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本編
490.ラストチャレンジ10
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「ていやー!」
「とりゃー!」
「やぁー!」
「ほいっと!」
アレンとエレナは次々と魔物を見つけ出すと、さくさく倒していく。
《行くよー!》
《こっちもよー》
《まだまだー!》
ジュール、フィートも元の大きさに、ベクトルも元の……じゃなくて、いつもの大きさに戻ると、次々と魔物を倒していく。
「「うわぁ~~~」」
「どうした? 何かあったか?」
順調そうに見えたので僕は見守る態勢でいた。すると、子供達が気の抜けたような? 不思議な声を出したので、僕は慌てて二人の下へ向かった。
「「みてみて~」」
「ちゃいろのマイル!」
「いろちがいなの!」
「あ、本当だね。だけど、これはフォレストラットじゃなくて、アースラットだね」
「「やっぱりか~」」
二人は、種族が違うことはわかっていたようだ。
まあ、姿かたちはほぼ一緒なので、色違いと言いたくなるのはわかるけどな。
《わたしの人形と一緒に並べるの!》
「「それいいね!」」
《あら、じゃあ、私はタイガー系の魔物と一緒に並べてもらおうかしら?》
系統ごとに並べたら見応えがあるだろうな~と思っていたら、ベクトルがとてもショックを受けたような表情をしていた。
「……ベクトル、どうかしたか?」
《そういう並べ方をするの?》
「そういう? 色違いで並べるってやつ?」
《それ! オレ、家族で並べるんだと思っていた~》
《っ! そうね、ごめんなさい。絶対にそっちのほうがいいわ》
《そうなの! やっぱり家族で並べるの!》
《だよね~。良かった。じゃあ、家族で並べるためにも早くボルトを手に入れないと!》
「「かぞくでならべるぅ~」」
系統で並べると、うちの子達は全員バラバラの位置になるので、ベクトルはそれが嫌だったようだ。
家族で並べることに決まったようだが、やはりサンダーホークを見つけないと話にならないので、みんなは魔物を探して四方に散った。
「人形って作れるかな?」
家族を並べるなら、アレンとエレナの人形も欲しいよな~。
ドロップアイテムのような樹脂人形って作れるのかな? それか、木彫り人形のほうが注文しやすいかな?
「にんぎょう?」
「つくるの?」
「アレンとエレナの人形をね。作ったら、ジュール達の人形と一緒に並べておけるだろう」
「「おぉ~、つくろう、つくろう!」」
《それは絶対に作ろう!》
《いいわね。でも、アレンちゃん、エレナちゃんだけじゃなく、兄様のもね」
《それは絶対ですね!》
「「ぜったい!」」
《じゃあ、カイザーの人化のも作ろうよ!》
《それいいの! 作るの!》
《わ~、たのしそ~》
「「たのしみ~」」
……まあ、作れるかどうかは街の職人に聞くしかないな。さすがに制作時間がかかるものだから、作ってもらうならガディア国でだな。
「「あっ! いってくるね~」」
人形の制作について話していたので少しほんわかした雰囲気になっていたが、子供達は魔物に気がつくとすぐさま気を引き締めて駆け出していく。
……まあ、あっさり倒してしまったけどね。
《あ、また来たみたいだね》
子供達はドロップアイテムを拾う動作をすると、すぐさま次の敵に向かっていく。
「「きたっ!」」
《もしかして、ボルト!?》
《ぼくですか!?》
しばらく連続して魔物を倒していると、突然アレンとエレナが嬉しそうな声を上げた。
すると、近場にいたジュールとボルトが素早く駆け寄っていく。
「お、やったな。間違いなくこれはサンダーホークだ」
《やったわね、アレンちゃん、エレナちゃん》
《お~、これで揃ったね!》
《みんな集まったの!》
《わ~い》
散っていた他の子達も集まり、念願の人形を眺める。
サンダーホークのお腹の部分はやはり白ではなく薄黄色だった。
「タクミ、それで、これからはどうするのだ?」
「迷宮探索を、ってことだよね? そうだな~……」
目標であった家族の人形は集まったので、今後の予定をカイザーから聞かれた。
「この階層を最後まで行ったら、五階層分を攻略したことになるのか。そこで終わりでいい?」
「「うぅ~、もうちょっと~」」
両手を組んで上目遣いをされた。これは所謂、お願いポーズだな。
「……どこでそんな仕草を覚えてくるんだよ。じゃあ、三十二階層を攻略するところまででいい?」
「「ありがとう!」」
子供達は三十二階層で終了することに了承した。
なので、僕達は攻略を続けたわけだが……ここからはさくさく進むことなく、三十一階層の残りもだが、三十二階層は念入りに満遍なく見る勢いで回り、たくさんの魔物を倒してドロップアイテムを大量に集めていった。
「「いっぱい、いっぱい~♪」」
「おにんぎょうがたくさんだ~♪」
「たからばこもたくさんだ~♪」
「「いっぱい、いっぱい~♪」」
もちろん、新たに樹脂人形もいろいろと手に入れて、子供達はご機嫌だ。
創作の歌まで歌っちゃってるよ。
「満足したかい?」
「「まんぞくした~」」
満面の笑みだったので、本当に満足したようだ。
「じゃあ、帰るぞ~」
「「はーい!」」
ジュール達を影に戻すと、僕達は転移装置を使って一階層へと戻った。
===========
【迷宮記録】第四の迷宮〝土〟 十五/十五層
第十六の迷宮〝雪〟 十五/十五層
第五十三の迷宮〝細波〟 三十/三十層
第五十五の迷宮〝鉱石〟 三十/三十層
第六十五の迷宮〝巨獣〟 三十/三十層
第七十一の迷宮〝灼熱〟 十五/五十層
第八十の迷宮〝貴石〟 三十二/五十階層
第八十九の迷宮〝連理〟 七/五十層
第九十四の迷宮〝色彩〟 十五/五十層
===========
貴石の迷宮の攻略は一旦、これで終わりだ。パトリックさん達と一緒にガディア国に帰ろう。
だが、またいつかこの国に来た時は、続きに挑んでみたいな。
「とりゃー!」
「やぁー!」
「ほいっと!」
アレンとエレナは次々と魔物を見つけ出すと、さくさく倒していく。
《行くよー!》
《こっちもよー》
《まだまだー!》
ジュール、フィートも元の大きさに、ベクトルも元の……じゃなくて、いつもの大きさに戻ると、次々と魔物を倒していく。
「「うわぁ~~~」」
「どうした? 何かあったか?」
順調そうに見えたので僕は見守る態勢でいた。すると、子供達が気の抜けたような? 不思議な声を出したので、僕は慌てて二人の下へ向かった。
「「みてみて~」」
「ちゃいろのマイル!」
「いろちがいなの!」
「あ、本当だね。だけど、これはフォレストラットじゃなくて、アースラットだね」
「「やっぱりか~」」
二人は、種族が違うことはわかっていたようだ。
まあ、姿かたちはほぼ一緒なので、色違いと言いたくなるのはわかるけどな。
《わたしの人形と一緒に並べるの!》
「「それいいね!」」
《あら、じゃあ、私はタイガー系の魔物と一緒に並べてもらおうかしら?》
系統ごとに並べたら見応えがあるだろうな~と思っていたら、ベクトルがとてもショックを受けたような表情をしていた。
「……ベクトル、どうかしたか?」
《そういう並べ方をするの?》
「そういう? 色違いで並べるってやつ?」
《それ! オレ、家族で並べるんだと思っていた~》
《っ! そうね、ごめんなさい。絶対にそっちのほうがいいわ》
《そうなの! やっぱり家族で並べるの!》
《だよね~。良かった。じゃあ、家族で並べるためにも早くボルトを手に入れないと!》
「「かぞくでならべるぅ~」」
系統で並べると、うちの子達は全員バラバラの位置になるので、ベクトルはそれが嫌だったようだ。
家族で並べることに決まったようだが、やはりサンダーホークを見つけないと話にならないので、みんなは魔物を探して四方に散った。
「人形って作れるかな?」
家族を並べるなら、アレンとエレナの人形も欲しいよな~。
ドロップアイテムのような樹脂人形って作れるのかな? それか、木彫り人形のほうが注文しやすいかな?
「にんぎょう?」
「つくるの?」
「アレンとエレナの人形をね。作ったら、ジュール達の人形と一緒に並べておけるだろう」
「「おぉ~、つくろう、つくろう!」」
《それは絶対に作ろう!》
《いいわね。でも、アレンちゃん、エレナちゃんだけじゃなく、兄様のもね」
《それは絶対ですね!》
「「ぜったい!」」
《じゃあ、カイザーの人化のも作ろうよ!》
《それいいの! 作るの!》
《わ~、たのしそ~》
「「たのしみ~」」
……まあ、作れるかどうかは街の職人に聞くしかないな。さすがに制作時間がかかるものだから、作ってもらうならガディア国でだな。
「「あっ! いってくるね~」」
人形の制作について話していたので少しほんわかした雰囲気になっていたが、子供達は魔物に気がつくとすぐさま気を引き締めて駆け出していく。
……まあ、あっさり倒してしまったけどね。
《あ、また来たみたいだね》
子供達はドロップアイテムを拾う動作をすると、すぐさま次の敵に向かっていく。
「「きたっ!」」
《もしかして、ボルト!?》
《ぼくですか!?》
しばらく連続して魔物を倒していると、突然アレンとエレナが嬉しそうな声を上げた。
すると、近場にいたジュールとボルトが素早く駆け寄っていく。
「お、やったな。間違いなくこれはサンダーホークだ」
《やったわね、アレンちゃん、エレナちゃん》
《お~、これで揃ったね!》
《みんな集まったの!》
《わ~い》
散っていた他の子達も集まり、念願の人形を眺める。
サンダーホークのお腹の部分はやはり白ではなく薄黄色だった。
「タクミ、それで、これからはどうするのだ?」
「迷宮探索を、ってことだよね? そうだな~……」
目標であった家族の人形は集まったので、今後の予定をカイザーから聞かれた。
「この階層を最後まで行ったら、五階層分を攻略したことになるのか。そこで終わりでいい?」
「「うぅ~、もうちょっと~」」
両手を組んで上目遣いをされた。これは所謂、お願いポーズだな。
「……どこでそんな仕草を覚えてくるんだよ。じゃあ、三十二階層を攻略するところまででいい?」
「「ありがとう!」」
子供達は三十二階層で終了することに了承した。
なので、僕達は攻略を続けたわけだが……ここからはさくさく進むことなく、三十一階層の残りもだが、三十二階層は念入りに満遍なく見る勢いで回り、たくさんの魔物を倒してドロップアイテムを大量に集めていった。
「「いっぱい、いっぱい~♪」」
「おにんぎょうがたくさんだ~♪」
「たからばこもたくさんだ~♪」
「「いっぱい、いっぱい~♪」」
もちろん、新たに樹脂人形もいろいろと手に入れて、子供達はご機嫌だ。
創作の歌まで歌っちゃってるよ。
「満足したかい?」
「「まんぞくした~」」
満面の笑みだったので、本当に満足したようだ。
「じゃあ、帰るぞ~」
「「はーい!」」
ジュール達を影に戻すと、僕達は転移装置を使って一階層へと戻った。
===========
【迷宮記録】第四の迷宮〝土〟 十五/十五層
第十六の迷宮〝雪〟 十五/十五層
第五十三の迷宮〝細波〟 三十/三十層
第五十五の迷宮〝鉱石〟 三十/三十層
第六十五の迷宮〝巨獣〟 三十/三十層
第七十一の迷宮〝灼熱〟 十五/五十層
第八十の迷宮〝貴石〟 三十二/五十階層
第八十九の迷宮〝連理〟 七/五十層
第九十四の迷宮〝色彩〟 十五/五十層
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貴石の迷宮の攻略は一旦、これで終わりだ。パトリックさん達と一緒にガディア国に帰ろう。
だが、またいつかこの国に来た時は、続きに挑んでみたいな。
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