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プロローグ
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(今日はやけに、暖かいな…)
「……?」
(?なんだ?身体が揺すられてる…?侍従が起こしに入ってきたのか?)
「…も、すこし、寝る…」
酷く身体が重いんだ、もう執務も何もルイスが継いだのだから、そのぐらいの怠惰は許してほしい。
最愛を亡くしたというのに、気が利かないんじゃないか…?
老体に鞭を打つ気か…
「…ふふ、だめですよ。今日は午前中の来客がございますから」
頭上から降りてきた美しい声に、目を見開く。
「え!?」
僕の目の前に、セレスティアがいる。
…どうして…それに姿が…
「ウィル様?」
久しく呼ばれなかった愛称が、君の唇から零れるなんて。
ああそうか、これは夢なんだ…
若い頃の、僕らがまだ名実ともに夫婦だった頃の…
「セレス…、セレスティア…」
セレスティアに腕を伸ばして、胸に抱きこむ。
「ウィル様…!」と可愛い声で抵抗しているのを遠くで聞きながら、僕の意識はまた沈んでいった。
「……?」
(?なんだ?身体が揺すられてる…?侍従が起こしに入ってきたのか?)
「…も、すこし、寝る…」
酷く身体が重いんだ、もう執務も何もルイスが継いだのだから、そのぐらいの怠惰は許してほしい。
最愛を亡くしたというのに、気が利かないんじゃないか…?
老体に鞭を打つ気か…
「…ふふ、だめですよ。今日は午前中の来客がございますから」
頭上から降りてきた美しい声に、目を見開く。
「え!?」
僕の目の前に、セレスティアがいる。
…どうして…それに姿が…
「ウィル様?」
久しく呼ばれなかった愛称が、君の唇から零れるなんて。
ああそうか、これは夢なんだ…
若い頃の、僕らがまだ名実ともに夫婦だった頃の…
「セレス…、セレスティア…」
セレスティアに腕を伸ばして、胸に抱きこむ。
「ウィル様…!」と可愛い声で抵抗しているのを遠くで聞きながら、僕の意識はまた沈んでいった。
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