ミキちゃんちのインキュバス 2 !!

千両文士

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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第64話)】「マッドサイエンティスト謹製!!スゴロク・ザ・ワールド ㊙ミキちゃんバニー!?」

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 都内T区にあるタイガーメンマンション805号室、週末の午後。
「令和で流行りの女の子は♬ サキュバスグラマーでボンキュッボン♪」
 茶摘が公共料金振込でコンビニにお出かけ中にご機嫌なアニメ替え歌と共に掃除機をかけるハーフサキュバスのキアラ。
「あら、 これは……何かしら?」
 お掃除中にベット下から広辞苑サイズの革張り本のような物を見つけて引きずり出したキアラは思わず首をかしげる。
「このサイズ的に殿方のTHE・お約束ネタ『ベッドの下にエッチなご本を隠す』とかでは無さそうですし……おばばさんのお店でお買い上げになったヲタクおもちゃですかしら? あら、ここに開けられるフックがありますわね……」
 革張り本のような物が何かの箱だと気づいたキアラは封を解いて開けてしまう。

「……あれっ? ここは?」
 気が付くと見知らぬ大きな正方形のブロック上に倒れていたキアラ。
 そこを起点に無機質な床から突き出した正方形のブロックがクロスワードパズルやテトリスのように枝分かれして延々と連結している以上風景を見回してしまう。
「ううん……あれっキアラちゃん?」
「ミキさん!! それにアラン様に茶摘さんまで?」
 同じ正方形ブロック上に倒れていた3人に気が付いたキアラはすぐに駆け寄る。
『はぁい、お久しぶりですね!! お元気そうで何よりです魔潤体質のミミさん!!』
 魔潤体質と言うキーワードにわざととしか思えない呼び間違い。
「どこにいるのレイ!! 出て来なさい!!」
 このブロック世界の創造主と今回の犯人が何者かすぐに理解したキアラは3人の無事を確かめつつどこからともなく聞こえる声に叫び返す。
『おやおや、天使様はお怖いですねぇ……これは私が淫魔ギルドの新人研修用に試作した体感型ボードゲーム、ドキドキ★淫魔すごろく!! 
 お正月らしいこれを今から皆さんにプレイしてもらいまぁす!!』
「はぁ? 勝手に決めないでよ!!」
『ルールは簡単!! 今から順番にサイコロを振っていただき、止まったマスで強制衣装チェンジ!! 細かいルール設定は未実装の試作版だから何になるかは運しだい!! でも……それがいい、そうでしょ!!
 ではゲームスタートです、サイコロ入りまぁす!!』
 アランと自宅にいた所を巻き込まれたミキちゃんの抗議の声を無視して説明する淫魔財閥の問題児にしてマッドサイエンティストのレイ・ビースト。
 テレビのバラエテイー番組とかで使われる巨大サイコロが4人のいるスタートマスに落ちて来る。
「……私から行くわ、4ね」
 決死の覚悟でサイコロを投げ、4を出したミキちゃんはスタート地点から慎重に4コマ進む。
「このコマは『バニーガール』……きやあつ!!」
 次の瞬間、部屋着から網タイツにハイヒール、ハイレグレオタードに黒ウサ耳ヘアバンドに服が変わったミキちゃんはご丁寧にも小道具のライターが挟まってほぼ丸見えなたわわ美巨乳を手で隠す。
『オウッ!! ファンタステイック!! どうやら基幹システムはきちんと動くようですね!! 他の皆さんもどうぞ、お進みください』
「……とにかく進みましょう、このままミキさんを放置してはおけません」
 胸を手で覆い隠したまま顔を真っ赤にしてヤンキー座りするミキちやん。
 3人はサイコロを振って進む。
「俺は……サムライ? ていうかこれは新選組だよ!!」
 黒い袴和服上に特徴的な袖口の「浅葱色の羽織」な恰好になりつつも嬉しそうな茶摘。
「これはこれで新鮮ですわ!!」
 白ナースキャップに白ストッキングな白衣の天使、ナース服に強制チェンジさせられて満足気なキアラ。
「これはこれで……いいのか?」
 某WEB小説家の作品に出て来る悪の組織の幹部よろしく黒軍帽にロングコート軍服にされたアラン。
「何で私だけ……」
 かっこいいかわいい他の3人と比べて明らかに露出度が高い衣装にされたミキちゃんは少し拗ねる。
『オウケイ、オウケイ……皆さん最高よ!! じゃあミミさん、サイコロどうぞ!!』
「こうなりゃままよ!! 次こそマトモなの来て!!」
 色々と丸見えの恥ずかしさのあまリヤケ気味なミキちゃんは目の前のサイコロを投げて進む。
「女王様?……きゃあっ!!」
 黒いラバー素材のコルセットにパンティー、ガーターベルト付きロングソックスにブーツ姿になったミキちゃん。胸部の露出は相変わらずでへそチラデザインな事よりも何故か右手に持っていた小ぶりなフライ返しのような武器(?)と大きな蝶の枠のみ眼鏡と言う謎の小道具の意味が分からず戸惑う。
『さあ他の皆さんも!!』
「はいっ!!」
 明らかにお色気衣装補正をかけられているミキちゃんが泣き出す前にこのクソすごろくを終えてレイの顔面に一発ぶち込まねば。
 文字通り『女王様』なボンテージミキちゃんがその意味に気づく前に3人は慌ててサイコロを投げる。

 それから数巡後……
「はあ、はあ……もうすぐですね」
 軍人、漁師、パテイシエ、フアラオ等々を経て古代ローマの剣闘士な鎧兜に丸盾&剣を持ったアランは目前のゴールを見やりつつ呟く。
「もう何でも来いって感じね……」
 バニー、SM女王様、チャイナドレス、全身タイツに仮面、レースタイーン、その他自主規制な数々……と言う辱めを経てピンクでフリフリミニスカートな魔法少女でゴール目前まで来たミキちゃんはげっそりした顔で答える。
「あと少しでゴールだな、頑張ろうぜぇ……」
「おぉ……ですわぁ!!」
 赤ハチマキにバンカラ黒学ランな応援団姿の茶摘は座り込んだまま力なく腕を振り上げ、勝手にライバル視しているアニメキャラクター・猫耳ベリーダンサーのニャンティ姿にされたキアラも空元気でそれに答える。
『さあ、 ミキさん最後のサイコロとなるか!? どうぞお投げください』
 ミキちゃんはサイコロを転がして進んだものの、ゴール直前のマスで止まってしまう。
「……女淫魔の正装? これって何かしら」
「キャアアァァァ!!」
「やめろぉぉおぉ!!」
 その意味を察して悲鳴を上げる淫魔族2人の目の前でミキちゃんの魔法少女衣装が蒸散。
 中途半端な裸よりも恥ずかしいTバック黒マイクロビキニを蒸着させられていくミキちゃん……。

「いやはや、危ない所でしたな」
 いつの間にかS区のマンション508号室に戻っていた4人。
「どうも、 ミミさん。お久しぶりです……あはは」
 丸眼鏡にモジャモジャ頭のマッドサイエンティストを麻縄でスマキにして件の革張り本を機能停止させて差し押さえた魔界刑事コンビは安堵の息を吐く。
「さあ、来い!! 取り調べ室がお待ちじゃぞ!!」
「ぴえぇぇん!! お慈悲を、お慈悲をぉぉぉ!!」
 性懲りもなくミキちゃんと淫魔族達にちょっかいを出したマッドサイエンティストはスマキにされたまま怖い表情のラビオ刑事に連行されていくのであった。

【FIN】
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