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【第四章:エデン第三区画/旧総合医療技術研究施設棟】
【第44話】
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『お前らよく来た武ゥ……我が名はコンセイマオウ。
このエデン第三区画、生命進化ラボエリアを管轄する上位管理者アンドロイドだ武ゥ』
ガイドアンドロイドのサリーに案内されてゴソウカン最上階に通されたサン博士以下3名。
それを出迎えるのは巨大な玉座に座り、右手に持った金魚鉢の如く巨大な球体ワイングラスに注がれた赤ワインをくるくる回しながらその香りを堪能している赤マントに頑強な甲胃の巨大人型アンドロイドだ。
『……デケェな』
人型戦闘用アンドロイドとして身長2メートルある自身でも見上げてしまう程の巨大人型戦闘用アンドロイド。
雑な目測でも5・6メートルは優にある超巨躯を前にモンキーマンは生唾を呑む。
『武ヒヒヒヒ!! オメエさんの口からそんな言葉が聞けるなんてこいつは幸先いい武ゥ!! あのおっそろしい力を持つオメェをぶっ壊したとありゃあ、ミクラ様のオイラの評価はアゲアゲ!! 上位管理者アンドロイド昇格も夢じゃない武ゥ!!』
(モンキーマン殿、博士、今の言葉聞こえましたか!?)
(ああ聞こえたぜカッパマン……コイツ、まさか偽物の上位管理者アンドロイドなのか?)
(カッパマン殿をディスるわけではありませんが……あいつ、間違いなく紳士要素ゼロな変態です!!)
(そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない……とにかく倒すしかないわ!!)
重厚な武人の見た目に反して妙に軽薄すぎる言動と最後の謎発言にざわめく4人。
油断させるためのキャラ作り&混乱をもたらすための謎発言にしてはリアルすぎるそれに流されつつある仲間を正気に引き戻したサン博士はフルチャージされた二丁電撃銃を抜く。
『武ヒヒヒヒ、そうでなくては!! そうでなくては!! 武ゥ人の血が騒ぎますぞ!!』
ワイングラスを握りつぶし、すぐさま腰の青龍刀を抜いたコンセイマオウ。
そのまま柄を両手持ちにし、右上段に構える様にモンキーマンとカッパマンの戦闘用人工知能は瞬時に反応。
『走るのデス!!』
コンマ数秒の差でモンキーマンより先に最適解のアウトプットに至ったカッパマンは後ろの女性達に叫ぶ。
『武ゥ!!』
分厚く重量級の刃で文字通り叩き切る事を目的とした青龍刀。
刃の部分だけでも2メートル近くあり、全体重量では云トン級の巨大なそれをコンセイマオウは回転力をかけながらぶん投げ攻撃。
カッパマン&モンキーマンの予測とは全く違う攻撃だったものの左右に駆けだしていた4人を外れたそれは金属の壁を引き裂いてぶっ刺さり、ビィィィンと震動する。
「このバケモノめ!!」
走りながらのスライディングで運良くも敵の懐に飛び込んだソルジャー・マツモトはすぐに射撃体勢を取り、人型アンドロイドのセンサー系統が集中している顔面目掛けて自動小銃を乱射牽制。
『デュフフフフ……』
それを全く意に介していないコンセイマオウは対アンドロイド弾を跳弾させつつズシズシとマツモトに迫る。
『でもこれぐらいヤンチャな方が 調教しがいがあると言うもんだ武ゥ!!』
対アンドロイド弾でセンサー破壊どころか無効化されている、と言う事実に気づき死の恐怖で身動きが取れないソルジャー・マツモトにコンセイマオウが手を伸ばそうとしたその時だった。
『おやめなさい!! この変態外道!!』
『ぐおっ!!』
散開して身を隠したカッパマンに背後を取られ、カッパワイヤーでアンドロイドボディ主要駆動関節を絡め取られたコンセイマオウ。
いくら巨大青龍刀をぶん投げるだけのパワーがあってもこれでは身動きが取れないコンセイマオウは万事休すに陥る。
『グラビディブレイド!!』
『武ゥ!?』
謎のぐにゃり感と衝撃で挟り削られる戦闘アンドロイド用超特殊合金製のボディとそれに続く目に見えない万力に挟まれたかのような圧に潰されかけるコンセイマオウ。
『ぐっ 武ゥうううう!! 何と言う圧と衝撃!! これが噂のグラビディブレイド!? ひゃっほおおい!!』
圧力センサーアラートが戦闘用人工知能内でガンガン鳴り響き、全身が嫌な音をたててひしゃげそうになっていく中コンセイマオウは喜びかヤケバチか分からなくなるハイテンションさで叫ぶ。
【MMS 第45話に続く】
このエデン第三区画、生命進化ラボエリアを管轄する上位管理者アンドロイドだ武ゥ』
ガイドアンドロイドのサリーに案内されてゴソウカン最上階に通されたサン博士以下3名。
それを出迎えるのは巨大な玉座に座り、右手に持った金魚鉢の如く巨大な球体ワイングラスに注がれた赤ワインをくるくる回しながらその香りを堪能している赤マントに頑強な甲胃の巨大人型アンドロイドだ。
『……デケェな』
人型戦闘用アンドロイドとして身長2メートルある自身でも見上げてしまう程の巨大人型戦闘用アンドロイド。
雑な目測でも5・6メートルは優にある超巨躯を前にモンキーマンは生唾を呑む。
『武ヒヒヒヒ!! オメエさんの口からそんな言葉が聞けるなんてこいつは幸先いい武ゥ!! あのおっそろしい力を持つオメェをぶっ壊したとありゃあ、ミクラ様のオイラの評価はアゲアゲ!! 上位管理者アンドロイド昇格も夢じゃない武ゥ!!』
(モンキーマン殿、博士、今の言葉聞こえましたか!?)
(ああ聞こえたぜカッパマン……コイツ、まさか偽物の上位管理者アンドロイドなのか?)
(カッパマン殿をディスるわけではありませんが……あいつ、間違いなく紳士要素ゼロな変態です!!)
(そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない……とにかく倒すしかないわ!!)
重厚な武人の見た目に反して妙に軽薄すぎる言動と最後の謎発言にざわめく4人。
油断させるためのキャラ作り&混乱をもたらすための謎発言にしてはリアルすぎるそれに流されつつある仲間を正気に引き戻したサン博士はフルチャージされた二丁電撃銃を抜く。
『武ヒヒヒヒ、そうでなくては!! そうでなくては!! 武ゥ人の血が騒ぎますぞ!!』
ワイングラスを握りつぶし、すぐさま腰の青龍刀を抜いたコンセイマオウ。
そのまま柄を両手持ちにし、右上段に構える様にモンキーマンとカッパマンの戦闘用人工知能は瞬時に反応。
『走るのデス!!』
コンマ数秒の差でモンキーマンより先に最適解のアウトプットに至ったカッパマンは後ろの女性達に叫ぶ。
『武ゥ!!』
分厚く重量級の刃で文字通り叩き切る事を目的とした青龍刀。
刃の部分だけでも2メートル近くあり、全体重量では云トン級の巨大なそれをコンセイマオウは回転力をかけながらぶん投げ攻撃。
カッパマン&モンキーマンの予測とは全く違う攻撃だったものの左右に駆けだしていた4人を外れたそれは金属の壁を引き裂いてぶっ刺さり、ビィィィンと震動する。
「このバケモノめ!!」
走りながらのスライディングで運良くも敵の懐に飛び込んだソルジャー・マツモトはすぐに射撃体勢を取り、人型アンドロイドのセンサー系統が集中している顔面目掛けて自動小銃を乱射牽制。
『デュフフフフ……』
それを全く意に介していないコンセイマオウは対アンドロイド弾を跳弾させつつズシズシとマツモトに迫る。
『でもこれぐらいヤンチャな方が 調教しがいがあると言うもんだ武ゥ!!』
対アンドロイド弾でセンサー破壊どころか無効化されている、と言う事実に気づき死の恐怖で身動きが取れないソルジャー・マツモトにコンセイマオウが手を伸ばそうとしたその時だった。
『おやめなさい!! この変態外道!!』
『ぐおっ!!』
散開して身を隠したカッパマンに背後を取られ、カッパワイヤーでアンドロイドボディ主要駆動関節を絡め取られたコンセイマオウ。
いくら巨大青龍刀をぶん投げるだけのパワーがあってもこれでは身動きが取れないコンセイマオウは万事休すに陥る。
『グラビディブレイド!!』
『武ゥ!?』
謎のぐにゃり感と衝撃で挟り削られる戦闘アンドロイド用超特殊合金製のボディとそれに続く目に見えない万力に挟まれたかのような圧に潰されかけるコンセイマオウ。
『ぐっ 武ゥうううう!! 何と言う圧と衝撃!! これが噂のグラビディブレイド!? ひゃっほおおい!!』
圧力センサーアラートが戦闘用人工知能内でガンガン鳴り響き、全身が嫌な音をたててひしゃげそうになっていく中コンセイマオウは喜びかヤケバチか分からなくなるハイテンションさで叫ぶ。
【MMS 第45話に続く】
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