーマン!!」
『おうっ!!』
ホログラム・ミクラの説明を受けたモンキーマンはすぐにベニヒサゴとジョウビョウを取り出し、仲間の救援に向かうべくその引き金に手をかける。
【MMS 第89話につづく】
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!
ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった!
もしかすると 悪役にしか見えない?
私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」
そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる