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第三章:『挟撃のハルメン平原!! 聖魔王子VS二大魔獣!』
【14話】
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「間に合わ……なかったのか?」
森を抜け、依頼人の農場があるハルメン平原に出た2人。
新鮮な青草で一杯の平野であるにも関わらず放牧される農場の動物達はおろか、野性生物の姿や気配もほとんど無いと言う状況をローランとリィナは見まわす。
「とにかく、依頼人の生死確認に行きましょう。農場は……あれだわ!!」
さほど離れていない場所に静まり返った農場を確認したリィナは先ほどゴブリンの群れに遭遇したと言う事もあり、慎重に早足で平野を駆ける。
「冒険者ギルドより救援に参りました! 誰かいませんか?」
屋外の牛馬や羊、鶏はおろか犬猫の影も無いニハイルさんの農場施設。
牧場主の自宅台所はテーブルも椅子も叩き壊され、食料は根こそぎ略奪……ゴブリンに荒らされ果てた家屋に嫌な予感が現実となった事を知りつつも、依頼人の安否確認を行う2人。
「とにかく、これは私とローランさんだけでどうにかなる敵と事態では無さそうね。ご領主様に直ちに報告して討伐軍を出していただかないと……」
リィナが冷静に状況分析して動こうとしたその時、足元でガタゴトと何かが動く気配がする。
「!!」
床板の一枚がガタガタと動いている事に気が付いた2人はすぐに武器を構えてバックジャンプする。
「……冒険者さん、来てくれたんだな」
武器を構えた2人の目の前で床板を押し上げて出て来た薄汚れた男性は喉から押し出すような声で感謝する。
「あなたは……農場主のニハイルさんですか?」
サイドバックから依頼書を取り出し、名前を確認するリィナ。
「ああ、そうだよ。俺はニハイル……ここの牧場主だった者だよ。座る場所も無くて済まないが……まずは食べ物と水が無いかな? 妻と娘がこの下に隠れているんだ」
「わかりました! 『無限収納の奇跡!!』」
それを聞いたローランは手刀で空を切り裂き、万が一に備えて別次元に収納していた食べ物と水を取り出す。
「バグバグムシャムシャ!!」
「ゴッゴッゴ……ゴグゴグ!!」
「ガフッ! フゴッフゴゴッ!!」
ローランが取り出した干し肉とパン、樽の飲み水と牛乳と言う数日ぶりの食事にものすごい勢いで食らいつく依頼人の牧場主と奥さんに若い娘さん。
怪我は無いようだが、酷く薄汚れて憔悴した姿に冒険者達は依頼人一家が酷い目にあった事を察する。
「ええと、ニハイルさん……何があったかお聞きしていいでしょうか?」
久方ぶりの食事を終え、安堵の息を吐く3人にタイミングを見てリィナは問いかける。
「ああ、俺は定期的に農作物をハルメンの町の市で売りに行くんだ。
そのついでに町の魔石屋にゴブリンがちらほらと出るようになった件を相談したのが……多分一週間ほど前だと思う。それからここに帰って来て3日程したある日の夜、妙に牛や馬、大が騒ぐと思っていたら……この農場はでっけえゴブリンが率いるゴブリンの群れに取り囲まれていたんだ」
「ふぇ……」
恐怖の記憶で泣き出しそうになる娘さんを奥さんは抱きじめる。
「それで俺達3人は有事に備えて用意していた隠し地下室に避難して息を殺していたんだが……ゴブリンの薄気味悪い声じゃない人間の声が聞こえたから出て来たんだよ」
「でっけえゴブリン……それはどんな魔物でしたか?」
「ああ、俺が遠目に見た限りでは……牛舎の柱ぐらいの背丈で他の痩せっぽちと比べ物にならないぐらい太っていて二足歩行する豚みたいなやつだった」
その目撃証言に考え込むリィナ。
「ニハイルさん、私達は冒険者ギルドの者としてこの場で出来る対処法を考えます。安全確保はいたしますので少し休んだ方がいいでしょう」
数日間固い板の上で過ごしてきたニハイル夫妻と娘さんははローランが取り出した敷物の上に横になり、久方ぶりの人間らしい寝床に感謝と感動しつつ身を寄せ合って眠りにつく。
「ローランさん、あのブラッディラフレシアを倒したあなたならお気づきかもしれませんが……その巨大なゴブリンとやらについてどう思いますか?」
「おそらくアレと同じで狂魔化現象がゴブリンに変異を引き起こしたという事でしょうね」
暗にほのめかそうとしてはいるものの、これ以上ないストレートな物言いにローランは思ったままの言葉で自身の見解を述べる。
「それがわかっていれば十分です、ローラン様。そして……これも見てください」
そう言いつつリィナが室内の床から何かを拾い上げたリィナ。
茶色いゴワゴワの剛毛房は黒い血にまみれてガピガピに汚れ固まっている。
「これは……ゴブリンの体毛では無さそうですね?」
先刻林道で大剣なで斬りにしまくった際にゴブリンの魔力反応パターンを魔王の指輪で把握しておいたローランは明らかに別の魔力反応を示す遺留物を調べる。
「これは最初のゴブリンの壁を乗り越えた駆け出し冒険者の2番目の障壁となる事で有名な俊敏性、チームワークに長け、高い知能のみならず鋭い牙と爪を持つ魔物、ウルフの毛です」
大量出血を伴う外傷による出血が付着したその毛、ゴブリンの足跡と同じぐらいの数で入り混じったウルフの獣痕……敵はあの厄介なゴブリンの群れだけではなく、自分たち冒険者ギルドメンバーを含めた三勢力が入り乱れる三つ巴の戦いとなる。
この短時間で冷静に討伐クエスト状況を正確に把握し、命の危機にさらされた依頼人に過度な不安を与えないようにしつつ相方と情報共有する。
膨大な冒険者経験なしには習得しえないその洞察力とコミュニケーション能力に新人冒険者のローランは舌を巻きそうになる。
「と、いうわけですので……覚悟を決めてくださいね。ローランさん」
依頼書の裏面に携行型筆記具で農場の地図を描いたリィナは狂魔化ゴブリン&ウルフの討伐に備えた作戦を練る。
【第15話に続く】
森を抜け、依頼人の農場があるハルメン平原に出た2人。
新鮮な青草で一杯の平野であるにも関わらず放牧される農場の動物達はおろか、野性生物の姿や気配もほとんど無いと言う状況をローランとリィナは見まわす。
「とにかく、依頼人の生死確認に行きましょう。農場は……あれだわ!!」
さほど離れていない場所に静まり返った農場を確認したリィナは先ほどゴブリンの群れに遭遇したと言う事もあり、慎重に早足で平野を駆ける。
「冒険者ギルドより救援に参りました! 誰かいませんか?」
屋外の牛馬や羊、鶏はおろか犬猫の影も無いニハイルさんの農場施設。
牧場主の自宅台所はテーブルも椅子も叩き壊され、食料は根こそぎ略奪……ゴブリンに荒らされ果てた家屋に嫌な予感が現実となった事を知りつつも、依頼人の安否確認を行う2人。
「とにかく、これは私とローランさんだけでどうにかなる敵と事態では無さそうね。ご領主様に直ちに報告して討伐軍を出していただかないと……」
リィナが冷静に状況分析して動こうとしたその時、足元でガタゴトと何かが動く気配がする。
「!!」
床板の一枚がガタガタと動いている事に気が付いた2人はすぐに武器を構えてバックジャンプする。
「……冒険者さん、来てくれたんだな」
武器を構えた2人の目の前で床板を押し上げて出て来た薄汚れた男性は喉から押し出すような声で感謝する。
「あなたは……農場主のニハイルさんですか?」
サイドバックから依頼書を取り出し、名前を確認するリィナ。
「ああ、そうだよ。俺はニハイル……ここの牧場主だった者だよ。座る場所も無くて済まないが……まずは食べ物と水が無いかな? 妻と娘がこの下に隠れているんだ」
「わかりました! 『無限収納の奇跡!!』」
それを聞いたローランは手刀で空を切り裂き、万が一に備えて別次元に収納していた食べ物と水を取り出す。
「バグバグムシャムシャ!!」
「ゴッゴッゴ……ゴグゴグ!!」
「ガフッ! フゴッフゴゴッ!!」
ローランが取り出した干し肉とパン、樽の飲み水と牛乳と言う数日ぶりの食事にものすごい勢いで食らいつく依頼人の牧場主と奥さんに若い娘さん。
怪我は無いようだが、酷く薄汚れて憔悴した姿に冒険者達は依頼人一家が酷い目にあった事を察する。
「ええと、ニハイルさん……何があったかお聞きしていいでしょうか?」
久方ぶりの食事を終え、安堵の息を吐く3人にタイミングを見てリィナは問いかける。
「ああ、俺は定期的に農作物をハルメンの町の市で売りに行くんだ。
そのついでに町の魔石屋にゴブリンがちらほらと出るようになった件を相談したのが……多分一週間ほど前だと思う。それからここに帰って来て3日程したある日の夜、妙に牛や馬、大が騒ぐと思っていたら……この農場はでっけえゴブリンが率いるゴブリンの群れに取り囲まれていたんだ」
「ふぇ……」
恐怖の記憶で泣き出しそうになる娘さんを奥さんは抱きじめる。
「それで俺達3人は有事に備えて用意していた隠し地下室に避難して息を殺していたんだが……ゴブリンの薄気味悪い声じゃない人間の声が聞こえたから出て来たんだよ」
「でっけえゴブリン……それはどんな魔物でしたか?」
「ああ、俺が遠目に見た限りでは……牛舎の柱ぐらいの背丈で他の痩せっぽちと比べ物にならないぐらい太っていて二足歩行する豚みたいなやつだった」
その目撃証言に考え込むリィナ。
「ニハイルさん、私達は冒険者ギルドの者としてこの場で出来る対処法を考えます。安全確保はいたしますので少し休んだ方がいいでしょう」
数日間固い板の上で過ごしてきたニハイル夫妻と娘さんははローランが取り出した敷物の上に横になり、久方ぶりの人間らしい寝床に感謝と感動しつつ身を寄せ合って眠りにつく。
「ローランさん、あのブラッディラフレシアを倒したあなたならお気づきかもしれませんが……その巨大なゴブリンとやらについてどう思いますか?」
「おそらくアレと同じで狂魔化現象がゴブリンに変異を引き起こしたという事でしょうね」
暗にほのめかそうとしてはいるものの、これ以上ないストレートな物言いにローランは思ったままの言葉で自身の見解を述べる。
「それがわかっていれば十分です、ローラン様。そして……これも見てください」
そう言いつつリィナが室内の床から何かを拾い上げたリィナ。
茶色いゴワゴワの剛毛房は黒い血にまみれてガピガピに汚れ固まっている。
「これは……ゴブリンの体毛では無さそうですね?」
先刻林道で大剣なで斬りにしまくった際にゴブリンの魔力反応パターンを魔王の指輪で把握しておいたローランは明らかに別の魔力反応を示す遺留物を調べる。
「これは最初のゴブリンの壁を乗り越えた駆け出し冒険者の2番目の障壁となる事で有名な俊敏性、チームワークに長け、高い知能のみならず鋭い牙と爪を持つ魔物、ウルフの毛です」
大量出血を伴う外傷による出血が付着したその毛、ゴブリンの足跡と同じぐらいの数で入り混じったウルフの獣痕……敵はあの厄介なゴブリンの群れだけではなく、自分たち冒険者ギルドメンバーを含めた三勢力が入り乱れる三つ巴の戦いとなる。
この短時間で冷静に討伐クエスト状況を正確に把握し、命の危機にさらされた依頼人に過度な不安を与えないようにしつつ相方と情報共有する。
膨大な冒険者経験なしには習得しえないその洞察力とコミュニケーション能力に新人冒険者のローランは舌を巻きそうになる。
「と、いうわけですので……覚悟を決めてくださいね。ローランさん」
依頼書の裏面に携行型筆記具で農場の地図を描いたリィナは狂魔化ゴブリン&ウルフの討伐に備えた作戦を練る。
【第15話に続く】
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