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第40話
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「我はキュリオン王国が王、ゼノ・マーカス・キュリオンである」
ゼノさんがそう言い王家の紋章を見せると門兵たちが片膝をつき道を開けてくれた。
俺とガレオンの皆さんはゼノさんの騎士に混ざり門を通り抜ける。
抜けた先には豪華な馬車が待っていた。
「お待ちしておりましたキュリオン王、私は聖王国第1聖騎士団団長、オウルと言います」
「うむ」
そのまま馬車に乗るゼノさん、俺は騎士とガレオンの皆さんと一緒にいようかな。
そう思っていたらゼノさんが来い来いと手招きをする。
…あんまり目立ちたくないんだけどなぁ。
ゼノさんと一緒の馬車に乗る。
聖騎士の人たちには「なんだあいつ…」みたいな顔をされたが。
「ジュンは運動不足だと聞いたからな、馬車に乗った方がいいだろう?」
「まぁありがたいですけど…そういえば今からはゼノさんって呼ぶのまずいですかね?俺もキュリオン王と呼んだ方が?」
「いやいいだろう、さすがに聖王女のマリアーナをさん付けで呼ぶのはまずいがな」
ゼノさんが笑う。
「そんな無礼なこといきなりしませんよ、俺をなんだと思ってるんですか」
「いやすまんすまん」
そのまま馬車は王城へと向かう。
「そういえば今回は謁見とかないですよね?」
「いや?一国の王が来ているのだ、公式の場にしない訳にはいかないだろう」
「え!?じゃあまたあの堅苦しい挨拶とかしなきゃ…」
「ジュンは護衛のものと部屋で待っててもいいぞ、私が対応すると任されたからな」
「助かります…」
ということで聖王女のマリアーナさんとの挨拶は非公式の場になりそうだ。
王城に着き馬車から降りる。
「では私はマリアーナと挨拶してくる。ジュンたちは部屋で待っているように」
「分かりました」
執事さんに部屋に通され待つことに。
しばらくすると扉がノックされた。
俺とガレオンの皆さんが立ち上がる。
扉が開き人が入ってくる。
数人の騎士とゼノさん、そして金髪の美人さんが入ってきた。
この人が聖王女のマリアーナ様かな?
ゼノさんたちが席に着く。それを見て俺たちも座る。
「初めましてマリアーナ王女、私ジュンと申します」
「初めまして、聖王国で王女をしております、マリアーナです」
物腰の柔らかそうな女の人だ。
「ゼノ様から面白い男の人を連れてくると手紙にあったのですが、貴方のことですかね?」
「面白い…まぁ多分そうかと」
「マリアーナ、ジュンは面白いぞ、早速だがゲートを出してくれないか?」
「もちろんです、ゲートオープン」
木製の扉が現れる。
マリアーナ様は…あまり驚いていないな。周りの騎士さんの方が驚いている。
「あら、これは何かしら?」
「これはジェイシティという私の店に繋がっている扉です」
「ジェイシティ…お店…これがゼノ様の言う面白いものですか?」
「あぁそうだ、中に入ったらさすがのマリアーナも驚くと思うぞ」
ゼノさんは呼び捨てなのにマリアーナ様は様呼びなんだな。
早速扉に入ろうとするマリアーナ様を騎士が止める。
「失礼ながら、何があるのか分かりませんので」
そう言って扉に入っていった。
数秒後、再び扉から現れ。
「人が多いですが、特に問題ありません」
と言った。
それを聞いてマリアーナ様が扉に入っていく。
俺とゼノさん、ガレオンの皆さんと他の騎士さんも扉を抜ける。
「これは…ふふふ、確かに、ゼノ様の言う通り面白そうですね」
マリアーナ様は驚いた表情をしないが、面白そうだと言ってくれた。
「マリアーナ様はどんなものにご興味がありますか?」
「そうですね、あまり豪華ではない、質素で素敵なアクセサリーがあったらと」
との事なのでジュエリーショップに向かう。
ジュエリーショップに着いて早々、マリアーナ様は「まぁまぁまぁ!」と言い店の中に入って行った。
ネックレス、指輪、ブレスレットをじっくりと見たあと。
「これ、いいですわね」
とひとつのネックレスを指した。
「良ければプレゼントいたしましょうか?」
「いいのですか?」
「えぇ、もちろんです」
600万ベルのネックレスだが、俺にとっては痛くも痒くもない出費だ。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
早速控えていた侍女に着けさせてもらっていた。
「うふふ、大切にいたしますね」
気に入ってもらえたなら良かった。
その後様々な店を見て回り、もうひとつ、気になった店を見つけたようだ。
「エステ…これはどういったお店でしょうか?」
「エステとは全身美容のことですね、化粧品や器具を使って肌のお手入れだったり体型を整えたりと、そういったことをするお店になります」
「まぁまぁ!全身美容ですか!」
「お試し体験が出来るようなので受けてみたらどうですか?」
「あらそうなの、ならちょっと受けてみようかしら」
その後1時間ほどエステを受けたマリアーナ様、戻ってきたときには肌がつるプルになっていた。
「確かに、このジェイシティ?と言うのかしら、は見慣れないものがたくさんあって楽しいですわね」
「手紙で言った通りだったろう?どうだ?ベルメイルにも扉を設置してみないか?」
ゼノさん…それは俺が言うべき言葉ではないでしょうか!
まぁいいんですけど。
「いいですわね、私も毎日とは言わずともこのエステに通いたいですし、その扉を置くことを許可します」
「ありがたき幸せ」
ということでベルメイル聖王国にも扉を設置することが決まりました。
「ところでゼノさん、今回来た目的忘れないでね」
「ん?あぁそうだったな、マリアーナよ、次回の世界会議、このジェイシティ内で行うことにしたのだが、賛同してくれるか?」
「えぇ、移動が簡単であれば私はどこでも構いませんわ」
まずはベルメイル聖王国が賛同、いい出だしだ。
ゼノさんがそう言い王家の紋章を見せると門兵たちが片膝をつき道を開けてくれた。
俺とガレオンの皆さんはゼノさんの騎士に混ざり門を通り抜ける。
抜けた先には豪華な馬車が待っていた。
「お待ちしておりましたキュリオン王、私は聖王国第1聖騎士団団長、オウルと言います」
「うむ」
そのまま馬車に乗るゼノさん、俺は騎士とガレオンの皆さんと一緒にいようかな。
そう思っていたらゼノさんが来い来いと手招きをする。
…あんまり目立ちたくないんだけどなぁ。
ゼノさんと一緒の馬車に乗る。
聖騎士の人たちには「なんだあいつ…」みたいな顔をされたが。
「ジュンは運動不足だと聞いたからな、馬車に乗った方がいいだろう?」
「まぁありがたいですけど…そういえば今からはゼノさんって呼ぶのまずいですかね?俺もキュリオン王と呼んだ方が?」
「いやいいだろう、さすがに聖王女のマリアーナをさん付けで呼ぶのはまずいがな」
ゼノさんが笑う。
「そんな無礼なこといきなりしませんよ、俺をなんだと思ってるんですか」
「いやすまんすまん」
そのまま馬車は王城へと向かう。
「そういえば今回は謁見とかないですよね?」
「いや?一国の王が来ているのだ、公式の場にしない訳にはいかないだろう」
「え!?じゃあまたあの堅苦しい挨拶とかしなきゃ…」
「ジュンは護衛のものと部屋で待っててもいいぞ、私が対応すると任されたからな」
「助かります…」
ということで聖王女のマリアーナさんとの挨拶は非公式の場になりそうだ。
王城に着き馬車から降りる。
「では私はマリアーナと挨拶してくる。ジュンたちは部屋で待っているように」
「分かりました」
執事さんに部屋に通され待つことに。
しばらくすると扉がノックされた。
俺とガレオンの皆さんが立ち上がる。
扉が開き人が入ってくる。
数人の騎士とゼノさん、そして金髪の美人さんが入ってきた。
この人が聖王女のマリアーナ様かな?
ゼノさんたちが席に着く。それを見て俺たちも座る。
「初めましてマリアーナ王女、私ジュンと申します」
「初めまして、聖王国で王女をしております、マリアーナです」
物腰の柔らかそうな女の人だ。
「ゼノ様から面白い男の人を連れてくると手紙にあったのですが、貴方のことですかね?」
「面白い…まぁ多分そうかと」
「マリアーナ、ジュンは面白いぞ、早速だがゲートを出してくれないか?」
「もちろんです、ゲートオープン」
木製の扉が現れる。
マリアーナ様は…あまり驚いていないな。周りの騎士さんの方が驚いている。
「あら、これは何かしら?」
「これはジェイシティという私の店に繋がっている扉です」
「ジェイシティ…お店…これがゼノ様の言う面白いものですか?」
「あぁそうだ、中に入ったらさすがのマリアーナも驚くと思うぞ」
ゼノさんは呼び捨てなのにマリアーナ様は様呼びなんだな。
早速扉に入ろうとするマリアーナ様を騎士が止める。
「失礼ながら、何があるのか分かりませんので」
そう言って扉に入っていった。
数秒後、再び扉から現れ。
「人が多いですが、特に問題ありません」
と言った。
それを聞いてマリアーナ様が扉に入っていく。
俺とゼノさん、ガレオンの皆さんと他の騎士さんも扉を抜ける。
「これは…ふふふ、確かに、ゼノ様の言う通り面白そうですね」
マリアーナ様は驚いた表情をしないが、面白そうだと言ってくれた。
「マリアーナ様はどんなものにご興味がありますか?」
「そうですね、あまり豪華ではない、質素で素敵なアクセサリーがあったらと」
との事なのでジュエリーショップに向かう。
ジュエリーショップに着いて早々、マリアーナ様は「まぁまぁまぁ!」と言い店の中に入って行った。
ネックレス、指輪、ブレスレットをじっくりと見たあと。
「これ、いいですわね」
とひとつのネックレスを指した。
「良ければプレゼントいたしましょうか?」
「いいのですか?」
「えぇ、もちろんです」
600万ベルのネックレスだが、俺にとっては痛くも痒くもない出費だ。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
早速控えていた侍女に着けさせてもらっていた。
「うふふ、大切にいたしますね」
気に入ってもらえたなら良かった。
その後様々な店を見て回り、もうひとつ、気になった店を見つけたようだ。
「エステ…これはどういったお店でしょうか?」
「エステとは全身美容のことですね、化粧品や器具を使って肌のお手入れだったり体型を整えたりと、そういったことをするお店になります」
「まぁまぁ!全身美容ですか!」
「お試し体験が出来るようなので受けてみたらどうですか?」
「あらそうなの、ならちょっと受けてみようかしら」
その後1時間ほどエステを受けたマリアーナ様、戻ってきたときには肌がつるプルになっていた。
「確かに、このジェイシティ?と言うのかしら、は見慣れないものがたくさんあって楽しいですわね」
「手紙で言った通りだったろう?どうだ?ベルメイルにも扉を設置してみないか?」
ゼノさん…それは俺が言うべき言葉ではないでしょうか!
まぁいいんですけど。
「いいですわね、私も毎日とは言わずともこのエステに通いたいですし、その扉を置くことを許可します」
「ありがたき幸せ」
ということでベルメイル聖王国にも扉を設置することが決まりました。
「ところでゼノさん、今回来た目的忘れないでね」
「ん?あぁそうだったな、マリアーナよ、次回の世界会議、このジェイシティ内で行うことにしたのだが、賛同してくれるか?」
「えぇ、移動が簡単であれば私はどこでも構いませんわ」
まずはベルメイル聖王国が賛同、いい出だしだ。
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