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準備期間です。
17.女は度胸です
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《リア、飛び降りろっ! 後ろに向かって飛んで!》
おお?
今のはヒューリーの声だ。
え、今、ここから飛べって言いましたか?
空耳じゃないですよね?
ここは二階なんですが……。
むむ。
だけど、ヒューリーが飛べと言うんだから、きっと大丈夫なのだろう。
うし、女は度胸だっ!
「それっ!」
私は思いっきり壁を蹴って、後方へと飛んだ。
ガクンッと体が落ちるが、落下する感覚は一瞬だけだった。
すぐにふわりっとした温かいものに包まれて、体はゆっくりと下降していく。
《リアッ!》
ヒューリーだ!
気付けば、大きくなったヒューリーの腕の中にいました。
無事に下へと下りられたようだ。
よかった~。
私はほっとして、そのままヒューリーにもたれかかった。
すると、近くから笑い声が聞こえてきた。
《はははっ~。何、この子っ! 飛んだよ! 躊躇いなく飛んだよっ!》
あれ?
この方は精霊さんですね。
緑色の髪と瞳の中学生くらい男の子が、宙に浮きながら笑っていました。
ヒューリーの髪や瞳の色よりは薄い緑。
緑の精霊さんではなく、風の精霊さんかな?
《ねぇ、君。なんで飛んだのさ》
風の精霊さん(仮)が私に話しかけてきました。
え、飛び降りた理由ですか?
そんなの決まってるじゃない。
「ヒューが飛べって言ったから」
《ヒュー?》
《僕のことだよ》
《え、じゃあ緑のが飛べって言ったから飛んだのか? マジで? それだけで飛ぶかっ!?》
「ヒューはリアに危ないことはさせないもの。あの状況で飛べって言うなら、その後は絶対に助けてくれるもん」
普段からヒューリーは私の行動を止める側の人間(精霊)である。
危ないから触っちゃダメ、そっちに行っちゃダメ、って。
些細なことでも危険と判断すると止めるヒューリーが、飛べと言うなら危険はないという事だ。
《……。随分と信じているんだな。精霊は気まぐれな者が多いんだぞ?》
「そうなの?」
《ああ。俺の気が変わって、助けなかったどうするのさ》
あ、さっき落下した時にゆっくりと降下したのは、この風の精霊さんの力だったのか。
大変、それはお礼をしないと!
「遅くなりましたが、助けて頂いてありがとうございました」
《いや、だから……》
「ん? ヒュー、こちらの風の精霊さんが落ちるリアを受け止めてくれたんだよね?」
《そうだよ。こいつが力を貸してくれたんだよ》
うん、合ってたね。
「あ、ヒューも助けに来てくれてありがとうっ!」
ヒューリーにもお礼を言ってませんでしたね。
「あとね。心配掛けてごめんね」
絶対に心配させたよね。
突然いなくなったし、疎通が出来なくなったのはヒューリーも気づいていたよね。
《うん。リアが無事で良かった》
「うん!」
ヒューリーは優しく微笑んで、またぎゅっと抱きしてくれました。
私もぎゅっと抱き返しておきましょう。
《なんなんだよ……》
《ん? 素直で可愛いだろ?》
《お前、性格が変わってんぞっ!》
《そう?》
《そもそも、俺が受け止めるつもりがなかったらどうすんだよ!》
《ん? その時は多少の衝撃はあるかもしれないが、リアの下に蔦を巡らせて受け止める気でいたよ?》
《お前、そんなこと企んでいたのかよっ! 俺のこと信用してないじゃないかっ! 前言撤回する。お前は昔と変わらんっ!》
この風の精霊さんとヒューリーは、実は仲良しさん?
なんか、気の許した親友って感じがするぅ~。
おお?
今のはヒューリーの声だ。
え、今、ここから飛べって言いましたか?
空耳じゃないですよね?
ここは二階なんですが……。
むむ。
だけど、ヒューリーが飛べと言うんだから、きっと大丈夫なのだろう。
うし、女は度胸だっ!
「それっ!」
私は思いっきり壁を蹴って、後方へと飛んだ。
ガクンッと体が落ちるが、落下する感覚は一瞬だけだった。
すぐにふわりっとした温かいものに包まれて、体はゆっくりと下降していく。
《リアッ!》
ヒューリーだ!
気付けば、大きくなったヒューリーの腕の中にいました。
無事に下へと下りられたようだ。
よかった~。
私はほっとして、そのままヒューリーにもたれかかった。
すると、近くから笑い声が聞こえてきた。
《はははっ~。何、この子っ! 飛んだよ! 躊躇いなく飛んだよっ!》
あれ?
この方は精霊さんですね。
緑色の髪と瞳の中学生くらい男の子が、宙に浮きながら笑っていました。
ヒューリーの髪や瞳の色よりは薄い緑。
緑の精霊さんではなく、風の精霊さんかな?
《ねぇ、君。なんで飛んだのさ》
風の精霊さん(仮)が私に話しかけてきました。
え、飛び降りた理由ですか?
そんなの決まってるじゃない。
「ヒューが飛べって言ったから」
《ヒュー?》
《僕のことだよ》
《え、じゃあ緑のが飛べって言ったから飛んだのか? マジで? それだけで飛ぶかっ!?》
「ヒューはリアに危ないことはさせないもの。あの状況で飛べって言うなら、その後は絶対に助けてくれるもん」
普段からヒューリーは私の行動を止める側の人間(精霊)である。
危ないから触っちゃダメ、そっちに行っちゃダメ、って。
些細なことでも危険と判断すると止めるヒューリーが、飛べと言うなら危険はないという事だ。
《……。随分と信じているんだな。精霊は気まぐれな者が多いんだぞ?》
「そうなの?」
《ああ。俺の気が変わって、助けなかったどうするのさ》
あ、さっき落下した時にゆっくりと降下したのは、この風の精霊さんの力だったのか。
大変、それはお礼をしないと!
「遅くなりましたが、助けて頂いてありがとうございました」
《いや、だから……》
「ん? ヒュー、こちらの風の精霊さんが落ちるリアを受け止めてくれたんだよね?」
《そうだよ。こいつが力を貸してくれたんだよ》
うん、合ってたね。
「あ、ヒューも助けに来てくれてありがとうっ!」
ヒューリーにもお礼を言ってませんでしたね。
「あとね。心配掛けてごめんね」
絶対に心配させたよね。
突然いなくなったし、疎通が出来なくなったのはヒューリーも気づいていたよね。
《うん。リアが無事で良かった》
「うん!」
ヒューリーは優しく微笑んで、またぎゅっと抱きしてくれました。
私もぎゅっと抱き返しておきましょう。
《なんなんだよ……》
《ん? 素直で可愛いだろ?》
《お前、性格が変わってんぞっ!》
《そう?》
《そもそも、俺が受け止めるつもりがなかったらどうすんだよ!》
《ん? その時は多少の衝撃はあるかもしれないが、リアの下に蔦を巡らせて受け止める気でいたよ?》
《お前、そんなこと企んでいたのかよっ! 俺のこと信用してないじゃないかっ! 前言撤回する。お前は昔と変わらんっ!》
この風の精霊さんとヒューリーは、実は仲良しさん?
なんか、気の許した親友って感じがするぅ~。
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