MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士

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【第五章:エデン第五区画/特殊物理学研究ラボ】

【第62話】

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『海……? まさかとは思うがお前ら、ここに着いた時第一埠頭で俺らと戦った番人か?』 油断させるための演技とかそう言うのでは無いまさかのマジコメディ展開に脱力しつつもサンタイセンに確認するモンキーマン。
『その通りだ!! 我ら三兄弟、あの時は油断と慢心故に敗北を喫したが……あの経験から多くを学び、新たなる戦闘用アンドロイドボディとキンカク&ギンカク様謹製の武器を得た我らに敵無し!!
 覚悟しろ、SYK-000!!』
 コリキセンリーダーの猛々しい口上と共にゆったりとした白ローブに手をいれた3人。

 全長1メートル程の鍔無し両刃剣を取り出し構えるコリキセン。
 輪にした金色の巻き帯を取り出し、肩にかけるヨウリキセン。
 身の丈程もある巨大な団扇を取り出して上段に構えたロクリキセン。

 コリキセンの両刃剣はとにかく、その他2人が持つ明らかに武器ではない縄帯と巨大団扇もコリキセンの言う事が事実なら何らかの戦闘用アンドロイド武器なのであろう。
 未知のテクノロジーをサン博士と戦闘用アンドロイド三人衆はすぐに応戦態勢に入る。

 同時刻、エデン第五区画・特殊物理研究ラボ内中央管理室。
『うふふ、ついに始まるわね……コウガイジ様、見えていますか?』
 監視カメラ映像で部下のサンリキセンVSチーム・サンが地下保管庫で激突する様見ていた蜘妹メイドアンドロイドのジェインは細目で満足気に笑いつつキンカク&ギンカクの遊び相手をしているコウガイジに映像共有出来ているか確認する。
『大丈夫だぜテッセンさん、きちんと見えてる』
『コウガイジ様 失礼ながらテッセンさんとはどちら様でしょうか?』
『わりい、間違えた!! 今、ジョイステーション64の『KADANA』で2VS2のチーム戦中でさ……マツモトちゃんがレトロゲーポリゴン酔いでダウンしちゃったから俺が一人で母ちゃん達の相手中なのよ。
 母ちゃん達FPS強すぎだけどさ……状況把握はきちんと出来てるから安心してくれ』
『……それならしょうがないわね、コウガイジ様。
 私はリュートですからね、今後はお間違いないようにお気を付けください』
 ジェインは上位管理者アンドロイド、キンカク&ギンカク姉妹に仕える特殊人型アンドロイドと言う立場でありながらコウガイジに強めの言葉で命じる。
『ああ分かってるよ、リュートわりぃ。それよりあいつらにあんな物騒なモン持たせて大丈夫だったのか?
 コクフウカイのバカの後始末で塩を送った俺が言うのもなんだが……あいつらが倒されてアレを回収されたら俺達にとっても脅威レベルでレジスタンス軍の戦力大幅アップになっちまうんじゃねえの?』
 ジョイステーション64のコントローラー2個を手と足で操作しつつ、心配そうな声で通信を続けるコウガイジ。
『うふふ、コウガイジ様はお優しいのですね……まああのアンドロイドボディに合わせた出力調整も完了しておりますし。
 それにあの3体の三位一体設定はミクラ・ブレイン様の命でキンカク&ギンカク様に搭載予定だったあの戦闘システムの試験機に内蔵するには丁度いい人工知能設定だったからいいんじゃないかしら?
 それに豚もおだてりゃ木に登るっていいますしね……ふふふ』
 リュートは中央管理室でクスクス笑いながらコウガイジに答える。
『豚もおだてりゃねえ……まあいいんじゃねえの?
 どのみちこの第五区画で研究されている技術は超人工知能である主様でもまだ未解明にして不明な点が多いし、あの下級戦闘用アンドロイド達もそれの実証実験も兼ねたかませ犬として派手に散れればグッジョブってとこか?』
『まあそんなところね。
 それに科学技術力面においても私達エデンのアンドロイドが有するモノとかつてこの星の支配者だった今の人間さんが用いれるモノじゃあ色々な意味で差が開きすぎてるから私達の技術が少々漏れた所でどってことないしね……アンタのために記録映像データも残しておくからキンカクとギンカクの見張り頼むわよ!!』
『テッセン、あんたもお口が滑ってるぜ……まあ任せときな!!』
 コウガイジからの通信はブチッと切られる。

『ちっ、あのバカ好き勝手言いやがって……ミスったアタシも悪いけど揚げ足取りって好きじゃないのよね!!』 
 リュートは舌打ちしながら監視モニターを注視し続ける。

【MMS 第63話につづく】
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