鬼宿る

山都ちょう

文字の大きさ
上 下
14 / 16

水晶玉

しおりを挟む
エリザベスママからの情報で
最近
魔術を使った殺人が起きているらしい。
前々からエリザベスは魔術を使った殺人の情報を
得ていたが夜廻だけで精一杯。
町外れのあの森の中で90%無職の親族らと細々と生活している
エリザベスマイヤーズ。
夜廻程度でも微妙に家計費を圧迫する。
知っての通り夫の稼ぎがあの大所帯を賄っているのだ。
先日より闇賭博から収入が入るようになったので会計としてエリザベスママを雇い給料を支払うようにした。
不思議な事にお金が集まると裏情報も同じくらい
沢山入ってくる。
地元の者では無いと理解出来ないネタでも
エリザベスママは地元の人なので
情報の選別も容易いであった。
そんな中での魔術を使った殺人の情報なのだ。
鏡の中に押し込み
この世から抹殺する魔術。
目撃者を作る偽装自殺。
人形代理殺人
どれも高等な魔術だ。
保険金殺人の可能性が高いが
それを立証する術は無い。
普通の人が魔女に狙われたら最後。
気が付いたら死んでいるのだ。
魔女でそれなりに経験がある者ならば
結界を張り巡らせているので
即座に反応する術を持っている。
エリザベスも経験豊富なので問題は無いし
元々闇の世界よりも表の世界が好きなので
魔術を悪用した事は無い。
エリザベスが好きな魔術は水晶で覗く事くらいだ。
覗きが趣味って事…^_^
エリザベスの水晶を活用した魔術は高等な術であり過去、現在、未来を見る事ができる。
今回のような魔術による事件の遺体やその関連物が多く有れば有るほど殺害理由も見つけ易い。
僕も最近エリザベスから水晶を活用する
術を教わった。
鬼の力と水晶の力を合わせると
途轍(とてつ)も無い能力が発揮される。
人形代理殺人など不要、
目撃者を作ることが容易。
鏡の中に押し込む術はまた
別物なので水晶では不可。
鏡は魔法の鏡を活用しなくてはならない。
水晶を活用して悪霊を派遣できるので
悪霊どもに殺害させる事も可能であるが
我が鬼塚一族の法度として
悪霊を活用して普通の人間を殺してはなら無い。
必然的に悪い事をした魔女や魔導師かそれに準ずる悪党しか潰せないので水晶を活用して悪霊を派遣する事は少ないと思う。
水晶で遊ぶのは楽しい^_^
大好きなテッサを覗いたり。
同級生の様子確認や
闇賭博の悪霊らの働き振りを見たりした。
意地悪アリーヤを覗いたら見つかった!
妖しい目で僕を見つめて念を込めてきた。
「げ!強力な幻術だ」
「僕の経験した異世界を再現してきた。」
危なく呑まれるところだった。
術を解き
アリーヤに話し掛けた。
僕…「ビックリしたじゃん」
妖艶なアリーヤ…
「楽しんで貰えたかしら」
「ふふふ」
ママが隣に居ても僕にだけ技を仕掛けてくる
アリーヤがチョイと憎い(*_*)
「続きはいかがかしら?」
僕…「怖くて!いらんよ!」
アリーヤの魔力は止まらない。
寄生される前の彼女は呪文を念じていたが
鬼化してからは頭に思い浮かべたら

術が掛かるようになっていた。
ちなみにオオオバの特製ジュースを
アリーヤが飲まないと
ドSには成ら無く成ったのだ^_^
特製ジュースを飲むと昔のアリーヤになるが
飲まないと妖艶な魔女
大蛇が獲物をジワリジワリ締め上げてくるような
雰囲気だ。
ただし夜の夫婦のお勤めは相変わらず
優しく感じる事もあるが…
とにかく夜のお勤めが長く
夜で無くて気がつくと朝になる。
サキュバスか?
と思うほど僕の体力と性欲は失せていく
流石に鬼でも
毎日は眠くて辛いのでアリーヤと
じっくりと話し合いが必要になってきた。
そもそもアリーヤは朝二度寝する。
僕の朝の準備を手伝って送り寝る。
エリザベスママも毎朝二度寝る!
僕は朝稽古して食事して出掛ける。
アリーヤは夜のお勤めの余韻が冷めたら起き出して魔法をエリザベスと一緒に研究している。
僕と妹達を学校に送って帰宅したら彼女は寝る!
ジョンパパもお仕事に行く
オオオバは出勤
お店は11時からゆっくりと開店して
夕方には店を閉める
とても長閑なせ生活をエリザベス親子はしている。
のんびりと過ごしは居るが
例の闇金の会計はしっかりと
処理してもらっている。
歴代の魔女達から受け継いだ
水晶玉の霊力は強大だ。
その強大な霊力とアリーヤの鬼の能力を加えると
水晶玉に映し出された者は
僕以外は確実にコントロールされる。
昔から偽装殺人の為にアリバイを作るには
髪の毛やアリバイに使う者の衣服や小物や魔法に
必要な樹液や生贄が必要になる。
魔術を掛けるまでとても手間がかかるるし
下準備が必要なのだ。
しかし鬼化したアリーヤに
霊力のある水晶玉があれば下準備や生贄もなく
術をかけてしまえるようになったのだ。
最近下校間近になるとアリーヤが妹達と僕を
待ち伏せるように学校に来ては
速攻で僕らを車に放り込むように
引き入れ自宅に戻ると
水晶玉を使った実験を僕と妹達で試すのだ。
妹達も流石に痛い思いが最近多くなったので
あの手この手と逃げるように抵抗をするのだけど
容赦なく拉致監禁して実験を繰り返された。
その後
この事がエリザベスにバレて妹達は解放されたが
僕はモルモットのまま実験が繰り返された。
一番のお気に入りは水晶玉を通して
悪霊らを召喚して僕を襲わせる
僕には悪霊を召喚させずに闘わせる事に
興味があるらしいく
毎度毎度 悪霊達に半殺しにされているのだ。
例の闇の闘技場と変わらない
アリーヤの召喚するお気に入りの悪霊達は
元保安官ら銃の達人ばかりなので
バンバン僕を撃ってくる。
「あっしらは旦那さんに恨みつらみが
ございやせんが奥様の命令には逆らえません!
ご了承くだされ」
と毎回
呟いては僕を殺しにくる
毎度何度も銃で襲われ
慣れたとしても音速で飛んで来る弾は
感で避けるしか無い。
流石に慣れはしたが毎度!
撃たれて瀕死の状態になる。
何度もアリーヤに拉致され悪霊達と
激戦の経験が豊富になったからといっても
アリーヤが召喚する元保安官達は
同じ顔ぶれなので僕の動きのパターンを
読んでるので命中率も上がってきてるのだ。
幻術もだんだん効かなくなってきた。
手持ちの技と武器は術と気功とムチ手裏剣だけ。
最近は魔術を使い防御するようにしたが悪霊の念がこもった弾は魔法のアミを潜り抜けて
僕に当たってくる。
土壁の術は守りに強いがこちらからも攻撃しづらいし悪霊達に包囲されるので崩れ易い
土壁を設けるしか無い。
ムチも6メートルの長い物に変えたが銃の射程距離を考えると短いのだ。
保安官らの誰かの銃を奪いその銃で反撃しつつ動きを止めなくてはなら無いので必然的に撃たれて瀕死な状態に毎度なるのだ。
棍棒が何故!
アリーヤに封じられているか!
と言うと棍棒を使って保安官を叩き潰してしまうと永遠に消滅してしまうので手練れた保安官を手放すほど僕らも馬鹿じゃないので武器はムチと手裏剣のみである。
今現在6人もの保安官と銃激戦中なのでムチだけでは僕が殺されてしまうので銃を奪い保安官らの動きを一人ずつ止めて制圧している。
保安官らは悪霊なので銃で撃たれても死なない。
念錠を掛けて反撃できないように始めはしていたが他の保安官が念鍵で念錠を解除してしまい再び襲われた経験から今は丈夫なケブラー繊維の入った縄で
グルグル巻きにして保安官を封じ1人ずつ捕獲しながら制圧すること2時間半かかった。
流石に辛い…
「カラダがボロボロで輸血してほしい」と呟いた
アリーヤ…
水晶玉を通して僕の心に…
「私妊婦だから輸血は無理よ♡」
「夜廻この後あるから早く帰宅してシャワー浴びて着替えてきてね」
鬼嫁発言をするのだ。
いつも悪霊と銃激戦するのは
マイヤーズ敷地内の湿地帯。
広大な土地なので自由気ままにサバゲーをしてる。
くたびれたカラダでトボトボと敷地を歩いていると大蛇と出くわした。
この世のモノでは無く間違いなく
魔法界の大蛇であろう。
パクッと弱った僕を一気に飲み干した。
くたびれていたので抵抗する事なく
エサになってた。
何故か?居心地が良く
疲れもありそのまま寝てしまった。
しばらくしてから
なんとなく吐き出された感じがした。
目の前にアリーヤが居た
「あんたバカ?」
「なに食べられているのよ!」
「消化されちゃうじゃないの!」
「あたしが水晶玉で見張って無かったらアンタ死んじゃウじゃんバカバカ!」
寝ぼけながら僕は思った…
あんたが原因でしょ!
「どうするのよ!ヘビ臭いじゃん!」
「うわぁ~汚い!」全身ヘビの体液まみれ
「このまま家に入らないで!」
鬼嫁発言には慣れてるが…
“少しは反省しろよ!”
“あんたんちの大蛇だろ!”
と思ったが言わなかった。
弾で穴だらけの服に大蛇の体液!
イヤイヤながらにビニール袋を広げて持つ
アリーヤ。
「周りを汚さずに上手に入れなさいね!」
大蛇の体液が滴ってるので少しは汚れるのになぁ~と思ったが抵抗せずに入れた。
やっぱり少し汚れた
「もう!」
理不尽な"もう!"を浴びせられたが我慢。
アリーヤの森の中でも
“おそとで全裸にされて
とても恥ずかしい”
駆けってバスルームに逃げた。
床が大蛇の体液で汚れたのでアリーヤが全て拭き取ったらしい。
ず~と
お経を唱えるように文句を言う彼女。
困った事にオバの特製ジュースを飲んでるようだ。
死んだフリをしてアリーヤの部屋で寝た。
気がつくと夜廻をサボってしまった。
銃激戦でカラダがボロボロになったうえに
大蛇に呑まれ皮膚が所々溶けていたのと
連日の疲労で意識が飛んでいたようだ。
僕の代わりに夜廻にはアリーヤが行った。
妊婦で動けないと言っていたのに!
そもそも妊婦が夜廻してどうする?
と思ったけど…
奴ならば手練れた悪保安官を同行して
西部劇でも演じていたかもしれない!
と!
嫌なイメージが
浮かび上がってきた( ̄▽ ̄)
彼女が鬼に寄生されてから
僕の母に似たような行動を起こすようになってきた
“楽しけりゃ良いじゃん
例えそれっきりでも!”って感じなのね(°▽°)
なので!
連日の水晶玉を通しての悪霊の召喚をして
僕と保安官のサバゲーを見て楽しんでいたに違いないのだ…と思うのよね(°▽°)
大蛇に呑まれる姿も間違い無く楽しんでいたに違いないのよね(*゚▽゚*)
大蛇はアリーヤの守り神なんだから
あの時!パックンされるのを
止められない訳はないのよね…
僕が中から出てくると思って
暫くは放置していたのだろうが
僕が胃の中で爆睡するとは考えてもいなかったらしく慌てて
取り出しにきたと思うのよね
お陰で僕の体皮は溶けてしまった。
今回の事で
珍しくオオオバやエリザベスに
こっ酷(ぴど)くアリーヤは怒られた。
しかし
アリーヤは機械のような生返事で
「ごめんなさい」って無表情に応えていたのね。
それから
暫くしてからエリザベスに
マイヤーズ邸の森に住む
大蛇さん達を紹介してもらった。
他にも魔法界に住む生き物はたくさん居るが
大蛇と一緒に他の生き物を紹介をさせる
アホな事は出来ないので今回は大蛇さん達のみ
紹介させてもらったのね。
僕を喰った大蛇から…
「あん時は喰ってごめんな」
「瀕死だから"喰っても良いかあ!" って思った」
「あははは」
と豪快に地響きを立てながら笑っていた。
「どこでも良いから瀕死の奴か
死んだばかりの奴を見つけたらクレよ」
「骨ごと消化しちゃうからさ」

本当に危なかったa!
骨ごと消化しちゃうだってさa!
ここの大蛇達は
エサの確保に忙しいらしく
簡単な世間話をしたら
直ぐに森の奥に消えて行ったのだ。
魔法界の蛇の獲物は基本的には
魔法界の生き物達なので
魔女でも手負いならば
喰われてしまうらしいのだ。
手負うような魔女ならば
魔法界で生きては
いけないって事なのだ。
大蛇達もヤバいようだが
ここの森には
まだまだ知らない生き物がいるらしいので
例えアリーヤに言われても
奥に入らないようにしようと!
強く思った。
しかしながら
もし
ここが鬼の住む異世界だったら
間違い無く
アリーヤは
僕と恐竜と闘わせていたであろう
鬼の住む異世界は
近代兵器を持ち込まないと
勝てない!
鬼どもはアホなのか?
と思うほど素手や旧式の武器での闘いを好む
神聖な儀式の一環として
基本的に旧式な棍棒や斧やムチや弓矢や
巨大な手裏剣などで命を懸けて闘うのだ。
それと人間界から連れてきた悪霊を使い
猟犬が獣を追い込むように恐竜を
仕留め易い場に追い込み鬼どもが恐竜を襲うのだ。
見た目は旧式だけど
どの武器も超音波を発し刃毀れもせず
そして軽いのだ。
こちらの世界には無い素材だ。
鬼どもは
子沢山のようだが
恐竜と闘っているので基本的に短命になる。
恐竜達は
超音波を発する刃物で無ければ切れない皮膚を持ち
音速を超えるムチのような攻撃で鬼を粉砕させる
尾っぽを持ち
刃物と変わらない強力な爪で鬼を引き裂き
歯はサメと変わらない数を持ち
噛む力は1トンを越す。
恐竜に比べれば
鬼は虚弱だ。
しかし鬼の
再生能力は異常で時間を掛ければ自然と
失われた箇所は元に戻るし
寄生能力に長けている。
遺伝子が違う他の生き物のカラダの部位を代用できるのだ。
鬼はオスだけ
寄生する生き物のカラダに形態を変えられる特徴がある。
例えば犬に寄生したら犬になる。
牛に寄生したら牛になる。
話は横にそれたが
最近のアリーヤは自分が楽しけりゃ
危険な事でも進んでやってしまう
傾向になってしまったようだ
特に人間性が薄れた時ほど
過激な行動を取る様子…なのね(*゚▽゚*)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

令和の俺と昭和の私

廣瀬純一
ファンタジー
令和の男子と昭和の女子の体が入れ替わる話

処理中です...