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準備期間です。
19.ただの石だよね?
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「ねぇ、お父様ー。精霊除けってなーに?」
「ん? これが精霊除けだよ、リア」
「これー?」
父が示したのは騎士が持っていた、両手に収まるくらいの大きさの灰色の石だった。
ふむふむ、コレが精霊除けか……。
ん~……どう見ても、これって普通の石だよね?
ヒューリーやミリアも初めて見るらしく、興味深そうに石を眺めている。
「ヒュー、ミリア。近寄って大丈夫なの?」
《問題ないよ》
《大丈夫ね~》
精霊除けなのに精霊が近づけているけど……何故だ?
「今は魔力を抜いてあるから、ほとんどただの石だよ」
「魔力を込めると精霊が近づけなくなるの?」
「そうだよ。そして、この石の大きさによって効果の範囲が増減するんだ。この大きさだと、この邸分の敷地に精霊を寄せ付けないようだね。それに魔力を込めれば色も銀色に変化するよ」
「へぇ~」
そうか。
これがこの邸あったから、屋敷内に精霊がいなかったのかー。
……あれ?
でも、これってさっきまで使われていたんだよね。
なのに今は効果を発揮していない?
丁度いい具合に魔力切れ、とか?
いやいや、そんなわけない。
あ、そういえば父が魔力を抜いたって言ってた!
「お父様、魔力ってどうやって抜くの?」
魔力を込めるっていうのは何となくわかるけど、込められている魔力ってどうやって抜くんだ?
「ああそれはね、魔道具を使って吸い出すんだよ」
へぇ~、そんな魔道具があるのかー。
「お父様、リアもその魔道具が欲しいー」
「えっ?」
「ダメー?」
また魔力の込められた精霊除けの石に遭遇しないと限らないから、その魔道具は持っておきたい。
魔力を吸い出すって、他にも利用できそうだしね。
「もちろんいいに決まっているだろう」
「いやいやいや、宰相様っ!? これは数が少ない魔道具ですから探し出すのも大変ですし、物凄く高価な品ですから! お子さんにぽんと買い与えるようなものじゃないですからねっ!?」
「何を言う! 娘の可愛いお願い事は叶えるのが父親だろうっ!」
父は二つ返事でOKしてくれた。
しかし、話を聞いていた騎士さんが慌てたように意見を言ってきた。
そうか、これってあまり数の出回っていない魔道具なんだ。
それに魔道具なんだから、それなりの値段はするよな。
「じゃあ、リアが払うー」
「「えっ?」」
父と騎士さんがびっくりしたように私を見た。
正確な値段はわからないが、私の財力なら買えると思うんだよね。
あまり高いものを父に強請るのはよくないしな。
うんうん、ここは自分で買っちゃいましょうか!
「お父様ー、リアのお金で買えるよね? 足りない?」
「……充分足りるな」
「じゃあ、探すのはお願いしていい?」
「えっ! お嬢様が自分で買うんですかっ!?」
騎士さんが驚いて声を上げた。
まあ、驚くのは仕方がないか。
子供が大金を持っていると言っているようなものだし。
まあ、騎士さん、細かいことは気にするな!
「ん? これが精霊除けだよ、リア」
「これー?」
父が示したのは騎士が持っていた、両手に収まるくらいの大きさの灰色の石だった。
ふむふむ、コレが精霊除けか……。
ん~……どう見ても、これって普通の石だよね?
ヒューリーやミリアも初めて見るらしく、興味深そうに石を眺めている。
「ヒュー、ミリア。近寄って大丈夫なの?」
《問題ないよ》
《大丈夫ね~》
精霊除けなのに精霊が近づけているけど……何故だ?
「今は魔力を抜いてあるから、ほとんどただの石だよ」
「魔力を込めると精霊が近づけなくなるの?」
「そうだよ。そして、この石の大きさによって効果の範囲が増減するんだ。この大きさだと、この邸分の敷地に精霊を寄せ付けないようだね。それに魔力を込めれば色も銀色に変化するよ」
「へぇ~」
そうか。
これがこの邸あったから、屋敷内に精霊がいなかったのかー。
……あれ?
でも、これってさっきまで使われていたんだよね。
なのに今は効果を発揮していない?
丁度いい具合に魔力切れ、とか?
いやいや、そんなわけない。
あ、そういえば父が魔力を抜いたって言ってた!
「お父様、魔力ってどうやって抜くの?」
魔力を込めるっていうのは何となくわかるけど、込められている魔力ってどうやって抜くんだ?
「ああそれはね、魔道具を使って吸い出すんだよ」
へぇ~、そんな魔道具があるのかー。
「お父様、リアもその魔道具が欲しいー」
「えっ?」
「ダメー?」
また魔力の込められた精霊除けの石に遭遇しないと限らないから、その魔道具は持っておきたい。
魔力を吸い出すって、他にも利用できそうだしね。
「もちろんいいに決まっているだろう」
「いやいやいや、宰相様っ!? これは数が少ない魔道具ですから探し出すのも大変ですし、物凄く高価な品ですから! お子さんにぽんと買い与えるようなものじゃないですからねっ!?」
「何を言う! 娘の可愛いお願い事は叶えるのが父親だろうっ!」
父は二つ返事でOKしてくれた。
しかし、話を聞いていた騎士さんが慌てたように意見を言ってきた。
そうか、これってあまり数の出回っていない魔道具なんだ。
それに魔道具なんだから、それなりの値段はするよな。
「じゃあ、リアが払うー」
「「えっ?」」
父と騎士さんがびっくりしたように私を見た。
正確な値段はわからないが、私の財力なら買えると思うんだよね。
あまり高いものを父に強請るのはよくないしな。
うんうん、ここは自分で買っちゃいましょうか!
「お父様ー、リアのお金で買えるよね? 足りない?」
「……充分足りるな」
「じゃあ、探すのはお願いしていい?」
「えっ! お嬢様が自分で買うんですかっ!?」
騎士さんが驚いて声を上げた。
まあ、驚くのは仕方がないか。
子供が大金を持っていると言っているようなものだし。
まあ、騎士さん、細かいことは気にするな!
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