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第8話
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「ふぅ、ありがとうございます、美味しかったです」
結局野菜ばっかり食べてたな…あれ?エルフって肉はあまり好まないんだっけ?
「エルフってさ、肉って食べない派?」
「…?何言ってるんですか?肉を食べなきゃ生きていけないじゃないですか」
あ、そんなことなかった。
「そうだよね」
「この野菜はどこのものですか?見た事のない野菜でしたが…」
「これ?これはここで作ってるんだよ、ほら、あそこに畑があるでしょ」
「…確かに、小さいですね」
「俺1人しかいないからな」
「…ケンイチ様、この野菜、エルフの村に売ってみませんか?」
「さっきから様様ってどうしたの?俺別にそんな偉い人じゃないんだけど」
「あ、すみません、エルフよりも魔力量が多い、というか異次元の人を見たことがなかったのでつい…」
「呼び捨てとかさん付けでいいよ」
「では、ケンイチさん、この野菜エルフの里に売るつもりはありませんか?」
「別にいいけど、どうして?」
「ここまでのものを売らずにいるのが勿体ない、というのもありますが、他の者にも食べさせたいという気持ちもあります」
「そう?そんなに美味しい?」
「えぇ!」
うーん、俺の感覚的には元いた世界のと同じくらいの美味しさだと思うんだけど、この世界の野菜はそんなに美味しくないのかな?
「まぁ売るのはいいんだけど、だとしたら人手が足りないかもな」
「人は私が集めてきます!」
「まぁそこまで言うなら」
「ありがとうございます!すぐに集めてきますね!」
そう言うと凄いスピードと跳躍力で木から木へ飛び移って行った。
『ご主人どうしたの?』
「ここに人が増えるんだって」
『本当!?わーい!お友達が増えるー!』
スラは可愛いなぁ。
とりあえず、人が増えるならここら辺を整地しなきゃな。
風魔法で…いや、木ってそのままアイテムボックスに入るかな?
試しにやってみると見事に入った。
しかし、元々木があった場所に穴が空いてしまったので土魔法で埋める。
畑も大きくしなきゃな。
家も作らないと。
家…問題点はそこだよなぁ。
いくら聖域内だと言ってもこんな木の空洞が家だなんて…。
まぁ人が来てから考えればいいか。
それから1ヶ月、畑を大きくするのは人が来てからにしようと考え、とりあえずは自分の分だけ野菜を作り、聖域外で魔物を狩って肉を調達、調味料はマリーが置いていってくれたものがあったのでそれを使った。
そうして待っているとマリーが帰ってきた。
「ケンイチさん、戻ってきました」
「おかえり…ってだいぶ連れてきたね」
「はい!」
マリーの後ろにはエルフが10人いた。
「里でやる気のある者を6人と同じく放浪していた者を4人連れてきました」
「ケンイチだ、よろしく」
「「「よろしくお願いします」」」
「じゃあまず畑の前に家を作りたいんだが、知識が無いもんでな、みんな作れそうか?材料は木がたくさんあるんだが」
「大丈夫です、エルフの里ではみんなで協力して家を作るので、家づくりの知識は一応あります」
「それじゃあ家づくりを頼んだ、ついでに俺の家も作ってくれるとありがたい」
「もちろんです、それではまず家づくりからですね」
俺はアイテムボックスから木を大量に取り出し、お願いした。
「そういえば家づくりに使う道具なんかは…」
「各自持っているので大丈夫です」
「そっか、よかった」
8人は家づくりを始めた。
残りの2人とマリーで畑の大きさを決めることに。
「どのくらいの大きさがいいかな?」
「全員で12人いますからね、各々の食事と売る分を考えると…相当な大きさが必要ですね」
「そっか、まだ広げなきゃいけないかな?」
「そうですね、そういえばあの野菜が収穫出来るまではどのくらいかかりますか?」
「ん?一日かな」
「なるほど一日…一日?一日と言いましたか?一年ではなく?」
「一日だ、寝て、起きたら出来てる」
「…またまた冗談を、そんな早く収穫出来るわけないじゃないですか」
「冗談を言ってるように見えるか?」
「…本当ですか?」
「大マジ」
「えっと、それはその野菜がおかしいのですか?」
「いや、俺が草魔法で成長促進魔法をかけるから一日で採れる」
「成長促進魔法…?ってなんですか?」
あれ?この魔法って知られていない?
「聞いたまんまだよ、成長を促進させる魔法、知らないのか?」
「聞いたことありませんね…というかそんな魔法があったら飢餓で亡くなる人がいなくなりますよ」
マジか、俺のオリジナルなのか、ただ単に知られていないのか、どちらにせよ俺しか使えないことは確かだな。
「とりあえず、野菜は一日で採れる、だから畑の大きさはそんなに広く取らなくても大丈夫じゃないか?」
「そうですね、だとしたら…ここから…ここまでを畑にしましょう」
「おっけ」
俺は土魔法で畑を耕し、魔力を栄養に変え流す。
「…今何をしたんですか?」
「土魔法で耕して栄養を流したんだが?」
「…ケンイチさんはなんなんですか?歩くビックリ箱ですか?」
そんなにおかしなことしただろうか…。
結局野菜ばっかり食べてたな…あれ?エルフって肉はあまり好まないんだっけ?
「エルフってさ、肉って食べない派?」
「…?何言ってるんですか?肉を食べなきゃ生きていけないじゃないですか」
あ、そんなことなかった。
「そうだよね」
「この野菜はどこのものですか?見た事のない野菜でしたが…」
「これ?これはここで作ってるんだよ、ほら、あそこに畑があるでしょ」
「…確かに、小さいですね」
「俺1人しかいないからな」
「…ケンイチ様、この野菜、エルフの村に売ってみませんか?」
「さっきから様様ってどうしたの?俺別にそんな偉い人じゃないんだけど」
「あ、すみません、エルフよりも魔力量が多い、というか異次元の人を見たことがなかったのでつい…」
「呼び捨てとかさん付けでいいよ」
「では、ケンイチさん、この野菜エルフの里に売るつもりはありませんか?」
「別にいいけど、どうして?」
「ここまでのものを売らずにいるのが勿体ない、というのもありますが、他の者にも食べさせたいという気持ちもあります」
「そう?そんなに美味しい?」
「えぇ!」
うーん、俺の感覚的には元いた世界のと同じくらいの美味しさだと思うんだけど、この世界の野菜はそんなに美味しくないのかな?
「まぁ売るのはいいんだけど、だとしたら人手が足りないかもな」
「人は私が集めてきます!」
「まぁそこまで言うなら」
「ありがとうございます!すぐに集めてきますね!」
そう言うと凄いスピードと跳躍力で木から木へ飛び移って行った。
『ご主人どうしたの?』
「ここに人が増えるんだって」
『本当!?わーい!お友達が増えるー!』
スラは可愛いなぁ。
とりあえず、人が増えるならここら辺を整地しなきゃな。
風魔法で…いや、木ってそのままアイテムボックスに入るかな?
試しにやってみると見事に入った。
しかし、元々木があった場所に穴が空いてしまったので土魔法で埋める。
畑も大きくしなきゃな。
家も作らないと。
家…問題点はそこだよなぁ。
いくら聖域内だと言ってもこんな木の空洞が家だなんて…。
まぁ人が来てから考えればいいか。
それから1ヶ月、畑を大きくするのは人が来てからにしようと考え、とりあえずは自分の分だけ野菜を作り、聖域外で魔物を狩って肉を調達、調味料はマリーが置いていってくれたものがあったのでそれを使った。
そうして待っているとマリーが帰ってきた。
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「おかえり…ってだいぶ連れてきたね」
「はい!」
マリーの後ろにはエルフが10人いた。
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「ケンイチだ、よろしく」
「「「よろしくお願いします」」」
「じゃあまず畑の前に家を作りたいんだが、知識が無いもんでな、みんな作れそうか?材料は木がたくさんあるんだが」
「大丈夫です、エルフの里ではみんなで協力して家を作るので、家づくりの知識は一応あります」
「それじゃあ家づくりを頼んだ、ついでに俺の家も作ってくれるとありがたい」
「もちろんです、それではまず家づくりからですね」
俺はアイテムボックスから木を大量に取り出し、お願いした。
「そういえば家づくりに使う道具なんかは…」
「各自持っているので大丈夫です」
「そっか、よかった」
8人は家づくりを始めた。
残りの2人とマリーで畑の大きさを決めることに。
「どのくらいの大きさがいいかな?」
「全員で12人いますからね、各々の食事と売る分を考えると…相当な大きさが必要ですね」
「そっか、まだ広げなきゃいけないかな?」
「そうですね、そういえばあの野菜が収穫出来るまではどのくらいかかりますか?」
「ん?一日かな」
「なるほど一日…一日?一日と言いましたか?一年ではなく?」
「一日だ、寝て、起きたら出来てる」
「…またまた冗談を、そんな早く収穫出来るわけないじゃないですか」
「冗談を言ってるように見えるか?」
「…本当ですか?」
「大マジ」
「えっと、それはその野菜がおかしいのですか?」
「いや、俺が草魔法で成長促進魔法をかけるから一日で採れる」
「成長促進魔法…?ってなんですか?」
あれ?この魔法って知られていない?
「聞いたまんまだよ、成長を促進させる魔法、知らないのか?」
「聞いたことありませんね…というかそんな魔法があったら飢餓で亡くなる人がいなくなりますよ」
マジか、俺のオリジナルなのか、ただ単に知られていないのか、どちらにせよ俺しか使えないことは確かだな。
「とりあえず、野菜は一日で採れる、だから畑の大きさはそんなに広く取らなくても大丈夫じゃないか?」
「そうですね、だとしたら…ここから…ここまでを畑にしましょう」
「おっけ」
俺は土魔法で畑を耕し、魔力を栄養に変え流す。
「…今何をしたんですか?」
「土魔法で耕して栄養を流したんだが?」
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そんなにおかしなことしただろうか…。
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