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クリスマスおでん
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叶恵は芽衣を人の波から庇うようにして歩いた。
エレベーターの前まで着くと、どちらからともなく握った手を放した。上階行きを示すボタンを押し、エレベーターが来るのを待つ。
「そういえば」芽衣は思いついて尋ねた。「葵ちゃんはクリスマスに何が欲しいとか、言ってる?」
「ゲームのソフトですね。友達が持ってるのと同じのが欲しいって」
「ソフトかあ……」
それってプレゼントの予算をオーバーするんじゃ……。ひやりとして、叶恵の横顔を窺うと、
「だけどそっちはすでに母という名のサンタにお願い済みです」
という答えが返ってきた。安堵すると同時に、なんだか叶恵の言い方が可愛らしくて、芽衣は笑みをもらす。
「サンタさんの正体がお母さんって、葵ちゃん知ってるんだ?」
「夜中、枕元にプレゼントを置きに来た母の姿を、うっかり見てしまったとかで」
「じゃあ、ショックだったんじゃない?」
「いえ、むしろ葵は母に感謝してましたね。今までのプレゼントも全部お母さんからだったの? ありがとうって」
「うわあ、なんだか葵ちゃんらしい」
芽衣と叶恵は和やかに会話しながらフロアを歩き、気になったショップを覗いていった。
そうしていくつかの候補を挙げた後、芽衣の見立てで、プレゼントはジュニア向けコスメに決めた。
「低刺激で肌にやさしい仕上がりになってるし、発色もきれいだよ。お湯だけで落とせるマニキュアとか、色付きリップ、香り付きのハンドクリームなんかどうかな」
叶恵は物珍しげにパッケージを眺め、
「俺ひとりだったら、きっとコスメなんて選択肢に入らなかったです。芽衣さんに選んでもらって良かった」
と感嘆の息をもらした。
「葵ちゃん、プレゼント喜んでくれるかな?」
「はい。絶対喜ぶと思います。葵、七五三の撮影で化粧してもらったとき、すごくはしゃいでましたから」
会計を済ませてショップを出ると、
「この後どうしますか?」
叶恵が言った。
「芽衣さん、何か見たいものとかないですか?」
「見たいもの? えーっと……どうしよう」
「それとも、お茶でもします? 一階にカフェが入ってましたよね」
「そうだね。ちょうどお腹も空いたし、行ってみようか」
並んで歩きだしてすぐ、雑貨屋の前で芽衣は気になるものを見つけた。
「あ、ちょっと待って叶恵くん。ここ見ていってもいい?」
立ち止まり、たくさん並んだスマホケースの一つに手を伸ばす。「これ、可愛い」
「芽衣さん、ケース替えるんですか?」
叶恵も覗きこんできた。
「うーん」芽衣は少しの間迷い、
「でもいい。やめとく。今使ってるやつ、まだ新しいし」
せっかくだからと、芽衣と叶恵は雑貨屋の中を見て回ることにした。ポーチや小物入れなどが並べられた棚の隣に、アクセサリーのコーナーがある。じっと眺めていると、叶恵が距離を詰めてきた。
「芽衣さんもやっぱり、こういうの好きですか?」
「うん、好き。憧れるけど――」
芽衣はちょっと肩を落とす。
「わたしにはまだ似合わないかなって思う。こういうデザインのネックレスは、もっと大人っぽい人のほうが似合いそう」
「そうですか?」
叶恵は首を傾げ、しげしげとディスプレイされたアクセサリーを眺め渡した。
「じゃあ指輪はどうですか?」
「え? 指輪?」
「気に入りませんか?」
「そうじゃないんだけど……指輪ってなんとなく、意味があって身につける気がして……」
例えば、恋人とペアでつけるとか、何かの記念に贈られるとか、そんなシチュエーションを連想する。
「ここにある中で、わたしがつけててもおかしくなさそうなのといえば……この辺かな」
芽衣はヘアクリップを指差した。
「なんですかこれ?」
叶恵が眉間に皺を寄せ、芽衣の示した方向を注視する。
「髪の毛をまとめるためのアクセサリー、かな?」
「へえ。じゃあ料理するとき、前髪留めたりできるのかな」
「そういえば叶恵くん、いつも葵ちゃんのヘアゴム使ってるよね」
「はい。他に前髪留められそうなものがうちにないので」
叶恵はそう言った後で、
「そうか、これを買っておけば、今度からクリップで前髪留められるわけですね」
大真面目な顔でクリップを選びはじめた。
そんな叶恵を、芽衣は微笑ましいと思いながら眺めた。こんな目的でアクセサリーを選ぶ男子など、他にいないだろう。
少しすると、叶恵は芽衣を振り返り、
「ていうか俺、真剣に選びすぎですよね。すみません」
気恥ずかしそうに笑った。
「そろそろカフェに移動しましょうか」
「うん、そうだね」
雑貨屋を出ると、叶恵はスマホを取り出し、
「たぶんこの時間なら、カフェ並ばずに入れるかな……」
時刻を確認した。その背後から、
「……もしかして、叶恵くん?」
と声が上がる。
叶恵はハッと視線を上げ、振り返った。「詩織さん……?」
ひとりの女性が立っていた。ふわりとしたニットに、タイトスカート。ゆるくウェーブがかった髪の隙間で、金色のピアスが揺れている。
「久しぶり」
叶恵と目を合わせ、微笑む女性。
その姿を見て、芽衣はたじろいだ。
――叶恵くんと一緒に写真に写っていた人だ……。
「ああ、そうか。こっち帰ってきてたんですよね」
叶恵が言い、詩織さんと呼ばれた女性は、
「あら、なあにその言い方。たった今思い出したみたいな」
「すみません。だけど別に忘れてたってわけじゃ……」
「もしかしてわたしが留学中だったってことも、今思い出したんじゃないの?」
と冗談めかした感じで、女性はしかめ面をしてみせる。
「そんなことないですよ。壮行会だってしたじゃないですか」
「そういえばあのとき二人で写真撮ったわよね。どこにやった?」
「ああ、どこだったかな……。確か何かの本に挟んだままで……」
「薄情ねえ。思い出の写真なんだから、大事に扱ってちょうだいよ」
「すみません」
困った顔で頭をかく叶恵。思わぬ再会で興奮しているのか、声は上擦り、いつもより早口になっている。一方、そんな叶恵をたしなめる女性は、ゆったりとしていて余裕の態度。
芽衣は胸にチクチクとした痛みを感じながら、叶恵を窺った。
――こんな叶恵くん、見たことない……。
女性を前にした叶恵は、普段の姿よりあどけなく、無防備に見えた。それだけ、相手に心を許しているということなのか。
近況を語り終えたらしい女性が、
「それで、こちらは?」
おもむろに芽衣へと顔を向けた。
芽衣はびくりと肩を跳ね上げ、
「あ、ごめんなさい。えっと、大原芽衣といいます」
挨拶する。
慌てる芽衣の姿がおかしかったのか、女性はクスクスと笑いをもらした。普通なら嫌味にも見えそうな仕草だが、彼女がするとどこか上品だった。
「芽衣さん……なんだか可愛い人ね」
「あ、いえ、そんな……」
両手を振って、全力で否定する。
女性はまたしても笑みをもらした後、優雅に会釈した。
「東堂詩織です。よろしくね、芽衣さん」
横から、叶恵が言い加える。
「詩織さんは俺が中学のときの家庭教師なんです」
「家庭教師……」
芽衣は口の中でつぶやいた。叶恵の恋人というわけではないのか。ほっとした途端、膝の力が抜ける。
「それで今はね、家庭教師を辞めて、海外留学中の身なの。少し前に帰って来て、国内を旅行してきたばかりなんだ。やっぱり日本に帰ってきたなら、温泉は入っておきたくて」
詩織は弾むような節で、そう説明した。
「詩織さん、しばらく日本にいるんですか?」
「そうね。年末年始は日本で過ごしたいし。お正月は実家に帰らないと」
「慌ただしいですね」
「そんなことないわよ。現に今はこんなふうにのんびり買い物してるわけだし」
ふふふと、詩織が声をもらす。
笑顔のバリエーションが多い人だ。
(詩織さんってよく笑うし、落ち着いてるし、素敵な人だな……)
尚も叶恵と詩織の立ち話は続き、芽衣はその間、二人の傍にたたずんでいた。
「あ、わたしお邪魔だったわよね」
やがて気が付いたように詩織が言い、
「そろそろ行くわね」
と片手をあげる。
「芽衣さんも、時間とらせちゃってごめんなさいね」
「いえ、そんな……」
「じゃあ叶恵くん、またね」
「はい」
去っていく詩織の後ろ姿を見つめながら、芽衣の心は不安に揺れていた。
詩織は「またね」と言っていた。
きっと何気なく出た言葉だろう。深い意味なんてないのだろう。
だけど、やっぱり気になる。彼女はまた叶恵と会うつもりなのだろうか。今はもう家庭教師と生徒という関係ではなくなっているはずだ。それなのに会うということは、現在の二人の関係は……?
エレベーターの前まで着くと、どちらからともなく握った手を放した。上階行きを示すボタンを押し、エレベーターが来るのを待つ。
「そういえば」芽衣は思いついて尋ねた。「葵ちゃんはクリスマスに何が欲しいとか、言ってる?」
「ゲームのソフトですね。友達が持ってるのと同じのが欲しいって」
「ソフトかあ……」
それってプレゼントの予算をオーバーするんじゃ……。ひやりとして、叶恵の横顔を窺うと、
「だけどそっちはすでに母という名のサンタにお願い済みです」
という答えが返ってきた。安堵すると同時に、なんだか叶恵の言い方が可愛らしくて、芽衣は笑みをもらす。
「サンタさんの正体がお母さんって、葵ちゃん知ってるんだ?」
「夜中、枕元にプレゼントを置きに来た母の姿を、うっかり見てしまったとかで」
「じゃあ、ショックだったんじゃない?」
「いえ、むしろ葵は母に感謝してましたね。今までのプレゼントも全部お母さんからだったの? ありがとうって」
「うわあ、なんだか葵ちゃんらしい」
芽衣と叶恵は和やかに会話しながらフロアを歩き、気になったショップを覗いていった。
そうしていくつかの候補を挙げた後、芽衣の見立てで、プレゼントはジュニア向けコスメに決めた。
「低刺激で肌にやさしい仕上がりになってるし、発色もきれいだよ。お湯だけで落とせるマニキュアとか、色付きリップ、香り付きのハンドクリームなんかどうかな」
叶恵は物珍しげにパッケージを眺め、
「俺ひとりだったら、きっとコスメなんて選択肢に入らなかったです。芽衣さんに選んでもらって良かった」
と感嘆の息をもらした。
「葵ちゃん、プレゼント喜んでくれるかな?」
「はい。絶対喜ぶと思います。葵、七五三の撮影で化粧してもらったとき、すごくはしゃいでましたから」
会計を済ませてショップを出ると、
「この後どうしますか?」
叶恵が言った。
「芽衣さん、何か見たいものとかないですか?」
「見たいもの? えーっと……どうしよう」
「それとも、お茶でもします? 一階にカフェが入ってましたよね」
「そうだね。ちょうどお腹も空いたし、行ってみようか」
並んで歩きだしてすぐ、雑貨屋の前で芽衣は気になるものを見つけた。
「あ、ちょっと待って叶恵くん。ここ見ていってもいい?」
立ち止まり、たくさん並んだスマホケースの一つに手を伸ばす。「これ、可愛い」
「芽衣さん、ケース替えるんですか?」
叶恵も覗きこんできた。
「うーん」芽衣は少しの間迷い、
「でもいい。やめとく。今使ってるやつ、まだ新しいし」
せっかくだからと、芽衣と叶恵は雑貨屋の中を見て回ることにした。ポーチや小物入れなどが並べられた棚の隣に、アクセサリーのコーナーがある。じっと眺めていると、叶恵が距離を詰めてきた。
「芽衣さんもやっぱり、こういうの好きですか?」
「うん、好き。憧れるけど――」
芽衣はちょっと肩を落とす。
「わたしにはまだ似合わないかなって思う。こういうデザインのネックレスは、もっと大人っぽい人のほうが似合いそう」
「そうですか?」
叶恵は首を傾げ、しげしげとディスプレイされたアクセサリーを眺め渡した。
「じゃあ指輪はどうですか?」
「え? 指輪?」
「気に入りませんか?」
「そうじゃないんだけど……指輪ってなんとなく、意味があって身につける気がして……」
例えば、恋人とペアでつけるとか、何かの記念に贈られるとか、そんなシチュエーションを連想する。
「ここにある中で、わたしがつけててもおかしくなさそうなのといえば……この辺かな」
芽衣はヘアクリップを指差した。
「なんですかこれ?」
叶恵が眉間に皺を寄せ、芽衣の示した方向を注視する。
「髪の毛をまとめるためのアクセサリー、かな?」
「へえ。じゃあ料理するとき、前髪留めたりできるのかな」
「そういえば叶恵くん、いつも葵ちゃんのヘアゴム使ってるよね」
「はい。他に前髪留められそうなものがうちにないので」
叶恵はそう言った後で、
「そうか、これを買っておけば、今度からクリップで前髪留められるわけですね」
大真面目な顔でクリップを選びはじめた。
そんな叶恵を、芽衣は微笑ましいと思いながら眺めた。こんな目的でアクセサリーを選ぶ男子など、他にいないだろう。
少しすると、叶恵は芽衣を振り返り、
「ていうか俺、真剣に選びすぎですよね。すみません」
気恥ずかしそうに笑った。
「そろそろカフェに移動しましょうか」
「うん、そうだね」
雑貨屋を出ると、叶恵はスマホを取り出し、
「たぶんこの時間なら、カフェ並ばずに入れるかな……」
時刻を確認した。その背後から、
「……もしかして、叶恵くん?」
と声が上がる。
叶恵はハッと視線を上げ、振り返った。「詩織さん……?」
ひとりの女性が立っていた。ふわりとしたニットに、タイトスカート。ゆるくウェーブがかった髪の隙間で、金色のピアスが揺れている。
「久しぶり」
叶恵と目を合わせ、微笑む女性。
その姿を見て、芽衣はたじろいだ。
――叶恵くんと一緒に写真に写っていた人だ……。
「ああ、そうか。こっち帰ってきてたんですよね」
叶恵が言い、詩織さんと呼ばれた女性は、
「あら、なあにその言い方。たった今思い出したみたいな」
「すみません。だけど別に忘れてたってわけじゃ……」
「もしかしてわたしが留学中だったってことも、今思い出したんじゃないの?」
と冗談めかした感じで、女性はしかめ面をしてみせる。
「そんなことないですよ。壮行会だってしたじゃないですか」
「そういえばあのとき二人で写真撮ったわよね。どこにやった?」
「ああ、どこだったかな……。確か何かの本に挟んだままで……」
「薄情ねえ。思い出の写真なんだから、大事に扱ってちょうだいよ」
「すみません」
困った顔で頭をかく叶恵。思わぬ再会で興奮しているのか、声は上擦り、いつもより早口になっている。一方、そんな叶恵をたしなめる女性は、ゆったりとしていて余裕の態度。
芽衣は胸にチクチクとした痛みを感じながら、叶恵を窺った。
――こんな叶恵くん、見たことない……。
女性を前にした叶恵は、普段の姿よりあどけなく、無防備に見えた。それだけ、相手に心を許しているということなのか。
近況を語り終えたらしい女性が、
「それで、こちらは?」
おもむろに芽衣へと顔を向けた。
芽衣はびくりと肩を跳ね上げ、
「あ、ごめんなさい。えっと、大原芽衣といいます」
挨拶する。
慌てる芽衣の姿がおかしかったのか、女性はクスクスと笑いをもらした。普通なら嫌味にも見えそうな仕草だが、彼女がするとどこか上品だった。
「芽衣さん……なんだか可愛い人ね」
「あ、いえ、そんな……」
両手を振って、全力で否定する。
女性はまたしても笑みをもらした後、優雅に会釈した。
「東堂詩織です。よろしくね、芽衣さん」
横から、叶恵が言い加える。
「詩織さんは俺が中学のときの家庭教師なんです」
「家庭教師……」
芽衣は口の中でつぶやいた。叶恵の恋人というわけではないのか。ほっとした途端、膝の力が抜ける。
「それで今はね、家庭教師を辞めて、海外留学中の身なの。少し前に帰って来て、国内を旅行してきたばかりなんだ。やっぱり日本に帰ってきたなら、温泉は入っておきたくて」
詩織は弾むような節で、そう説明した。
「詩織さん、しばらく日本にいるんですか?」
「そうね。年末年始は日本で過ごしたいし。お正月は実家に帰らないと」
「慌ただしいですね」
「そんなことないわよ。現に今はこんなふうにのんびり買い物してるわけだし」
ふふふと、詩織が声をもらす。
笑顔のバリエーションが多い人だ。
(詩織さんってよく笑うし、落ち着いてるし、素敵な人だな……)
尚も叶恵と詩織の立ち話は続き、芽衣はその間、二人の傍にたたずんでいた。
「あ、わたしお邪魔だったわよね」
やがて気が付いたように詩織が言い、
「そろそろ行くわね」
と片手をあげる。
「芽衣さんも、時間とらせちゃってごめんなさいね」
「いえ、そんな……」
「じゃあ叶恵くん、またね」
「はい」
去っていく詩織の後ろ姿を見つめながら、芽衣の心は不安に揺れていた。
詩織は「またね」と言っていた。
きっと何気なく出た言葉だろう。深い意味なんてないのだろう。
だけど、やっぱり気になる。彼女はまた叶恵と会うつもりなのだろうか。今はもう家庭教師と生徒という関係ではなくなっているはずだ。それなのに会うということは、現在の二人の関係は……?
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