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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第43話)】「母性(バブみ)は強し!! 堕ちる天使とTOKYO観光、グラサン猫」
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S区中央商店街、金曜日の午後。
「いらっしゃい、守屋さん!!」
「こんにちは、壱八(いちや)さん!!」
商店街の肉屋に買い物に来た守屋アランは店主の壱八に爽やかに挨拶する。
「今日は豚肉の薄切りを200グラムで」
「はいよっ!! 少々お待ちを……そういや、守屋さんに言伝があったんだ」
「言伝ですか? 大芭さんか盃さん ですかね?」
「いや、そうじゃない……たしかウタネちゃんとか言う長い金髪の女の子で、守屋さんのアランお兄様が来ていないかとの事だったんだ。
事実だから来てないとは言っておいたけど……ストーカーとかそう言うのじゃないよね?」
「ウタネちゃん? 長い金髪? ……そんな子は知りませんけど」
何者かはわからないが、自分を名指しで探していると言う事は注意しなくては。
肉屋の壱八さんから肉を受けとりつつアランは考える。
「アランお兄様!!」
「えっ?」
そんな中、こちらに手を振りながら走って来る白いロングワンピースに帽子とサンダル、可愛らしいピンク色の天使の羽リュックを背負って金髪をツインテールにした中学生ぐらいの女の子。
「君は シオンちゃん!?」
「そうですのよ、お兄様!! お久しぶりですわ!!」
人間界に来た純血天使族の少女、シオン・アンジェラはアランに抱きつく。
……それから数時間後、S区某所にあるワンルームマンション508号室。
「と、言う事が日中ありまして……この子はキアラの親戚の天使族、シオン・アンジェラです」
天界学院中等部の夏休みで人間界に遊びに来て、人間界滞在中の(キアラお姉さまのご友人たる)アラン様とミキちゃんに挨拶に来たシオンちゃんを紹介するアラン。
「はじめましてですわ、守屋お姉さま!!」
(噂には聞いていましたけど……人間にしてはデカチチすぎですのよ!! 何を食えばこんなに育ちますの!?)
心の副音声はさておき魅惑のエンジェルスマイルでミキちゃんに挨拶するシオン。
「あらまあ、はじめましてシオンちゃん!! 私は人間の両親とボディビルダーの兄を持つ人間族の会社員、守屋 美希です、よろしくね!!」
その愛苦しさに魅了されつつもミキちゃんは社会人としていつものように魔界流自己紹介と共に会社名刺を差
し出す。
「まあありがとうございますわ! 守屋お姉さま。ところでお姉さまとアランお兄様は週末のご予定がありますの?」
(とりあえずこの乳牛女を油断させてヤツの弱点を聞き出さねば!! 目的を忘れちゃだめよ、シオン!!)
アラン様経由で愛しのお姉さまを軟禁しているヘンタイ男(茶摘)の会社上司に接触した本来の目的を心の副音声で復唱するシオン。
「そうねえ、特にないけど?」
「僕も別に急ぎの件はないですね」
「でしたら私、お姉さまと色々な所に行ってみたいですわ!! ほら、私みたいな可憐な女の子だと東京一人旅も何かと面倒な事が多そうですし 何より人間界のポリ公に捕まってホドウされては面倒ですわ。
大人のレディーな守屋お姉さまとご一緒ならそう言うのも安心ですし、美味しい物も御一緒に食べてみたいしいかがですか?」
(金ヅルは大事ですからね……ついでに大いにゴチになってやりますわ。ウフフ)
天界の上位天使子女らしいウルウルな瞳と可愛らしい首かしげモーションと言うミキちゃんの母性をくすぐる淫魔族顔負けのおねだりをするシオン。
「いいわよ、シオンちゃん!! 」
そう言う趣味があるわけではないが、文字通り天使そのものな可愛らしい金髪ツインテール美少女からの思いがけぬデートのお誘いに喜びの声をあげるミキちゃん。
「ありがとうですわ、 ミキお姉さま!! 私、ここに行ってみたいんですの」
(よっしゃあ!! オサイフ金ヅル確保ですわのよ!!)
そう言いつつシオンは天界スマホを取り出し、ピン止め済み人間界仕様マップナビを起動させる。
「ふんふん、スイーツなお店にアクセサリーショップ、フアンシーキャラのポップアップストア……」
社会人として会社の歯車に徹する日々の中、忘却の海の彼方に消えつつあった『女の子が大好きな物』の数々にミキちゃんはほおが緩む。
「シオンちゃん、今日はもう遅いから……今日はタ飯とお風呂を済ませて明日遊びにいきましょ!!」
「ありがとうですわ、ミキお姉さま!!」
(グラマーお姉さまのお風呂イタダキマシタワー!!)
「じゃあ僕はご飯の準備をしますね!!」
天界からシオンが訪ねて来た時点でこうなることを予測し、いつもより多めにハンバーグを作っておいたアランはえっちな妄想で鼻血ブー寸前のシオンを座らせたまま台所に向かう。
翌日、タ方都内某所にあるマンション508号室。
「ミキお姉さま、今日はありがとうですわ!!」
(お姉さまとのデート、本当に楽しかったですわ!!)
ミキちゃんの母性と優しさのあまり『キアラお姉さまを東縛している茶摘の弱点を聞き出す』と言う本来の目的も忘れて人間界のスイーツの数々、きらびやかなアクセサリーに可愛いお洋服を満喫したシオン。
「シオンちゃん、私も楽しかったわ!! またいつでも来てね!!」
そんな事情を知る由も無いミキちゃんはトンガリサングラスをかけた猫のフアンシーキャラ・グラサン猫の大きなぬいぐるみを抱えてニコニコ笑顔を見せるシオンの可愛らしさに微笑み返す。
「はい、ありがとうですわお姉さま!! 次はスーパー銭湯か温泉にご一緒したいですわ!!」
(私、 ミキお姉さまみたいなスーパーグラマー美レディーを目指しますわ!!)
「いいわね、いいわね!! 今は暑いから無理だけど寒くなったらまたね!」
「はいっ!!」
(わーい!!)
(まさかキアラの姪っ子ちゃんが茶摘さんをそういう風に見ていたなんてなあ……)
シオンがキアラの姪っ子とは言え自身とミキさんの安全を考え、彼女の滞在中は魔界暗器『脳髄ノ散策者(サイコメトラー)』を耳に装着して心の副音声を盗聴録音していたアラン。
(まあこの件についてはシオンちゃんが一線を超えない限り録音データは出すべきでは無いな)
光のゲートを出して天界へ帰っていく腹黒天使・シオンを見送るミキちゃんの後ろでアランはジェントルメンな笑みを浮かべつつ色々と考えるのであった。
【FIN】
「いらっしゃい、守屋さん!!」
「こんにちは、壱八(いちや)さん!!」
商店街の肉屋に買い物に来た守屋アランは店主の壱八に爽やかに挨拶する。
「今日は豚肉の薄切りを200グラムで」
「はいよっ!! 少々お待ちを……そういや、守屋さんに言伝があったんだ」
「言伝ですか? 大芭さんか盃さん ですかね?」
「いや、そうじゃない……たしかウタネちゃんとか言う長い金髪の女の子で、守屋さんのアランお兄様が来ていないかとの事だったんだ。
事実だから来てないとは言っておいたけど……ストーカーとかそう言うのじゃないよね?」
「ウタネちゃん? 長い金髪? ……そんな子は知りませんけど」
何者かはわからないが、自分を名指しで探していると言う事は注意しなくては。
肉屋の壱八さんから肉を受けとりつつアランは考える。
「アランお兄様!!」
「えっ?」
そんな中、こちらに手を振りながら走って来る白いロングワンピースに帽子とサンダル、可愛らしいピンク色の天使の羽リュックを背負って金髪をツインテールにした中学生ぐらいの女の子。
「君は シオンちゃん!?」
「そうですのよ、お兄様!! お久しぶりですわ!!」
人間界に来た純血天使族の少女、シオン・アンジェラはアランに抱きつく。
……それから数時間後、S区某所にあるワンルームマンション508号室。
「と、言う事が日中ありまして……この子はキアラの親戚の天使族、シオン・アンジェラです」
天界学院中等部の夏休みで人間界に遊びに来て、人間界滞在中の(キアラお姉さまのご友人たる)アラン様とミキちゃんに挨拶に来たシオンちゃんを紹介するアラン。
「はじめましてですわ、守屋お姉さま!!」
(噂には聞いていましたけど……人間にしてはデカチチすぎですのよ!! 何を食えばこんなに育ちますの!?)
心の副音声はさておき魅惑のエンジェルスマイルでミキちゃんに挨拶するシオン。
「あらまあ、はじめましてシオンちゃん!! 私は人間の両親とボディビルダーの兄を持つ人間族の会社員、守屋 美希です、よろしくね!!」
その愛苦しさに魅了されつつもミキちゃんは社会人としていつものように魔界流自己紹介と共に会社名刺を差
し出す。
「まあありがとうございますわ! 守屋お姉さま。ところでお姉さまとアランお兄様は週末のご予定がありますの?」
(とりあえずこの乳牛女を油断させてヤツの弱点を聞き出さねば!! 目的を忘れちゃだめよ、シオン!!)
アラン様経由で愛しのお姉さまを軟禁しているヘンタイ男(茶摘)の会社上司に接触した本来の目的を心の副音声で復唱するシオン。
「そうねえ、特にないけど?」
「僕も別に急ぎの件はないですね」
「でしたら私、お姉さまと色々な所に行ってみたいですわ!! ほら、私みたいな可憐な女の子だと東京一人旅も何かと面倒な事が多そうですし 何より人間界のポリ公に捕まってホドウされては面倒ですわ。
大人のレディーな守屋お姉さまとご一緒ならそう言うのも安心ですし、美味しい物も御一緒に食べてみたいしいかがですか?」
(金ヅルは大事ですからね……ついでに大いにゴチになってやりますわ。ウフフ)
天界の上位天使子女らしいウルウルな瞳と可愛らしい首かしげモーションと言うミキちゃんの母性をくすぐる淫魔族顔負けのおねだりをするシオン。
「いいわよ、シオンちゃん!! 」
そう言う趣味があるわけではないが、文字通り天使そのものな可愛らしい金髪ツインテール美少女からの思いがけぬデートのお誘いに喜びの声をあげるミキちゃん。
「ありがとうですわ、 ミキお姉さま!! 私、ここに行ってみたいんですの」
(よっしゃあ!! オサイフ金ヅル確保ですわのよ!!)
そう言いつつシオンは天界スマホを取り出し、ピン止め済み人間界仕様マップナビを起動させる。
「ふんふん、スイーツなお店にアクセサリーショップ、フアンシーキャラのポップアップストア……」
社会人として会社の歯車に徹する日々の中、忘却の海の彼方に消えつつあった『女の子が大好きな物』の数々にミキちゃんはほおが緩む。
「シオンちゃん、今日はもう遅いから……今日はタ飯とお風呂を済ませて明日遊びにいきましょ!!」
「ありがとうですわ、ミキお姉さま!!」
(グラマーお姉さまのお風呂イタダキマシタワー!!)
「じゃあ僕はご飯の準備をしますね!!」
天界からシオンが訪ねて来た時点でこうなることを予測し、いつもより多めにハンバーグを作っておいたアランはえっちな妄想で鼻血ブー寸前のシオンを座らせたまま台所に向かう。
翌日、タ方都内某所にあるマンション508号室。
「ミキお姉さま、今日はありがとうですわ!!」
(お姉さまとのデート、本当に楽しかったですわ!!)
ミキちゃんの母性と優しさのあまり『キアラお姉さまを東縛している茶摘の弱点を聞き出す』と言う本来の目的も忘れて人間界のスイーツの数々、きらびやかなアクセサリーに可愛いお洋服を満喫したシオン。
「シオンちゃん、私も楽しかったわ!! またいつでも来てね!!」
そんな事情を知る由も無いミキちゃんはトンガリサングラスをかけた猫のフアンシーキャラ・グラサン猫の大きなぬいぐるみを抱えてニコニコ笑顔を見せるシオンの可愛らしさに微笑み返す。
「はい、ありがとうですわお姉さま!! 次はスーパー銭湯か温泉にご一緒したいですわ!!」
(私、 ミキお姉さまみたいなスーパーグラマー美レディーを目指しますわ!!)
「いいわね、いいわね!! 今は暑いから無理だけど寒くなったらまたね!」
「はいっ!!」
(わーい!!)
(まさかキアラの姪っ子ちゃんが茶摘さんをそういう風に見ていたなんてなあ……)
シオンがキアラの姪っ子とは言え自身とミキさんの安全を考え、彼女の滞在中は魔界暗器『脳髄ノ散策者(サイコメトラー)』を耳に装着して心の副音声を盗聴録音していたアラン。
(まあこの件についてはシオンちゃんが一線を超えない限り録音データは出すべきでは無いな)
光のゲートを出して天界へ帰っていく腹黒天使・シオンを見送るミキちゃんの後ろでアランはジェントルメンな笑みを浮かべつつ色々と考えるのであった。
【FIN】
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