286 / 308
本編
473.お買いもの
しおりを挟む
ガラス製の蝶を各色一個ずつとエメラルドとダイヤモンドの枝の売却を済ませると、僕達はパトリックさんと一緒に迷宮管理本部を後にした。ガラス製の蝶を使った装飾品を作るためだ。
子供達はまだ貴石の迷宮攻略に満足していないため、レギルス帝国の滞在は続く。
なので、今のうちに製作依頼を出しておけば、ガディア国に帰る時にはできあがった品を受け取ることができるだろうと思ってな。
僕達の滞在続行、即ちパトリックさんの滞在続行になってしまうため、パトリックさんの奥様のお土産用の蝶を一緒に装飾品にしようと誘った。もちろん、レベッカさん達へのものも作るからと力説してね。
「そういえば、パトリックさんに同行者はいないんですか?」
僕の後見としての仕事だとしても、レギルス帝国の王都から一人で……っていうわけではないと思い聞いてみた。
「同じ外交官の同僚が一名と、護衛の騎士二名が一緒に来ています。私以外の三名は今、領主のところに行っています」
「え、ちょっと待ってください。パトリックさんの護衛は?」
護衛が一緒だと聞いて、パトリックさんにも護衛がいるはずだと思い至った。ところが、そんな人が見当たらなかった。
「一人に対して護衛一人ですね。もう一人のほうの行き先が領主のところでしたので、護衛はそちらのほうについて行ってもらいました。ちなみに、私のほうも迷宮管理本部までは護衛に送ってもらっていますよ」
本来は四人揃って領主のところに行く予定だったのかな? だけどそこで、僕達が迷宮から戻ってくると情報が入り、急遽パトリックさんだけが迷宮管理本部に来たのかな?
「そして、迎えに来るまで本部から出ないように言われています」
「えっ!? ちょっと待ってください。本部から出ちゃってますよ!?」
「タクミさん達が一緒ですし、問題ないですよ」
「えぇ!?」
迷宮管理本部内が安全な場所という認識で、パトリックさんは一人になっていたようだ。
だけど、思いっ切り本部から出ちゃっているけどね!
「同行者が腕利きですからね。護衛は必要ないでしょう。ああ、本部に伝言も残してきましたので、大丈夫ですよ。あ、ちなみに、タクミさん達は、今夜からの宿は決まっていますか?」
「いえ、宿はこれから探すつもりですけど……」
「それは良かった。私達と同じ宿で確保してありますから、そのつもりでよろしくお願いしますね」
「え?」
しっかりとパトリックさんを宿まで送らねば! と思っていたが、今夜の僕達の宿も決定していた。
「ああ、宿代についてもこちらで持ちますから、その辺も気にしないでくださいね」
「いやいやいや、自分達の宿代くらい支払いますから」
「大丈夫です。国持ちですよ」
「いやいやいや、国に支払ってもらう理由はないですよ!?」
「枝一本分の代金にもならないと言われております。私としましては、陛下の指示を遂行したいので、交渉は陛下にお願いしますね」
にっこりと笑う笑顔が、有無を言わせないと語っていた。
……この表情はセドリックさんにもアイザックさんにもそっくりだった。
しかも、枝の代金か~。トリスタン様には枝はお土産だと言い張ったのだが、駄目だったのかな? いやでも、まだ一種類しか送っていないのでその分が宿代として相殺されたとしても、残り三種の枝はお土産で通せばいいのかな? うん、そうしよう。
「パトリックさん、宿代については了解しました。トリスタン様に直接お返しする感じで頑張ります」
「ええ、そのようにお願いします」
お土産をたっぷり! で決定だな。
「「おにぃちゃん、ここはー?」」
「うん、いいんじゃないかな。入ってみよう」
「「うん!」」
「カイザーは興味ないかもしれないけど、つき合ってな」
「うむ、問題ないぞ」
そうこうしているうちに、アレンとエレナが宝飾品店を見つけてくれたので、お店に入ることにした。
「いらっしゃいませ」
「「こんにちは~」」
「こんにちは。すみません、こちらでは持ち込み制作依頼は受けてもらえますか?」
「ええ、金属や宝石などでしたら、お受けいたしていますよ」
「えっと、ガラスに分類される細工物なんですけど……それはどうでしょう?」
「組み合わせるものにもよりますが、問題ないと思います。持ち込みのお品を見せていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい、これです」
「これはっ!」
ガラスの蝶を見せると、店員さんが目を見張った。まあ、クリスさんの反応を見る限り驚かれることは予想していたが、店員さんの驚きは控えめかな?
「たぶん、強度をつける加工とかもしなくてはならないと思いますが、ブローチか髪留めとかにしたいんですよね」
「こ、これは素晴らしい細工ですね。思わず魅入ってしまいました。そうですね、おっしゃる通り強度はつけたほうが良いかと思いますが、問題なくブローチや髪留めに加工できるかと」
「本当ですか。良かった~。――エレナ、できるって」
「わ~い」
問題なく制作してもらえそうである。
「エレナ、ここではブローチと髪留めのどっちを作ってもらう?」
「どっちか?」
「ここではね。ガディア国に戻ってからもう一方をレベッカさん達と相談しながら作ろう?」
「わかった~。じゃあね~、ブローチにする!」
「了解。ブローチね」
今回はブローチを作ってもらうことにする。
「パトリックさん、奥様へのお土産はブローチでいいですか?」
「ええ、ですが……本当に良いのですか?」
パトリックさんはまだ少し遠慮しているようだ。
「もちろんですよ。みんなの分も作ってもらうつもりですしね。えっと……エレナとフィート、マイル、レベッカさん、ロザリーさん、アルメリアさん、オリヴィエさん、それにパトリックさんの奥様で……八個かな?」
「いいとおもう!」
だが、僕からしたらパトリックさんの奥様以外にも作るのでついで感が出ていて申し訳ないと思う。
あと、これは家族と後見家のお土産ってことで、王妃様達の分は数には入れないでおく。まあ、ガラスの蝶自体はお土産にすると思うけどな。
「色違いのパーツを使いつつ似たような雰囲気のものでお願いします」
「おにぃちゃん、おはなもつかおう~」
「ああ、そうだね」
エレナはガラスの花も使いたいようだ。
僕は《無限収納》から四色のガラスの花も取り出しておく。
「それぞれの色は決めたほうがいいかな。エレナは何色にする?」
「んとね~、あか?」
「赤は蝶だね。フィートとマイルはどうする?」
「フィートはみどりで、マイルは……とうめい?」
家族の分を先に決めてから、お土産用と……とりあえず使う蝶の色だけを決め、必要分を《無限収納》から取り出す。合わせる花などの付属品は、本職の人に選んでもらったほうが間違いないだろうから、それらは適当に取り出す。
「おにぃちゃん、しんじゅは?」
これまで流れを見守っていたアレンも使うパーツについて意見を言い始めた。
「あ~……駄目ではないな。貴族婦人方が使うものには、むしろ使ったほうがいいかな。ただ、エレナ達のものに使ったら、普段使いができなくなるかな?」
「じゃあ、おばあさまたちのだけにしよう~」
「タ、タクミさん、真珠と聞こえましたが……使うのですか?」
「小粒の良い真珠も手持ちにありますから、使ってもいいな~と思っています」
「いやいやいや、真珠は小粒でも高価な品ですよ!?」
真珠と聞いてパトリックさんが少しばかり慌てだした。
「まあまあ、手持ちのものですから」
エレナ、フィート、マイルのものにだけ使わないように指定し、小粒の真珠も取り出す。
すると、この辺で店員さんの動きが止まってしまった。
「あの? 聞いていますか?」
「……タクミさん、落ち着くまで少し時間をあげたほうがよろしいかと」
「え? ……あぁ~」
一つなら〝珍しい〟で済んでいた蝶が八個、さらには真珠が並べられて、店員さんは情報過多により固まっているようだ。
「アレン、エレナ、待っている間に、他に使えるものがないか考えていようか」
「「そうだね~……」」
「あ! すいしょうは?」
「それもいいね」
「あとね! ワニさんのほうせき!」
「ワニさん? ああ! 細波の迷宮にいたアリゲーターか。確かにいろいろな宝石を手に入れていたな!」
子供達と他に良い素材がないか話していたら、カイザーとパトリックさんに呆れたような顔で見られているような気がしたが、全力で気づかないふりをした。
子供達はまだ貴石の迷宮攻略に満足していないため、レギルス帝国の滞在は続く。
なので、今のうちに製作依頼を出しておけば、ガディア国に帰る時にはできあがった品を受け取ることができるだろうと思ってな。
僕達の滞在続行、即ちパトリックさんの滞在続行になってしまうため、パトリックさんの奥様のお土産用の蝶を一緒に装飾品にしようと誘った。もちろん、レベッカさん達へのものも作るからと力説してね。
「そういえば、パトリックさんに同行者はいないんですか?」
僕の後見としての仕事だとしても、レギルス帝国の王都から一人で……っていうわけではないと思い聞いてみた。
「同じ外交官の同僚が一名と、護衛の騎士二名が一緒に来ています。私以外の三名は今、領主のところに行っています」
「え、ちょっと待ってください。パトリックさんの護衛は?」
護衛が一緒だと聞いて、パトリックさんにも護衛がいるはずだと思い至った。ところが、そんな人が見当たらなかった。
「一人に対して護衛一人ですね。もう一人のほうの行き先が領主のところでしたので、護衛はそちらのほうについて行ってもらいました。ちなみに、私のほうも迷宮管理本部までは護衛に送ってもらっていますよ」
本来は四人揃って領主のところに行く予定だったのかな? だけどそこで、僕達が迷宮から戻ってくると情報が入り、急遽パトリックさんだけが迷宮管理本部に来たのかな?
「そして、迎えに来るまで本部から出ないように言われています」
「えっ!? ちょっと待ってください。本部から出ちゃってますよ!?」
「タクミさん達が一緒ですし、問題ないですよ」
「えぇ!?」
迷宮管理本部内が安全な場所という認識で、パトリックさんは一人になっていたようだ。
だけど、思いっ切り本部から出ちゃっているけどね!
「同行者が腕利きですからね。護衛は必要ないでしょう。ああ、本部に伝言も残してきましたので、大丈夫ですよ。あ、ちなみに、タクミさん達は、今夜からの宿は決まっていますか?」
「いえ、宿はこれから探すつもりですけど……」
「それは良かった。私達と同じ宿で確保してありますから、そのつもりでよろしくお願いしますね」
「え?」
しっかりとパトリックさんを宿まで送らねば! と思っていたが、今夜の僕達の宿も決定していた。
「ああ、宿代についてもこちらで持ちますから、その辺も気にしないでくださいね」
「いやいやいや、自分達の宿代くらい支払いますから」
「大丈夫です。国持ちですよ」
「いやいやいや、国に支払ってもらう理由はないですよ!?」
「枝一本分の代金にもならないと言われております。私としましては、陛下の指示を遂行したいので、交渉は陛下にお願いしますね」
にっこりと笑う笑顔が、有無を言わせないと語っていた。
……この表情はセドリックさんにもアイザックさんにもそっくりだった。
しかも、枝の代金か~。トリスタン様には枝はお土産だと言い張ったのだが、駄目だったのかな? いやでも、まだ一種類しか送っていないのでその分が宿代として相殺されたとしても、残り三種の枝はお土産で通せばいいのかな? うん、そうしよう。
「パトリックさん、宿代については了解しました。トリスタン様に直接お返しする感じで頑張ります」
「ええ、そのようにお願いします」
お土産をたっぷり! で決定だな。
「「おにぃちゃん、ここはー?」」
「うん、いいんじゃないかな。入ってみよう」
「「うん!」」
「カイザーは興味ないかもしれないけど、つき合ってな」
「うむ、問題ないぞ」
そうこうしているうちに、アレンとエレナが宝飾品店を見つけてくれたので、お店に入ることにした。
「いらっしゃいませ」
「「こんにちは~」」
「こんにちは。すみません、こちらでは持ち込み制作依頼は受けてもらえますか?」
「ええ、金属や宝石などでしたら、お受けいたしていますよ」
「えっと、ガラスに分類される細工物なんですけど……それはどうでしょう?」
「組み合わせるものにもよりますが、問題ないと思います。持ち込みのお品を見せていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい、これです」
「これはっ!」
ガラスの蝶を見せると、店員さんが目を見張った。まあ、クリスさんの反応を見る限り驚かれることは予想していたが、店員さんの驚きは控えめかな?
「たぶん、強度をつける加工とかもしなくてはならないと思いますが、ブローチか髪留めとかにしたいんですよね」
「こ、これは素晴らしい細工ですね。思わず魅入ってしまいました。そうですね、おっしゃる通り強度はつけたほうが良いかと思いますが、問題なくブローチや髪留めに加工できるかと」
「本当ですか。良かった~。――エレナ、できるって」
「わ~い」
問題なく制作してもらえそうである。
「エレナ、ここではブローチと髪留めのどっちを作ってもらう?」
「どっちか?」
「ここではね。ガディア国に戻ってからもう一方をレベッカさん達と相談しながら作ろう?」
「わかった~。じゃあね~、ブローチにする!」
「了解。ブローチね」
今回はブローチを作ってもらうことにする。
「パトリックさん、奥様へのお土産はブローチでいいですか?」
「ええ、ですが……本当に良いのですか?」
パトリックさんはまだ少し遠慮しているようだ。
「もちろんですよ。みんなの分も作ってもらうつもりですしね。えっと……エレナとフィート、マイル、レベッカさん、ロザリーさん、アルメリアさん、オリヴィエさん、それにパトリックさんの奥様で……八個かな?」
「いいとおもう!」
だが、僕からしたらパトリックさんの奥様以外にも作るのでついで感が出ていて申し訳ないと思う。
あと、これは家族と後見家のお土産ってことで、王妃様達の分は数には入れないでおく。まあ、ガラスの蝶自体はお土産にすると思うけどな。
「色違いのパーツを使いつつ似たような雰囲気のものでお願いします」
「おにぃちゃん、おはなもつかおう~」
「ああ、そうだね」
エレナはガラスの花も使いたいようだ。
僕は《無限収納》から四色のガラスの花も取り出しておく。
「それぞれの色は決めたほうがいいかな。エレナは何色にする?」
「んとね~、あか?」
「赤は蝶だね。フィートとマイルはどうする?」
「フィートはみどりで、マイルは……とうめい?」
家族の分を先に決めてから、お土産用と……とりあえず使う蝶の色だけを決め、必要分を《無限収納》から取り出す。合わせる花などの付属品は、本職の人に選んでもらったほうが間違いないだろうから、それらは適当に取り出す。
「おにぃちゃん、しんじゅは?」
これまで流れを見守っていたアレンも使うパーツについて意見を言い始めた。
「あ~……駄目ではないな。貴族婦人方が使うものには、むしろ使ったほうがいいかな。ただ、エレナ達のものに使ったら、普段使いができなくなるかな?」
「じゃあ、おばあさまたちのだけにしよう~」
「タ、タクミさん、真珠と聞こえましたが……使うのですか?」
「小粒の良い真珠も手持ちにありますから、使ってもいいな~と思っています」
「いやいやいや、真珠は小粒でも高価な品ですよ!?」
真珠と聞いてパトリックさんが少しばかり慌てだした。
「まあまあ、手持ちのものですから」
エレナ、フィート、マイルのものにだけ使わないように指定し、小粒の真珠も取り出す。
すると、この辺で店員さんの動きが止まってしまった。
「あの? 聞いていますか?」
「……タクミさん、落ち着くまで少し時間をあげたほうがよろしいかと」
「え? ……あぁ~」
一つなら〝珍しい〟で済んでいた蝶が八個、さらには真珠が並べられて、店員さんは情報過多により固まっているようだ。
「アレン、エレナ、待っている間に、他に使えるものがないか考えていようか」
「「そうだね~……」」
「あ! すいしょうは?」
「それもいいね」
「あとね! ワニさんのほうせき!」
「ワニさん? ああ! 細波の迷宮にいたアリゲーターか。確かにいろいろな宝石を手に入れていたな!」
子供達と他に良い素材がないか話していたら、カイザーとパトリックさんに呆れたような顔で見られているような気がしたが、全力で気づかないふりをした。
11,184
お気に入りに追加
38,125
あなたにおすすめの小説
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
私を棄てて選んだその妹ですが、継母の私生児なので持参金ないんです。今更ぐだぐだ言われても、私、他人なので。
百谷シカ
恋愛
「やったわ! 私がお姉様に勝てるなんて奇跡よ!!」
妹のパンジーに悪気はない。この子は継母の連れ子。父親が誰かはわからない。
でも、父はそれでいいと思っていた。
母は早くに病死してしまったし、今ここに愛があれば、パンジーの出自は問わないと。
同等の教育、平等の愛。私たちは、血は繋がらずとも、まあ悪くない姉妹だった。
この日までは。
「すまないね、ラモーナ。僕はパンジーを愛してしまったんだ」
婚約者ジェフリーに棄てられた。
父はパンジーの結婚を許した。但し、心を凍らせて。
「どういう事だい!? なぜ持参金が出ないんだよ!!」
「その子はお父様の実子ではないと、あなたも承知の上でしょう?」
「なんて無礼なんだ! 君たち親子は破滅だ!!」
2ヶ月後、私は王立図書館でひとりの男性と出会った。
王様より科学の研究を任された侯爵令息シオドリック・ダッシュウッド博士。
「ラモーナ・スコールズ。私の妻になってほしい」
運命の恋だった。
=================================
(他エブリスタ様に投稿・エブリスタ様にて佳作受賞作品)
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ
真義あさひ
ファンタジー
俺、会社員の御米田ユウキは、ライバルに社内コンペの優勝も彼女も奪われ人生に絶望した。
夕焼けの歩道橋の上から道路に飛び降りかけたとき、田舎のばあちゃんからスマホに電話が入る。
「ユキちゃん? たまには帰(けぇ)ってこい?」
久しぶりに聞いたばあちゃんの優しい声に泣きそうになった。思えばもう何年田舎に帰ってなかったか……
それから会社を辞めて田舎の村役場のバイトになった。給料は安いが空気は良いし野菜も米も美味いし温泉もある。そもそも限界集落で無駄使いできる場所も遊ぶ場所もなく住人はご老人ばかり。
「あとは嫁さんさえ見つかればなあ~ここじゃ無理かなあ~」
村営温泉に入って退勤しようとしたとき、ひなびた村を光の魔法陣が包み込み、村はまるごと異世界へと転移した――
🍙🍙🍙🍙🍙🌾♨️🐟
ラノベ好きもラノベを知らないご年配の方々でも楽しめる異世界ものを考えて……なぜ……こうなった……みたいなお話。
※この物語はフィクションです。特に村関係にモデルは一切ありません
※他サイトでも併載中
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。