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【第十七話:シャンペン・タワー】
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『ようこそ、第四ゲーム会場へ!!……あら、聖君。いいお顔じゃなぁい? なにがあったのよぉ?』
第3ゲームから2日後、再度開かれたゲームルーム。
前回の落ち着いた木造洋館風の一室から打って変わってベルサイユ宮殿の鏡の間を再現したかのような鏡が埋め込まれた金ぴかの壁……けばけばしい程に絢爛豪華に飾り付けられたゲームルーム。
「どっ、どうも……」
胸元をぎりぎりまで大きく開き、肩丸出しなキラキラゴールデンドレスで金髪を上に盛り盛りに結い上げ、顔上半分を仮面で隠したゲームマスター・レディに話しかけられた聖はあいまいな態度に激昂した佐倉川に馬乗りで殴られて青たんだらけの腫れあがった顔面で愛想笑いする。
「それよりも……今回は何をやらされるんだ? チャップリンみたいに踊れとでもいうのか?」
RINKOの死を直視させられ興奮と混乱、悲しみのあまりろくに眠れず、目の下に酷いクマを作った佐倉川は用意されていた衣装の白ズボンスーツ上下にトップハット姿で嫌味を言う。
『黙れ!!』
真紅のアンティークソファーで優雅にくつろぐレディーの後ろに控えていたリチャードは佐倉川を威嚇しつつ前に出て行こうとする。
『リチャード、うるさいわよ。 佐倉川君は大切な人を失って傷心なんだから……これぐらいは許してあげなさい』
『申し訳ございません、主様』
主の言葉にすぐに足を止め、跪いて胸に手を当てつつ謝罪したリチャードは足早にアンティークソファーの後ろに戻って行く。
『さて、今日のグームは……シャンパンタワー・ロシアンルーレットよ!!』
カーテンの後ろから現れた仮面メイドさんが台車で運んできたのは色とりどりの大小錠剤が1つずつ入れられた状態で積まれた数十個のシャンパングラスだ。
『お気づきだとは思うけど……これは美味しいシュワシュワなラムネさん!! でもこのラムネさんには3個だけ毒が入っているモノが混入しちゃっているのよ』
レディがおちゃらけた口調で説明している間に氷が入ったバケツからシャンパンの瓶を取り出してそのコルクキャップを抜き、タワー最上部から注いでいくリチャード。
「つまり、俺達のうち誰か3人が死ぬ事は避けられない……そういう事なのか?」
佐倉川の鋭い問いかけにレデイの口がしてやったりと歪む
『うふふ、大丈夫よ佐倉川君。今日のグームは私達も参加する5対2のチーム戦形式……君達のうち3人が全て毒酒を飲んでしまえばあなたたちの負け、私かリチャードのどちらかが毒酒を飲んで倒れれば私達の敗北。つまりは君達全員に生存チャンスがあると言う事よ』
「……」
第4ゲーム開始まで待機中の2日間、事あるごとに聖につかみかかっていた佐倉川。
皆を裏切り、悲惨な死に方をしたとは言えエアタバコ&エアニコチンの力で良くも悪くもムードメーカーとして皆の安寧な関係を維持してくれていた名立役者・RINKOの不在を嘆く事しか出来なかった疲労困憊の6人はよくわからくなってしまう。
『どうやらこのゲームそのものが信用できないって顔をしているわね。まあ無理もない話だけど……そうねぇ、じゃあ今回は特別ボーナスもつけちゃいましょうか!!』
ぱんっ! と手を打ったゲームマスター・レディはサイドテーブルの皮張り本を手に取る。
『もし佐倉川君が生き延びてゲーム終了したら……RINKOちゃんを復帰させてあげる!!』
「悪い冗談を言うな!! もう彼女は……彼女は帰ってこないんだ!!」
ゲームマスター・レディの悪趣味な冗談にガチギレで叫ぶ佐倉川。
『あら、怖いわぁ。誰がそんな事を言ったの? その根拠は?』
「だってあの時もう……死んでたじゃないか」
ぽろぽろと涙を流す佐倉川にハンカチを渡す信濃さん。
『そうねぇ、でもあの時彼女や牛田さんが死んでいたと言う証拠はどこにあるの?』
「それは、スマートウオッチを確認して……」
『そのデータは信用できるの? あなたが自分で確認したの?』
「そう言われれば……じゃああのチンピラ男はとにかくとしてRINKOさんに牛田さん、早川君も死んでいないのか?」
ここ数日間、精神の不安定さ故にふさぎ込むか凶暴化するの二極化状態だった佐倉川。
希望の可能性を提示された彼の眼に生気が戻ってくる。
『うふふ、それはひ・み・つ。でも……もし君がこのゲームで生き残る事が出来たらその答えを教えてあげる。
いいわよね、リチャード?』
『主様がお望みであれば、私は構いません』
「よしっ、わかった! 必ず……絶対にこのゲーム勝ってやる!!」
RINKOを悪女の手から取り戻す覚悟を決めた佐倉川は一番手で頂上のシャンペングラスを取る。
【第十八話:リメンバー・サムシングに続く】
第3ゲームから2日後、再度開かれたゲームルーム。
前回の落ち着いた木造洋館風の一室から打って変わってベルサイユ宮殿の鏡の間を再現したかのような鏡が埋め込まれた金ぴかの壁……けばけばしい程に絢爛豪華に飾り付けられたゲームルーム。
「どっ、どうも……」
胸元をぎりぎりまで大きく開き、肩丸出しなキラキラゴールデンドレスで金髪を上に盛り盛りに結い上げ、顔上半分を仮面で隠したゲームマスター・レディに話しかけられた聖はあいまいな態度に激昂した佐倉川に馬乗りで殴られて青たんだらけの腫れあがった顔面で愛想笑いする。
「それよりも……今回は何をやらされるんだ? チャップリンみたいに踊れとでもいうのか?」
RINKOの死を直視させられ興奮と混乱、悲しみのあまりろくに眠れず、目の下に酷いクマを作った佐倉川は用意されていた衣装の白ズボンスーツ上下にトップハット姿で嫌味を言う。
『黙れ!!』
真紅のアンティークソファーで優雅にくつろぐレディーの後ろに控えていたリチャードは佐倉川を威嚇しつつ前に出て行こうとする。
『リチャード、うるさいわよ。 佐倉川君は大切な人を失って傷心なんだから……これぐらいは許してあげなさい』
『申し訳ございません、主様』
主の言葉にすぐに足を止め、跪いて胸に手を当てつつ謝罪したリチャードは足早にアンティークソファーの後ろに戻って行く。
『さて、今日のグームは……シャンパンタワー・ロシアンルーレットよ!!』
カーテンの後ろから現れた仮面メイドさんが台車で運んできたのは色とりどりの大小錠剤が1つずつ入れられた状態で積まれた数十個のシャンパングラスだ。
『お気づきだとは思うけど……これは美味しいシュワシュワなラムネさん!! でもこのラムネさんには3個だけ毒が入っているモノが混入しちゃっているのよ』
レディがおちゃらけた口調で説明している間に氷が入ったバケツからシャンパンの瓶を取り出してそのコルクキャップを抜き、タワー最上部から注いでいくリチャード。
「つまり、俺達のうち誰か3人が死ぬ事は避けられない……そういう事なのか?」
佐倉川の鋭い問いかけにレデイの口がしてやったりと歪む
『うふふ、大丈夫よ佐倉川君。今日のグームは私達も参加する5対2のチーム戦形式……君達のうち3人が全て毒酒を飲んでしまえばあなたたちの負け、私かリチャードのどちらかが毒酒を飲んで倒れれば私達の敗北。つまりは君達全員に生存チャンスがあると言う事よ』
「……」
第4ゲーム開始まで待機中の2日間、事あるごとに聖につかみかかっていた佐倉川。
皆を裏切り、悲惨な死に方をしたとは言えエアタバコ&エアニコチンの力で良くも悪くもムードメーカーとして皆の安寧な関係を維持してくれていた名立役者・RINKOの不在を嘆く事しか出来なかった疲労困憊の6人はよくわからくなってしまう。
『どうやらこのゲームそのものが信用できないって顔をしているわね。まあ無理もない話だけど……そうねぇ、じゃあ今回は特別ボーナスもつけちゃいましょうか!!』
ぱんっ! と手を打ったゲームマスター・レディはサイドテーブルの皮張り本を手に取る。
『もし佐倉川君が生き延びてゲーム終了したら……RINKOちゃんを復帰させてあげる!!』
「悪い冗談を言うな!! もう彼女は……彼女は帰ってこないんだ!!」
ゲームマスター・レディの悪趣味な冗談にガチギレで叫ぶ佐倉川。
『あら、怖いわぁ。誰がそんな事を言ったの? その根拠は?』
「だってあの時もう……死んでたじゃないか」
ぽろぽろと涙を流す佐倉川にハンカチを渡す信濃さん。
『そうねぇ、でもあの時彼女や牛田さんが死んでいたと言う証拠はどこにあるの?』
「それは、スマートウオッチを確認して……」
『そのデータは信用できるの? あなたが自分で確認したの?』
「そう言われれば……じゃああのチンピラ男はとにかくとしてRINKOさんに牛田さん、早川君も死んでいないのか?」
ここ数日間、精神の不安定さ故にふさぎ込むか凶暴化するの二極化状態だった佐倉川。
希望の可能性を提示された彼の眼に生気が戻ってくる。
『うふふ、それはひ・み・つ。でも……もし君がこのゲームで生き残る事が出来たらその答えを教えてあげる。
いいわよね、リチャード?』
『主様がお望みであれば、私は構いません』
「よしっ、わかった! 必ず……絶対にこのゲーム勝ってやる!!」
RINKOを悪女の手から取り戻す覚悟を決めた佐倉川は一番手で頂上のシャンペングラスを取る。
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