ミキちゃんちのインキュバス 2 !!

千両文士

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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第62話)】「神狐とクイーン・サキュバス 年明け2024@高天原」

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 日本の八百万の神々が住まう天界の高天ケ原、その下町にある長屋通り。
「ただいまあ……流石に寒いわぁ」
 年末の倉庫バイトを終えて帰宅した若い神狐族の女性、フブキことフウはフード付きジャンパーを脱いでボブにした銀髪と白い狐耳を解放し、厚手のジャージズボンのお尻からふかふかの白狐尻尾を出して楽にする。
「おかえり、フウちゃん !! 今年もお疲れ様ね!!」
 そんな彼女を出迎えるのは40代と思しき割烹着姿の神狐族女性、ハル。
 魔界に出稼ぎ中の夫に代わって家庭を守り、人間界で稲荷神社の祀神として働く息子と高校生の娘のために日々パート掛け持ちで家計を支える主婦である。
「お兄ちゃんはまだ戻らないの?」
「ええ、さっきのギンコからの電話ではもうすぐ帰るとの事だったけど。入れ違いになっちゃったのかしら?」
 娘の言葉に黒電話の横に置かれたチラシ裏メモとアンティーク時計を見返しつつ確認する神狐族のハル。
「どうもそうみたいね、とりあえずお鍋の準備をしましょ!! 今日は大日毎日だからすき焼きよ、締めのうどんに新鮮な卵もあるからたくさん食べてね!!」
「わあい!! ありがとうお母さん!!」
 ハル母さんがちゃぶ台中央にすき焼き鍋を置くのに合わせて、フウが3人分のお皿を準備をしていると玄関の呼び鈴が鳴る。
「おかえり、お兄ちゃ……?」
 一年ぶりに帰省した年齢=彼女いない歴のギンコお兄ちゃんが真紅のロングコート上からでも分かるとんでもないボンキュッボンなスーパーグラマー魔界人の女性さんと共に帰省したと言う信じがたい風景に直面して動きが止まるフウ。
「ただいま、フウ!!」
「……ギンコお兄ちゃん、その人は?」
「はじめまして、フウちゃん。私はギンコさんとお付き合いさせてもらっている淫魔族の父母を持つ淫魔族な人間界の会社員、ロータスよ……よろしくね」
 フウに微笑みつつ偽名で自己紹介するイザベラさん。
「あつ、はいつ!! はじめまして!! 私は神狐族の両親を持つ神狐族のフブキ、公立高天原高校2年生です!! いつもギンコお兄ちゃんがお世話になっております!!」
 初めて目近に見る淫魔族女性さんのスーパーグラマーセクシーナイスバディに見惚れつつもフウは自己紹介を返し、兄共々室内にご案内する。

 それからしばらくして、ギンコさん実家の風呂場。
「ロータスさん、綺麗だったなぁ……」
 兄の彼女ロータスさんの事を事前に聞きながら共有を忘れていた母はさておき、家族とお客様と共にごちそうすき焼きを楽しんだフウ。
 (でもあの赤髪の淫魔族さん、魔力反応的に感知反応ジャミングはしていたけど魔力擬態はしていないようだったわ。でもどこかで見たことがあるような……ニュースで見た魔界のセレブか芸能人でそっくりさんかしら、誰だっけ?)
 そんな事を考えつつBGMとなる除夜の鐘を数えつつ冬の贅沢な時間を楽しんでいると誰かが脱衣所に入って来る。
「お母さん?」
 衣擦れの音と共にするすると脱ぎはじめたガラス越しの影は無言で浴室のドアを開ける。
「ロータスさん!?」
 風呂桶を片手に入って来た一糸まとわぬ兄彼女さん。
 美しい肌に彫像の如くボンキュッボンな美プロポーション、そして淫魔族の最大の特徴たるスイカ顔負けの美爆乳。
「ごめんなさいね、フウちゃん。せっかくだからご一緒よろしいかしら?」
「はっ、はい、どうぞ!!」
 その圧倒的なまでの美に人型神族の端くれとしてくぎ付けになりつつも、すぐさまOKするフウ。
 (まさかとは思うけど……)
 洗い場で手桶に水を取り、せっけんを泡立てるロータスさんを前にある可能性を思い出したフウ。
「あの、あなたはもしかして……淫魔財閥の次期総帥のイザベラ・インマさんでは?」
 何かで見た淫魔財閥総帥による記者会見映像を思い出したフウの口からぽろりと疑問がこぼれ落ちる。
「あら、どうしたのフウちゃん? 私がそんな雲の上にお住いのサキュバスクイーン様だなんて……御冗談がお上手なのね!!」
「でもロータスさんは魔力擬態なさったませんし、感知反応ジャミングなさってませんか……むぎゅう!!」
 いきなりロータスさんの美爆乳に顔を押し込まれ、豪快に口を塞がれたフウはいつもの安い石鹸の香りとは思えない芳香に一瞬で黙らさせられる。
「フウちゃん、私は人間界で会社員をしている女淫魔のロータス……わかったかしら?」
「ふっ、ふあぃ……」
「うふふ、今石鹸を流すから少し待ってね!!」
 この人は間違いなく淫魔財閥次期総帥様だ。
 この反則級の口封じで確信しつつも次は何をされるかわかったものではないフウは兄と自分の安全のために風呂桶内でよって半分開けるのであった。

【FIN】
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