36 / 40
準備期間です。
36.お勉強をします
しおりを挟む
「正解です。ヴィクトリア様は本当に優秀ですね」
「……ありがとうございます」
とうとう王弟との勉強は始まってしまった。
室内には侍女が控えているとはいえ、実質は王弟と一対一。
緊張するなと言うのが無理な話である。
「算術に関しては教えることはありませんね」
今日は私の実力を知るために、歴史、地理、算術などなど……いろいろな分野から問題が出され、それに回答していった。
私の前世はとっくに成人した大人だからね~。
足し算、引き算はもちろんのこと、掛け算、割り算なんてお手のものである。
その代わり、歴史や地理は一からスタートだ。
子供らしく見せて手を抜くことも考えたが、それは私自身が無理だと判断して、ありのまま回答していった。
そもそも、精霊に関してだったり薬草や化粧品などなど、既に突き抜けたことをやらかした後だったので繕う意味がなかったしね~。
「今後は歴史と地理、国の特色などを中心にしていったほうが良さそうですね」
「お願いします」
「はい、お願いされました」
「……」
にっこりと笑う王弟は凄く眩しい。
キラキラの金髪もそうだが、何故か存在そのものが眩しいんだよ。
はぁ……さて、どうしたものか。
関わってしまった以上、ここは王子と同様に私のことを知ってもらって、陰でこそこそと嫌がらせなんてするような人物ではないとわかってもらうほうが得策かな?
となると、やはり普通に勉強を教えてもらうことにしよう。
目指せ、優等生だ!
「他にご要望はございますか?」
「要望……ですか?」
「ええ、学びたい内容ですね。まあ、植物や薬学に関しては誰よりも詳しい方がお側におりますから、それは必要ないと思いますので、それ以外でですね」
植物、薬学のエキスパートはヒューリーのことだね。
王弟はそのことまで把握しているんだね~。
「そうですね、生き物についてなど知りたいですわ」
私ってこの世界にいる動物とか全然知らないんだよね~。
まだ私は王都から出たことがないが、そのうちお出かけしてみたいと思っている。
というか、近いうちに森とかに遊びに行こうと密かに計画している。
なので、無害そうな小動物に見えるけど、実は危険な生き物……とかいたら危ないから勉強しておきたい。
まあ、ヒューリーをはじめ、精霊達は知っていると思うんだが、どうしても精霊から見た知識になるので、頼りっきりでは危ない。
だって「あれは凄く弱い生き物」とヒューリーが言ったとしても、人なら屈強な男が三人いてやっと倒せる……なんてことがあったら困るしね。
いや、絶対にある。
うん、自分のためにも勉強しておいたほうがいい!
「なるほど、生き物ですか。わかりました。次回までに資料を用意しておきましょう」
「わぁ、ありがとうございます」
「いえいえ、勉強熱心な教え子のためですからね」
「……」
嬉しくてつい笑顔になると、王弟もにっこりと微笑んでくる。
うん、凄く眩しい。
本当に、本当にもの凄ーく!
これ……私、やっていけるんだろか?
耐えるか、慣れる……慣れるものなのかな?
「……ありがとうございます」
とうとう王弟との勉強は始まってしまった。
室内には侍女が控えているとはいえ、実質は王弟と一対一。
緊張するなと言うのが無理な話である。
「算術に関しては教えることはありませんね」
今日は私の実力を知るために、歴史、地理、算術などなど……いろいろな分野から問題が出され、それに回答していった。
私の前世はとっくに成人した大人だからね~。
足し算、引き算はもちろんのこと、掛け算、割り算なんてお手のものである。
その代わり、歴史や地理は一からスタートだ。
子供らしく見せて手を抜くことも考えたが、それは私自身が無理だと判断して、ありのまま回答していった。
そもそも、精霊に関してだったり薬草や化粧品などなど、既に突き抜けたことをやらかした後だったので繕う意味がなかったしね~。
「今後は歴史と地理、国の特色などを中心にしていったほうが良さそうですね」
「お願いします」
「はい、お願いされました」
「……」
にっこりと笑う王弟は凄く眩しい。
キラキラの金髪もそうだが、何故か存在そのものが眩しいんだよ。
はぁ……さて、どうしたものか。
関わってしまった以上、ここは王子と同様に私のことを知ってもらって、陰でこそこそと嫌がらせなんてするような人物ではないとわかってもらうほうが得策かな?
となると、やはり普通に勉強を教えてもらうことにしよう。
目指せ、優等生だ!
「他にご要望はございますか?」
「要望……ですか?」
「ええ、学びたい内容ですね。まあ、植物や薬学に関しては誰よりも詳しい方がお側におりますから、それは必要ないと思いますので、それ以外でですね」
植物、薬学のエキスパートはヒューリーのことだね。
王弟はそのことまで把握しているんだね~。
「そうですね、生き物についてなど知りたいですわ」
私ってこの世界にいる動物とか全然知らないんだよね~。
まだ私は王都から出たことがないが、そのうちお出かけしてみたいと思っている。
というか、近いうちに森とかに遊びに行こうと密かに計画している。
なので、無害そうな小動物に見えるけど、実は危険な生き物……とかいたら危ないから勉強しておきたい。
まあ、ヒューリーをはじめ、精霊達は知っていると思うんだが、どうしても精霊から見た知識になるので、頼りっきりでは危ない。
だって「あれは凄く弱い生き物」とヒューリーが言ったとしても、人なら屈強な男が三人いてやっと倒せる……なんてことがあったら困るしね。
いや、絶対にある。
うん、自分のためにも勉強しておいたほうがいい!
「なるほど、生き物ですか。わかりました。次回までに資料を用意しておきましょう」
「わぁ、ありがとうございます」
「いえいえ、勉強熱心な教え子のためですからね」
「……」
嬉しくてつい笑顔になると、王弟もにっこりと微笑んでくる。
うん、凄く眩しい。
本当に、本当にもの凄ーく!
これ……私、やっていけるんだろか?
耐えるか、慣れる……慣れるものなのかな?
22
お気に入りに追加
3,716
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!
ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。
え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!!
それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?

悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる