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第24話
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春の月になり2ヶ月ほど経った頃。
「村長、おはようございます」
「あぁおはよう」
「今日も仕事は変わらずで大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
マリーには村長補佐として働いてもらっている。
エルフは畑で水やりや収穫を、アラクネは必要に応じて布製品を作り、エルダードワーフたち酒、物作りをしてくれている。
俺は…種を創って土に栄養を流しているだけである。
それしか出来ないからなぁ、と言ったら。
「何言ってるんですか、誰にも出来ない、村長にしか出来ないことですよ」
と少し怒られてしまった。
もうちょっと自分に自信つけるか。
狩りはエルフの中でも戦えるものと数人のアラクネ、タイガがやってくれる。
肉の確保はダンジョンの中だけで済むのだが、村の周りの状況を知るためにもたまに聖域外にも狩りに行っている。
こんな感じでのんびり日々が過ぎていくのだろう、と思っていた。
「村長!」
マリーがいつもより焦った声で俺を呼ぶ。
「どうしたんだ?」
「わ、ワイバーンがこの村に向かって来ています!」
ワイバーン?
「ワイバーンは魔物なのか?」
「敵対する魔物です、この村に一直線に向かっていると報告がありました!」
「そうか、敵対するのなら倒そう」
そのとき、辺りが急に暗くなった。
空を見上げるとそのには巨大なワイバーンがいた。
「とりあえず攻撃してみるか、アイススピア」
氷の槍が飛んでいき、ワイバーンを貫こうとする。
しかし、氷の槍はワイバーンの目の前で弾けて消えた。
「どういうことだ?」
「ワイバーンには魔法障壁と物理障壁があるんです、生半可な攻撃では落とせないんですよ」
なるほどな、うーん、使うことは無いと思ったんだがな。
「チェインサンダー」
雷がワイバーンに向かって飛ぶ。
魔法障壁に阻まれると思った魔法は障壁をあっさり壊し、ワイバーンに当たった。
「グギャァァァァァ!!!」
しかし、ワイバーンが落ちることはなかった。
「うーん、面倒だなぁ」
「村長!」
そのとき、1人のエルダードワーフが来た。
「村長、これを使ってくれ」
「これは?」
「アダマンタイトの剣だ、つい昨日出来たばかりでな、試し斬りも何もしてないが、無いよりはいいだろうと思ってな」
「いや、助かるよ」
風魔法で身体を宙に飛ばし、ワイバーンの目の前に来る。
「さて、剣王の力を見せてもらおうかな」
アダマンタイトの剣を一振すると物理障壁があっさり壊れた。
えぇ…アダマンタイト強くね?
まぁいいや、そのままワイバーンに攻撃する。
翼を切り刻めば落ちるだろうと思い翼を重点的に攻撃するが、落ちる気配がない。
どういうことだ?翼じゃなくて魔法で飛んでるってことか?
どちらにせよ終わりだ、首に向かって一閃。
スパッと首が落ち、同時にワイバーンの身体も落ちる。
風魔法で落ちる速度を緩め、そっと下ろす。
「さすが村長ですね…ワイバーンをこうもあっさりと…」
「いや、この剣が凄いんだよ、さすがはアダマンタイトだね」
ワイバーンの肉は美味しいらしいので、解体することに。
血抜きはスラが出来るとの事なので任せる。
ワイバーンはどんな味なのかな。
「魔法障壁を壊せる魔法ってあったのか?」
「いや、分からん、無いものだと思っていたが…」
「村長強すぎないか?」
「村長が優しい人で良かったよ…」
「村長、おはようございます」
「あぁおはよう」
「今日も仕事は変わらずで大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
マリーには村長補佐として働いてもらっている。
エルフは畑で水やりや収穫を、アラクネは必要に応じて布製品を作り、エルダードワーフたち酒、物作りをしてくれている。
俺は…種を創って土に栄養を流しているだけである。
それしか出来ないからなぁ、と言ったら。
「何言ってるんですか、誰にも出来ない、村長にしか出来ないことですよ」
と少し怒られてしまった。
もうちょっと自分に自信つけるか。
狩りはエルフの中でも戦えるものと数人のアラクネ、タイガがやってくれる。
肉の確保はダンジョンの中だけで済むのだが、村の周りの状況を知るためにもたまに聖域外にも狩りに行っている。
こんな感じでのんびり日々が過ぎていくのだろう、と思っていた。
「村長!」
マリーがいつもより焦った声で俺を呼ぶ。
「どうしたんだ?」
「わ、ワイバーンがこの村に向かって来ています!」
ワイバーン?
「ワイバーンは魔物なのか?」
「敵対する魔物です、この村に一直線に向かっていると報告がありました!」
「そうか、敵対するのなら倒そう」
そのとき、辺りが急に暗くなった。
空を見上げるとそのには巨大なワイバーンがいた。
「とりあえず攻撃してみるか、アイススピア」
氷の槍が飛んでいき、ワイバーンを貫こうとする。
しかし、氷の槍はワイバーンの目の前で弾けて消えた。
「どういうことだ?」
「ワイバーンには魔法障壁と物理障壁があるんです、生半可な攻撃では落とせないんですよ」
なるほどな、うーん、使うことは無いと思ったんだがな。
「チェインサンダー」
雷がワイバーンに向かって飛ぶ。
魔法障壁に阻まれると思った魔法は障壁をあっさり壊し、ワイバーンに当たった。
「グギャァァァァァ!!!」
しかし、ワイバーンが落ちることはなかった。
「うーん、面倒だなぁ」
「村長!」
そのとき、1人のエルダードワーフが来た。
「村長、これを使ってくれ」
「これは?」
「アダマンタイトの剣だ、つい昨日出来たばかりでな、試し斬りも何もしてないが、無いよりはいいだろうと思ってな」
「いや、助かるよ」
風魔法で身体を宙に飛ばし、ワイバーンの目の前に来る。
「さて、剣王の力を見せてもらおうかな」
アダマンタイトの剣を一振すると物理障壁があっさり壊れた。
えぇ…アダマンタイト強くね?
まぁいいや、そのままワイバーンに攻撃する。
翼を切り刻めば落ちるだろうと思い翼を重点的に攻撃するが、落ちる気配がない。
どういうことだ?翼じゃなくて魔法で飛んでるってことか?
どちらにせよ終わりだ、首に向かって一閃。
スパッと首が落ち、同時にワイバーンの身体も落ちる。
風魔法で落ちる速度を緩め、そっと下ろす。
「さすが村長ですね…ワイバーンをこうもあっさりと…」
「いや、この剣が凄いんだよ、さすがはアダマンタイトだね」
ワイバーンの肉は美味しいらしいので、解体することに。
血抜きはスラが出来るとの事なので任せる。
ワイバーンはどんな味なのかな。
「魔法障壁を壊せる魔法ってあったのか?」
「いや、分からん、無いものだと思っていたが…」
「村長強すぎないか?」
「村長が優しい人で良かったよ…」
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