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6巻

6-3

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 閑話 伯爵夫婦のひととき


「おや? レベッカ、ずいぶんご機嫌だな」

 妻のレベッカとともに部屋でくつろいでいると、彼女がいつも以上に穏やかな表情をしていることに気がついた。

「あら、わかります?」
「ははっ、それだけ顔に出ていれば、さすがにわかるさ。今日、タクミくん達と出かけたのがそんなに楽しかったのかい?」
「そうなの。とっても楽しかったわ~」

 私が尋ねると、先ほどよりも晴れやかな表情になった。
 今日、レベッカは我が家に滞在中の冒険者の兄弟、タクミくん、アレンくん、エレナちゃんの三人と一緒に街に出かけたのだが、それが思いのほか楽しかったようだ。

「それは一緒に行けなくて残念だったな。で、どこに行ったんだい?」
「ふふっ、たくさんのお店を回ってお買い物をしたのよ」
「買い物か。何か買ったのかい?」
「いろいろとね。今日はまず『銀の糸』へ行ったの。タクミさんもその店でコートを注文していたのだけど、ちょうどね、コートができ上がっていたから見せてもらったの」

 コートの注文?
『銀の糸』は、タクミくん達が城で国王陛下に謁見するときの衣装を用意した店だ。タクミくんは着心地がいいと言っていたから、それで選んだのかな?

「そのコートがね、とっても可愛かったのよ!」

 ん? 可愛い? コートがか?
 コートは大体シンプルなデザインで、落ち着いた色のものが多いが……タクミくんは一体どんなコートを作ってもらったんだ?

「……子供用のコートが、小さくて可愛かったのかい?」
「違うのよ! それがね、コートのフードに獣の耳を模したものが縫いつけられていたのよ!」
「耳? 獣人のような感じか?」
「そうなの。コート自体もアレンちゃん用はフェンリル、エレナちゃん用はてんをイメージしたものでね、とっても可愛いのよ!」

 なるほど、獣の耳を模したデザインか。たまに衣装に遊び心を加える人物はいるが、そこまで思い切ったデザインにするとは……タクミくんはなかなか面白いことをする。
 ん? フェンリルとてんといえば、確か……タクミくんが契約している魔物だったな?
 ……そういえば、タクミくんの契約獣は見せてもらったことがなかった。

「それはぜひ、見せてもらわないとな」
「ええ、絶対に見たほうがいいわ!」

 今度、そのコートとともに契約獣も見せてもらうことにしよう。
 レベッカがこれだけ興奮しているのだから、子供達はさぞ可愛らしいのだろう。それは予想できるが、コートを着た二人とタクミくんの契約獣を並ばせてみるのも面白そうだ。

「あ、子供達だけでなく、タクミさんのも見てあげてね」
「ん?」
「タクミさんのコートは一見、普通にシンプルなものなのだけど、マリーの遊び心でね。ふふっ」
「……もしかして」
「フードに耳がついていたのよ!」
「……」

 それは……成人男性にはちょっとこくな仕打ちではないか?

「遊び心ということは、外す予定だったのではないのか?」
「それが、アレンちゃんとエレナちゃんがとても気に入っちゃってね~。外すことに猛反対したのよ」
「……ああ~」

 タクミくん、外すに外せなくなっちゃったわけか……。

「それはそれは……タクミくんの心境は複雑だっただろうな~」
「ふふっ。でもね、私はタクミさんにも充分似合っていたと思うの」
「いやな、似合っていたとしても、獣人の真似事をするっていう行為がな……――」
「あら、いいじゃない。それとね……」

 私の言葉を遮って、レベッカが何か含んだ笑みを浮かべた。

「私も獣を模した子供用の部屋着を頼んできたの」

 続いたレベッカの言葉に、私は安堵した。
 何かを企んでいるような顔だったので少々身構えてしまったが、子供達の服を数着作ってあげるくらいは、我が家の財力なら問題ない。
 だが、次のレベッカの発言に私は耳を疑った。

「あとね、子供達と同じものをヴァルトさんの分も頼んじゃったわ♪」
「……ん?」

 ヴァルトの分も頼んだ? 獣の耳がついた部屋着を、あいつが着るのか?

「そ、それは……似合わないと思うぞ……」
「ん~、私もそう思ったのだけど~。似合う似合わないにかかわらず、とりあえず着せてみようかな~と思って」
「……そうか」

 ヴァルトは全力で嫌がるだろうが、レベッカにかかったら絶対に着せられるだろうな~。
 ここは、私の分でなくて良かった……と、そう思うことにしよう。
 すまんな、ヴァルト。ない父を許してくれ。

「ところで……レベッカが飲んでいるものは何だい?」

 この話を続けるのは危険だと思い、私は話題を変えることにした。
 レベッカがいつもと違うものを飲んでいることも気になっていたしな。

「ふふっ、これはミルクティー――紅茶にミルクを入れたものよ」
「ほぉ~、紅茶にそんな飲み方があったのか……」

 紅茶にミルクを入れるだなんて、思いつきもしなかった。
 組み合わせは悪くないとは思うが……まあ、レベッカが何も言わずに飲んでいるのだから、相性は悪くないどころか、良い部類なのだろう。
 ――ん?

「……もしかして、その飲み方を教えてくれたのはタクミくんかい?」
「あらあら、正解よ」

 ふと思って聞いてみたら、まさにその通りだったようだ。

「タクミくんは、どうやってその発想に行き着くんだろうね」
「本当にねぇ」

 タクミくんは本当に不思議な存在だ。
 見た目は成人したての普通の青年。だが、外見からは計り知れないものが隠されている。
 魔法と料理。今のところはっきりしている能力はこの二つだが、どちらもその分野では飛び抜けた実力を持っている。しかし、きっとそれだけではないだろう。
 彼のことに関しては、これまで驚いてばかりいる気がする。
 そのなかで一番驚いたのは、やはり真珠かな?
 綺麗な形をした真珠はほとんど出回らないというのに、彼は何でもない風に提供してきた。
 さらに、それよりもひと回りもふた回りも大きい真珠や、色付きの真珠まで出して……あの時は開いた口が塞がらなかったものだ。
 どこから手に入れたのか気になりはしたが、聞いたら腰を抜かす羽目になりそうだったので、詳しくは追及しなかったけどな!
 本当に、タクミくんは底が知れない青年なのだ。

「でも、新しい発想自体は悪いことではないのだから、いいんじゃないかしら? まあ、そのせいで勝手に周囲が大騒ぎしてしまうというのはあるけれどね~。それはタクミさんのせいじゃないし、それを収めることこそ、私達、後見した者の役割でしょう?」
「そうだね」

 レベッカの言うことはもっともだ。面倒なことにならないよう、私達なりに手助けすればいい。
 そう思っていると、レベッカが思い出したように言う。

「ああ、そういえば、このミルクティーなのだけど……茶葉のお店で披露してきたわ」
「えぇ?」

 茶葉の店で、この飲み方を披露した? それは騒ぎになるのではないかい?

「大丈夫。ミルクティーに関しては、こういう飲み方もあると広まるくらいで、私達が出るような問題にはならないわよ。ラッセルさんが上手くさばいてくれるわ」

 新しい紅茶の飲み方が広まれば、それに伴って茶葉が売れるだろうから、茶葉屋に任せてろってことか。
 確かに、ミルクティーは口にしてみれば、何を使っているのかわかりそうだしな。
 何か問題があれば、きっと店主が助けを求めてくるはずだ。それまでは動く必要はないか。

「だったら問題ないな。ただ、しばらくしたら一度様子を見に行ってくれないか?」
「ええ、任せてちょうだい」

 途中経過はしっかりと確認したほうがいいだろうが、それはレベッカに任せることにした。

「ところで、レベッカ。私の分のミルクティーはないのかい?」
「あら、もちろんあるわよ」

 もうじき冬の社交シーズンで、それに関する仕事はまだあるが、とりあえずミルクティーを楽しむとしようか。



 第二章 仕事をしよう。


「「いらい~♪」」

 ここしばらくは、レベッカさんと買い物に出かけたり、ゆっくりと休養したりしていたが、そろそろアレンとエレナが思いっ切り動き回りたそうにしていた。
 なので、今日は依頼を受けるために冒険者ギルドに来て、依頼書が張られているボードを眺めている。

「やくそ~」
「まもの~」
「「どれにしよ~♪」」

 案の定、二人は楽しそうに歌いながら数ある依頼書を見比べていた。

「さて、何がいいかな?」
「「うーんとね~……」」

 えっと……『シャドウウルフの牙を求む』『ウォーターベアの皮を求む』『ジャイアントボアの皮を求む』ね。これらは討伐兼、採取の依頼になるみたいだな。対象の魔物を倒して当該部分の素材のみを依頼品として提出するものだ。もちろん、依頼書に載っていない部分の素材は別途で買い取ってもらえるし、既に素材を持っているのならば討伐しなくても問題ない。
 いつもは薬草や花など植物の採取依頼ばかりで、魔物を対象とした仕事は受けたことがなかったな~。
 しかし……どれも持っている素材ばかりだ。だから依頼を受けたとしても、この場で素材を提出して終わり、ということになってしまう。
 それでは依頼を受ける意味がないというか……子供達が納得しないだろう。
 いや、《無限収納インベントリ》にあるものはそのままにして、改めて採取しにいけばいいのか? 特にめぼしい依頼がなかった場合は、そうすることにしよう。

「これはー?」

 受ける依頼を決めかねていると、アレンがある依頼書を指さした。
 二人はまだ数字や簡単な文字しか読めないので、目についたものを適当に指したのだろう。

「これか?」
「うん!」
「これは『コットンシープの毛』が欲しいっていう依頼だな。……もこもこしてそうな羊だな~」
「「もこもこー?」」
「うん、たぶんだけど、もこもこだと思うよ? まあ、僕も実際には見たことないんだけどな」

 シルに刷り込まれた知識によれば、コットンシープは綿のようなもこもこした毛を持つ羊の魔物らしい。
 一体、その毛はコットンなのだろうか? ウールなのだろうか?


 疑問が湧いて仕方ないが、こればっかりは実物を触ってみないとわからない。

「「もこもこ、みたーい!」」
「ん? えっと……――あ~、これは駄目だな」
「「えぇ~」」
「羊がいるのが遠くなんだよ。だから、ちょっと無理かな」

 残念ながら、コットンシープの主なせいそく地は他国の高山地帯らしい。
 予定を立てて向かうなら問題ないが、さすがに今日受ける依頼としては不向きだ。

「「むぅ~」」

 しぶしぶだが、アレンとエレナが諦めてくれたので、別の依頼を探すことにする。

「じゃあ、これー」

 次はエレナが違う依頼書を指さした。

「これか? これは……」

 その依頼書は、リヴァイアサンのうろこを求めるものだった。

「あ~……これも駄目かな」
「「えぇ~」」
「これはリヴァイアサン――カイザーのうろこを取ってこいっていう依頼なんだよ。アレンとエレナは、カイザーに怪我けがをさせたり、痛い思いをさせたりすることはできないだろう?」

 カイザーは、人魚の里を訪れた時に出会ったリヴァイアサンだ。仮契約だけど、僕の契約獣でもある。
 カイザーのうろこを僕達がげるかどうかはわからないし、うろこぐと痛みがあるのかもわからない。だって、僕達がうろこもらった時、カイザーは何気なく自分でいでいたからな。
 髪の毛を一本抜くような感覚かもしれないが、どちらにせよ、依頼のためにカイザーを傷つけるつもりはない。なので、さっきみたいに言えば二人は納得しやすいだろう。

「「だめー!」」

 案の定、二人は全力で反対した。
 というか誰だよ、こんな依頼を出したのは! リヴァイアサンのうろこなんて、そう簡単に手に入るものじゃないだろうに。
 まあ、その分、依頼料はもの凄い金額が提示されているけれどな!

「な、駄目だろう。だから、違う依頼にしような」
「「うん、わかったー」」

 子供達が納得したところで、僕達はもう一度依頼書を眺めた。

「「あれはー?」」

 アレンとエレナは、今度は二人同時に同じ依頼書を指さした。

「これは『ブラッディウルフの毛皮』が欲しい、だな」
「「しってる!」」
「そうだね。ブラッディウルフはガヤの森で倒したことがあるもんな」
「「うん! ……あれぇ~、もってるぅ?」」
「ブラッディウルフの毛皮か? うん、持っているな~」
「「おわっちゃう?」」

 おぉ~、アレンとエレナも、この依頼を選ぶと仕事がすぐに終了してしまうことに気がついたようだ。

「よくわかったな。そうなんだよ。この依頼を受けても、毛皮を渡したら終わりなんだ」
「「だめー!」」
「ははっ。アレンとエレナの出番がなくなっちゃうもんな?」
「「うん!」」
「じゃあ、別の依頼を選ばないと。さて、何かいいのないかな~。――お、これなんかどうだ?」

 もう一度大量にある依頼書を眺めると、その中に王都付近でも出没して、なおかつ、まだ出会ったことのない魔物の素材を求めるものがあった。

「「なーに?」」
「ん? 『バトルイーグルの羽根』が欲しいんだって。鳥の魔物はあまり相手にしたことがないけど、どうだ?」
「「やるー」」
「よし! じゃあ、これで決まりだな」

 鳥の魔物との戦闘経験はないが、今回の目的は羽根。巣の周りに羽根が落ちていれば入手できるはずだから、バトルイーグルを絶対に倒さなければならないわけではない。だから、難易度的には問題ないだろう。
 それに、バトルイーグル自体もCランクだから、仮に戦闘になったとしてもおくれを取ることはないはずだ。

「アレン、たおすー」
「エレナ、がんばるー」

 アレンとエレナは、相変わらず戦う気満々のようだ。

「別に倒す必要はないんだけど……」
「「うにゅ?」」
「まあ、相手が襲ってくるようなら、その時はお願いするかな」
「「うん!」」

 バトルイーグルと戦うかどうかは、その時になってみないとわからない。
 でも、道中だって魔物と遭遇するはずだし、戦闘がまったくないということはないだろう。二人にはそこで頑張ってもらえばいい。
 というわけで、僕達は早速『バトルイーグルの羽根』の採取依頼の依頼書を手にして、受付で手続きをしてもらった。


 ◇ ◇ ◇


 僕達はバトルイーグルの巣を目指して街を出発した。
 バトルイーグルのせいそく地は、前に獣人のライゼルと一緒に行った、水晶花が生えていた渓谷。そこからさらに登った山頂付近にあるらしい。
 なので、街から少し離れたところでジュール達を召喚し、ジュールとフィートの背に乗って、山のふもとまで最速で移動した。

「あかー」
「きいろー」
「おぉ~、これは圧巻だな」

 あっという間に到着した山の中は、前回来た時にはまだ青々としていた木の葉が、見事と言うくらい赤や黄色に紅葉していた。

《地面も凄いことになっているね~》

 ジュールの言う通り地面も落ち葉で鮮やかになっていた。

「まだ秋だといっても、本格的に寒くなってきたからな。あと半月もすれば、木に残っている葉も落ちるんだろう」
「「あきー?」」
「そうだよ。まだ秋だね。でも、木に残っている葉が落ちた頃には冬だよ」
「「ふゆ~」」

 最近、本当に寒くなってきたと感じるから、すぐに冬になるだろう。

《ねぇ、兄様。あっちにキノコがいっぱいあるけど、もちろん採っていくでしょう?》
「ん? おぉ~、本当だな」

 フィートが鼻先で示した方向を見ると、ハナビラ茸、ルーク茸、アカカサ茸……ぱっと見でもわかるくらい、数多くのキノコが生えていた。
 マヨイダケ、シビレダケ、ネムリダケ……まあ、半分くらいは毒キノコで、食用にならないものも混ざっているようだがな。

「「きのこ、とるー!」」

 アレンとエレナは両手を挙げて、キノコ採りをしたいと主張する。

「そうだな。せっかくだし、少しキノコ採りをしようか」

 そう言って、僕は《無限収納インベントリ》からかごを取り出し、アレンとエレナに渡した。
 もともと今回の依頼は、二、三日掛けてこなす予定でいたので、急いでいるわけではない。
 なので、ここで少し時間を取ったとしても全然問題はない。むしろ、ジュール達で移動して時間短縮した分、他のことに時間を使ったほうがいいだろう。

「「やったー」」
《いっぱい採ろう! ボク、焼いたキノコが食べてみたーい!》
《あら、スープでもいいんじゃない?》
《僕も煮込んだものが良いと思います》
《オレ、美味しければ何でも良い!》
《わたしはいろいろ食べてみたいの!》

 ジュールとフィート、サンダーホークのボルトはそれぞれ好みの食べ方を言い、スカーレットキングレオのベクトルとフォレストラットのマイルは、どんな調理法でも食べてみたいようだ。
 喜んで方々へ散っていこうとする子供達に、僕は慌てて声を掛ける。

「おーい、食べられるキノコの種類はわかるのかー?」

 どのキノコを採ればよいのか確認する前だったので、みんなを呼び止めた。
 だが、アレンとエレナは自信満々に大丈夫だと宣言する。

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