26 / 82
【第三章:エデン第一区画/旧動植物研究所ビオトープエリア】
【第26話】
しおりを挟む
『緊急警報!! 緊急警報!! 侵入者!! 侵入者あり!!』
エデン第一区画、旧動植物研究ビオトープエリア中央管理施設である旧迎賓館全体に響くサイレンと緊急警報。
『カッパマン、行くぜ!!』
緊急事態とは言え物理的に強硬突入した当然の結果に陥りつつも傍らのパートナーを鼓舞するモンキーマン。
『こちらこそ……チーム・サン初陣よろしくお願いいたします、モンキーマン殿!!』
モンキーマンのパートナーとして並んで走る細長い噛と暗視ゴーグルを持つ細身の人型戦闘用アンドロイド・カッパマンは笠の端をつまんで会釈する。
『チーム・サンか、いい名前じゃねえか!! お前賢いな!!』
『ありがとうございます、モンキーマン殿……来ますぞ!!』
暗い廊下の前方から2人に襲い掛かる見覚えのある白球弾幕。
『カッパフリスビー!!』
地下室へ至る道はほぼ1本で、侵入に気づかれている以上待ち伏せされるのは不可避。
粘糸弾の軌道から蜘妹アンドロイドメイドの潜伏箇所を瞬時に算出したカッパマンはすぐに頭の笠を外し、横持ちで回転投げ。
『アクスヘッドブーメラン!!』
前述の通りにカッパマンと同じ判断をしたモンキーマンもすぐに背中のモンキーロッド専用アタッチメントを掴んで横持ち回転投げ。
事前に粘糸無効化オイルを塗布されていたそれは弧を描くように粘糸弾に正面衝突して融解無効化。
『ぎゃっ!!』
『ぐあっ!!』
そして2人のダブルブーメランが暗闇から戻ってキャッチすると同時に2体の蜘妹アンドロイドメイドが天井から落ちて来る。
『はあっ!!』
暗闇に潜む敵をはたき出したカッパマンは背中の小刀二刀を抜き、敵が態勢を立て直す間も与えずナイフ投げ。
風を切って飛ぶその刃は粘糸弾発射口となるへそに深く突き刺さる。
『ON!!』
『ぐあああああああ!!』
『きゃあああああ!?』
遠隔操作で超振動切断スイッチが入ったナイフの衝撃をゼロ距離、それも精密機器が大量に詰め込まれた内部に直接流し込まれた2体の蜘妹アンドロイドメイドの内部機構は連鎖破壊され、そのまま自己修復不可能レベルの大破で廊下に崩れ落ちる。
『ユカにクレア!!』
目の前で無惨に破壊された仲間の弔い合戦とばかりに2人に襲い掛かる蜘妹メイドアンドロイド4体。
『カッパマン、下がれ!!』
自身の武器をシュコンと縮ませて腕内の収納スペースにしまったモンキーマンは仲間を下がらせ、棍棒・手斧・銃で武装した敵に対時する。
『モンキーパンチ!!』
『ごばっ……』
天井ダッシュで棍棒を振り下ろしてきた蜘妹メイドアンドロイド・アンナを腹パンの一撃で機能停止。
『モンキーキック!!』
『があっ!!』
続いて手斧で脇腹を狙ってきた蜘妹メイドアンドロイド・ターマの武器をムエタイキックで叩き落とし、その勢いのままに蜘妹下半身の節足をボディもろとも粉砕するモンキーマン
『アンナにターマ!!』
敵はあのSYK-000、モンキーマン。
本来戦闘用ではない人型アンドロイドの自分達が隠密工作&エリア監視調査用に魔改造されて銃火器を持ったところで勝ち目があるわけがない事は明らか。
それでも瞬殺された4体の仲間の後を追う覚悟を決めていたSYK-72-03、ホリィとSYK-72-05、ノーラは対アンドロイド弾装填済みの拳銃の引き金に指をあてようとする。
『ほほほ、お嬢さん。落とし物にはご注意なすった方が良いですぞ?』
『えっ?』
『あれっ?』
そんな緊迫下の一瞬で手中から消え失せ、モンキーマンの後ろにいたカッパマンの手中に収まっていた拳銃。
『ぎっ!!』
『グエッ!!』
全身に細く鋭い何かが食い込む痛覚ダメージアラートと共に天井に吊り下げられた2体の蜘妹アンドロイドメイド。
いつの間にか切断されて床に残された2対8本×2体、合計16本の機械節足と1対2本×2体、合計4本の人間上半身アンドロイドアームを直視して敗北を悟ったホリィとノーラは目を閉じる。
【第27話に続く】
エデン第一区画、旧動植物研究ビオトープエリア中央管理施設である旧迎賓館全体に響くサイレンと緊急警報。
『カッパマン、行くぜ!!』
緊急事態とは言え物理的に強硬突入した当然の結果に陥りつつも傍らのパートナーを鼓舞するモンキーマン。
『こちらこそ……チーム・サン初陣よろしくお願いいたします、モンキーマン殿!!』
モンキーマンのパートナーとして並んで走る細長い噛と暗視ゴーグルを持つ細身の人型戦闘用アンドロイド・カッパマンは笠の端をつまんで会釈する。
『チーム・サンか、いい名前じゃねえか!! お前賢いな!!』
『ありがとうございます、モンキーマン殿……来ますぞ!!』
暗い廊下の前方から2人に襲い掛かる見覚えのある白球弾幕。
『カッパフリスビー!!』
地下室へ至る道はほぼ1本で、侵入に気づかれている以上待ち伏せされるのは不可避。
粘糸弾の軌道から蜘妹アンドロイドメイドの潜伏箇所を瞬時に算出したカッパマンはすぐに頭の笠を外し、横持ちで回転投げ。
『アクスヘッドブーメラン!!』
前述の通りにカッパマンと同じ判断をしたモンキーマンもすぐに背中のモンキーロッド専用アタッチメントを掴んで横持ち回転投げ。
事前に粘糸無効化オイルを塗布されていたそれは弧を描くように粘糸弾に正面衝突して融解無効化。
『ぎゃっ!!』
『ぐあっ!!』
そして2人のダブルブーメランが暗闇から戻ってキャッチすると同時に2体の蜘妹アンドロイドメイドが天井から落ちて来る。
『はあっ!!』
暗闇に潜む敵をはたき出したカッパマンは背中の小刀二刀を抜き、敵が態勢を立て直す間も与えずナイフ投げ。
風を切って飛ぶその刃は粘糸弾発射口となるへそに深く突き刺さる。
『ON!!』
『ぐあああああああ!!』
『きゃあああああ!?』
遠隔操作で超振動切断スイッチが入ったナイフの衝撃をゼロ距離、それも精密機器が大量に詰め込まれた内部に直接流し込まれた2体の蜘妹アンドロイドメイドの内部機構は連鎖破壊され、そのまま自己修復不可能レベルの大破で廊下に崩れ落ちる。
『ユカにクレア!!』
目の前で無惨に破壊された仲間の弔い合戦とばかりに2人に襲い掛かる蜘妹メイドアンドロイド4体。
『カッパマン、下がれ!!』
自身の武器をシュコンと縮ませて腕内の収納スペースにしまったモンキーマンは仲間を下がらせ、棍棒・手斧・銃で武装した敵に対時する。
『モンキーパンチ!!』
『ごばっ……』
天井ダッシュで棍棒を振り下ろしてきた蜘妹メイドアンドロイド・アンナを腹パンの一撃で機能停止。
『モンキーキック!!』
『があっ!!』
続いて手斧で脇腹を狙ってきた蜘妹メイドアンドロイド・ターマの武器をムエタイキックで叩き落とし、その勢いのままに蜘妹下半身の節足をボディもろとも粉砕するモンキーマン
『アンナにターマ!!』
敵はあのSYK-000、モンキーマン。
本来戦闘用ではない人型アンドロイドの自分達が隠密工作&エリア監視調査用に魔改造されて銃火器を持ったところで勝ち目があるわけがない事は明らか。
それでも瞬殺された4体の仲間の後を追う覚悟を決めていたSYK-72-03、ホリィとSYK-72-05、ノーラは対アンドロイド弾装填済みの拳銃の引き金に指をあてようとする。
『ほほほ、お嬢さん。落とし物にはご注意なすった方が良いですぞ?』
『えっ?』
『あれっ?』
そんな緊迫下の一瞬で手中から消え失せ、モンキーマンの後ろにいたカッパマンの手中に収まっていた拳銃。
『ぎっ!!』
『グエッ!!』
全身に細く鋭い何かが食い込む痛覚ダメージアラートと共に天井に吊り下げられた2体の蜘妹アンドロイドメイド。
いつの間にか切断されて床に残された2対8本×2体、合計16本の機械節足と1対2本×2体、合計4本の人間上半身アンドロイドアームを直視して敗北を悟ったホリィとノーラは目を閉じる。
【第27話に続く】
1
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
AIRIS
フューク
SF
AIが禁止され、代わりに魔法という技術が開発された2084年
天才的な青年により人間と変わらない見た目を持ち、思考し、行動するロボットが作られた
その名はアイリス
法を破った青年と完璧なAIアイリスは何処へ向かっていくのか
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ラスト・オブ・文豪
相澤愛美(@アイアイ)
SF
技術の進歩により、AIが小説を書く時代になった。芥川、夏目、川端モデルが開発され、電脳文豪(サイバライター)が小説を出版する様になる。小説好きの菊池栄太郎はある男と出会い、AI小説の危険性を聞き、AIとの小説対決をする事になる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる