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第10話
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3階の奥の部屋、ここがギルドマスター室のようだ。
「ギルドマスター、失礼します」
マイケルさんが扉をノックし入っていく。
俺も続いて入っていく。
「ん?マイケルか、どうしたんだ?」
そこにいたのは真っ赤に燃え上がるような髪の色をした女の人だった。
「ギルドマスター、少し相談がありまして」
「相談?それはそこのやつと関係があるのか?」
「はい、その通りです。ジュン様、こちら商人ギルドセルベ支店のギルドマスター、カレンです」
「カレンさんですか、初めまして、ジュンと申します」
「あぁ、よろしく頼む、それで相談とは?」
「実は店を開く予定なのですが、マイケルさんに伺ったところ少し問題点があるようで、ギルドマスターにも相談してみてはと言われ参った次第です」
「なるほど、マイケルからしてジュンの店はどうなのだ?」
「貴族向けの店にしたらとても儲かると思います。しかしジュン様の望みはたくさんのお客様を呼び込むこと、そうなると平民も巻き込まなければならず、値段的に難しいものになるかと」
「そうか、とにかく私も店を見てみよう。それで?店はどこにある?」
「ここにあります、ゲートオープン」
すると木製の扉が現れる。
「な、なんだこれは」
「この中が私の店、ショッピングモールになります」
「ま、マイケル、これはどういうことなのだ?」
「私も見たときは驚きました。しかし、中を見たらもっと驚くかと思います」
「そ、そうか」
俺が先に入り次にマイケルさん、カレンさんが扉に入った。
カレンさんはマイケルさん同様広さ、店舗の多さに驚き、店を見て回った。
「なるほど、確かにこれはマイケルも驚くはずだ」
カレンさんも色々と見て回ったあと、ショッピングモールについての説明でもっと大きくなることを知り驚いていた。
「確かに、これほどの規模となると貴族どころか平民、いや、国全体を巻き込んだとしても驚きはしないだろう。しかし値段が問題だな、私としては2倍か3倍の値段にしてもいいと思う」
「やはりカレンさんもそう思いますか」
「確かに貴族たちは価値の高いものを見せびらかし自分の地位を誇示するような者もいるが、それは古い貴族ばかりだ。国全体を巻き込めるとしたらそんなの気にならないほど、平民も少し贅沢した程度にしか思わないだろう、もの珍しさで来る人も多いだろう。なに金はかかっていないんだろう?そして集客だけが目当てなら開いても私はいいと思うぞ、しかしそれでも1つ問題があるな」
「と言いますと?」
「中に入る扉がジュンの持つ扉だけでは足りないと思わないか?」
あ!確かに!それは考えてなかった。
「アリスさん、なにかいい案ありませんか?」
《魔石を100個使用することで出張扉を置くことが出来ます》
「出張扉?」
《簡単に言うと扉を増やして置くことが出来るということです。その扉は置いた場所に固定され壊すことも動かすことも出来なくなります》
「なるほど、それは一つしか置けないのか?」
《上限は32個です》
「32?これまた微妙な数字だな」
《東西南北の出入口に8つずつ設置できるということです》
あーなるほど、そういうことね。
「カレンさん、扉の方は魔石さえあれば何とかなりそうです」
「そうか、それはよかったけど、今の独り言はなんだい?」
「あっと、これはサポートAIと話していただけです」
「サポートえーあい?」
「あー、人工知能と話していただけです」
「人工知能!?そんなものまで持っているのか」
「えぇまぁ」
「ジュンについては規格外だと思っておこう」
「あはは…」
深く聞かれないのはありがたい。この世界に他に異世界人っているのだろうか?
いたら仲良くしておきたいなぁ。
「魔石については冒険者ギルドに行くのがいいだろう、ついでだ、専属護衛も付けてもらおう」
「護衛、ですか?誰に?」
「ジュンに決まっているだろう、そんな規格外の力、国や貴族に抱えられたらジュンの願いは聞き入れられなくなるぞ、抱えられるなら私たち商人ギルドにしておけ」
確かに、変に反発して極刑だー、なんてなったら他の国に行くかショッピングモールに引きこもるかになるしな。
「それに商人ギルド、冒険者ギルドもそうだが、国には縛られない組織だからな、まぁこの国の王がそんな馬鹿な真似するとは思わないけどな、それでも不安の種は摘んでおくべきだ」
「そうですよね、ではありがたく抱えられることにします」
「そうなると王都の商人ギルドと冒険者ギルドにも知らせることになるし、ここまでの大事業を国に知らせない訳にもいかない。大丈夫か?」
「えぇ、これほどの力どうせ公にしたら巻き込まれることは分かり切っています」
「それならよし、では早速冒険者ギルドに魔石と専属護衛を雇いに行くとするか」
「え?カレンさんも行くんですか?」
「当たり前だろう、私がいた方が話が通りやすいし、なによりこの事務作業から抜けられる!」
あぁ、そっちが目当てでしたか。でも話が通りやすいのはその通りだ。
「ではお願いします」
「よし、では早速行くとしよう」
「ギルドマスター、失礼します」
マイケルさんが扉をノックし入っていく。
俺も続いて入っていく。
「ん?マイケルか、どうしたんだ?」
そこにいたのは真っ赤に燃え上がるような髪の色をした女の人だった。
「ギルドマスター、少し相談がありまして」
「相談?それはそこのやつと関係があるのか?」
「はい、その通りです。ジュン様、こちら商人ギルドセルベ支店のギルドマスター、カレンです」
「カレンさんですか、初めまして、ジュンと申します」
「あぁ、よろしく頼む、それで相談とは?」
「実は店を開く予定なのですが、マイケルさんに伺ったところ少し問題点があるようで、ギルドマスターにも相談してみてはと言われ参った次第です」
「なるほど、マイケルからしてジュンの店はどうなのだ?」
「貴族向けの店にしたらとても儲かると思います。しかしジュン様の望みはたくさんのお客様を呼び込むこと、そうなると平民も巻き込まなければならず、値段的に難しいものになるかと」
「そうか、とにかく私も店を見てみよう。それで?店はどこにある?」
「ここにあります、ゲートオープン」
すると木製の扉が現れる。
「な、なんだこれは」
「この中が私の店、ショッピングモールになります」
「ま、マイケル、これはどういうことなのだ?」
「私も見たときは驚きました。しかし、中を見たらもっと驚くかと思います」
「そ、そうか」
俺が先に入り次にマイケルさん、カレンさんが扉に入った。
カレンさんはマイケルさん同様広さ、店舗の多さに驚き、店を見て回った。
「なるほど、確かにこれはマイケルも驚くはずだ」
カレンさんも色々と見て回ったあと、ショッピングモールについての説明でもっと大きくなることを知り驚いていた。
「確かに、これほどの規模となると貴族どころか平民、いや、国全体を巻き込んだとしても驚きはしないだろう。しかし値段が問題だな、私としては2倍か3倍の値段にしてもいいと思う」
「やはりカレンさんもそう思いますか」
「確かに貴族たちは価値の高いものを見せびらかし自分の地位を誇示するような者もいるが、それは古い貴族ばかりだ。国全体を巻き込めるとしたらそんなの気にならないほど、平民も少し贅沢した程度にしか思わないだろう、もの珍しさで来る人も多いだろう。なに金はかかっていないんだろう?そして集客だけが目当てなら開いても私はいいと思うぞ、しかしそれでも1つ問題があるな」
「と言いますと?」
「中に入る扉がジュンの持つ扉だけでは足りないと思わないか?」
あ!確かに!それは考えてなかった。
「アリスさん、なにかいい案ありませんか?」
《魔石を100個使用することで出張扉を置くことが出来ます》
「出張扉?」
《簡単に言うと扉を増やして置くことが出来るということです。その扉は置いた場所に固定され壊すことも動かすことも出来なくなります》
「なるほど、それは一つしか置けないのか?」
《上限は32個です》
「32?これまた微妙な数字だな」
《東西南北の出入口に8つずつ設置できるということです》
あーなるほど、そういうことね。
「カレンさん、扉の方は魔石さえあれば何とかなりそうです」
「そうか、それはよかったけど、今の独り言はなんだい?」
「あっと、これはサポートAIと話していただけです」
「サポートえーあい?」
「あー、人工知能と話していただけです」
「人工知能!?そんなものまで持っているのか」
「えぇまぁ」
「ジュンについては規格外だと思っておこう」
「あはは…」
深く聞かれないのはありがたい。この世界に他に異世界人っているのだろうか?
いたら仲良くしておきたいなぁ。
「魔石については冒険者ギルドに行くのがいいだろう、ついでだ、専属護衛も付けてもらおう」
「護衛、ですか?誰に?」
「ジュンに決まっているだろう、そんな規格外の力、国や貴族に抱えられたらジュンの願いは聞き入れられなくなるぞ、抱えられるなら私たち商人ギルドにしておけ」
確かに、変に反発して極刑だー、なんてなったら他の国に行くかショッピングモールに引きこもるかになるしな。
「それに商人ギルド、冒険者ギルドもそうだが、国には縛られない組織だからな、まぁこの国の王がそんな馬鹿な真似するとは思わないけどな、それでも不安の種は摘んでおくべきだ」
「そうですよね、ではありがたく抱えられることにします」
「そうなると王都の商人ギルドと冒険者ギルドにも知らせることになるし、ここまでの大事業を国に知らせない訳にもいかない。大丈夫か?」
「えぇ、これほどの力どうせ公にしたら巻き込まれることは分かり切っています」
「それならよし、では早速冒険者ギルドに魔石と専属護衛を雇いに行くとするか」
「え?カレンさんも行くんですか?」
「当たり前だろう、私がいた方が話が通りやすいし、なによりこの事務作業から抜けられる!」
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「ではお願いします」
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