ミキちゃんちのインキュバス 2 !!

千両文士

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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第49話)】「ミキちゃんとスフレちゃん、快楽ツボ責めあたたた!!」

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 都内某所にあるオフィスビル内、株式会社サウザンド社内のランチスペース。
「守屋さん、お疲れ様です!! ここ空いてますか?」
「あら、こんにちは俵(たわら)さん。よければどうぞ」
「ありがとうございます、守屋さん……では」
 そう言いつつミキちゃんのお向かいに座り、コンビニ弁当を広げるのは株式会社サウザンド経理部社員、俵 春子(たわら はるこ)だ。
「守屋さんのお弁当っていつも美味しそうですよね……ご自身でご用意なさるんですか?」
 アランが持たせてくれたサイコロビーフステーキと茹でじゃがいも、パセリご飯を見つつ聞いてくる春子。
「ええ、そうなのよ……ほら、外食だと量が多くて午後眠くなっちゃうし。これは昨日焼いたお肉と総菜を詰めてきたのよ」
 先日のビーチバレーで腰痛&全身筋肉痛になってお休み中の茶摘はさておき、弟(という事になっている魔界のインマ)の存在を知られるのは面倒だ。そう判断したミキちゃんはとっさにごまかす。
「そうなんですね!! 流石は守屋さん、仕事もプライベートも完璧なんですね!?」
 それは嫌味にも取られるから言わない方がいいわよ、と自分より年下の女性社員に言いかけたミキちゃんは言わぬが花とばかりにこやかに微笑み返す。
「ところでなんですけど……この前のオンライン会議で見たアランちゃんはお元気ですか?」
「アランちゃん……ええ、今日も元気よ」
 わざわざ人事部採用担当者である自分に声をかけて来たのはこれが目的だったのか、ミキちゃんはそう気づく。
「それは良かったです!! 家のスフレちゃんは本当に愛想が悪くて……あんなに大人しく抱っこされる猫ちゃんがうらやましいですぅ。白ソックスな黒猫でしかもオッドアイだなんて地球崩壊モノの救世主じゃないですか!!」
「地球崩壊は困るわね、うふふ」
 どこかで聞いたセリフにクスリと笑うミキちゃん。
「ですよねっ!! 実は私……都内にあるペット用品チェーン店の常連で、この前ついに系列ペットホテルのプライベートふれあいルームの利用権を獲得出来たんです!!
 自身の猫ちゃん連れ込みOKで、猫おもちゃとかお試しフードも一杯あるらしいんですけど……今度の週末、うちのスフレちゃんの紹介も兼ねて一緒に行きませんか!?」
 音大生でグラマー美女と言うステータススペック故に昔から色々あったものの、まさかの女性からデートのお誘いを受けたミキちゃん。
「ええ、今週末は何もないから……アラン君も連れて行くわ」
 キアラから借りた百合ラブストーリー漫画のようなテンプレ展開に困ってしまいつつもOKしてしまう。
「わぁ、嬉しいです!! これ、私の個人形態番号なので……この番号で会社携帯に連絡しますね!!」
 プライベートの連絡を会社電話にするのは個人情報保護的にグレーゾーンよ……人事部社員として警告すべきか迷ったが今は言うべき時ではない、そう判断したミキちゃんは黙々とビフテキを味わう。

 それから数日後……都内某所にある猫カフェチェーン店。
「守屋さん、今日はありがとうございます!! うちのスフレちゃんです!!」
「……」
 ペット用品購入ポイントを溜めてようやく予約出来た個室に憧れの守屋さんを招待しハイテンションな春子とは真逆にケージの中で踏ん張ったまま出てこない警戒心MAXな猫。
「あらぁん?」
 知らない場所で初めて会うヨソ猫ながら、恐れる事無くてちてちと近づいていく白ソックスな黒猫アラン。
「シャァッ!!」
「スフレ!! アランちゃん、大丈夫!?」
「あらぁん!!(大丈夫です、お姉さん!!)」
 飼い猫の攻撃に一瞬慌てたものの、守屋さんのアランちゃんがスフレの引っ掻き攻撃が届かない距離を保っていた事に気づき安堵の息を吐く。
(スフレさん、スフレさん……聞こえますか? 僕はアランです)
 このスフレと言う猫さんは初めてが、ナベシマやデバガメのようにテレパシーで意思疎通がはかれるかもしれない。そう考えたアランはテレパシーを試みる。
(akvfolghvfp? Sbgksnbgoedg?)
(えっ、何ですか?)
(あんおば、ぃえぼかむ!? いあうぇいづんぶるつぃ!!)
 文字化けすぎて判読不能なテレパシーにお手上げなアラン。
 もうあきらめてこのミキさんの会社の知り合いだと言う春子さんと適度に遊んであげて今日は終わりにしようと思ったその時だった。

「スフレちゃん、怖くないよ……ほら、でておいでぇ」
「にゃ……ごろんごろごふぉふぉふぉ……」
 いつの間にかスフレちゃんの喉元周辺快楽ポイントを見出し、一瞬でそこをとったミキちゃん。
 気難しい凶暴老猫のナベシマに快楽責めをしてきたそのテクニシャンな指先に耐えきれずケージ内のスフレちゃんはご機嫌で喉を鳴らす。
「スフレちゃん、もっとやってあげるから出ておいでほらほら……」
「にゃん」
 淡泊な反応ながらもその言葉でケージ内から本当に出てくるスフレちゃん。
 白い長毛を揺らしながら出てくるその優雅な様に春子とアランは息を呑む。
「まあなんて綺麗な子!! 初めましてねスフレちゃん!!」
「ひゃうん!!」
 全身を現した猫の全身の快楽ポイントをなでなでとんとんしつつミキちゃんは微笑む。

「アランちゃん、きみのママって……すごいね」
 ミキちゃんの優雅で荒々しいねこじゃらし使いとそれにノリノリで食いつくスフレちゃんの様子を見守る(本来の)飼い主、春子。
「あらぁん!!(まあそう拗ねずに……僕をすきなだけもふってください!!)」
「ありがとうね、アランちゃん。よちよち……」
「ごろごろ……(あっ、そこです。もうちょい右)」
 初対面ながら春子さんが猫との接し方があまり上手ではないと察したアランはその傷心を慰めるかの如くすりより、自ら顔を差し出してなでなでさせてあげるのであった。

【完】
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