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準備期間です。
22.不機嫌です
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今、私の目の前にいる王様の顔は、真っ青になっています。
「リア? 何があったんだい?」
「……」
父が私に話し掛けてきますが、私はそれを無視。
今は父にでも口を開きたくありません。
「……リア嬢、何があったのかね」
「……」
そうそう、私が今何処にいるかというと、城の……王様の執務室にいます。
私と王様と父の他には、ヒューリーと父の従者であるアスター。
王様の護衛でいた騎士団長と王様の侍従。
あとは、フレッド兄とバード兄に、私の護衛のカイル=スピネル。
計十名が集まっています。
何があったって?
私が超ー不機嫌なんです。
何故って?
それはね――
◇ ◇ ◇
「リア、準備はできたかい?」
「はい!」
今日、私は普段よりも質素なワンピース着て、次男のフレッド兄と三男のバード兄と街へお出掛けするんです!
前々から約束していて、すっごく楽しみにしていたんだ!
だって、お嬢様の買い物といえばお店の方が邸まで来るですよ。
洋服だってオーダーメイド。
お嬢様って、なかなか自由に出掛けられないのだ。
だから、今日という日を楽しみにしていたのだ!
「そうだリア。彼はどうするんだい?」
「あっ……」
フレッド兄が言う彼とは、カイルのことです。
正直、忘れていました。
街に出掛けて、近衛の制服を着たままのカイルが側にいたら目立つよね?
「スピネル様、騎士の制服だと目立ちますので、服をお貸ししますので着替えていただけませんか?」
騎士を連れて歩いていたら目立つから、普通の洋服に着替えるように言ったら――
「私は騎士として護衛に付いております」
と、言われた。
融通の利かなさがまた発揮された。
こいつには“お願い”が通じないんだよな~。
一応、彼は国から派遣されている護衛だから、私に命令権がないに等しいんだよ……。
「…………。でしたら、せめて一般騎士の制服に着替えてください。近衛の制服だと目立ちますので」
一般騎士なら巡回とかで街を回っているから、近衛騎士の制服より目立たないよね?
騎士と近衛騎士の制服は、作り自体は同じだが色が違う。
黒と白。
白が近衛騎士ね。
ぱっと見でわかってしまうんだよ。
騎士として護衛しなくてはならないなら、せめて黒い制服を着て!
それでいいでしょ!
「一般騎士の制服に着替える必要性を感じられません」
却下された。
くっ~~~。
「…………。では、スピネル様はお留守番ということで!」
「それでは護衛の意味がありません」
「でしたら、今日はうちの護衛のように少し距離をおいてください」
「私はヴィクトリア嬢の側で護衛するのが任務です」
「……」
こいつ、本当に融通が利かない!!!
こんな奴、もう知るかっ!!
「あなたはついて来ないでっ! 兄様、行きましょう!!」
そう言って、私は彼を置き去りにするように兄様達と出掛けたが、カイル=スピネルは当然の如く私についてきた。
何処に行っても付かず離れず……。
しかも、すれ違うだけの通行人を睨みつけたり、接客しようとする店員を威圧したり……。
本当にどうしようもない行動ばかり起こしたのだ。
それで私がとうとう感情を爆発させ、ついでにヒューリーがキレてて、王様の執務室に突撃したわけだ。
「リア? 何があったんだい?」
「……」
父が私に話し掛けてきますが、私はそれを無視。
今は父にでも口を開きたくありません。
「……リア嬢、何があったのかね」
「……」
そうそう、私が今何処にいるかというと、城の……王様の執務室にいます。
私と王様と父の他には、ヒューリーと父の従者であるアスター。
王様の護衛でいた騎士団長と王様の侍従。
あとは、フレッド兄とバード兄に、私の護衛のカイル=スピネル。
計十名が集まっています。
何があったって?
私が超ー不機嫌なんです。
何故って?
それはね――
◇ ◇ ◇
「リア、準備はできたかい?」
「はい!」
今日、私は普段よりも質素なワンピース着て、次男のフレッド兄と三男のバード兄と街へお出掛けするんです!
前々から約束していて、すっごく楽しみにしていたんだ!
だって、お嬢様の買い物といえばお店の方が邸まで来るですよ。
洋服だってオーダーメイド。
お嬢様って、なかなか自由に出掛けられないのだ。
だから、今日という日を楽しみにしていたのだ!
「そうだリア。彼はどうするんだい?」
「あっ……」
フレッド兄が言う彼とは、カイルのことです。
正直、忘れていました。
街に出掛けて、近衛の制服を着たままのカイルが側にいたら目立つよね?
「スピネル様、騎士の制服だと目立ちますので、服をお貸ししますので着替えていただけませんか?」
騎士を連れて歩いていたら目立つから、普通の洋服に着替えるように言ったら――
「私は騎士として護衛に付いております」
と、言われた。
融通の利かなさがまた発揮された。
こいつには“お願い”が通じないんだよな~。
一応、彼は国から派遣されている護衛だから、私に命令権がないに等しいんだよ……。
「…………。でしたら、せめて一般騎士の制服に着替えてください。近衛の制服だと目立ちますので」
一般騎士なら巡回とかで街を回っているから、近衛騎士の制服より目立たないよね?
騎士と近衛騎士の制服は、作り自体は同じだが色が違う。
黒と白。
白が近衛騎士ね。
ぱっと見でわかってしまうんだよ。
騎士として護衛しなくてはならないなら、せめて黒い制服を着て!
それでいいでしょ!
「一般騎士の制服に着替える必要性を感じられません」
却下された。
くっ~~~。
「…………。では、スピネル様はお留守番ということで!」
「それでは護衛の意味がありません」
「でしたら、今日はうちの護衛のように少し距離をおいてください」
「私はヴィクトリア嬢の側で護衛するのが任務です」
「……」
こいつ、本当に融通が利かない!!!
こんな奴、もう知るかっ!!
「あなたはついて来ないでっ! 兄様、行きましょう!!」
そう言って、私は彼を置き去りにするように兄様達と出掛けたが、カイル=スピネルは当然の如く私についてきた。
何処に行っても付かず離れず……。
しかも、すれ違うだけの通行人を睨みつけたり、接客しようとする店員を威圧したり……。
本当にどうしようもない行動ばかり起こしたのだ。
それで私がとうとう感情を爆発させ、ついでにヒューリーがキレてて、王様の執務室に突撃したわけだ。
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