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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第57話)】「粛聖!! エンジェル・レクイエム 美少女天使VS三郎ラーメン!」
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天界某所にある白亜の大豪邸、上級天使族・アンジェラ家一族の住まうお屋敷。
「うへへへ……」
その一室で天蓋付きベッド上でふかふかピンクパジャマで横になっている金髪の少女、シオン・アンジェラ。
冬休みで在宅中の天界神立学院中等部二年生は人間界で全巻まとめ買いしたアオハルラノベ作品『黒ギャルヤンキー娘、食パンダッシュでぶつかった世界的財閥御曹司様とラブラブになっちゃいました!?』を読んでいる。
(このヒロイン、キアラお姉さまほど魅力的じゃないけど無いよりマシ程度の癒しになっていいですわぁ……ぐひひひ)
シオンが読書の友として用意したカウチポテト・のり塩ポテチの袋に手を入れようとしたその時だった。
「お嬢様、執事長リィトでございます。魔界のリリス淫魔ギルド長殿よりお荷物が……」
「いま開けるわ!!」
シオンは慌ててラノベをベッド下に投げ入れ隠し、ポテチの袋を輪ゴムで縛って机に放り込む。
「リリスさん、ナイスですわ!! ええと、お姉さまのお書きになった記事は……」
人間界を出入りするギルド所属淫魔族の情報共有のためにギルドが刊行している冊子『月刊 淫魔通信』。
元ギルドメンバーとして今でも人間界の情報寄稿しているキアラの記事が掲載されたら自身にも一部よこすように連絡しているシオンは喜んでそのページを開く。
「なになに、お姉さまは人間界のハロウィンでローカルイベントに参加……シブヤのアレとかじゃあないのですのね」
キアラの記事を読み進めていたシオンは掲載されていた写真に表情が凍り付く。
「あいつ……私では飽き足らずついに、お姉さまにまで手にかけましたのね」
そう言いつつ修羅の鬼相で立ち上がったシオンはローブを脱いで金髪を整え始める。
人間界にある日本国の首都・東京都、日曜日の午前中。
T区にあるタイガーメンマンション805号室のベランダ。
「お洗濯は気持ちがいいですわね!!」
「うん、そうだね!!」
2人でベランダに並び、洗濯かごを挟んで仲良く一週間分の洗濯物干しに勤しむハーフサキュバスのキアラと茶摘。
「あとは……あら?」
ドーナツ型の雲を作りつつこちらに向かってくる高速飛翔体に気が付いたキアラ。
「げっ、あれは……キアラ!! すぐに室内へ戻ろう!!
すぐさまその正体が分かった茶摘はキアラに逃げるように促す。
「おぉいシオンちゃん!! こっちよぉ!!」
「キアラお姉さま!! お久しぶりですわ!!」
空想科学級の速度から一気に減速し、急停止したシオンはキアラの美巨乳をクッションにして顔から突入。そのまま抱きかかえられるようにベランダに着地する。
「リリスさんからいただいたコレの件で来ましたのよ!!」
キアラに甘えてにっこにこのシオンが肩にかけたポシェットから取り出したのは『月刊 淫魔通信』だ。
「あらまぁ、それって私が寄稿したハロウィンのが載っているやつだわ!!
せっかくだからお茶でも淹れて一緒に見ましょう!!」
「はいですわ!!」
ご機嫌いっぱいなシオンはキアラと共に508号室に入って行く。
(ちっ、お姉さまが居る時に突っ込んでしまったのは迂闊でしたわ)
魔法少女な幼女キアラが着ぐるみグラサン猫と茶摘と共に映ったチェキを見せてもらいつつ、心の副音声で毒づくシオン。
(どうやらお姉さまの口ぶりだと文化調査のため御自ら子供の姿におなりになったようですけど……あの男の欲望丸出しのいやらしい表情!! 許しがたいですわ)
淫魔通信では特定されないように茶摘の部分にのみモザイクをかけられていた写真の原本を見たシオンは(心の副音声で)舌打ちする。
「シオンちゃんもグラサン猫が大好きなのにごめんね、呼ばなくて……次にこういうイベントがあったら忘れないようにするから」
「いえ、いいですのよお姉さま!! そのお心遣いだけでシオン、嬉しいですわ!!」
再び甘えん坊の姪っ子を抱きしめるキアラ。
(まずいな、今回はキアラがいたから大事にはならなかったが……まさかこんな事になるとはなぁ)
そんな仲良し天使娘達を前に、茶摘は自身を幼児性愛者(だと疑っていた)シオンがあの冊子掲載された写真を見て確信を持ちキアラを守るために抹殺しにきたと推測。
会社帰りに闇討ちされたり一人の時に襲撃されたりしないようにこの場で懐柔出来ないかと画策する。
(この前はじいちゃんとこの紅白まんじゅうでどうにか出来たがなぁ……まてよ、食べ物と言えばうってつけのモノがあるじゃないか!!)
数日前に守屋さんと同席した取引先との商談で先方からいただいた物の事を思い出した茶摘はきゃっきゃうふふと戯れる2人に声掛けする。
「ねえシオンちゃん、もう12時半だけどお昼はもう食べたのかな?」
「まだですわ、茶摘お兄様!!(こいつ、お姉さまの前で一服盛る気か?)」
「あらあら、じゃあ何か一緒に食べましょ!!」
「キアラ、これなんかどうかな? ほら、3食入りだからボクとキアラ、シオンちゃん分あるよね」
『東京の覇者・三郎ラーメンをご自宅で!! チャーシュー麺セット 3食分』
豪快な墨筆フォント&バンダナに黒Tシャツで腕組みする細マッチョメンと共に掲載された熱々のチャーシュー麺。
「ナイスアイディアですわ、茶摘さん!! シオンちゃんも一緒に作りましょ!!」
「はいですわ、お姉さま!!(お姉さまとお料理だなんて、感激ですのよ……粛清してしかるべきロリコンだとしても今回の件はナイスすぎて天使族らしく赦して差し上げないとなりませんわ!!)」
そう言いつつ先にキッチンへ向かう女の子2人。
はからずも免罪符となった生麵入りラーメンセットを持った茶摘はシオン懐柔成功を確信しつつその後に続くのであった。
【57話 FIN】
「うへへへ……」
その一室で天蓋付きベッド上でふかふかピンクパジャマで横になっている金髪の少女、シオン・アンジェラ。
冬休みで在宅中の天界神立学院中等部二年生は人間界で全巻まとめ買いしたアオハルラノベ作品『黒ギャルヤンキー娘、食パンダッシュでぶつかった世界的財閥御曹司様とラブラブになっちゃいました!?』を読んでいる。
(このヒロイン、キアラお姉さまほど魅力的じゃないけど無いよりマシ程度の癒しになっていいですわぁ……ぐひひひ)
シオンが読書の友として用意したカウチポテト・のり塩ポテチの袋に手を入れようとしたその時だった。
「お嬢様、執事長リィトでございます。魔界のリリス淫魔ギルド長殿よりお荷物が……」
「いま開けるわ!!」
シオンは慌ててラノベをベッド下に投げ入れ隠し、ポテチの袋を輪ゴムで縛って机に放り込む。
「リリスさん、ナイスですわ!! ええと、お姉さまのお書きになった記事は……」
人間界を出入りするギルド所属淫魔族の情報共有のためにギルドが刊行している冊子『月刊 淫魔通信』。
元ギルドメンバーとして今でも人間界の情報寄稿しているキアラの記事が掲載されたら自身にも一部よこすように連絡しているシオンは喜んでそのページを開く。
「なになに、お姉さまは人間界のハロウィンでローカルイベントに参加……シブヤのアレとかじゃあないのですのね」
キアラの記事を読み進めていたシオンは掲載されていた写真に表情が凍り付く。
「あいつ……私では飽き足らずついに、お姉さまにまで手にかけましたのね」
そう言いつつ修羅の鬼相で立ち上がったシオンはローブを脱いで金髪を整え始める。
人間界にある日本国の首都・東京都、日曜日の午前中。
T区にあるタイガーメンマンション805号室のベランダ。
「お洗濯は気持ちがいいですわね!!」
「うん、そうだね!!」
2人でベランダに並び、洗濯かごを挟んで仲良く一週間分の洗濯物干しに勤しむハーフサキュバスのキアラと茶摘。
「あとは……あら?」
ドーナツ型の雲を作りつつこちらに向かってくる高速飛翔体に気が付いたキアラ。
「げっ、あれは……キアラ!! すぐに室内へ戻ろう!!
すぐさまその正体が分かった茶摘はキアラに逃げるように促す。
「おぉいシオンちゃん!! こっちよぉ!!」
「キアラお姉さま!! お久しぶりですわ!!」
空想科学級の速度から一気に減速し、急停止したシオンはキアラの美巨乳をクッションにして顔から突入。そのまま抱きかかえられるようにベランダに着地する。
「リリスさんからいただいたコレの件で来ましたのよ!!」
キアラに甘えてにっこにこのシオンが肩にかけたポシェットから取り出したのは『月刊 淫魔通信』だ。
「あらまぁ、それって私が寄稿したハロウィンのが載っているやつだわ!!
せっかくだからお茶でも淹れて一緒に見ましょう!!」
「はいですわ!!」
ご機嫌いっぱいなシオンはキアラと共に508号室に入って行く。
(ちっ、お姉さまが居る時に突っ込んでしまったのは迂闊でしたわ)
魔法少女な幼女キアラが着ぐるみグラサン猫と茶摘と共に映ったチェキを見せてもらいつつ、心の副音声で毒づくシオン。
(どうやらお姉さまの口ぶりだと文化調査のため御自ら子供の姿におなりになったようですけど……あの男の欲望丸出しのいやらしい表情!! 許しがたいですわ)
淫魔通信では特定されないように茶摘の部分にのみモザイクをかけられていた写真の原本を見たシオンは(心の副音声で)舌打ちする。
「シオンちゃんもグラサン猫が大好きなのにごめんね、呼ばなくて……次にこういうイベントがあったら忘れないようにするから」
「いえ、いいですのよお姉さま!! そのお心遣いだけでシオン、嬉しいですわ!!」
再び甘えん坊の姪っ子を抱きしめるキアラ。
(まずいな、今回はキアラがいたから大事にはならなかったが……まさかこんな事になるとはなぁ)
そんな仲良し天使娘達を前に、茶摘は自身を幼児性愛者(だと疑っていた)シオンがあの冊子掲載された写真を見て確信を持ちキアラを守るために抹殺しにきたと推測。
会社帰りに闇討ちされたり一人の時に襲撃されたりしないようにこの場で懐柔出来ないかと画策する。
(この前はじいちゃんとこの紅白まんじゅうでどうにか出来たがなぁ……まてよ、食べ物と言えばうってつけのモノがあるじゃないか!!)
数日前に守屋さんと同席した取引先との商談で先方からいただいた物の事を思い出した茶摘はきゃっきゃうふふと戯れる2人に声掛けする。
「ねえシオンちゃん、もう12時半だけどお昼はもう食べたのかな?」
「まだですわ、茶摘お兄様!!(こいつ、お姉さまの前で一服盛る気か?)」
「あらあら、じゃあ何か一緒に食べましょ!!」
「キアラ、これなんかどうかな? ほら、3食入りだからボクとキアラ、シオンちゃん分あるよね」
『東京の覇者・三郎ラーメンをご自宅で!! チャーシュー麺セット 3食分』
豪快な墨筆フォント&バンダナに黒Tシャツで腕組みする細マッチョメンと共に掲載された熱々のチャーシュー麺。
「ナイスアイディアですわ、茶摘さん!! シオンちゃんも一緒に作りましょ!!」
「はいですわ、お姉さま!!(お姉さまとお料理だなんて、感激ですのよ……粛清してしかるべきロリコンだとしても今回の件はナイスすぎて天使族らしく赦して差し上げないとなりませんわ!!)」
そう言いつつ先にキッチンへ向かう女の子2人。
はからずも免罪符となった生麵入りラーメンセットを持った茶摘はシオン懐柔成功を確信しつつその後に続くのであった。
【57話 FIN】
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