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【第一話:ザ・パーティ】
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「……?」
学校帰りにバスに乗っていたはずの都内私立高校2年生、岩谷 直樹(いわたに なおき)17歳は真っ暗な空間で目を覚ました。
(……妙に大きくて硬い椅子だな?)
どれほど寝ていたかは分からないが座ったまま寝ており、乾いてカピカピの物がこびりついた目をこすろうと手を動かそうとしたその時、その手足のみならず首と上半身は椅子と一体化した金属輪で完全固定されて動かない事に気づく。
「えっ、ええっ?」
「きゃああ!! 何よこれぇ!!」「ちくしょう!! どこのどいつだ!!」「あっ、ああ……あああ…… !!」「助けて!! ママ、パパあ!!」「クソがあ!! ブチ壊してやらぁ!!」
次の瞬間、真っ暗な空間に反響する老若男女の悲鳴と金切り声。
何が起こっているのかわからない直樹は混乱のあまり乾いた喉で叫ぶ事すらできず唯一固定されていない日で左右の暗闇を見回す。
『こんにちは皆さん!! いいお目覚めみたいね?』
そんな喧曝をかき消した頭上に出現した四角い光の枠。
昔のテレビのような白黒縞々の砂嵐の後映し出されたのはエレガントな黒のヴィクトリアンドレスに顔の上半分を白い仮面で隠した長い黒髪の女だ。
『はじめまして、参加者の皆さん。私は皆さんをここに招待した者……ゲームマスター・レディですわ』
コンクリート打ち込みの灰色の部屋で円形に配置された9つの拘束椅子。
身動き取れずとも画面が平等に見れるように配置された天丼中央の棒に取り付けられた全4枚の大型モニター。
病院手術着のような青いビニール服とズボンを着せられ、抵抗能力を奪われた9人の老若男女を前にゲームマスター・レディは舌なめずりしつつにたぁと笑う。
「死ねクソアマ!!」
拘束椅子に括り付けられつつも画面の向こうにいる女に必死で中指を立てるのはオールバックを金髪・黒髪にまだら染めにした眼つきの悪い男だ。
「バカ!! いますぐやめろ、死にたいのか!!」「うるせえ!!」
若い男性の警告に構うことなく興奮した男は挑発行為を続ける。
『うふふ、優しいのね……大丈夫よ、こういう元気すぎるぐらいの子も私大好きだから』
思わせぶりな物言いと共にドレスの胸元に手をいれて取り出した小さな黒い長方形の箱。
「ぎゃあああああ!!」
クイーンがその箱にある赤いボタンを押した瞬間、電気椅子と化した拘束椅子は激しい放電と共に男の体に強烈な電流を流し込む。
「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」
この惨劇を前に目を覆って耳を塞ぐ事も出来ない8人は必死で目を閉じるばかりだ。
『今回は見せしめも兼ねて死なない程度に抑えたけど……今後私に刃向かうような事があった場合、即死レベルの電流が流れますよぉ? 注意してくださいね?』
実際は1分にも満たない数秒、とんでもなく長く感じる時間の後に目を開けた8人は全身汗だくでだらしなく開いた口から舌をべろんと出して気絶している男とそこから漂ってくるアンモニア臭&汚物臭に吐きそうになるのを必死で堪える。
『さて、私の名前からもお分かりかもしれませんが……皆さまにはこれより私の開催いたします楽しい楽しい5つのゲームに参加していただきますわ。そして最後まで脱落せずに生き延びた方にはこの現金を差し上げ、自由の身といたします』
大きくて頑丈なジェラルミンケースを下げてゲームマスター・レディの後ろに現れた燕尾服姿の白仮面の男は両面に札束がぎっしりと詰まった中身を開けて見せる。
「そんなものはいらんから帰らせてくれえ……お願いだぁ、私が何をしたと言うんだぁ……」
拘束椅子上で恐怖と混乱のあまり、半泣きで命乞いを始めた短い白髪のお爺さん。
次に処されるのはこの人だ、そう察した7人は目をキュッと閉じる。
『あらあら、かわいそうに……貴方がご自身の力で8人を蹴落として最後の1人になれれば無事に奥様や娘さんに息子さんの下へ送り届けますからご安心なさってくださいませ!!』
「そんな殺生な……私にそんなのが出来るはずがない!!」
『さて、愉快な余興はさておきもう時間が押して参りましたのでルール説明に入りますわ』
レディが指を鳴らすと画面が切り替わり、半円形、縦に連なる正方形3つと長方形、大きな正方形が連結した3DCGが表示される。
『これは私と皆さまが五日間の愉しい日々を送る場所の間取りで、今皆さまはこの丸い部屋にいらっしゃいます。
一番大きい部屋は私のゲームルーム……皆さまと私の遊戯場となりますわ。
そして廊下を挟んで3つある小部屋はお手洗いとシャワールーム、皆さまの集まれるお食事部屋、休憩室兼ベッドルームとなっております。時計はありませんけどゲーム開始時にはその腕に埋め込まれたスマートウオッチでお知らせいたしますからご注意なさってね』
その言葉に思わず目線を下げた8人は文字通り腕の中に外科手術で埋め込まれたであろうスマートウオッチの画面に絶句する。
『ではこれより皆さまに移動していただきます。扉を開けますから道なりに進んで下さいませ。 Lets have a fan time!!』
画面が消えると同時に明かりが灯る部屋。
拘束具が外れて自由になった8人は辺りを見回しながら立ち上がる。
【第二話:セルフ・イントロデュースに続く】
学校帰りにバスに乗っていたはずの都内私立高校2年生、岩谷 直樹(いわたに なおき)17歳は真っ暗な空間で目を覚ました。
(……妙に大きくて硬い椅子だな?)
どれほど寝ていたかは分からないが座ったまま寝ており、乾いてカピカピの物がこびりついた目をこすろうと手を動かそうとしたその時、その手足のみならず首と上半身は椅子と一体化した金属輪で完全固定されて動かない事に気づく。
「えっ、ええっ?」
「きゃああ!! 何よこれぇ!!」「ちくしょう!! どこのどいつだ!!」「あっ、ああ……あああ…… !!」「助けて!! ママ、パパあ!!」「クソがあ!! ブチ壊してやらぁ!!」
次の瞬間、真っ暗な空間に反響する老若男女の悲鳴と金切り声。
何が起こっているのかわからない直樹は混乱のあまり乾いた喉で叫ぶ事すらできず唯一固定されていない日で左右の暗闇を見回す。
『こんにちは皆さん!! いいお目覚めみたいね?』
そんな喧曝をかき消した頭上に出現した四角い光の枠。
昔のテレビのような白黒縞々の砂嵐の後映し出されたのはエレガントな黒のヴィクトリアンドレスに顔の上半分を白い仮面で隠した長い黒髪の女だ。
『はじめまして、参加者の皆さん。私は皆さんをここに招待した者……ゲームマスター・レディですわ』
コンクリート打ち込みの灰色の部屋で円形に配置された9つの拘束椅子。
身動き取れずとも画面が平等に見れるように配置された天丼中央の棒に取り付けられた全4枚の大型モニター。
病院手術着のような青いビニール服とズボンを着せられ、抵抗能力を奪われた9人の老若男女を前にゲームマスター・レディは舌なめずりしつつにたぁと笑う。
「死ねクソアマ!!」
拘束椅子に括り付けられつつも画面の向こうにいる女に必死で中指を立てるのはオールバックを金髪・黒髪にまだら染めにした眼つきの悪い男だ。
「バカ!! いますぐやめろ、死にたいのか!!」「うるせえ!!」
若い男性の警告に構うことなく興奮した男は挑発行為を続ける。
『うふふ、優しいのね……大丈夫よ、こういう元気すぎるぐらいの子も私大好きだから』
思わせぶりな物言いと共にドレスの胸元に手をいれて取り出した小さな黒い長方形の箱。
「ぎゃあああああ!!」
クイーンがその箱にある赤いボタンを押した瞬間、電気椅子と化した拘束椅子は激しい放電と共に男の体に強烈な電流を流し込む。
「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」
この惨劇を前に目を覆って耳を塞ぐ事も出来ない8人は必死で目を閉じるばかりだ。
『今回は見せしめも兼ねて死なない程度に抑えたけど……今後私に刃向かうような事があった場合、即死レベルの電流が流れますよぉ? 注意してくださいね?』
実際は1分にも満たない数秒、とんでもなく長く感じる時間の後に目を開けた8人は全身汗だくでだらしなく開いた口から舌をべろんと出して気絶している男とそこから漂ってくるアンモニア臭&汚物臭に吐きそうになるのを必死で堪える。
『さて、私の名前からもお分かりかもしれませんが……皆さまにはこれより私の開催いたします楽しい楽しい5つのゲームに参加していただきますわ。そして最後まで脱落せずに生き延びた方にはこの現金を差し上げ、自由の身といたします』
大きくて頑丈なジェラルミンケースを下げてゲームマスター・レディの後ろに現れた燕尾服姿の白仮面の男は両面に札束がぎっしりと詰まった中身を開けて見せる。
「そんなものはいらんから帰らせてくれえ……お願いだぁ、私が何をしたと言うんだぁ……」
拘束椅子上で恐怖と混乱のあまり、半泣きで命乞いを始めた短い白髪のお爺さん。
次に処されるのはこの人だ、そう察した7人は目をキュッと閉じる。
『あらあら、かわいそうに……貴方がご自身の力で8人を蹴落として最後の1人になれれば無事に奥様や娘さんに息子さんの下へ送り届けますからご安心なさってくださいませ!!』
「そんな殺生な……私にそんなのが出来るはずがない!!」
『さて、愉快な余興はさておきもう時間が押して参りましたのでルール説明に入りますわ』
レディが指を鳴らすと画面が切り替わり、半円形、縦に連なる正方形3つと長方形、大きな正方形が連結した3DCGが表示される。
『これは私と皆さまが五日間の愉しい日々を送る場所の間取りで、今皆さまはこの丸い部屋にいらっしゃいます。
一番大きい部屋は私のゲームルーム……皆さまと私の遊戯場となりますわ。
そして廊下を挟んで3つある小部屋はお手洗いとシャワールーム、皆さまの集まれるお食事部屋、休憩室兼ベッドルームとなっております。時計はありませんけどゲーム開始時にはその腕に埋め込まれたスマートウオッチでお知らせいたしますからご注意なさってね』
その言葉に思わず目線を下げた8人は文字通り腕の中に外科手術で埋め込まれたであろうスマートウオッチの画面に絶句する。
『ではこれより皆さまに移動していただきます。扉を開けますから道なりに進んで下さいませ。 Lets have a fan time!!』
画面が消えると同時に明かりが灯る部屋。
拘束具が外れて自由になった8人は辺りを見回しながら立ち上がる。
【第二話:セルフ・イントロデュースに続く】
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