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15巻

15-2

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 ◇ ◇ ◇


 結局、『ソレイユ』との合同依頼は、いくつかの薬草の採取依頼を受けることにした。

「「おにぃちゃん、ここならいい?」」
「うん、この辺まで来たら大丈夫だな。――おいで」

 街から離れたところで、僕はジュール達を呼び出した。

「「「「わぁ~………………ええっ!?」」」」

『ソレイユ』の皆さんは、小さなフェンリルのジュールと飛天虎ひてんこのフィート、フォレストラットのマイルを見たところまでは感嘆の声を上げていたが、サンダーホークのボルトを見て黙り込んでしまい、最後にスカーレットキングレオのベクトルを見て驚きの声を上げていた。
 やはり、小さくなっていてもスカーレットキングレオは誤魔化ごまかせないってことだな。

「タ、タクミ、え、従魔? ほ、本当に?」

 アーヤさんがベクトルに対して警戒するようにしながら尋ねてくる。
 キルティも小さな声で『シャーッ』と鳴いている。ん? 泣いているわけじゃないよな?

「大丈夫ですよ。みんな、うちの子です」
「「みんな、やさしいこだよ~」」

 まあ、言葉で何を言われても、受け入れられるかは別問題かな?
 とりあえず、しばらく待ってみることにしよう。

《お兄ちゃん、今日は他の人もいるんだね? 仕事?》
「うん。一人、テイマーの人がいて、アレンとエレナがその人の従魔と仲良くなったんだよ。それで、二人がみんなを紹介したいって」
《あ、本当だ。あれは……ヘルスネイクだね》
《真っ白い綺麗きれいな子ね。でも、ちょっと私達のことを怖がっているのかしら?》

 ジュールが今どういう状況なのか確認してきたので、僕は説明しながらジュールとフィートを抱き上げる。『ソレイユ』の皆さんに向けて、二匹をしっかりと確保していますよ~……という意味合いも込めてね。

《じゃあ、まだ近づかないほうがいいですね》
《わたしは大丈夫だと思うけど、みんなは止めたほうがいいの!》

 すると、ボルトとマイルもそれぞれ僕の肩の上にやって来る。
 とりあえず、僕の近くにいたほうが良いと感じたようだ。

「ベクトルは……大丈夫だな」

 あとはベクトルをどうするかな~と思ったが、伏せたベクトルの上にアレンとエレナが乗っていた。

「……凄く大人しい子達だな」
「ええ、利口な子達ですね。でも、魔物相手だと容赦ようしゃがないので、大人しいとはまた違うかな?」

 どちらかといえば活動的な子達ばかりなので、大人しいとは言いがたいけどな~と思いつつ、アーヤさんの言葉に頷く。

「三匹はまだ子供だろう? それでももう活発的なのか」
「あ、その三匹は【縮小化】スキルで小さくなっているだけで、子供ではないんですよ」
「っ!! 全員成獣なのか! え、ちょっと待ってくれ! そうなると、私が仔犬こいぬと仔猫だと思っているその二匹は……」
「フェンリル!」
「ひてんこ!」
「っ!」

 アーヤさんが恐る恐るジュールとフィートの種族を聞いてきたのに対して、アレンとエレナがあっさりすっぱりと返答する。
 すると、アーヤさんは息をみ、見事に硬直こうちょくしてしまっていた。

「……す」
「す?」
「凄い、凄い! 凄いよ、タクミ! Sランクが三体だなんて! 凄すぎるよ!」

 アーヤさんは驚きか恐怖で固まっているかと思いきや、頬を紅潮こうちょうさせ、興奮しながら絶賛してくる。

「元の姿を見せてくれないか!」
「いいですけど……大丈夫ですか?」
「大丈夫だ!」
「そうですか……――ジュール、フィート、ベクトル、大きくなって見せてあげてくれるか?」
《いいよ~》
《もちろんよ》
《わかった~》

 ジュール、フィート、ベクトルの三匹に元の姿に戻ってもらう。

「おぉ! かっ、格好かっこい」

 そんな三匹を見て、アーヤさんは目を輝かせていた。
 どうやら、テイマーなだけあって、アーヤさんは動物好きのようだ。

「な、撫でてもいいかな?」
《じゃあ、まずはボクのことを撫でてみる?》

 ジュールが了承するようにアーヤさんに近づいていく。

「うわぁ~~~。凄いな~~~」
《ふかふかでしょう?》
「そうだな。凄くふかふかだ」

 アーヤさんの言葉を聞いて、ジュールがほこらしげに胸を張る。しかも、自然にジュールと会話をしているではないか。
 そういえば、ルーウェン邸ではすぐに馴染なじんだので忘れていたが、ジュール達の【念話】スキルの熟練度が上がって、僕達以外とも会話可能になったのだった。
 一応、外というか、他者に対しては会話をひかえていたのだが……すっかり警戒心を取っ払ってしまったんだな。アーヤさん達は良い人達のようなので、まあいいけどね。

「アーヤおねぇちゃん」
「ベクトルもさわってみる?」
「「ちょっとごわごわだけど!」」

 アレンとエレナがベクトルをからかいつつ、アーヤさんにベクトルを触るようにすすめる。

《アレン、エレナ!? ごわごわは言わない約束でしょう!》
「「やくそくしてない!」」

 ベクトルは自分の毛が剛毛ごうもうなことを少し気にしているようなので、若干涙目なみだめになっていた。

「アレン、エレナ、毛質のことでベクトルをからかうのはもう止めよう。可哀想かわいそうだろう?」
「「えぇ~」」

 ベクトル自身がコンプレックスに感じていることをからかうのは良くないと思ったので、子供達に止めるように言ったが、二人は納得しない。
 すると、アーヤさんが助け舟を出してくれた。

「固い毛質は、身を守ることに長けている証拠だ。これはな、刃物なんかは簡単に通らないってことなんだぞ~」
「「そうなの?」」
「そうだぞ。凄いことだぞ~」
「「おぉ~、ベクトル、すごいんだ!」」

 すると、ベクトルは得意げな顔をする。

《そうなんだよ! オレ、ナイフとかでは絶対に傷つかないのはこの毛のおかげなんだよ!》
「「そっか~。ベクトル、ごめんね。もうごわごわ、いわない」」
《本当!? もう言わないでね! ――うぅ~、このテイマーさん、良い人! アレンとエレナを説得した~~~》

 なるほど、ただ止めろと言うだけでは駄目だが、どうしてこういう毛質なのかを説明すると子供達も納得するのか。

「アーヤさん、ありがとうございます」
「私は知っている事実を言っただけだよ」

 ベクトルはすっかりアーヤさんに懐いたのか、小さな姿に戻ると頭をぐりぐり押しつけていた。
 大きい姿じゃなくて、小さくなってくれて良かったよ。大きいままだと、アーヤさんをつぶしかねないからな!

「おっ、なんだなんだ?」
「懐いたみたいですね」
「おぉ、そうか! それは嬉しいな!」

 アーヤさんはわしゃわしゃとベクトルを撫で始める。

《あ~、そこそこ。そこ、気持ちいい》
「ん? ここか?」
《あ~……》

 すると、よほど気持ちが良いのか、ベクトルがうっとりし始める。

「アーヤは馴染むのが早いわよ」
「本当ですね」
「まあ、アーヤは動物好きだもんね~」

 マイラさん、マドリカさん、エリーさんはあきれたようにアーヤさんの行動をながめていた。

「いや、だって、どの子も可愛いじゃないか!」
「そう断言できるのが、アーヤらしいわ。――タクミさん、時間をけてしまってごめんなさいね。もう落ち着きましたわ」
「いえ、こちらこそ驚かせてしまってすみません。えっと……このまま依頼続行で大丈夫ですか? 紹介もできたので、影に戻ってもらうこともできますよ?」

 僕の提案に、『ソレイユ』の皆さんは首を横に振る。

「一緒で大丈夫ですよ。これでもテイマーの仲間ですからね。ただ、種族が大物ばかりでしたから、すぐに動けなかっただけですわ」
「そうそう。これだけ凄い子達と一緒に依頼できるなんて、こんな貴重な体験、滅多にできることじゃないし、絶対に逃しちゃいけないよね~」
「確かにそうね。そう思うと、わくわくしてきますわ」

 アーヤさんだけでなく、マイラさん達もジュール達に慣れてくれたようだ。

「「みんな、いっしょ~」」
《何だか、今日はにぎやかな依頼になりそうだね~》
《あら、私達はいつも賑やかよ?》
《そうですね。ぼく達はいつも賑やかに過ごしています》
《じゃあ、いつも以上にわいわいするの!》

 話は決まり、僕達は薬草探しを開始することにした。


 そうして始まった薬草探しは、とても順調に進んだ。

《あ、ここにリリエ草があるよ~》
《こっちにもあるわね~》
「オジギそうがあったよ~」
「ポポそうもあったの~」

 ジュールやフィート、子供達はどんどんといろんな薬草を見つけて採取し、僕のところへと届けに来る。

《あ、グレイウルフだ。倒してくる~》

 ベクトルは魔物を見つけるといつものように颯爽さっそうと駆け出して行き、あっさり倒すと獲物を引きずって戻ってくる。

《兄上、こっちにユズユの実が生っています》
《タクミ兄、エナ草も生えているの!》

 ボルトとマイルは果実や野菜を見つけて、たっぷりと収穫して戻ってくる。

「楽だな」
「……そうね、楽ね」
「とても楽ね」
「うん、楽だわ」

『ソレイユ』の皆さんは、呆然ぼうぜんとしながら子供達の動きを目で追っていた。

「私達、ただの散歩になっているな~」
「本当にね。これでいいのかしら?」
「まあ、大人として駄目でしょうね~」
「だけど、まったくもって出番がないんだよね~」
「……ははは~」

 僕を含め、『ソレイユ』の皆さんが動くまでもなく、採取も魔物討伐も子供達の働きで終わってしまうのだ。
 僕としてはいつもの光景だが、やっぱり大人として駄目だという意見を聞くと、心にぐさぐさと何かがさる。やはり、今後は改善が必須ひっすだな。

「しかし……凄い魔物を従魔にすると、これほど依頼がはかどるんだな~」
『…………シュ~』
「いやいや、キルティも凄いし、いつも助かっているぞ! 落ち込むことはないぞ!」
「今のは、アーヤの失言ね。キルティが可哀想」
「マイラ、何を言うんだ! 私はキルティのことは可愛いと思っているし、とっても助けられていると感じている! それとは別で、タクミの従魔が凄すぎるっていう話をしているんだ! あれは別格すぎるだろう!?」

 アーヤさんは、ただただジュール達の出来を褒めてくれたのだろうけれど、キルティからしたら比べられた感じがしたのだろう。

「キルティ……ヘルスネイクの牙には、猛毒があるんですよね?」
「ああ、かなり強力な麻痺毒まひどくだぞ。殺傷性さっしょうせいはないが、んで数分で意識を失うな」
「数分ですか。それは強力ですね」
「そうなんだよ! しかもな、ヘルスネイクの麻痺毒は、数時間で効果が消えるから、食肉にも影響がないんだ!」

 ヘルスネイクの毒が猛毒だということは知っていたが、それが麻痺毒だということは知らなかったな~。それも、食用の肉が駄目にならないとは凄い。
 ……でも、毒が消えてなくなるとはいえ、一回毒に侵されたものって……嫌がる人は一定数いるんじゃないかな?

「キルティが魔物を麻痺させたところを仕留めて確保した肉は、普通に売れるんですか?」
「ああ、それは大丈夫だ。ギルド側もしっかりと鑑定して、肉の状態を確認するしな!」
「へぇ~、それならキルティの毒は便利ですね」

 もともとヘルスネイクという種族が、獲物を生きたまま確保して食料にするために、そういう毒を持つことになったってことかな。死んでしまうような毒だったら、狩った側も食料にできなそうだしな。

「なになに?」
「なんのはなしー?」
「ん? キルティの牙の毒は便利だな~っていう話をしていたんだよ」

 アレンとエレナがかごにたっぷりと薬草を入れて戻ってきた。

「「キルティのどく?」」
「うん、凄いんだよ。魔物を数分で動けなくさせちゃうんだって」
「「おぉ~、キルティ、すごい!」」
『……シュ~』

 子供達に褒められて嬉しかったのか、キルティの尻尾がパタパタと揺れている。

『シュ、シュ、シュ~』
「「え、いいの?」」
『シュ~~~』

 アレンとエレナがキルティと会話? しているようだ。

「えっと……アレン、エレナ? キルティは何て言っているんだい?」
「あのね、まものをね」
「たおしてみせてくれるって」
「え、そうなの?」

 キルティと本当に会話していたようだ。
 僕には鳴き声にしか聞こえなかったんだけどな~。

《何なに? キルティが力を見せてくれるの?》
《わ~、それは興味があるわ》
《何か手頃な魔物が来ませんかね?》
《ベクトル、次に来た魔物は倒しちゃ駄目なの!》
《うぅ~、わかった~》

 ジュール達もキルティの毒に興味があるのか、わくわくしたように場を整えようとする。

「アーヤさん、キルティの戦い方を見せてくれることになったみたいなんですけど……大丈夫ですか?」

 子供達は盛り上がっているが、さすがにアーヤさんの許可なしに話を進めるわけにはいかない。なので、意見を求めてみた。

「あ、うん、キルティもやる気があるみたいだし、いいんじゃないか? というか、そろそろ私達も働きたいし、任せてくれ」
「そうですね~。そろそろ働きましょうか」

 すると、アーヤさんはもちろんのこと、マイラさんも同意してくれた。

《あ、ちょうど良い具合にロックベアーが来たよ~》
「タクミ、あのロックベアーは私達に任せてもらうよ!」
「あ、はい、了解です!」

 ロックベアーの相手は、『ソレイユ』ですることになったので、僕達は少し下がって待機する。

「アーヤ、マドリカ、足止めをよろしく!」
「了解! ――火よ、つどえ《ファイヤーボール》」
「光よ、射貫け《ライトアロー》」
『グガーッ!』

 エリーさんの合図でアーヤさんが火魔法、マドリカさんが光魔法でロックベアーに先制攻撃をすると、マイラさんがやり、エリーさんが剣を構えて向かっていく。

「キルティ、今だ!」
『シュ~~~』

 マイラさんとエリーさんがロックベアーを正面から押さえ込むと、キルティがロックベアーの背後に回り込んでいく。
 そして、すきをついてロックベアーの後ろ脚に咬みついた。

「キルティ、よくやった!」
『シュー!』

 あとはキルティの麻痺毒が効いてくるまで、『ソレイユ』は無闇むやみに攻め込んだりはせずに引き気味に防戦を続ける。

「そろそろかしら?」
「倒れる! マイラ、エリー、巻き込まれるなよ!」

 ロックベアーがふらつき始めると、マイラさんとエリーさんがロックベアーから離れる。
 すると、すぐにロックベアーが――バターンッ……と音を立てて横に倒れた。

「エリー!」
「任せて」

 すかさずエリーさんが再びロックベアーに接近し、トドメを刺す。
 とても流れるような戦いで、そして堅実けんじつな戦い方である。

「どうだった?」
「「すごかった!」」
「そうですね、本当に凄いですよ。とても無駄むだがなく、いかにも〝パーティ戦〟って感じでした」

 僕達には真似まねができない戦い方だ。

「褒めてもらえて嬉しいですわ。ですが、どこか改善点などはありませんでしたか?」
「特に改善しなくてはならないような箇所はなかったと思いますよ。ただ……――」
「ただ?」
「キルティが上手く敵のふところに潜り込めなかった時などの対応が気になりますね。それもしっかりと決まっているなら本当に問題ないと思いますけど」

『ソレイユ』の戦い方は、キルティの麻痺毒があっての戦いで、それが上手く機能しなかった場合は長期戦になったり、下手したら自分達が危なくなったりする可能性があると思う。あとは、敵が複数いる場合もかな?

「「「「ああ~……」」」」

 僕の指摘に『ソレイユ』の皆さんが、〝やっぱり〟と言いたげに声を上げる。

「……えっと?」
「一戦見ただけで、私達の弱点を言い当てられるとは思わなかった」
「そうですね。若くてもさすがはAランクの方ということかしら?」

 アーヤさんとマイラさんが、ため息をつく。
 どうやら、自分達の弱点はしっかりと把握はあくしているようだな。

「とりあえず、今は索敵さくてきをしっかりとして、格上の魔物や群れとの遭遇そうぐうけるようにしている状況だな」
「それは大事ですね。あとは遭遇したとしても、確実に逃げられるようにいろんな手段を用意しておくのも大事ですが……それは?」
「思いつく限りは用意してありますわ」

 どうやら彼女達は、自分達の力を過信せずに、確実に生き抜くことを前提にしているようだ。
 そこでふと、思いついたことを尋ねてみる。

「キルティの毒を採取しておくと、麻痺毒の効果はなくなってしまうんでしょうかね? 大丈夫なら、武器に仕込むのもありじゃないですか? マドリカさんの矢とかにね。あ、もうやっていましたか?」

 マドリカさんは光魔法のほかに弓矢を使用しているようなので、やじりに麻痺毒をっておけば、牽制だけではなく攻撃にも使えそうだと思う。

「あ、マドリカさんの個人戦闘の手段にも使えるかな?」

 僕のつぶやきを聞いて、マドリカさんが期待するような表情になった。実戦で使うことができたら、Bランクが近くなるからな。

「それはやっていませんね。まずはキルティの毒を分けてもらって、成分を調べる必要がありますわね。――アーヤ、キルティが嫌がらなかったら、是非お願いしますわ」
「大丈夫。キルティは協力してくれるってさ」

 キルティはこころよく了承してくれたようだ。

「アレンもキルティのどく、ほしい!」
「エレナもほしい!」
「えぇ!?」

 その時、何故か子供達が麻痺毒を欲しがった。……何の冗談じょうだんかと思ったが、顔を見る限り本気のようだ。


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