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【第三章:エデン第一区画/旧動植物研究所ビオトープエリア】

【第25話】

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「ううっ……ぐうっ……うぐうっ……」
 モンキーマン&カッパマンの突入寸前で蜘妹の糸で再拘東され、エデン迎賓館の地下室に運び込まれていたサン博士。
 外科手術室と思しき同室内でバスローブのみならずシースルーキャミソールとマイクロビキニ&Tバックパンツまでも脱がされて全裸にされた彼女は口をゴムチューブ付き吸入マスクを強制装着されて塞がれた状態で重厚な椅子に手足を強制完全固定拘束。
  『フトウ様、失礼いたします』
 同室内の医療機器コンソールと思しき何かを操作するリュートに準備を命じられた蜘妹アンドロイドメイドたちはサン博士が恐怖のあまり涙するのも構わずの腹部や胸、手足に吸盤式の電極をぺタぺタと装着していく。
「ううーっ!! うーっ!! (助けて、殺さないで!!)」
 生存本能のあまり必死で声を出し、十指までも完全固定された手足を必死で動かそうとするサン博士。
『さあ、準備完了ね……』
『SETUP COMPLETED』のアラート表示になった医療機器(?)コンソールを確認し終えたリュートは横に置かれた金属箱のロックを解除。

『!?』
 封が解かれた箱から取り出されたのはサン博士と瓜二つな人型女性アンドロイド頭部パーツ。
 遠目に見ても生身のモノと遜色無いレベルの人型アンドロイド用特殊ゴム外皮で完全再現されたそれの首断面部にリュートは慎重にケーブル接続を始める。
『フトウ様、あれはミストレスが事前に用意なすっていた物……完全再現された容姿に加え、その内部に搭載された人工知能はデータ移管後の違和感を軽減させるための半生体仕様となっております』
(半生体仕様の人工知能!? そんなもの聞いたことも無いわ!?)
 拘束されたサン博士の耳元で説明する蜘妹メイドアンドロイド七人衆の長たるS YK-72-01、ジェインメイド長。
『半生体人工知能は人間の脳をベースにして部分的に機械化及びサイボーグ化させることでその性能を飛躍的に引き上げた代物。あなた様方がいなくなった後、ミクラ様が開発なすった物なので存じ上げないのも当然でございます』
(たしかにエデンでサイボーグ技術自体の基礎は完成していたけど……脳を摘出してサイボーグ化だなんてそんな恐ろしい物を作るなんてありえないわ!!)
『主様の目的はフトウ様と永久に存在する事でございます。
 原理の説明は省きますがこれよりフトウ様の聡明な頭脳をフルスキャンし、海馬の記憶及びその他の部位を微調整して完全複製。
 それをあの人工知能にフルインストールした上で我々と同じボディに生まれ変わっていただく……それが主様の慈愛の心なのです』
 ジェインメイド長の言葉に繋げて解説するSYK-72-03のホリィははにかむような笑顔をサン博士に向ける。
「んーっ!! んんーっ!?(下半身が蜘妹アンドロイドにされるなんて絶対にイヤ!! 絶対にイヤだああ!!)」
『フトウ様……生身から機械の体になると言うのは恐怖でしょうし、ニ足歩行から節足パーツ八本足での歩行になれるのはお時間がかかるでしょうけど大丈夫です。慣れれば決適間違いなしですから……』 
「おおおおおおおん!! (いやあああああ!!)」
 サン博士がどうにか動く足首で地面をバタバタ叩き、拒絶の意志を示していたその時だった。

『緊急警報!! 緊急警報!! 武装侵入者あり、武装侵入者あり!! 直ちに総員戦闘態勢を取れ!!』
 天井から降りて来たモニターが映し出すのは貴賓室の窓をブチ破って突入するモンキーマンとカッパマンだ。
『くそっ、このタイミングで……』
『主様、私共で奴らを足止めいたします。
 そして可能であれば破壊いたしますが……よろしいでしょうか?』
 ジェインメイド長を筆頭にリュートに膝まづく7体の蜘蛛アンドロイドメイド。
『ありがとう……みんな、総員、出撃よ!!』
『イエス、マム!!』
 7体のエデン第一区画管理者アンドロイド達は敵であるモンキーマンをここに案内した裏切りカッパマンを始末すべく地下室から出撃していく。

【MMS 第26話に続く】
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