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第16話

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そういえばダンジョンの事を忘れてたな。

「ちょっとダンジョン攻略してくるわ」

「はーい…え?いやいや!そんなちょっとトイレ行ってくるみたいな感じで言わないでくださいよ!」

「だってダンジョンって結構有用なんだろ?攻略して損は無いだろ」

「ですが…」

「それに俺1人なら多分簡単に攻略出来るだろ、ってことで行ってくる」

「…分かりました、気を付けてくださいね」

そう言ってダンジョン攻略に向かったのが5時間くらい前。

そして今。

「あっさり最下層まで来ちゃったな…」

どうやらこのダンジョンは50階層が最下層らしい。

なぜ分かるのかって?

ご丁寧に階層の階段を降りたら「2階層」「3階層」「最下層」って書かれていたからな。

最後のボス部屋らしき扉を開ける。

ボスは首が3本ある狼、ケルベロスってやつだな。

戦いながら考える。

そういえば剣王ってスキルもらったのに剣使ってないな、魔法が便利すぎて。

まぁまた今度考えればいいか。

「フレイムヘイズ」

あっさりケルベロスを倒した。

ダンジョンの魔物たちは倒すと霧となって消え、ドロップ品を残す。

オーク、トラットディアー、ドリルラビットなど肉を落とす魔物が多かったので肉の確保はもしかしたら容易になるかもしれない。

最下層のボスを倒すとダンジョンコアの元に辿り着いた。

ダンジョンコアは触ると管理者権限を貰えるらしい。

ただし、既に管理者がいる場合、その管理者が死ぬか、権限を譲渡しないと新しい管理者にはなれないらしい。

「…これ、壊したらどうなるのかな」

ついボソッと言ってしまった。

すると。

「わー待って待って!壊さないで!」

と声が聞こえてきた。

「誰だ?」

「私です!ダンジョンコアです!壊さないで!」

「…ダンジョンコアって意思があるのか」

「いえ、意思があるのは私だけかと」

「?それはどういう」

「他のダンジョンコアと念話が出来るんですけど、みんな反応が無くて…」

「念話が届いてないだけじゃないのか?」

「いえ、念話は相手に通じているかどうか分かるんです、私の念話は届いてるはずなんですけど、反応が無くて…」

無視されてるのでは?とは言えないので黙っておく。

「まぁなんでもいいや、管理者権限を貰ってもいいか?」

「はいどうぞ!触ってください!」

ダンジョンコアを触ると少し光った。

「これでケンイチさんはこのダンジョンの管理者になりました!なんでも言ってください!」

「ダンジョンの場所って変えられるのか?」

「はい、私を持ち出せば変えられますよ」

「そうなのか、今住んでいる場所からここまでは遠いからな、少しでも近いほうがいいかと思って」

「そうなんですね!私を持ち出して、ダンジョンの出入口にしたいところに私を埋めれば可能です!但し、私を持ち出すとこのダンジョンは崩れるので中に人がいないかだけはちゃんと確認してくださいね」

「俺1人だけだから大丈夫だ、それじゃあ持ち出すぞ」

「あ、一階層まで転移させるのでそのまま持っていてください、転移します」

すると景色が変わり、一階層まで戻ってきた。

「それじゃ行くか」

「はい」

コアを外に持ち出すとダンジョンの出入口が崩れて無くなった。

そして転移で帰る。

「おかえりなさい、随分と早かったですね?」

「まぁな、結構あっさり攻略したぞ」

「それで、ダンジョンの管理者権限は取れましたか?」

「あぁ、というかダンジョンコアを持って帰ってきたぞ」

「…は?」

「ほら」

「どうも」

「…はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
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