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【第二章:エデン第二区画/旧関係者居住エリア】
【第8話】
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「博士、お怪我はありませんか?」
2人を執拗に追い回すミュータントアニマルを撒き、とある場所に向かうべく人間居住区の地下に張り巡らされたアンダーグラウンドエアウェイに飛び込んだサン博士とモンキーマン。
その排出口から空気圧で押し出されて転がり着地したモンキーマンは前に抱えていたサン博士に問う。
「ええ、大丈夫よ。それよりここは安全なのかしら?」
「ああ、機器系統が動くかは不明だが……少なくともここは運良くもアンドロイド共も未発見のようだぜ」
到着した薄暗いどこかをモンキーセンサーで索敵し終えたモンキーマンはサン博士に答える。
「流石はお父さん!! 今電源を入れるわね!!」
ウエストバッグから取り出した小型ライトで発電機の主電源レバーを確認したサン博士はすぐにそれを動かして起動。
10数年ぶりで発電機が動き出す震動音と共にフトウ博士のシークレットラボ内に明かりが灯っていく。
「おお、懐かしいぜ!! ここはフトウ博士が俺を創造なすった場所にして博士と俺が出会った場所……何もかもがそのままだぜ!!」
そう言いつつ室内に設けられた大型機械椅子を懐かしそうに眺めるモンキーマン。
10数年前のミクラ・ブレイン暴走有事の際……当時17歳だったサン博士は父に渡されていた座標メモに従ってアンダーグラウンドエアウェイで避難し、有事に備えて用意していたこのシークレットラボに到着。
人型アンドロイド技術の基礎確立のために実用試作された後、フトウ博士の私物としてアンドロイド・クレードルに安置されていたSYK-000を発見した彼女はそれを起動させて共に洋上の孤島・エデンを脱出。
文明崩壊世界を放浪していた所をレジスタンス軍に保護されたのである。
「そうね、まさか人類の命運と共にここに戻って来るなんて……私も想定していなかったわ」
そう言いつつ室内に設けられた機器を手早く起動させていくサン博士。
「ネットワーク接続無し確認、ミクラブレインに感知やハッキングされた形跡はなく……全自動高速工作機器と3Dプリンターも問題ないようね。
ここまでで仕込んでおいた罠が発動するまで時間が無いから今のうちにやるべき事を終わらせるわよ!!
モンキーマンの分も処理しちゃいましょう!!」
「了解だ、博士!!」
室内の作業台に自身の電撃銃とモンキーマンが第一埠頭の番人・ベアーマンから奪っておいた電撃大斧の斧刃パーツ、モンキーロッドの3つを並べて置いたサン博士は3Dプリンターで必要物を形成しつつ工作用アームを操作して武器の改造強化を始める。
ほぼ同時刻、関係者居住区内のイリオモテヤマネコ便集配場。
『まだ見つからないのか‼』
「わんっ‼ わわんっ‼」
旧人間居住区の地下に蜘蛛の巣のように張り巡らされた物資運搬用アンダーグラウンドエアウェイを利用して地下に逃れてこのエリアのどこかに潜伏し、自身を破壊するチャンスを狙っているであろうサン博士とモンキーマンを探す上位管理者アンドロイド・コクフウカイ。
「くそっ、あのヒトメス‼ 下等生物の分際でえぇぇぇ‼」
そんなサン博士の居場所を探るベく制御端末内部データを確認していたものの、博士が去り際に仕込んだと思しきコンピューターウイルスで全て読み込み不能な破損データにされた制御データの復元がうまくいかず、イライラしたコクフウカイはその巨大な熊手でカラテチョップ破壊してしまう。
「かくなる上は、恥を忍んで……」
そう言いつつ胸ポケットに手を入れたコクフウカイはスマホを取り出し爪でポチポチ操作する。
「もしもし、キンカクどのでございますか?」
『おお、コクちゃん。どしたの?』
『丁度いいから来い、極位クエストで神龍玉狩りすんぞ』
『コウくん全然ダメ、クズ装備で3乙ばっかりして役に立たん』
(んな事どうでもいいんだよ、このバカロリババア共!!)
イライラストレスMAX状態でのギンカク様による割り込みにキレそうになったコクフウカイは一度スマホを耳から話して深呼吸する。
「ええ、そうしたいのは山々なのですが……一瞬、一回だけでいいのでお力添え願えますでしょうか?
それが終われば極位でも超位でもお付き合いいたしますので」
『それはマジですの!? 神龍玉に神龍鱗、ゴッドアメジスト、ゴッドルビー、ゴッドシルバー、ハナノミツ、カンポウキノコ、グリーンリーフ……集めたいモノ全てに付き合ってくれますの!?』
「ええ、もちろんでございます!! ただ、私も立て込んでおりまして今すぐと言うわけには……」
『ならあたしも手伝ってやる、どこに何をどうするか言え。何でもやってやる!!』
「では私自身とかなり大きなモノの2点で……あと、探していただきたいモノが2点ありまして……はい、この位置捕捉の上でお願いいたします」
土壇場の瀬戸際でワガママで気まぐれながらも科学技術の枠を超えた特異能力を持つ上位管理者アンドロイド、キンカク&ギンカクの協力にこぎ着けたコクフウカイはニヤリと笑いつつ詳細説明に入る。
【MMS 第9話に続く】
2人を執拗に追い回すミュータントアニマルを撒き、とある場所に向かうべく人間居住区の地下に張り巡らされたアンダーグラウンドエアウェイに飛び込んだサン博士とモンキーマン。
その排出口から空気圧で押し出されて転がり着地したモンキーマンは前に抱えていたサン博士に問う。
「ええ、大丈夫よ。それよりここは安全なのかしら?」
「ああ、機器系統が動くかは不明だが……少なくともここは運良くもアンドロイド共も未発見のようだぜ」
到着した薄暗いどこかをモンキーセンサーで索敵し終えたモンキーマンはサン博士に答える。
「流石はお父さん!! 今電源を入れるわね!!」
ウエストバッグから取り出した小型ライトで発電機の主電源レバーを確認したサン博士はすぐにそれを動かして起動。
10数年ぶりで発電機が動き出す震動音と共にフトウ博士のシークレットラボ内に明かりが灯っていく。
「おお、懐かしいぜ!! ここはフトウ博士が俺を創造なすった場所にして博士と俺が出会った場所……何もかもがそのままだぜ!!」
そう言いつつ室内に設けられた大型機械椅子を懐かしそうに眺めるモンキーマン。
10数年前のミクラ・ブレイン暴走有事の際……当時17歳だったサン博士は父に渡されていた座標メモに従ってアンダーグラウンドエアウェイで避難し、有事に備えて用意していたこのシークレットラボに到着。
人型アンドロイド技術の基礎確立のために実用試作された後、フトウ博士の私物としてアンドロイド・クレードルに安置されていたSYK-000を発見した彼女はそれを起動させて共に洋上の孤島・エデンを脱出。
文明崩壊世界を放浪していた所をレジスタンス軍に保護されたのである。
「そうね、まさか人類の命運と共にここに戻って来るなんて……私も想定していなかったわ」
そう言いつつ室内に設けられた機器を手早く起動させていくサン博士。
「ネットワーク接続無し確認、ミクラブレインに感知やハッキングされた形跡はなく……全自動高速工作機器と3Dプリンターも問題ないようね。
ここまでで仕込んでおいた罠が発動するまで時間が無いから今のうちにやるべき事を終わらせるわよ!!
モンキーマンの分も処理しちゃいましょう!!」
「了解だ、博士!!」
室内の作業台に自身の電撃銃とモンキーマンが第一埠頭の番人・ベアーマンから奪っておいた電撃大斧の斧刃パーツ、モンキーロッドの3つを並べて置いたサン博士は3Dプリンターで必要物を形成しつつ工作用アームを操作して武器の改造強化を始める。
ほぼ同時刻、関係者居住区内のイリオモテヤマネコ便集配場。
『まだ見つからないのか‼』
「わんっ‼ わわんっ‼」
旧人間居住区の地下に蜘蛛の巣のように張り巡らされた物資運搬用アンダーグラウンドエアウェイを利用して地下に逃れてこのエリアのどこかに潜伏し、自身を破壊するチャンスを狙っているであろうサン博士とモンキーマンを探す上位管理者アンドロイド・コクフウカイ。
「くそっ、あのヒトメス‼ 下等生物の分際でえぇぇぇ‼」
そんなサン博士の居場所を探るベく制御端末内部データを確認していたものの、博士が去り際に仕込んだと思しきコンピューターウイルスで全て読み込み不能な破損データにされた制御データの復元がうまくいかず、イライラしたコクフウカイはその巨大な熊手でカラテチョップ破壊してしまう。
「かくなる上は、恥を忍んで……」
そう言いつつ胸ポケットに手を入れたコクフウカイはスマホを取り出し爪でポチポチ操作する。
「もしもし、キンカクどのでございますか?」
『おお、コクちゃん。どしたの?』
『丁度いいから来い、極位クエストで神龍玉狩りすんぞ』
『コウくん全然ダメ、クズ装備で3乙ばっかりして役に立たん』
(んな事どうでもいいんだよ、このバカロリババア共!!)
イライラストレスMAX状態でのギンカク様による割り込みにキレそうになったコクフウカイは一度スマホを耳から話して深呼吸する。
「ええ、そうしたいのは山々なのですが……一瞬、一回だけでいいのでお力添え願えますでしょうか?
それが終われば極位でも超位でもお付き合いいたしますので」
『それはマジですの!? 神龍玉に神龍鱗、ゴッドアメジスト、ゴッドルビー、ゴッドシルバー、ハナノミツ、カンポウキノコ、グリーンリーフ……集めたいモノ全てに付き合ってくれますの!?』
「ええ、もちろんでございます!! ただ、私も立て込んでおりまして今すぐと言うわけには……」
『ならあたしも手伝ってやる、どこに何をどうするか言え。何でもやってやる!!』
「では私自身とかなり大きなモノの2点で……あと、探していただきたいモノが2点ありまして……はい、この位置捕捉の上でお願いいたします」
土壇場の瀬戸際でワガママで気まぐれながらも科学技術の枠を超えた特異能力を持つ上位管理者アンドロイド、キンカク&ギンカクの協力にこぎ着けたコクフウカイはニヤリと笑いつつ詳細説明に入る。
【MMS 第9話に続く】
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