29 / 111
【第三章:エデン第一区画/旧動植物研究所ビオトープエリア】
【第29話】
しおりを挟む
(今の衝撃は何!?)
エデン第一区画、旧迎賓館地下で拘束椅子に括り付けられ医療用吸入マスクを装着されたたまま放置されていたサン博士。
(モンキーマンの内蔵兵器とは考えにくいし……まさか新手の敵襲!?)
グラビディブレイドの存在を知る由もないサン博士は最悪の可能性を思考する。
(まずいわ、こんなあられもない姿で捕まっていたら……どうにかしないと!!)
サン博士は無人の部屋を見回し、何か自力で脱出する手段はないか必死に模索する。
(とにかくアレを奪うか破壊しなくては!!)
旧エデン迎賓館の1階ラウンジでリュートと対時する人型戦闘用アンドロイドのモンキーマン&カッパマン。
博士を人質に取った戦闘力未知数の上位管理者アンドロイドが一撃必死攻撃を用いると言う退避を許されない状況下で2人は勝機を導き出そうとする。
『……』
そんな中でグラビディブレイドを両手持ちし、正眼で横に構えていたリュートはゆっくりと刃を下に下げる。
(切り上げるつもりか!?)
敵の一挙一動に注視する2人の前で何故か床にそれを突き立てたリュートは手を放し、人型上半身の服の裾をつまむ。
(そう来ますか!!)
蜘妹アンドロイドメイドのへそに仕込まれた粘糸ネット弾と同じ物が来る。
そう察したカッパマンはカッパオイル塗布済みの笠を盾持ちで構える。
『スコーピオンストマックガトリング!!』
『ひえええええ!!』
めくりあげられてあらわになる腹部の空洞とそこに隠されていた3門の機銃を乱射するリュート。
壁をえぐり壊し、狭い室内でぶつかり合って跳弾するそれらの不意打ちに2人は必死に駆け回って交わす。
『カッパマン!!』
『!?』
モンキーマンの警告でリュートのへそではなく手のひらに隠されていた2門の粘糸弾発射孔を向けられていた事に気が付いたカッパマン。
そこから撃ちだされた蜘妹アンドロイドメイド軍団の美へそプチサイズとは比較にならない程の巨大粘糸弾2発は機銃弾で空中炸裂し、逃げ場の無い網となってカッパマンに襲い掛かる。
『終わりよ!!』
『ヒィッ!!』
カッパマンの動きを止めた所ですぐさま機銃乱射を止め、グラビディブレイドを掴んで上段に構えて縦に振り下ろそうとするリュート。
カッパマンが完全破壊と言う名のアンドロイドの死を覚悟したその時だった。
『モンキーロッド!!』
機銃で満身創疾のモンキーマンはボルトアクスヘッド装着済みのロッドを下から斜め上にのばしてリュートの腕につっかい棒。
仲間を狙った即死攻撃を止めた一瞬で距離を詰め、鉄拳でその両腕を掴み止める。
『でゃああああ!!』
『美しく作られた物』を壊すのは主義心情に反すると発言したとは言えサン博士をお救いするのであれば話は別。
一気に出力上昇させたモンキーマンはリュートがこの危険な武器を二度と振るえないようにすべくフルパワーでアンドロイド上腕パーツをへし折り、一気に引きちぎる。
『キャアアアアア!! 腕が、腕がああああ!! 痛い、痛いいたいいいいい!!』
人工知能を中からガンガン叩きまくるような痛覚センサーアラートに無い腕で必死で頭を抱えようとするリュート。
『カッパマン、これはサバ折りしてOKか!?』
どうにか奪取に成功した危険物の扱いについて部屋の隅で粘糸ネットに囚われてもがくカッパマンに問うモンキーマン。
『それは多分ダメでございます!! むしろこの強力な粘糸ネットに絡めてしまいましょうぞ!!』
そう言いつつどうにかカッパオイルで自由にした指で網を指さすカッパマン。
その意図を察したモンキーマンはすぐに足下の粘糸網にグラビディブレイドを突き立ててそのままぐるぐる回し、粘糸塊に包みこんで引き抜けないようにしてしまう。
【第30話に続く】
エデン第一区画、旧迎賓館地下で拘束椅子に括り付けられ医療用吸入マスクを装着されたたまま放置されていたサン博士。
(モンキーマンの内蔵兵器とは考えにくいし……まさか新手の敵襲!?)
グラビディブレイドの存在を知る由もないサン博士は最悪の可能性を思考する。
(まずいわ、こんなあられもない姿で捕まっていたら……どうにかしないと!!)
サン博士は無人の部屋を見回し、何か自力で脱出する手段はないか必死に模索する。
(とにかくアレを奪うか破壊しなくては!!)
旧エデン迎賓館の1階ラウンジでリュートと対時する人型戦闘用アンドロイドのモンキーマン&カッパマン。
博士を人質に取った戦闘力未知数の上位管理者アンドロイドが一撃必死攻撃を用いると言う退避を許されない状況下で2人は勝機を導き出そうとする。
『……』
そんな中でグラビディブレイドを両手持ちし、正眼で横に構えていたリュートはゆっくりと刃を下に下げる。
(切り上げるつもりか!?)
敵の一挙一動に注視する2人の前で何故か床にそれを突き立てたリュートは手を放し、人型上半身の服の裾をつまむ。
(そう来ますか!!)
蜘妹アンドロイドメイドのへそに仕込まれた粘糸ネット弾と同じ物が来る。
そう察したカッパマンはカッパオイル塗布済みの笠を盾持ちで構える。
『スコーピオンストマックガトリング!!』
『ひえええええ!!』
めくりあげられてあらわになる腹部の空洞とそこに隠されていた3門の機銃を乱射するリュート。
壁をえぐり壊し、狭い室内でぶつかり合って跳弾するそれらの不意打ちに2人は必死に駆け回って交わす。
『カッパマン!!』
『!?』
モンキーマンの警告でリュートのへそではなく手のひらに隠されていた2門の粘糸弾発射孔を向けられていた事に気が付いたカッパマン。
そこから撃ちだされた蜘妹アンドロイドメイド軍団の美へそプチサイズとは比較にならない程の巨大粘糸弾2発は機銃弾で空中炸裂し、逃げ場の無い網となってカッパマンに襲い掛かる。
『終わりよ!!』
『ヒィッ!!』
カッパマンの動きを止めた所ですぐさま機銃乱射を止め、グラビディブレイドを掴んで上段に構えて縦に振り下ろそうとするリュート。
カッパマンが完全破壊と言う名のアンドロイドの死を覚悟したその時だった。
『モンキーロッド!!』
機銃で満身創疾のモンキーマンはボルトアクスヘッド装着済みのロッドを下から斜め上にのばしてリュートの腕につっかい棒。
仲間を狙った即死攻撃を止めた一瞬で距離を詰め、鉄拳でその両腕を掴み止める。
『でゃああああ!!』
『美しく作られた物』を壊すのは主義心情に反すると発言したとは言えサン博士をお救いするのであれば話は別。
一気に出力上昇させたモンキーマンはリュートがこの危険な武器を二度と振るえないようにすべくフルパワーでアンドロイド上腕パーツをへし折り、一気に引きちぎる。
『キャアアアアア!! 腕が、腕がああああ!! 痛い、痛いいたいいいいい!!』
人工知能を中からガンガン叩きまくるような痛覚センサーアラートに無い腕で必死で頭を抱えようとするリュート。
『カッパマン、これはサバ折りしてOKか!?』
どうにか奪取に成功した危険物の扱いについて部屋の隅で粘糸ネットに囚われてもがくカッパマンに問うモンキーマン。
『それは多分ダメでございます!! むしろこの強力な粘糸ネットに絡めてしまいましょうぞ!!』
そう言いつつどうにかカッパオイルで自由にした指で網を指さすカッパマン。
その意図を察したモンキーマンはすぐに足下の粘糸網にグラビディブレイドを突き立ててそのままぐるぐる回し、粘糸塊に包みこんで引き抜けないようにしてしまう。
【第30話に続く】
1
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる