ミキちゃんちのインキュバス 2 !!

千両文士

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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第71話)】「国際女性デー!! ミモザとミキちゃん&淫魔姉弟」

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 都内某所、オフィスビル街にある株式会社サウザンド社内。
「今回の件はこうしてああして……こっちの連絡は俺でやるから。
 鶴田(つるた)さんはこの資料とプレゼンデータの作成を……」
「わかりました、茶摘さん!!」
 採用関連業務での打ち合わせを終え、会議室を出てきた人事部社員・茶摘卓雄とその後輩にして若手社員、鶴田正樹(つるたまさき)の2人。
 お互いのメモ内容を確認しつつすり合わせていた2人は休憩所も兼ねたランチエリアからふわりと花のような香りが漂ってくる事に気が付く。
「あれっ? 今日は誰かが退社なさるとか……あったかな?」
「いや、茶摘さん、アレですよ、アレ!!」
 そう言いつつ鶴田が指さす先に置かれていた段ボールには
『株式会社サウザンド社長&管理職一同より 国際女性デー2024』
 と言う掲示と共に黄色い小さな花束がいくつか置かれている。
「これは……?」
「いやだなぁ、今日全社員メールで来ていたじゃないですか!! これはミモザの花束らしいですよ!!」
 後輩の指摘にすぐ社内メールをノートパソコンで確認する茶摘。

「ああ、本当だ!! 朝来てたけど別件で見逃してたよ。
 これって女性限定らしいけど……キアラにお土産で持って帰ってあげたいな。
 鶴田さんはどう思う?」
「キアラ? 茶摘さんの彼女はニャンティでしたよね……新しい何かのキャラですか?」
 先輩社員がそういう人だと知る鶴田はそう言いつつスマホで『キアラ 二次元 キャラクター』と検索しようとする。
「ああ、いや……持って帰るってぇのは写真に撮ってだな、カーチャンとかに送るって事だぞ鶴田クン、流石に一時期流行ったアレとかみたいなのではないからな?」
 眼を泳がせながらスマホを取り出し、花束の写真を撮る茶摘。
(なるほど、先輩……ついに二次元じゃない三次元の新しい彼女が出来たんすね!!
 キアラって言うのが本名なのかよくわからないけど、おめでとっす!!)
 学生時代、サッカー部のエースとしてモテモテだったが故に女性経験もそれなり以上にある鶴田はスマホ写真を操作する茶摘の後ろでこっそりサムズアップする。

 ~それから数時間後~
「ええと、ここら辺から帰り道にある花屋は……」
 ミモザは無理でも黄色い花ぐらいなら確保できるかもしれない。
 隙あらば半裸で誘惑してくるのはさておき、いつもお世話になっている同居人の女淫魔・キアラに出来れば現物を買って帰ろうと茶摘がスマホ検索しようとしたその時だった。
「茶摘さん!! 追いついたわ!!」
「守屋さん!?」
 紙袋を持ってこちらにかけてくる会社の上司、守屋美希・通称ミキちゃんに気が付いた茶摘。
「はい、これキアラちゃんの分!! 私用以外にもこっそり2個もらっておいたの!!」
 そう言いつつ紙袋に入ったミモザの花束を渡すミキちゃん。
「おお、これは助かります!! わざわざすみません……あれ、2個?」
 淫魔族と同居関係にある同士&会社上司として最高の心遣いに感謝しつつもミキさん用、キアラ用、もう一個あるのは誰用なのだろう? と言う疑問が生じた茶摘。
「もしもし、アラン君? ごめんね今行くから……また明日ね、茶摘さん!!」
 アランとこれから会うという事はあの人だろうな。
 電話をかけつつ元気に走って行く女性上司を前に色々と察した茶摘は頭を下げて見送る。

 ……再びしばらくして、都内S区某所にあるアパート
「ああ、今日も疲れたぁ……」
 人間界で派遣社員として働く20代女性、砂岡蓮美。
 魔界の淫魔財閥時期総帥にして上位淫魔族サキュバス・クイーンでもあるイザベラ・インマは魔力感知妨害が張られた室内で本来のロング赤髪に美爆乳グラマーな姿に戻って麦茶を飲みつつテレビをつける。
『今日A区にある公園で国際女性デーにちなんで女性にミモザの花を配るイベントが……』
「ああ、人間界にはそんなイベントがあるのね……まあ私には関係ないけど」
 冷蔵庫に麦茶を戻して夕食のおかずを探し始めたイザベラさん。
 その時、ドアベルがピンポンと鳴る。
「この魔力反応は……ミキさんとアランだわ!!」
 チャットアプリの連絡を確認したイザベラはそっとドアを開ける。

「姉さん、いくら僕達だからって……」
「ごめんね、アラン。今帰ったばっかりで……おほほ」
 赤いシースルーランジェリーパンツで出てしまったイザベラさんはダボダボTシャツを下ろして隠す。
「知ってるかわからないけど……今日は国際女性デーとの事だから。
 姉さんにミモザを持って来たんだ。」
 そう言いつつ(ミキちゃんが会社から余分にもらって来た)ミモザの花束を姉に差し出すアラン。
「まあ、ありがとう!! 大好きよアラン!!」
 姉の美爆乳に押し込まれるように抱きしめられたアランは以前のように顔をしかめることなくその抱擁を受け入れるのであった。

【FIN】
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