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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第51話)】「冬への扉・・・淫魔アランと奇跡のコラボ、こたつアイス!?」
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週末の買い物客で賑わう都内S区にあるスーパー・エブリデイ。
「豚肉と豆腐、しらたきは買ったから……」
「あとは白菜とにんじん、大根ね!!」
同居人の男淫魔、アラン・インマと夕食の買い出しに来た株式会社サウザンド人事部社員、守屋美希こと通称ミキちゃんは鍋の材料メモを確認する。
「こたつも出したし、今年の初鍋……楽しみだわ!!」
「そうですね、 ミキさん!!」
ミキちゃんと共に野菜コーナーに向かいつつ、こたつで鍋と言う日本の冬の伝統に思いをはせていたアランの足は大型冷凍庫の前で止まる。
「‥・・・・」
「どうしたの、アラン君?」
様々なフレーバーの棒付きやカップアイスが置かれた棚を見るアランにメモを持ったミキちゃんは問いかける。
「ええ、いま一瞬ですけどマキさんの所に居た頃の事を思い出しちやって……このアイスクリームはよく食べていたんです」
そう言いつつアランが指さすのは超高級アイス、マダァム・コーペンの大判カップだ。
「ああわかるわあ……これ、高いけど100円のカップアイスとは比較にならないぐらい美味しいもんねぇ」
「ええ、そうなんですよ!! 夏になると『ストロベリー味のコーペンいますぐ買ってきて、10分以内ね』みたいな感じでマキさんにお金を渡され、近所のコンビニに無いから魔力の翼をだして少し離れたスーパーまで買いに行ってたんです」
「えっ?」
「それでアイスタイムのお約束が『キミも食べたい? なら、あ―んして?』からの『やっばりあげない!! パクッ!!』だったんですよね。あの主従プレイは主夫業よりもご満悦いただけて結構なサンクス稼ぎになってたんですよね……」
「アラン君!! これも買って帰りましょ!!」
元・ルームメイトとアランの話を遮るように大型冷凍庫からマダァム・コーペンのミニバレルを取り出し、買い物カートに入れるミキちゃん。
「ミキさん!?」
「それで夕食のデザートはこたつアイスにしましょうね!! さあ溶けないうちに他の鍋物を買ってお会計しちゃいましょ!!」
ミキちゃんがいきなり目を潤ませて声を詰まらせかけた理由がわからずもアランはカートを押して野菜売り場に向かうその後を慌てて追う。
それから数時間後、夜。
都内S区某所にあるマンション508号室。
「お鍋で体がポカポカね、アラン君!!」
豚肉鍋の夕食を終え、シメのスープご飯に大満足で片付けをするミキちゃん。
「ええ、もう鍋のシーズンが来たと思うとうれしいですよね!!」
2人で一滴残らず食べ尽くして空にした土鍋を洗うアランも機嫌よく答える。
「じゃあ後は……お待ちかねのデザートタイムね!!」
洗い終えた土鍋を拭くアランの後ろで冷凍庫を開け、昼間から冷やして置いたマダァム・コーペンを取り出したミキちゃんはスプーン3本と小皿2つを取り出し、リビングのこたつへ運んでいく。
「うふふ、美味しそう……」
ミニバレル容器内から姿を現した白く美しい高級アイスとその魅惑的なバニラの芳香。
土鍋をしまって後からこたつに入ったアランはそれよりも美しいミキちゃんの手により小皿2つに取り分けられるアイスクリームを前に思わずわくわくそわそわしてしまう。
「アラン君。はい、 どうぞ!!」
「ありがとうございます、 ミキさん!! いただきまぁす!!」
小皿に添えられたスプーンを手に取り、カチコチに凍結していないほどよく柔らかいアイスをすくって口に入れるアラン。
「……うぅん、濃厚!! 美味しいです!!」
淫魔財閥の御曹司と言う上級魔界人として魔界の珍味・美食の数々を味わって来たアラン。
人間界の甘味、アイスクリームが織りなすそのねっとりとした濃厚さと爽やかな冷たさに驚く。
「うふふ、喜んでもらえて何よりだわ!!」
とろっとろの表情を浮かべるアランにミキちゃんも上機嫌でアイスを味わう。
「ええ、前々からわかっていましたが……やっばり人間界の食文化のレベルはすごいです!!」
寒い冬にこたつと言う暖房器具に入って冷たいアイスクリームを食べると言う一見矛盾しながらもこたつの温もりと乳冷菓アイスクリームの美味しさと言う双方の魅力を高められる『こたつアイス』と言う人間界の食文化。
これは是非とも人間界文化調査記録として淫魔ギルドに送らねば。
アランはそんな決定事項と共にミキちゃんと共に超高級アイス、マダァム・コーペンを堪能するのであった。
【完】
「豚肉と豆腐、しらたきは買ったから……」
「あとは白菜とにんじん、大根ね!!」
同居人の男淫魔、アラン・インマと夕食の買い出しに来た株式会社サウザンド人事部社員、守屋美希こと通称ミキちゃんは鍋の材料メモを確認する。
「こたつも出したし、今年の初鍋……楽しみだわ!!」
「そうですね、 ミキさん!!」
ミキちゃんと共に野菜コーナーに向かいつつ、こたつで鍋と言う日本の冬の伝統に思いをはせていたアランの足は大型冷凍庫の前で止まる。
「‥・・・・」
「どうしたの、アラン君?」
様々なフレーバーの棒付きやカップアイスが置かれた棚を見るアランにメモを持ったミキちゃんは問いかける。
「ええ、いま一瞬ですけどマキさんの所に居た頃の事を思い出しちやって……このアイスクリームはよく食べていたんです」
そう言いつつアランが指さすのは超高級アイス、マダァム・コーペンの大判カップだ。
「ああわかるわあ……これ、高いけど100円のカップアイスとは比較にならないぐらい美味しいもんねぇ」
「ええ、そうなんですよ!! 夏になると『ストロベリー味のコーペンいますぐ買ってきて、10分以内ね』みたいな感じでマキさんにお金を渡され、近所のコンビニに無いから魔力の翼をだして少し離れたスーパーまで買いに行ってたんです」
「えっ?」
「それでアイスタイムのお約束が『キミも食べたい? なら、あ―んして?』からの『やっばりあげない!! パクッ!!』だったんですよね。あの主従プレイは主夫業よりもご満悦いただけて結構なサンクス稼ぎになってたんですよね……」
「アラン君!! これも買って帰りましょ!!」
元・ルームメイトとアランの話を遮るように大型冷凍庫からマダァム・コーペンのミニバレルを取り出し、買い物カートに入れるミキちゃん。
「ミキさん!?」
「それで夕食のデザートはこたつアイスにしましょうね!! さあ溶けないうちに他の鍋物を買ってお会計しちゃいましょ!!」
ミキちゃんがいきなり目を潤ませて声を詰まらせかけた理由がわからずもアランはカートを押して野菜売り場に向かうその後を慌てて追う。
それから数時間後、夜。
都内S区某所にあるマンション508号室。
「お鍋で体がポカポカね、アラン君!!」
豚肉鍋の夕食を終え、シメのスープご飯に大満足で片付けをするミキちゃん。
「ええ、もう鍋のシーズンが来たと思うとうれしいですよね!!」
2人で一滴残らず食べ尽くして空にした土鍋を洗うアランも機嫌よく答える。
「じゃあ後は……お待ちかねのデザートタイムね!!」
洗い終えた土鍋を拭くアランの後ろで冷凍庫を開け、昼間から冷やして置いたマダァム・コーペンを取り出したミキちゃんはスプーン3本と小皿2つを取り出し、リビングのこたつへ運んでいく。
「うふふ、美味しそう……」
ミニバレル容器内から姿を現した白く美しい高級アイスとその魅惑的なバニラの芳香。
土鍋をしまって後からこたつに入ったアランはそれよりも美しいミキちゃんの手により小皿2つに取り分けられるアイスクリームを前に思わずわくわくそわそわしてしまう。
「アラン君。はい、 どうぞ!!」
「ありがとうございます、 ミキさん!! いただきまぁす!!」
小皿に添えられたスプーンを手に取り、カチコチに凍結していないほどよく柔らかいアイスをすくって口に入れるアラン。
「……うぅん、濃厚!! 美味しいです!!」
淫魔財閥の御曹司と言う上級魔界人として魔界の珍味・美食の数々を味わって来たアラン。
人間界の甘味、アイスクリームが織りなすそのねっとりとした濃厚さと爽やかな冷たさに驚く。
「うふふ、喜んでもらえて何よりだわ!!」
とろっとろの表情を浮かべるアランにミキちゃんも上機嫌でアイスを味わう。
「ええ、前々からわかっていましたが……やっばり人間界の食文化のレベルはすごいです!!」
寒い冬にこたつと言う暖房器具に入って冷たいアイスクリームを食べると言う一見矛盾しながらもこたつの温もりと乳冷菓アイスクリームの美味しさと言う双方の魅力を高められる『こたつアイス』と言う人間界の食文化。
これは是非とも人間界文化調査記録として淫魔ギルドに送らねば。
アランはそんな決定事項と共にミキちゃんと共に超高級アイス、マダァム・コーペンを堪能するのであった。
【完】
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