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第2話
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「アレン、お前はクビだ」
僕のいるパーティのリーダー、グレンがそう言う。
「え?今なんて…」
「だから、お前はクビだ、新しいパーティメンバー見つけたからお前用済みな」
「ど、どういうこと…?だ、だって僕たちもう3年近く一緒に頑張って…」
「あーもーうるせぇな!クビっつったらクビなんだよ!リーダーである俺が決めたんだ、文句言わずにこの脱退書にサインしろよ」
「そ、そんな、なんで…ルーク、リリス、嘘、だよね?」
「いやぁ、僕もアレンのこと、いらないかなって思ってたところなんだよね」
「ごめんねぇアレン、もう新しいメンバーさんにも挨拶しちゃったんだぁ」
う、嘘だ、だって昨日まであんなに仲良く…。
「おい聞いてんのか、早くサインしろ、サ・イ・ン!」
僕は…脱退書にサインをした。
なんで…こんな…。
「キュゥ…」「グル…」「ピィ…」
僕の従魔たちが心配そうに顔を覗いてくる。
「ごめんね…大丈夫だから…」
しばらく僕はその場を動けずにいた。
「おい兄ちゃん、朝だぞ、起きろ」
「ぅあ、ごめんなさい、今起きます」
どうやら僕はそのまま冒険者ギルドの酒場で寝てしまっていたらしい。
宿はパーティで取っていたから、僕の部屋はその新しい人が使っているだろうな…。
「キュイ!」「ガウ!」「ピィ!」
元気出せよ、という感じで従魔たちが呼んでくる。
この子たちは僕の従魔。
フォックスのルナ。
リトルウルフのクロ。
リトルバードのピノだ。
そうだな、主人である僕がしっかりしなきゃ、この子たちの食事代も稼がなきゃいけないし。
気持ちを切り替えなきゃ。
グレンたちがなんで僕を脱退させたのか、理由は何となく分かっている。
僕が弱いからだ。
3年冒険者をやっていて未だにFランク、テイム出来たのもGランク魔物が3匹、グレンたちはDランクだというのに。
一緒のパーティでもその貢献度によってランクの上がり方は違う。
僕の場合、クロやピノからの周囲の情報を伝えることと、ルナの回復魔法の事後処理くらいしかしないのでランクは上がりにくいのだ。
パーティランクはパーティメンバーのランクの平均になってしまうので僕が足を引っ張る形になる、それが許せなかったんだろう。
だけど、少しだけ悲しいな。
とりあえず今日の分の依頼をこなす。
うーん、ボアの討伐でいいかな。
依頼にはGからA、その上にSのランクがある。
魔物にも同じランクがある。
基本的に自分と同じランクの依頼かそれ以下の依頼しか受けられない。
僕はFランクなので簡単な討伐依頼なら受けることが出来る。
討伐から帰ってきたら新しい宿を探さなきゃ。
僕のいるパーティのリーダー、グレンがそう言う。
「え?今なんて…」
「だから、お前はクビだ、新しいパーティメンバー見つけたからお前用済みな」
「ど、どういうこと…?だ、だって僕たちもう3年近く一緒に頑張って…」
「あーもーうるせぇな!クビっつったらクビなんだよ!リーダーである俺が決めたんだ、文句言わずにこの脱退書にサインしろよ」
「そ、そんな、なんで…ルーク、リリス、嘘、だよね?」
「いやぁ、僕もアレンのこと、いらないかなって思ってたところなんだよね」
「ごめんねぇアレン、もう新しいメンバーさんにも挨拶しちゃったんだぁ」
う、嘘だ、だって昨日まであんなに仲良く…。
「おい聞いてんのか、早くサインしろ、サ・イ・ン!」
僕は…脱退書にサインをした。
なんで…こんな…。
「キュゥ…」「グル…」「ピィ…」
僕の従魔たちが心配そうに顔を覗いてくる。
「ごめんね…大丈夫だから…」
しばらく僕はその場を動けずにいた。
「おい兄ちゃん、朝だぞ、起きろ」
「ぅあ、ごめんなさい、今起きます」
どうやら僕はそのまま冒険者ギルドの酒場で寝てしまっていたらしい。
宿はパーティで取っていたから、僕の部屋はその新しい人が使っているだろうな…。
「キュイ!」「ガウ!」「ピィ!」
元気出せよ、という感じで従魔たちが呼んでくる。
この子たちは僕の従魔。
フォックスのルナ。
リトルウルフのクロ。
リトルバードのピノだ。
そうだな、主人である僕がしっかりしなきゃ、この子たちの食事代も稼がなきゃいけないし。
気持ちを切り替えなきゃ。
グレンたちがなんで僕を脱退させたのか、理由は何となく分かっている。
僕が弱いからだ。
3年冒険者をやっていて未だにFランク、テイム出来たのもGランク魔物が3匹、グレンたちはDランクだというのに。
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僕の場合、クロやピノからの周囲の情報を伝えることと、ルナの回復魔法の事後処理くらいしかしないのでランクは上がりにくいのだ。
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だけど、少しだけ悲しいな。
とりあえず今日の分の依頼をこなす。
うーん、ボアの討伐でいいかな。
依頼にはGからA、その上にSのランクがある。
魔物にも同じランクがある。
基本的に自分と同じランクの依頼かそれ以下の依頼しか受けられない。
僕はFランクなので簡単な討伐依頼なら受けることが出来る。
討伐から帰ってきたら新しい宿を探さなきゃ。
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