18 / 303
2巻
2-2
しおりを挟む「すみません。木工部門の部門長さんにお会いしたいのですけど」
「面会のお約束はされていますか?」
早速職人ギルドを訪れると、僕は受付カウンターに向かい、そこの女性に簡潔に用件を伝えた。
しかし、女性はあからさまに怪訝そうな表情をしている。
見覚えのない人物が突然アポなしで訪ねてきて、部門長に会わせろと言えば怪しいかもしれないが、受付をしているのなら表情くらい何とか取り繕って欲しい……。
「いいえ。ですが、部門長さんから会いたいというお話をいただいていまして」
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「あ、すみません。タクミ・カヤノです」
「し、失礼致しました! ただ今、部門長を呼んで参りますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
「はい、わかりました」
僕が名前を告げると、受付の女性はがらりと雰囲気を変えて謝罪した。
どうやら僕が訪ねてきたら呼ぶようにと、部門長からあらかじめ伝えられていたらしい。
「タ、タクミ・カヤノ殿ですか!」
受付の女性が席を立ってから、さほど時間を置かずに大柄の男性が現れた。
ここまで慌てて走ってきたようで、ぜぇぜぇと息を切らしている。
「ええ、そうです。えっ……と、木工部門の部門長さんですか?」
「ああ! 失礼しました。木工部門・部門長のガリオンです。さ、早速ですが!! ガヤの森の大木! ガヤの木をお持ちだと聞いたんですが、それは本当ですかっ!?」
「……ええ」
部門長の用件はやはりガヤの森の木のことで、それを売って欲しいと言われた。
それはそれは前のめりの体勢でね。僕が思わず背を反らすくらいの勢いだった。アレンとエレナも部門長の勢いに驚き、僕の後ろに避難していたよ。
やはり、ガヤの森の木は素材としてとても良い品のようだ。
太く大きい木なので、くり抜いたり削ったりして繋ぎ目のない家具を作ることができる。
その上、魔素を含んでいるため、耐火などの付与魔法を施すことも可能なんだって。
だから、ガヤの木から作られた品はどれも高値で取り引きされているらしい。
しかし、ガヤの森は危険な場所だ。森の外周に生える木を切り倒すとしても、いつ魔物が現れるかわからない。常に警戒する必要がある。
戦闘力がなければ当然、護衛を雇わなければならない。
それにガヤの木はとにかくデカいので、一本の木を切り倒すだけでもひと苦労だし、その後に運ぶのにも相当な労力を要する。
だから職人自ら危険を冒してまでは木の確保に向かわないものの、素材があるとなれば、喉から手が出るほど欲しいというわけだ。
部門長さんが、興奮しながら熱くそう語ってくれたよ。
だけど、説明はそのくらいで構わない。これ以上、専門的な話をされても僕はわからないからな。
「売るのはもちろん構いません」
「ほ、本当ですかっ!?」
「え、ええ……」
ガヤの木は、目的があって持っているわけではない。ルドルフさんが「もったいないから持って帰れ」と言ったので、回収したに過ぎないし。だから、売ることに問題はない。
むしろ、買ってくれると言うのであれば、喜んで手放す。
「ここの裏手に倉庫がありますので、まずはそちらで現物を見せていただけますでしょうか!」
「あ、はい。わかりました」
僕達は部門長さんの案内で、裏手にある倉庫へと移動する。
そして倉庫に入ると、職人らしき人達が大勢いた。どうやら、ガヤの木を拝みたい人々が集まっているようだ。
聞いたところによると、僕と部門長さんが受付で話している間に、倉庫に集まるようにと通達されていたらしい。
そういえば部門長さんが現れた時、受付の女性は戻ってこなかった。彼女がこの職人達を集めたのだろう。
だとしても、たった数分でこの人数は集まりすぎのような……いや、気にしないほうがいいか……。
職人達の集合具合は無視し、僕はまず《無限収納》から一本のガヤの木を取り出して、空いているスペースに置いた。
うん、何とか倉庫内に収まったって感じだ。
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!』
「「「っ!!」」」
僕が木を出した途端、複数の雄叫びみたいな野太い声が倉庫内に響いた。
当然のごとくアレンとエレナが驚き、僕にしがみついてきた。というか、僕も驚いた。
今日は人の叫び声だけで何度も驚かせてしまって、アレンとエレナには可哀相なことをしている。
とりあえず、撫でて宥めておこうか~。
僕が子供達を落ち着かせている間、職人達から「すげぇー立派な木だ」「夢にまで見た素材がっ!」「触っていいかな?」と様々な台詞が聞こえてきた。
――歓喜。その言葉が一番しっくりくる様子だ。
「これほど立派な木は、今までに見たことがありません。やはりガヤの木は最高ですね!」
部門長さんも感動していた。しかも、体をふるふると震わせて。
職人達のざわめきは一向に収まりそうにないが、僕はさっさと値段の交渉をして帰りたい。
部門長さんに買い取り価格のことを尋ねると、予想外の答えが返ってきた。
ルーナさんにあらかじめガヤの木の相場を聞いておいたのだが、部門長が提示したのはそれを大幅に上回る値段。
どうやら、ルーナさんが教えてくれた値段は、ガヤの木でも外周に生えている木の最安値だったらしい。
ガヤの木は森の中心部へ行けば行くほど太く大きくなり、さらに魔素を多く含む良質なものになるんだってさ。
僕が倒した木は二日ほど森の中を進んだ場所にあったので、辛うじて伐採できる外周の木よりも数段、質の良い木材になるそうだ。
言わなければもっと安い値段で手に入っただろうに、職人達は馬鹿正直に、木の査定を行っていた。少しでも安値で仕入れようとする商人とは違い、根っからの職人ということかもしれない。
「くっ……。残っているうちの予算では、三本買うのがやっとです」
三本か……。数十本あるうちの三本。全然、数が減った感じがしないけれど、仕方がないか。
僕にとっては不要な木だが、無償で全ての木を譲るわけにはいかない。値崩れを起こして市場が混乱するだけだからな。
僕は追加で三本の木を《無限収納》から取り出した。
「タ、タクミ殿、一本多いです」
最初に出した一本があるから、今、倉庫内には全部で四本の木が置かれている。
「まあ、おまけってことで」
「そ、それは申し訳ないです」
全部は無理だけど、一本くらいならタダであげても問題にならないだろう。そう思っての行動だ。
部門長さんは僕の言葉に驚き、恐縮はしつつも表情はとても嬉しそうだった。
喜んでいるのは間違いないと思ったので、僕はそのまま押し切るかたちで三本分だけの料金を受け取り、足早に職人ギルドを後にした。
職人達に活気があるのはいいことだと思うんだが……なんだか疲れてしまった。
今日はもう宿に戻り、アレンとエレナを構って癒されよ~。
◇ ◇ ◇
「「ぎるどー、ぎるどー」」
翌日、僕達は早い時間から冒険者ギルドに向かった。
アレンとエレナは朝からご機嫌で、スキップしながら道を歩いている。
「「おにーちゃん。きょう、おそといくー?」」
二人が言う〝おそと〟とは建物の外ではなく、街の外のことだ。
「あ~、今日は素材の売却金を受け取るだけで、依頼を受けるつもりはないんだよな~」
どうやら、アレンとエレナは遊びに行きたいらしい。
昨日と同じく、今日これからするのは事務的なことだ。昨日は大人しく待っていてくれたけれど、やはり子供には退屈な時間になってしまう。
「そうだなー。今日の用事が全部終わったら、ちょっとだけ街の外に連れて行ってあげる。だから、それまでいい子で待っていられる?」
「「うん!」」
二人は笑顔で力強く頷く。
「アレン、まつー」
「エレナもまつー」
「うん、いい子~」
頭を撫でてあげると、アレンとエレナはさらに笑みを深めてはにかむ。
「「えへへ~」」
二人が喜んでいることだし、さっさと用事を済ませよう。
「「ぎるどー、ぎるどー」」
さらにご機嫌になったアレンとエレナとともに冒険者ギルドに入ると――
「待っていたわー」
「え!?」
ギルドの扉を開けた途端、待ち構えていたルーナさんに捕まった。
入り口で仁王立ちって……。僕達はギルドに来る時間なんて告げていなかったのに、ルーナさんはいつからここに立っていたのだろうか……。
「さあ、さあ! 行きましょう!」
「はぁ!? ちょ、ちょっと……ルーナさん!?」
昨日に引き続き、僕はルーナさんに引っ張られて強制的に歩かされた。
「ほらほら、アレンくんもエレナちゃんも早くいらっしゃ~い」
「「まって~」」
ルーナさんの力は地味に強く、しかも、逆らってはいけない雰囲気を醸し出していた。
アレンとエレナもきちんとついてきているので、これは大人しく連行されたほうが良さそうかな?
僕達が連れて行かれたのは、会議室のような個室だ。
席につくと、ルーナさんから数枚の書類が手渡された。
それには僕が昨日渡した素材の名前がずらりと並んでいて、それぞれの買い取り金額が記載されている。
「これが昨日、タクミさんから預かった素材の買い取り金額の内訳ね」
確かに、さらっと見る限り、昨日渡したものの内容に間違いないようだが……。
「どう? 素材は渡したのに、一覧に載っていないなんてことはないと思うんだけど?」
「はい、問題ないと思います。でも、ルーナさん。これって解体費用が引かれていないんじゃないですか?」
確か、解体しないで売りに出した魔物は、解体費として料金が引かれるはずだ。
なのに、この書類には解体費分の料金が書かれていない。
「無料よ、無料! タクミさんは貴重なガヤの森の素材をあんなに持って来てくれたのよ。解体費用なんてちまちましたものは取れないわ」
解体費用はサービスしてくれるってことか。
売却用に多くの素材を置いて帰ったのは確かだけど……でも、イビルバイパーの解体には、かなりの労力がかかったはずだ。
「本当にいいんですか?」
「いいのいいの! それで、タクミさん。本題に入るんだけど、イビルバイパーの素材はどのぐらい売ってくれるかしら?」
ルーナさんはうずうずした様子で話を切り出してきた。
僕は、イビルバイパーから確保できた部位と、それぞれの量が書かれている別紙に目を移す。
「そうですね~……」
まず、僕が材料として使いたいのは皮だ。
僕と子供達の装備の他にも、あとで使いたい場面が出てくるかもしれないしなぁ~。
「逆に、ギルドではどのくらい欲しいですか?」
「そうね~。半分……できれば三分の二は欲しいわ」
僕が三分の一ってことか。イビルバイパーはとにかくデカいから、それでも充分な量だよな? だったら、それで問題なさそう。
ん~、血や内臓はいらないし、骨も必要ないよな……。
あ、肉だけは皮と同じ分だけ手元に残しておこうか。高級食材であるイビルバイパーの肉は美味しいらしいし。《無限収納》に入れた素材は時間が止まって腐ることがないから、多めに持っておこう。
「じゃあ、僕の分は皮と肉を三分の一ずつで。残りをギルドに売却ってことでどうですか?」
「本当!? それで問題ないわ! ありがとう~」
ルーナさんが満面の笑みで感謝を告げ、すんなりとそれぞれの取り分が決定した。
「すぐにお金は用意させるわ。今のうちに、タクミさんの分の素材を倉庫へ取りにいきましょうか」
「はい、お願いします」
結局、ブラッディウルフや薬草などの売却分も合わせると、買い取り金額は驚くほどになった。
白金貨が数枚混ざっていたしな。これは数年、豪遊しても生活できる金額だ。
日本で生活していた時とは比べものにならないくらいの裕福さで、少しビビる……。
とりあえず、半分のお金は受け取って《無限収納》にしまい、残り半分は僕と子供達で三等分にし、ギルドに預金しておくことにした。
◇ ◇ ◇
冒険者ギルドを出た僕達は、西門にある騎士団支部に向かった。
昨日の夕方、宿に騎士の使いが来て「明日、騎士団支部へ来ていただけませんか」と言われ、了承したからだ。
「お待たせしました」
通された応接室でしばらく待っていると、ガディア国騎士団シーリン支部の第二隊副隊長のアイザック・リスナー様と、同じく第三隊副隊長のブラウド・ガンフォルグ様が部屋にやって来た。
「ご足労をかけてしまい、申し訳ありません」
リスナー様は、僕達の向かい側の席につくと、そう口にした。
「いいえ、気にしないでください」
「本当は隊長がお会いする予定だったのですが、あいにく時間が取れなくなってしまい……」
聞けば、隊長――リスナー様の上官であるヴァルト様達は、ガヤの森の遠征の調査報告や事後処理といった雑務に追われているそうだ。
そんな忙しい時にわざわざ僕を呼び出したってことは、きっとサジェスの件についての話だろう。
ガヤの森の遠征で一緒だった騎士のサジェスは、ヴァルト様に気に入られた僕達をやっかみ、何度か不快な視線を送ってきた。
その中でも一番許せなかったのが、イビルバイパーとの戦闘中に僕達に殺気を向けたこと。
アレンとエレナは人の悪意に敏感だ。
二人は突然の殺気に思わず反応して振り返ってしまい、その隙をイビルバイパーに狙われて攻撃を受けた。
幸い二人の怪我は大したことがなかったけれど、下手をすれば命を落としていたかもしれない。
直接手を出したわけではないものの、サジェスの行為はあきらかに問題だ。
事態を把握したヴァルト様やリスナー様は、上官として僕達に謝罪してくれた。
そしてリスナー様にサジェスの処分は騎士団に任せて欲しいと頼まれ、僕は承諾したのだ。
だから、今の状況で騎士団から用件があると言われれば、サジェスのことしか思いつかない。
もしその件で呼ばれたのだとすれば、周囲の目がない個室に通されたことにも納得がいく。
「本日、タクミさんにお越しいただいたのは、サジェスの処分が決まりましたので、そのご報告をしたいと思いまして」
あ、やっぱり。予想通りだった。
「早かったですね」
「ええ、あまり長く保留にするわけにはいきませんから」
「では、報告は私から……」
今まで話していたリスナー様に代わって、ガンフォルグ様が後を継いだ。
そういえば、サジェスは第三隊の所属だったもんな。直属の上司であるガンフォルグ様が報告するのは妥当か~。
「サジェス・クランツは騎士としてあるまじき行為をしたことにより、二週間の謹慎に加えて、三ヶ月間の見習い降格処分に決まりました」
……僕が思っていた以上に重い処分になったな。
あの遠征に参加していたってことは、サジェスには相応の実力があるはずだ。
それに、あの見た目からして僕と同じくらいの年齢――二十代前半だろうから、騎士なって数年経った程度だよな? ってことは、エリートに近い存在に違いない。
それが三ヶ月とはいえ、見習いに戻るのは精神的にかなりキツイと思う。サジェスにとっては、厳しい処分といえそうだ。
「タクミさん、この処分でご了承いただけないでしょうか」
「問題ありません。というより、思っていた以上に厳しくてビックリしました。サジェスは直接手を出したわけじゃありませんから」
サジェスはただ、敵対心を露にしたり、殺気を放ったりしただけだ。それも、対象である僕や子供達以外はほとんど気づかなかった程度の。
だから僕は、こんな風に経歴に傷がつく処分が下されるとは思ってもみなかった。
「確かにあれが日常の中で起こった出来事でしたら、指導で終わったかもしれません。しかし、あの時の状況――Aランクの魔物相手に、我々、騎士以上の働きをしてくださっていたタクミさん達に対する行動として、不適切でしたからね」
ああ、なるほど。その時の状況も考慮されたってわけか。
「サジェスはもう謹慎に入っているのですか?」
「ええ。謹慎が明け次第、王都へ戻ることになります」
「……王都に、ですか?」
見習い期間は、王都での勤務?
左遷されて僻地にって話はよくあるけれど、王都行きはそれ以上に大変そうだ。
だって、王都に在籍する騎士の人数は多いだろうから、降格されたことが大勢の人に知られてしまう。
それも罰のうちに入っているのかもしれないが……ちょっと可哀相になってくるなぁ~。
「サジェスにはタクミさん達への接触を禁止しましたので、今後は近づくことなどないと思います。ですが、万が一何かありましたら、すぐに騎士団へ連絡をください。即座に対処いたしますので」
「……」
接触禁止は、降格処分の逆恨み対策か?
まあ、確かにその可能性が全くないとは言い切れないよな。まだ予定が決まっているわけではないが、僕達が王都に行く可能性はあるし。
結局は、サジェスと鉢合わせしないように気をつければいいってことだ。それに、何かあれば騎士団で対処するって言ってくれているのだから、素直に頼るとしよう。
「わかりました。サジェスのことで何かあれば、すぐに騎士団に連絡します」
「ええ、お願いします」
サジェスの件は、これで終わりかな?
僕とガンフォルグ様の話が途切れたところで、〝待っていた〟とばかりに、僕の両サイドに座っているアレンとエレナが抱きついてきた。
「「おわりー?」」
「……えっと?」
用件はこれで終わりだと思うが……他に何かあるかな?
僕が様子を窺うと、リスナー様が深く頷く。
「はい、報告は以上です」
「「? おわりー?」」
しかし、アレンとエレナには『以上』の意味がよくわからなかったようだ。二人はもう一度リスナー様を見て尋ねた。
「はい、終わりですよ」
リスナー様は、アレンとエレナにもわかるように言い直してくれた。
「「いいこー、まってたー」」
二人は話が終わったことを認識すると、大人しく待っていたことをアピールしてきた。
遊びに行く約束をした時に「いい子で待っていられる?」と僕が言ったのを、しっかりと覚えていたらしい。
「そうだね。二人ともいい子で待っていたね」
「「おそとー?」」
「うん、連れて行ってあげるよ」
「「やったー!」」
アレンとエレナは跳び上がり、全身で喜びを表す。
「おや? 出かける予定がおありでしたか?」
「ええ。昨日、今日とギルドで手続きやら素材の売却やらで二人が暇していたので、今日は用事が終わり次第、外で遊ぶと約束していたんです」
「ああ、確かに子供達には退屈な時間ですからね。では、西門までお送りしますね」
リスナー様はそう言ってにっこり笑うと、僕達を西門まで見送りにきてくれた。
早速、アレンとエレナを連れて街の外に遊びに行った。
最初こそ、二人は追いかけっこをしたり花を見たりして遊んでいたのだが、最終的には薬草採取になってしまった。遊びに行ったはずなのに……何でだ?
うーん、二人は満足そうだったから、まあいっか。
◇ ◇ ◇
1,875
お気に入りに追加
38,470
あなたにおすすめの小説
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~
空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。
どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。
そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。
ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。
スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。
※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!

押し付けられた仕事は致しません。
章槻雅希
ファンタジー
婚約者に自分の仕事を押し付けて遊びまくる王太子。王太子の婚約破棄茶番によって新たな婚約者となった大公令嬢はそれをきっぱり拒否する。『わたくしの仕事ではありませんので、お断りいたします』と。
書きたいことを書いたら、まとまりのない文章になってしまいました。勿体ない精神で投稿します。
『小説家になろう』『Pixiv』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。