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第20話
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「おぉ、立派に出来ましたね」
扉を囲うように出来た石造りの壁、お客さんが
入るための北側の壁はほとんどなく、全開だ。
中は魔道具の明かりで明るい、そしてその奥、大きな扉が待ち構えている。
ここ最近お客さんは1人も来ていない。
まぁ建設中のところに入ってくる人なんていないだろう。
チラシには新しく5月13日オープン(このとき初めて今が5月なのだと知った)とチラシに書いて配った。
ちなみにチラシを複製したのはうちのコンビニにあるコピー機だ。コピー機ありがとう。
そうして来たる5月13日、扉の前にはたくさんの人がいた。
閑静な住宅街だというのにこの数、すごいな。
まだ1人も扉に入っていないのは扉の前にテープがしてあるからである。
こういうのは大事だとベルトさんが言うから。
さて、挨拶といきますか。
「それではジェイシティ、正式オープンです。皆様ごゆっくりお楽しみください」
こうして正式オープンとなったジェイシティ。
「アリス、今何人入ったんだ?」
《今ジェイシティの中には584人います、ここから従業員である157人を引いて427人です》
400人か、相当入ったな。
ジェイシティの中を見て回る。
皆質の良さに驚いているようだった。
「今1番人が入っている店って分かる?」
《靴屋ですね》
靴屋か、あ、ちなみに案内板は魔石100個を使って10階まで設置しました。
店の場所が分からないと意味ないからね。
オーナーとしてやることは特にない。
今1番大事なのはMPが増えるかどうか。
「アリス、MP増えた?」
《増えました》
まぁそうだよな、そんな簡単に増えるわけ…増えた!?
「今増えたって書いた!?」
《えぇ、増えました》
急いで確認する。
-----------------------------
〈名前〉 ジュン
〈年齢〉 20
〈性別〉 男
HP 500
MP 5000000/5000000
〈ギフト〉 ショッピングモール
〈称号〉 異世界からの来訪者
-----------------------------
おぉ、500万に増えてる。
しかも今日使った分が回復してる!
これは追加するしかないな。温泉を!
「ということでゼン、温泉を追加だ!」
《かしこまりました、温泉を追加します》
「1番楽しみだったと言って過言ではない温泉がやっと追加されるぞー!」
《温泉、地下一階に追加されました》
地下?地下に出来たのか。よし早速行こう。
エスカレーターが新しく地下に続いている。
好奇心旺盛な人は早速下に向かっているようだ。
俺も続いて行く。
地下に行くと男湯と女湯に別れていた。
まぁそりゃそうだ。
男湯の方に向かうと男のアンドロイドがいた。
「いらっしゃいませ、温泉の使い方はご存知ですか?」
温泉の使い方も教えてくれるのか。
「俺は大丈夫だ」
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
さぁ温泉だ温泉!
まずは身体をしっかり洗う。
身体を洗ったらお湯に浸かあぁぁぁぁぁ…。
気持ちいい…。
他の好奇心旺盛な人たちも入ってきて身体を洗っている。
そういえば温泉の料金ってどのくらいなんだろ?あとで見てみよ。
1時間ほど浸かり上がる。
帰りに料金を聞くと4000ベルだった。
4000ベルでシャンプーやトリートメント、髭剃りとか使い放題だったら安い方じゃないか?
俺は毎日ここに来よう。
そうして1日が終わった。
《オーナー、本日の売上ですが、541万3600ベルになりました》
500万!?えーっと、1人1万ベルくらい使ったってことか。
「ショッピングモールって儲かるんだな」
《儲かっているのは土地代も費用もかかっていないオーナーだけです》
それもそうか。
1日で500万ということは30日で1億5000万ベル…大金持ちや…。
いや、従業員の給料…って言っても5000万もあれば足りるか。
まぁ毎日500万という訳にはならないと思うし、しばらくは様子を見ておこう。
と思っていたのが7日前のこと。
なんか日に日に来客数が増えているんだけど…。
初日は400人くらいだったのに今は1000人くらいが来店する。
それとひとつ変わったことがある。
《オーナー、来客数が増えたためMPも増えました》
アリスとゼンがアンドロイドになったのだ。
アリスは女性型、ゼンは男性型だ。
従業員が増えたことにより使わなくなったアンドロイドを借りて機能を移し替えたとのこと。
スマホとタブレットと繋がっているのでそっちに話しかけても大丈夫らしい。
こうして平和な日々が続きました、おしまいおしまい。
となれば良かったのだが、面倒事はあるようで。
「ですからレシピは渡せません」
「いいから渡すのだ!」
どうやら飲食店メニューのレシピが欲しいようだ。
「くそっ!こうなったら強硬手段だ!厨房に入らせてもらう!」
やめておいた方がいいのに。
「お客様!おやめ下さい!」
「うる…」
その瞬間その厄介な客が消えた。
まぁそうなるよな。
このジェイシティには新しく機能が備わった。
それは攻撃の意思があるもの、窃盗をしたもの、そして客観的に見て店の迷惑になるものを強制退店させることが出来る機能だ。
これは便利すぎる。
さっきの客はもう二度とこのジェイシティには入れないだろうな。
可哀想に。
まぁ仕方ない、迷惑客はこっちとしてもごめんだからな。
扉を囲うように出来た石造りの壁、お客さんが
入るための北側の壁はほとんどなく、全開だ。
中は魔道具の明かりで明るい、そしてその奥、大きな扉が待ち構えている。
ここ最近お客さんは1人も来ていない。
まぁ建設中のところに入ってくる人なんていないだろう。
チラシには新しく5月13日オープン(このとき初めて今が5月なのだと知った)とチラシに書いて配った。
ちなみにチラシを複製したのはうちのコンビニにあるコピー機だ。コピー機ありがとう。
そうして来たる5月13日、扉の前にはたくさんの人がいた。
閑静な住宅街だというのにこの数、すごいな。
まだ1人も扉に入っていないのは扉の前にテープがしてあるからである。
こういうのは大事だとベルトさんが言うから。
さて、挨拶といきますか。
「それではジェイシティ、正式オープンです。皆様ごゆっくりお楽しみください」
こうして正式オープンとなったジェイシティ。
「アリス、今何人入ったんだ?」
《今ジェイシティの中には584人います、ここから従業員である157人を引いて427人です》
400人か、相当入ったな。
ジェイシティの中を見て回る。
皆質の良さに驚いているようだった。
「今1番人が入っている店って分かる?」
《靴屋ですね》
靴屋か、あ、ちなみに案内板は魔石100個を使って10階まで設置しました。
店の場所が分からないと意味ないからね。
オーナーとしてやることは特にない。
今1番大事なのはMPが増えるかどうか。
「アリス、MP増えた?」
《増えました》
まぁそうだよな、そんな簡単に増えるわけ…増えた!?
「今増えたって書いた!?」
《えぇ、増えました》
急いで確認する。
-----------------------------
〈名前〉 ジュン
〈年齢〉 20
〈性別〉 男
HP 500
MP 5000000/5000000
〈ギフト〉 ショッピングモール
〈称号〉 異世界からの来訪者
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おぉ、500万に増えてる。
しかも今日使った分が回復してる!
これは追加するしかないな。温泉を!
「ということでゼン、温泉を追加だ!」
《かしこまりました、温泉を追加します》
「1番楽しみだったと言って過言ではない温泉がやっと追加されるぞー!」
《温泉、地下一階に追加されました》
地下?地下に出来たのか。よし早速行こう。
エスカレーターが新しく地下に続いている。
好奇心旺盛な人は早速下に向かっているようだ。
俺も続いて行く。
地下に行くと男湯と女湯に別れていた。
まぁそりゃそうだ。
男湯の方に向かうと男のアンドロイドがいた。
「いらっしゃいませ、温泉の使い方はご存知ですか?」
温泉の使い方も教えてくれるのか。
「俺は大丈夫だ」
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
さぁ温泉だ温泉!
まずは身体をしっかり洗う。
身体を洗ったらお湯に浸かあぁぁぁぁぁ…。
気持ちいい…。
他の好奇心旺盛な人たちも入ってきて身体を洗っている。
そういえば温泉の料金ってどのくらいなんだろ?あとで見てみよ。
1時間ほど浸かり上がる。
帰りに料金を聞くと4000ベルだった。
4000ベルでシャンプーやトリートメント、髭剃りとか使い放題だったら安い方じゃないか?
俺は毎日ここに来よう。
そうして1日が終わった。
《オーナー、本日の売上ですが、541万3600ベルになりました》
500万!?えーっと、1人1万ベルくらい使ったってことか。
「ショッピングモールって儲かるんだな」
《儲かっているのは土地代も費用もかかっていないオーナーだけです》
それもそうか。
1日で500万ということは30日で1億5000万ベル…大金持ちや…。
いや、従業員の給料…って言っても5000万もあれば足りるか。
まぁ毎日500万という訳にはならないと思うし、しばらくは様子を見ておこう。
と思っていたのが7日前のこと。
なんか日に日に来客数が増えているんだけど…。
初日は400人くらいだったのに今は1000人くらいが来店する。
それとひとつ変わったことがある。
《オーナー、来客数が増えたためMPも増えました》
アリスとゼンがアンドロイドになったのだ。
アリスは女性型、ゼンは男性型だ。
従業員が増えたことにより使わなくなったアンドロイドを借りて機能を移し替えたとのこと。
スマホとタブレットと繋がっているのでそっちに話しかけても大丈夫らしい。
こうして平和な日々が続きました、おしまいおしまい。
となれば良かったのだが、面倒事はあるようで。
「ですからレシピは渡せません」
「いいから渡すのだ!」
どうやら飲食店メニューのレシピが欲しいようだ。
「くそっ!こうなったら強硬手段だ!厨房に入らせてもらう!」
やめておいた方がいいのに。
「お客様!おやめ下さい!」
「うる…」
その瞬間その厄介な客が消えた。
まぁそうなるよな。
このジェイシティには新しく機能が備わった。
それは攻撃の意思があるもの、窃盗をしたもの、そして客観的に見て店の迷惑になるものを強制退店させることが出来る機能だ。
これは便利すぎる。
さっきの客はもう二度とこのジェイシティには入れないだろうな。
可哀想に。
まぁ仕方ない、迷惑客はこっちとしてもごめんだからな。
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