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第26話
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次の日、獣人たちが帰るので、一緒に行き獣人の村の場所を確認することに。
みんなには反対されたが、転移魔法が使えるの俺だけだからと言ったら渋々了承してくれた。
すまんね。
フリーデン村から護衛を何人か出そうという案も出たが、俺の強さはワイバーン討伐で知ってもらったし、強い魔物が出たときに守る人数が多くなるのはめんどうというか、守りきれなかったりするかもしれないので遠慮しておいた。
そして4日かけて獣人の村へとやってきた。
途中出会った魔物の肉は獣人の村行きだ。
獣人の村はエルフの里よりもだいぶ閑散としている。
これは後で聞いた話なのだが、エルフの里はあれでもだいぶ発展している方らしい。
魔法の力のおかげで水は何とかなるし、狩りも一応小さなものなら狩れる。
アラクネの村は狩りは中型の魔物までは狩れるものの、野菜はほとんど取引頼りだった。
発展とは衣食住が完璧とは言わずとも、心配ないレベルになって初めて出来るものである。
獣人の村は狩りは数人がかりなら中型までは狩れるものの、凶作が続いたらしい。
村は隠蔽魔法が使われていなかった。
理由は魔法が使えるものがそもそもいないとのこと。
水はどうしているのかと聞いたら、近くに川が流れているようだ。
火はこの辺りでは一番栄えているハイエルフの里があり、そこが魔道具を作っているようで、取引で火を起こす魔道具を手に入れたよう。
それでも数があまりないので、無い家は原始的なやり方で火を起こしている。
銀はどこから取れるのかを聞くと、言えませんと言われた。
まぁ自分たちが唯一外部と取引出来るものが取れる場所を安易に教えたりはしないか。
ブルトが村長の家へと案内してくれる。
家へ入り、部屋へと案内される。
席に座りしばらくすると、40歳くらいの狐獣人がやってきた。
「初めまして、私が村長のザナフと言います」
「フリーデン村村長ケンイチです」
「この度は取引に応じていただき誠に感謝いたします、それに加えて取引場所もこちらに来ていただくと…」
「えぇ、移動に関しては特に問題ないので、気にしなくて大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。1つお聞きしたいことがあるのですが」
「はい、俺に答えられることでしたら」
「では、フリーデン村では食料には困らないほどの野菜も肉も取れると聞きましたが、それはどうやっているのでしょうか、食料に困っている身としては聞いておきたいところでして…」
「あー、真似できることではないでしょうが、魔法で野菜の種を創って成長促進魔法をかけているだけですね」
「なるほど、魔法ですか…我々獣人は魔法とは縁遠い種族なので難しいですね…」
「そうなんですね、魔法とは縁遠い、ということは使える人は全く?」
「いえ、たまに魔法が使える子が生まれてくるのですが、今この村にはいません」
魔法が使えないってこの世界じゃ結構不遇な種族なのかなぁ。
「魔法が使えないということは魔力すら無い、ということですか?」
「いえ、魔力自体はあるのです、魔道具は魔力が無いと使えませんから。それに魔法と言っても4大魔法が使えないだけで、身体能力向上の魔法は使えるんですよ」
…なんか矛盾したこと言い始めたな。
魔法とは4大魔法(土水火風)を指す言葉である、みたいな感じなのかな。
「身体能力向上、ということはそこそこお強い?」
「まぁ、普通より少し程度の強さですかね、あとは個人差がありますが」
なるほどなぁ、獣人さんのことは大体分かった。
「ケンイチ様、折り入ってお願いがあるのですが…」
ん、これはなんかデジャブだぞ。
「はい、なんでしょう」
「村民の何人かをそちらに移住させていただくわけにはいかないでしょうか…」
みんなには反対されたが、転移魔法が使えるの俺だけだからと言ったら渋々了承してくれた。
すまんね。
フリーデン村から護衛を何人か出そうという案も出たが、俺の強さはワイバーン討伐で知ってもらったし、強い魔物が出たときに守る人数が多くなるのはめんどうというか、守りきれなかったりするかもしれないので遠慮しておいた。
そして4日かけて獣人の村へとやってきた。
途中出会った魔物の肉は獣人の村行きだ。
獣人の村はエルフの里よりもだいぶ閑散としている。
これは後で聞いた話なのだが、エルフの里はあれでもだいぶ発展している方らしい。
魔法の力のおかげで水は何とかなるし、狩りも一応小さなものなら狩れる。
アラクネの村は狩りは中型の魔物までは狩れるものの、野菜はほとんど取引頼りだった。
発展とは衣食住が完璧とは言わずとも、心配ないレベルになって初めて出来るものである。
獣人の村は狩りは数人がかりなら中型までは狩れるものの、凶作が続いたらしい。
村は隠蔽魔法が使われていなかった。
理由は魔法が使えるものがそもそもいないとのこと。
水はどうしているのかと聞いたら、近くに川が流れているようだ。
火はこの辺りでは一番栄えているハイエルフの里があり、そこが魔道具を作っているようで、取引で火を起こす魔道具を手に入れたよう。
それでも数があまりないので、無い家は原始的なやり方で火を起こしている。
銀はどこから取れるのかを聞くと、言えませんと言われた。
まぁ自分たちが唯一外部と取引出来るものが取れる場所を安易に教えたりはしないか。
ブルトが村長の家へと案内してくれる。
家へ入り、部屋へと案内される。
席に座りしばらくすると、40歳くらいの狐獣人がやってきた。
「初めまして、私が村長のザナフと言います」
「フリーデン村村長ケンイチです」
「この度は取引に応じていただき誠に感謝いたします、それに加えて取引場所もこちらに来ていただくと…」
「えぇ、移動に関しては特に問題ないので、気にしなくて大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。1つお聞きしたいことがあるのですが」
「はい、俺に答えられることでしたら」
「では、フリーデン村では食料には困らないほどの野菜も肉も取れると聞きましたが、それはどうやっているのでしょうか、食料に困っている身としては聞いておきたいところでして…」
「あー、真似できることではないでしょうが、魔法で野菜の種を創って成長促進魔法をかけているだけですね」
「なるほど、魔法ですか…我々獣人は魔法とは縁遠い種族なので難しいですね…」
「そうなんですね、魔法とは縁遠い、ということは使える人は全く?」
「いえ、たまに魔法が使える子が生まれてくるのですが、今この村にはいません」
魔法が使えないってこの世界じゃ結構不遇な種族なのかなぁ。
「魔法が使えないということは魔力すら無い、ということですか?」
「いえ、魔力自体はあるのです、魔道具は魔力が無いと使えませんから。それに魔法と言っても4大魔法が使えないだけで、身体能力向上の魔法は使えるんですよ」
…なんか矛盾したこと言い始めたな。
魔法とは4大魔法(土水火風)を指す言葉である、みたいな感じなのかな。
「身体能力向上、ということはそこそこお強い?」
「まぁ、普通より少し程度の強さですかね、あとは個人差がありますが」
なるほどなぁ、獣人さんのことは大体分かった。
「ケンイチ様、折り入ってお願いがあるのですが…」
ん、これはなんかデジャブだぞ。
「はい、なんでしょう」
「村民の何人かをそちらに移住させていただくわけにはいかないでしょうか…」
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