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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第66話)】「リトル淫魔の雪遊び!! おもちゃ屋オババは欺けない!?」
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『今日は終日関東地方でも積雪が続き、交通機関の乱れなどが予測されます、不要不急の外出は避け……』
「おやおや、俗世の者達は大変だねぇ……」
週末のS区中央商店街にあるおもちゃ屋、『オババのおもちゃ』店内でラジオをお供に日課の店番中の店主、大芭 万子(おおば ばんこ)通称・おもちゃ屋オババ。
温かく着込んでレジに座る彼女はオイルヒーター上でしゅんじゅん言うやかんを手に取り、温かいほうじ茶を湯飲みに注ぎ足す。
「こんな天気じゃあお客さんが来るかもわからんが、しょうがないわ」
そう言いつつオババが温めすぎたほうじ茶をふうふうしていたその時、カランコロンとお客様が来店する。
「こんにちは、オババさん」
「おや、守屋さんに茶摘さん……」
てれびげえむやおもちゃの予約でいつも来店するヲタク会社員茶摘とその同僚の守屋さん。
そんな2人の手を握って入店するのはふわもこポンポン付き帽子を被って白コートにブーツ姿の褐色肌&金髪三つ編みお下げの幼女と青いダッフルコート&マフラーな金髪に青い眼の小さな男の子だ。
「こんにちはですわ、オババさん!!」
「こんにちは、おばあちゃん!!」
「おやおや、こんにちは。ここははじめましてかな?」
常連様2人と共にやって来た可愛らしい幼児の元気いっぱいな挨拶に目を細めるおもちゃ屋オババ。
「うん、あたちはキアラ!! はじめまして、おおばおばあちゃん!!」
「ボクはアラン……っていうんです。はじめまして、で、す。おおばさん」
元気よく手を上げるキアラに対し、小恥ずかしいのかミキちゃんのスカートを掴んで後ろに隠れてしまうアラン。
「おやおや、奇遇だねぇ。どこかで最近聞いた名前だが……気のせいだろうね、ふえふえふえ。それで今日は何をお求めかな? 男の子おもちゃは主にそっち、女の子おもちゃはあっちだよ?」
オババは綺麗な湯飲み2つにに温かいほうじ茶を入れ、茶摘とミキちゃんに差し出しつつ問う。
「ええ、この子達は会社の海外取引先の偉い人のお子さんなんですけど…… この近くで雪遊びが出来る場所を探しているんです」
「それで大芭神社の敷地に入らせてもらえないか……許可を頂きに来たんです」
「へぇ、そうなのかい。今の子は何かと大変だねえ……キアラちゃん、いるかね?」
「ありがとう、おばあちゃん!!」
オババが差し出したアニメキャラクターの飴を2つ受けとったキアラはミキちゃんのお尻に顔を隠したアランに1つ分けてあげる。
「もちろん構わんよ、雪玉を投げる以外なら何をやっても構わんさ。
しかし見た所手ぶらなようだが……お砂遊びセットが無いと子供達の手がシモヤケになってしまうんじゃないかね?」
そう言いつつ外遊びおもちゃが置かれた店の一画をチラチラとみやるオババ。
その意図を察した大人2人はすぐに網袋に入ったプラスチックミニスコップ&バケツのセットを2個お買い上げする。
それからしばらくして、大芭神社境内。
「茶摘おじさん、もうちょっと右ですわ!!」
「タクおじさん、そこそこ!!」
「オーケィ!! いま置くよ」
たくさん積もった雪で幼児キアラ&アランと共に大きな雪だるまを作っている茶摘は最後の締めとなる帽子かわりのおもちゃのプラバケツを慎重に頭にのせていく。
「うふふ、懐かしいねぇ……」
おもちゃ屋を臨時体業にし、温かい麦茶入りの魔法瓶と湯飲みをもって4人の様子を見に来たおもちゃ屋オババは隣に座るミキちゃんに話しかける。
「ええそうですね……」
保護者として微笑ましい光景を見守るミキちゃんはお砂場セット2点&おもちゃのトラック購入時におまけとしてもらったホッカイロで手を温めつつ相槌を打つ。
「だいぶ昔の話になるが、ここは子供達の遊び場でねぇ……学校帰りの子供達がよくここに集まってたんだ
よ。今ではおっさんだがそば屋のゲンやタカギラジオんとこの勇太、女の子ではツキミんとこのサカコちゃんもよく遊んでいたねぇ……」
完成した雪だるまと共にスマホ記念撮影するリトル淫魔と茶摘を見守りつつオババは目を細める。
「まあ野球やドッジボールみたいなのはボロ神社とは言えNGだが、守屋さんと茶摘さんとこの子ならいつでも大歓迎さ。やるのがてれびげぇむでも構わないからお友達を連れてきても構わんよ」
「ありがとうございます、大芭さ……んっ?」
会社の取引先の偉い人のお子さんと説明済みで、まさか同居人のアラン君やキアラちゃんが化けた姿だとは気づいていないはずだが……と一瞬戸惑うミキちゃん。
「ミキちゃん!! 茶摘おじちゃんがお手てさむさむだから代わってだって!!」
「かまくら作ろうよ、ミキさ……モリヤお姉ちゃん!!」
「はあぃ、今行くわよアラン君にキアラちゃん!!」
もこもこに着込んで元気一杯な子供を演じる2人の淫魔族にご指名されたミキちゃんはベンチから立ち上がり茶摘と保護者バトンタッチすべく向かって行くのであった。
【FIN】
「おやおや、俗世の者達は大変だねぇ……」
週末のS区中央商店街にあるおもちゃ屋、『オババのおもちゃ』店内でラジオをお供に日課の店番中の店主、大芭 万子(おおば ばんこ)通称・おもちゃ屋オババ。
温かく着込んでレジに座る彼女はオイルヒーター上でしゅんじゅん言うやかんを手に取り、温かいほうじ茶を湯飲みに注ぎ足す。
「こんな天気じゃあお客さんが来るかもわからんが、しょうがないわ」
そう言いつつオババが温めすぎたほうじ茶をふうふうしていたその時、カランコロンとお客様が来店する。
「こんにちは、オババさん」
「おや、守屋さんに茶摘さん……」
てれびげえむやおもちゃの予約でいつも来店するヲタク会社員茶摘とその同僚の守屋さん。
そんな2人の手を握って入店するのはふわもこポンポン付き帽子を被って白コートにブーツ姿の褐色肌&金髪三つ編みお下げの幼女と青いダッフルコート&マフラーな金髪に青い眼の小さな男の子だ。
「こんにちはですわ、オババさん!!」
「こんにちは、おばあちゃん!!」
「おやおや、こんにちは。ここははじめましてかな?」
常連様2人と共にやって来た可愛らしい幼児の元気いっぱいな挨拶に目を細めるおもちゃ屋オババ。
「うん、あたちはキアラ!! はじめまして、おおばおばあちゃん!!」
「ボクはアラン……っていうんです。はじめまして、で、す。おおばさん」
元気よく手を上げるキアラに対し、小恥ずかしいのかミキちゃんのスカートを掴んで後ろに隠れてしまうアラン。
「おやおや、奇遇だねぇ。どこかで最近聞いた名前だが……気のせいだろうね、ふえふえふえ。それで今日は何をお求めかな? 男の子おもちゃは主にそっち、女の子おもちゃはあっちだよ?」
オババは綺麗な湯飲み2つにに温かいほうじ茶を入れ、茶摘とミキちゃんに差し出しつつ問う。
「ええ、この子達は会社の海外取引先の偉い人のお子さんなんですけど…… この近くで雪遊びが出来る場所を探しているんです」
「それで大芭神社の敷地に入らせてもらえないか……許可を頂きに来たんです」
「へぇ、そうなのかい。今の子は何かと大変だねえ……キアラちゃん、いるかね?」
「ありがとう、おばあちゃん!!」
オババが差し出したアニメキャラクターの飴を2つ受けとったキアラはミキちゃんのお尻に顔を隠したアランに1つ分けてあげる。
「もちろん構わんよ、雪玉を投げる以外なら何をやっても構わんさ。
しかし見た所手ぶらなようだが……お砂遊びセットが無いと子供達の手がシモヤケになってしまうんじゃないかね?」
そう言いつつ外遊びおもちゃが置かれた店の一画をチラチラとみやるオババ。
その意図を察した大人2人はすぐに網袋に入ったプラスチックミニスコップ&バケツのセットを2個お買い上げする。
それからしばらくして、大芭神社境内。
「茶摘おじさん、もうちょっと右ですわ!!」
「タクおじさん、そこそこ!!」
「オーケィ!! いま置くよ」
たくさん積もった雪で幼児キアラ&アランと共に大きな雪だるまを作っている茶摘は最後の締めとなる帽子かわりのおもちゃのプラバケツを慎重に頭にのせていく。
「うふふ、懐かしいねぇ……」
おもちゃ屋を臨時体業にし、温かい麦茶入りの魔法瓶と湯飲みをもって4人の様子を見に来たおもちゃ屋オババは隣に座るミキちゃんに話しかける。
「ええそうですね……」
保護者として微笑ましい光景を見守るミキちゃんはお砂場セット2点&おもちゃのトラック購入時におまけとしてもらったホッカイロで手を温めつつ相槌を打つ。
「だいぶ昔の話になるが、ここは子供達の遊び場でねぇ……学校帰りの子供達がよくここに集まってたんだ
よ。今ではおっさんだがそば屋のゲンやタカギラジオんとこの勇太、女の子ではツキミんとこのサカコちゃんもよく遊んでいたねぇ……」
完成した雪だるまと共にスマホ記念撮影するリトル淫魔と茶摘を見守りつつオババは目を細める。
「まあ野球やドッジボールみたいなのはボロ神社とは言えNGだが、守屋さんと茶摘さんとこの子ならいつでも大歓迎さ。やるのがてれびげぇむでも構わないからお友達を連れてきても構わんよ」
「ありがとうございます、大芭さ……んっ?」
会社の取引先の偉い人のお子さんと説明済みで、まさか同居人のアラン君やキアラちゃんが化けた姿だとは気づいていないはずだが……と一瞬戸惑うミキちゃん。
「ミキちゃん!! 茶摘おじちゃんがお手てさむさむだから代わってだって!!」
「かまくら作ろうよ、ミキさ……モリヤお姉ちゃん!!」
「はあぃ、今行くわよアラン君にキアラちゃん!!」
もこもこに着込んで元気一杯な子供を演じる2人の淫魔族にご指名されたミキちゃんはベンチから立ち上がり茶摘と保護者バトンタッチすべく向かって行くのであった。
【FIN】
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