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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第60話)】「クリスマススペシャル回2023!! ミキちゃんとくるみ割り人形の夢」
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都内S区某所にあるマンション508号室、12月24日の深夜。
『ジュゥゥゥゥゥゥ!!』
『ぐぁぁぁ、うぐぅぅぅ……』
(んっ……?)
魔界人達との忘年会も兼ねたクリスマスパーテイーを終えた株式会社サウザンド人事部社員、守屋美希・通称ミキちゃんは奇妙な声に薄目を開ける。
「アラン君、どうし……」
スマホ懐中電灯をつけ、部屋を照らしたミキちゃんの眼に飛び込んで来たのはプレゼント交換会でアラン君からもらったくるみ割り人形
それがちゃぶ台上で子猫ほどもある大ネズミにバックを取られて、キャメルクラッチをかけられていると言う珍光景に直面し、大ネズミの邪悪な笑みに怖いと言うよりかは意味が分からないと言う感情が先行したミキちゃんはそのまま凝視してしまう。
『じゅじゅじゅじゅじゅ!!』
キャメルクラッチを解いた大ネズミはぐったりしたくるみ割り人形を上下逆さにして肩に担ぎ、またさきに足を掴んで保定。そのままちゃぶ台から飛び降りてとどめのキン肉バスターを決めようとする。
「きゃああああ!!」
ここで我に返ったミキちゃんは枕下のモデルガンを取り出してバケモノネズミに乱射。
不意打ちで体勢を崩した大ネズミはちゃぶ台からそのまま滑り落ちて腰をしこたま打ち付けてしまう。
『じゅっ……』
『おらぁぁ!!』
不発に終わったキン肉バスターから解放されたミキちゃんのくるみ割り人形はすぐに飛び乗ってマウントを取り、大ネズミの顔面を容赦なくボコボコにしはじめた。
『ちゅうううう!!』
この一方的殴打にたまらずそのままベランダ窓の隙間から逃げ出していく大ネズミ。
くるみ割り人形はすぐにベランダ窓を閉じ、鍵をかける。
「あの……?」
『ありがとう、守屋さん。 僕は宿敵ネズミキングの呪いでくるみ割り人形にされていた妖精の王子。あなたの援護射撃のおかげで奴を打ち負かせて呪いが解けたんです!!』
ミキちゃんの目の前でドロンと変化し、王子様ファッションな金髪イケメンになった元・くるみ割り人形はパジャマ姿でベッドに座ったミキちゃんの前に脆き、手を取って感謝する。
「あなた、アラン君じゃないのよね…… ? あれっ、私もいつのまに!?」
いつのまにかパジャマからスミレ色のドレス姿になっていたミキちゃん。
「さあ、妖精の国へご一緒に!! みんなが待っています」
妖精の王子にお姫様抱っこされたミキちゃんは光の渦に包まれて508号室から飛び立つ。
(わぁ、素敵……こんな本格バレエ久しぶりだわ!!)
白亜の大広間で管弦楽団が奏でる『花のワルツ』と共に白く可憐な花のような衣装でプリマドンナソリストとして華麗に舞う金髪ツインテール天使のシオンちゃん。
かつてクリスマスシーズンには必ずお母さんと一緒に観に行っていたチャイコフスキー氏による不朽のクリスマスバレエ『くるみ割り人形』そのものな王子様のお城に貴賓として招かれたミキちゃん。
そんな彼女の前で美しい音楽と共に舞い、めでたい宴を盛り上げ楽しませたのはターバンアラビアン茶摘の奏でる笛版『アラビアの踊り』に合わせて共に白布をたなびかせて軽やかに美しく舞い跳ねるアラビアンダンサーなキアラちゃん。
赤髪を頭上左右で大きなお団子に結って青薔薇入りの真紅チャイナドレスなイザベラさん
が『中国の踊り』をバックに繰り広げるハラハラドキドキな剣の舞ジャグリング。
毛皮の帽子に防寒具&ブーツと言うコサック衣装な魔界刑事コンビ&ギンコさんのメンズトリオによる『ロシアの踊り』そのものな激しくも一糸乱れぬコサックダンス。
ギリギリTバックパンツ&クリスマカラー羽根飾り衣装で賑やかなボンゴやマスカラと共にマッスルサンバを見せつけたジェニファー義姉さんと鬼丸君・・・
スミレ色のドレスな主人公クララに扮してアラン君そっくりな妖精王子と並んでに食卓につき、豪華な復活の宴でもてなされていたミキちゃんは夢幻だと理解しつつもその華やかな世界を大満喫する。
「守屋さん、僕は貴女がいなければあのままネズミキングの必殺技、キン肉バスターでバラバラにされていたでしょう……」
プリマドンナソリストとして踊り終えたシオンちゃんと共にカーテンコールする知り合いの魔界人そっくりのエンターテイナーさん達の前で締めの音頭を取る妖精王子様。
「いえいえ、私こそ早く動けば王子様をプロレス技から解放出来たのにごめんなさい」
デザートを食べ終え、晩餐の締めとなる甘いドリンクで王子様とカンパイするミキちゃん。
「これは僕からのプレゼントです……愛しています、見目麗しいミキさん」
そう言いつつミキちゃんの手を取って共に立ち上がり、 ミキちゃんの腰に手を回して抱き寄せてくる王子様。
「アラン君……」
山あり谷ありな人生30年プラスアルファ……本物のイケメン王子様とのラブロマンス展開と言うありえない初体験にドキドキなミキちゃんはうっとりと目を閉じる。
「ミキさん、 ミキさん!! 朝ですよ!!」
「むにゃ……アラン君?」
王子様と唇を重ねる直前で夢から覚めたミキちゃん。
そんな彼女を起こしたのはくるみ割り人形の王子様そっくりの金髪イケメン男淫魔・アランだ。
「……」
「ごめんなさい、でももう起きて支度をしないと間に合わない時間だったので……どうしたんですか?」
昨夜、ちゃぶ台上に座らせた姿勢のまま1ミリも動いていないくるみ割り人形をじっと見つめつつぼうっとしたミキちゃん。
「アラン君、素敵なプレゼントありがとうね……とっても楽しかったわ!!」
パジヤマのまま乙女チックに顔を赤らめたミキちゃんは会社に行く前の朝シャワーを浴びに行く。
(なにかクリスマス絡みの楽しい夢でも見たのかな……まあミキさんが幸せなら問題なし!!)
ミキちゃんがシャワーを浴び始めた音を確認したアランはトースト挿入スタンバイ中のトースターレバーを下げ、バターとジャムを冷蔵庫から取り出すのであった。
【FIN】
『ジュゥゥゥゥゥゥ!!』
『ぐぁぁぁ、うぐぅぅぅ……』
(んっ……?)
魔界人達との忘年会も兼ねたクリスマスパーテイーを終えた株式会社サウザンド人事部社員、守屋美希・通称ミキちゃんは奇妙な声に薄目を開ける。
「アラン君、どうし……」
スマホ懐中電灯をつけ、部屋を照らしたミキちゃんの眼に飛び込んで来たのはプレゼント交換会でアラン君からもらったくるみ割り人形
それがちゃぶ台上で子猫ほどもある大ネズミにバックを取られて、キャメルクラッチをかけられていると言う珍光景に直面し、大ネズミの邪悪な笑みに怖いと言うよりかは意味が分からないと言う感情が先行したミキちゃんはそのまま凝視してしまう。
『じゅじゅじゅじゅじゅ!!』
キャメルクラッチを解いた大ネズミはぐったりしたくるみ割り人形を上下逆さにして肩に担ぎ、またさきに足を掴んで保定。そのままちゃぶ台から飛び降りてとどめのキン肉バスターを決めようとする。
「きゃああああ!!」
ここで我に返ったミキちゃんは枕下のモデルガンを取り出してバケモノネズミに乱射。
不意打ちで体勢を崩した大ネズミはちゃぶ台からそのまま滑り落ちて腰をしこたま打ち付けてしまう。
『じゅっ……』
『おらぁぁ!!』
不発に終わったキン肉バスターから解放されたミキちゃんのくるみ割り人形はすぐに飛び乗ってマウントを取り、大ネズミの顔面を容赦なくボコボコにしはじめた。
『ちゅうううう!!』
この一方的殴打にたまらずそのままベランダ窓の隙間から逃げ出していく大ネズミ。
くるみ割り人形はすぐにベランダ窓を閉じ、鍵をかける。
「あの……?」
『ありがとう、守屋さん。 僕は宿敵ネズミキングの呪いでくるみ割り人形にされていた妖精の王子。あなたの援護射撃のおかげで奴を打ち負かせて呪いが解けたんです!!』
ミキちゃんの目の前でドロンと変化し、王子様ファッションな金髪イケメンになった元・くるみ割り人形はパジャマ姿でベッドに座ったミキちゃんの前に脆き、手を取って感謝する。
「あなた、アラン君じゃないのよね…… ? あれっ、私もいつのまに!?」
いつのまにかパジャマからスミレ色のドレス姿になっていたミキちゃん。
「さあ、妖精の国へご一緒に!! みんなが待っています」
妖精の王子にお姫様抱っこされたミキちゃんは光の渦に包まれて508号室から飛び立つ。
(わぁ、素敵……こんな本格バレエ久しぶりだわ!!)
白亜の大広間で管弦楽団が奏でる『花のワルツ』と共に白く可憐な花のような衣装でプリマドンナソリストとして華麗に舞う金髪ツインテール天使のシオンちゃん。
かつてクリスマスシーズンには必ずお母さんと一緒に観に行っていたチャイコフスキー氏による不朽のクリスマスバレエ『くるみ割り人形』そのものな王子様のお城に貴賓として招かれたミキちゃん。
そんな彼女の前で美しい音楽と共に舞い、めでたい宴を盛り上げ楽しませたのはターバンアラビアン茶摘の奏でる笛版『アラビアの踊り』に合わせて共に白布をたなびかせて軽やかに美しく舞い跳ねるアラビアンダンサーなキアラちゃん。
赤髪を頭上左右で大きなお団子に結って青薔薇入りの真紅チャイナドレスなイザベラさん
が『中国の踊り』をバックに繰り広げるハラハラドキドキな剣の舞ジャグリング。
毛皮の帽子に防寒具&ブーツと言うコサック衣装な魔界刑事コンビ&ギンコさんのメンズトリオによる『ロシアの踊り』そのものな激しくも一糸乱れぬコサックダンス。
ギリギリTバックパンツ&クリスマカラー羽根飾り衣装で賑やかなボンゴやマスカラと共にマッスルサンバを見せつけたジェニファー義姉さんと鬼丸君・・・
スミレ色のドレスな主人公クララに扮してアラン君そっくりな妖精王子と並んでに食卓につき、豪華な復活の宴でもてなされていたミキちゃんは夢幻だと理解しつつもその華やかな世界を大満喫する。
「守屋さん、僕は貴女がいなければあのままネズミキングの必殺技、キン肉バスターでバラバラにされていたでしょう……」
プリマドンナソリストとして踊り終えたシオンちゃんと共にカーテンコールする知り合いの魔界人そっくりのエンターテイナーさん達の前で締めの音頭を取る妖精王子様。
「いえいえ、私こそ早く動けば王子様をプロレス技から解放出来たのにごめんなさい」
デザートを食べ終え、晩餐の締めとなる甘いドリンクで王子様とカンパイするミキちゃん。
「これは僕からのプレゼントです……愛しています、見目麗しいミキさん」
そう言いつつミキちゃんの手を取って共に立ち上がり、 ミキちゃんの腰に手を回して抱き寄せてくる王子様。
「アラン君……」
山あり谷ありな人生30年プラスアルファ……本物のイケメン王子様とのラブロマンス展開と言うありえない初体験にドキドキなミキちゃんはうっとりと目を閉じる。
「ミキさん、 ミキさん!! 朝ですよ!!」
「むにゃ……アラン君?」
王子様と唇を重ねる直前で夢から覚めたミキちゃん。
そんな彼女を起こしたのはくるみ割り人形の王子様そっくりの金髪イケメン男淫魔・アランだ。
「……」
「ごめんなさい、でももう起きて支度をしないと間に合わない時間だったので……どうしたんですか?」
昨夜、ちゃぶ台上に座らせた姿勢のまま1ミリも動いていないくるみ割り人形をじっと見つめつつぼうっとしたミキちゃん。
「アラン君、素敵なプレゼントありがとうね……とっても楽しかったわ!!」
パジヤマのまま乙女チックに顔を赤らめたミキちゃんは会社に行く前の朝シャワーを浴びに行く。
(なにかクリスマス絡みの楽しい夢でも見たのかな……まあミキさんが幸せなら問題なし!!)
ミキちゃんがシャワーを浴び始めた音を確認したアランはトースト挿入スタンバイ中のトースターレバーを下げ、バターとジャムを冷蔵庫から取り出すのであった。
【FIN】
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