上 下
19 / 35

第19話

しおりを挟む
「ケンイチさん、そろそろここの名前決めませんか?」

マリーが突然そう言ってきた。

「ここの場所?あぁ確かにな、いつまでも名無しのままじゃカッコつかないもんな」

「ケンイチ村でもいいですけ」

「脚下だ」

「まぁ嫌ですよね、普通ならそこに住んでいる種族の名前で決まるんですけど、ここはすでに人族、エルフ族、アラクネ族がいますからね」

「うーん、フリーデン村ってのはどうだ?」

「フリーデン村?どういった意味があるんですか?」

「俺の元いた世界の言葉で、確か平和って意味だ」

「平和…いいですね、では皆を集めてここの名前を発表しましょう」

その日の夜、フリーデン村と名付けたことを発表し、宴会となった。

宴会…となるとあれが欲しくなるよな。



次の日、俺は今ある畑とは別の場所を耕した。

「ケンイチさん、何してるんですか?」

「いや、ぶどうを育てようと思ってな」

「ブドウ?ってなんですか?」

「んー、果物だな、ワインの材料になる」

「ワイン…!お酒ですか!」

ワインっていう言葉はあるんだな。

「あぁ、昨日の宴会であったらなと思って、っと、種は出来たな」

「楽しみです!」

俺はぶどうの他にもリンゴ、ミカン、柿、桃、梨などを植えてみた。

さすがに木になるものは1日では出来ず、5日ほどで出来た。

いやそれでも5日で出来るんかい。

「これがぶどう…ワインの材料なんですね!」

「あぁ、作り方は何となくしか覚えていないんだが…」

「そうなんですか…」

「まぁそのうち出来るようになるだろう、とりあえず今は作れるだけ作ろう」

「そうですね」

そうして果物をバンバン作っていった。

アイテムボックスは無制限だし、リスト化もされるから本当に便利だ。

村ではマリーがお酒が飲める!と話し回ったせいか、作れないと言うとお酒ショックが起きた。

まぁそのうちお酒作りが出来る人を呼ぶから待っててな。



アラクネたちによる布製品作りが進み、カーテンやベッド、服などが出来てきた。

ただ、ベッドの中身はただの葉っぱなのでもっといいのは無いのかと聞いたら。

「グレートコッコという鳥型の魔物から取れる羽がフカフカで気持ちいいのですが、凶暴な魔物で強いのであまり量が取れなくて…」

と言われたのでダンジョンコアに聞いてみたら。

「グレートグルバなら出せるよ?うーんと、40階層くらいになら出せるかな」

と言われたので早速グレートコッコを狩りに行った。

50匹ほど狩り、これで足りるかと聞いたら、目を真っ白にさせてしまった。

うん、慣れてくれ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)

朝食ダンゴ
ファンタジー
不慮の事故(死神の手違い)で命を落としてしまった日本人・御厨 蓮(みくりや れん)は、間違えて死んでしまったお詫びにチートスキルを与えられ、ロートス・アルバレスとして異世界に転生する。 「目立つとろくなことがない。絶対に目立たず生きていくぞ」 生前、目立っていたことで死神に間違えられ死ぬことになってしまった経験から、異世界では決して目立たないことを決意するロートス。 十三歳の誕生日に行われた「鑑定の儀」で、クソスキルを与えられたロートスは、最弱劣等職「無職」となる。 そうなると、両親に将来を心配され、半ば強制的に魔法学園へ入学させられてしまう。 魔法学園のある王都ブランドンに向かう途中で、捨て売りされていた奴隷少女サラを購入したロートスは、とにかく目立たない平穏な学園生活を願うのだった……。 ※『小説家になろう』でも掲載しています。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...