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それぞれの想い
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考えなければならない事は色々あるけれど、今は自分の意志ではない何かに犯されてしまっているレイルを何とかしたい
本当にこんなやり方で、なんて思ったけど他にすべきことなんて思いつかない
(魔術を使えたら良かったのに)
ここに来て何度そう思ったことやら、それでも何とかしなきゃならないけど
軽く揺するだけでそこはきゅっと締め付け、彼はすぐに唇を閉じた。
「ふ、っ……ぐ、んん……!は、んぅ…… ダンナぁ…」
動くよ、と告げてから腰をゆっくり動かせば彼はシーツを強く掴んだ。
挿入を繰り返すと中が一際キツくなり、レイルは頭を左右に振った。
「ッあ!ん、い…ッ!…も、んあぁっ!……あっ!」
身体を反らし、少し震えながらイったようだった。髪は乱れて表情は窺えないが肩で息をしている様子からして意識はあるようだ
息を長く吐きながらゆっくりと引き抜いた。彼の身体もかなり汗ばんでいたけれど、ベッドもかなり濡れていた。
「っ、は…あっ……あ… あっ……あ、ぁ…」
レイルは口をパクパクとさせて何かを伝えたいようだったが、言葉になっておらず理解出来なかった。
「…落ち着いてからでいいよ」
まだ興奮はしているものの、狂ったように俺を求める状態ではなくなったみたいだった。
ベッドから降りて俺はタオルを取りに向かった。ついでに自分の体も雑に拭いてから彼の元へと戻ればレイルは目を瞑っていた。
寝息がはっきり聞こえているので寝てしまったのだろう、身体を拭いてあげながらシーツを剥ぎ取る。
(そりゃ疲れるよな…あんな酷い目にあって、それでも俺を優先して……)
そう思いながら彼を抱えつつ空いている隣のベッドへと運ぶも、俺より筋肉のある彼を抱えるのは大変だった。
それでもなんとか移動させて、寝やすい姿勢にしてから彼の体を再び拭いてやる。
体のあちこちには古傷があって、これもゲームを通してしまえば“ないもの”になってしまうのだろう
はあ、と息を吐いて自らの下半身を見つめた。少し時間が経ったとはいえ、一度も達することはなかった俺自身。
ちらりとレイルを窺うも、起きる様子はなさそうだった。
(……寝よう、疲れててそれどころじゃない)
あらかじめ作っていた彼の横にある空間へ寝転がり、タオルケットを掛けて眠りについた。
2人は、どうやらぐっすりと眠っているようだった。一足先に目覚めた俺は体を起こした。
通路を挟んだ隣のベッドにはマスターとリヒトが寝ていて、その距離の近さに思わず怪訝な表情をしてしまった。
(……近い)
そもそもマスターと初めに出会ったのはリヒトだ。彼が俺よりリヒトを頼る傾向にあるのは何らおかしいことではない
それでもマスターが1番初めに生み出したのは、俺なのに―――なんて、少し考えてからすぐにため息をついた。
(それより、今後どうしていくのか考える必要がある)
依頼は一段落したものの、この手応えからしても思うような結果は得られていない
俺自身も人捜しの手掛かりは今の所得られていない、この状態では探しようもないのが1番の理由だが
それでもマスターと出会ってから確実に“何か”は変わりつつあった。
この世界に存在し得ないこと、それと彼が主人であるという影響が大きいだろう
(…もう1人、俺とリヒト以外にもう1人…… 居たはず)
目をつむって寝返りを打ち、思い出そうとしてみた時だった。ぎしりと小さくベッドが鳴って俺は目を開いた。
「あ、バレちゃった」
「マスター……」
ぎゅ、と両手で二の腕を揉まれる。反応に困りつつ受け入れていると、今度は胸板をぐっと押したりしてきた。
「…!……マスタっ…」
さり気なくなのか、わざとなのか。軽く擦れる程度に乳首へ触れられた。
「わ…ごめん、そんなつもりじゃなかった。ほ…ほらっ!筋肉、すごいから…」
「そう、だったか」
その間にも胸筋に触れられ、むず痒さを感じる。褒められて悪い気はしないものの、これはどう応えるべきなのだろう
「次は… どんな依頼を引き受ける予定なんだ?」
「依頼?えっと~…… どうしよっか?」
困ったようにポリポリと頬を掻く、それならと俺は上体を起こした。
「ベストレルはどうだろう」
交錯する希 ベストレル、要は闘技場のことを指す。紅・翠・蒼を基調とする3つの会場が有名なのだが、賭け事も盛んで情報交換も活発である。
「そこっておいしいの?」
「おいしい…?」
尋ね返すとマスターは少し瞬いてからハッとなって腹部を押さえた。
「お腹が空いちゃって…!有名なご当地グルメとか!」
そうか、俺達はまだしもマスターは空腹を感じるだろう。一先ず何か腹ごしらえをする必要がありそうだった。
本当にこんなやり方で、なんて思ったけど他にすべきことなんて思いつかない
(魔術を使えたら良かったのに)
ここに来て何度そう思ったことやら、それでも何とかしなきゃならないけど
軽く揺するだけでそこはきゅっと締め付け、彼はすぐに唇を閉じた。
「ふ、っ……ぐ、んん……!は、んぅ…… ダンナぁ…」
動くよ、と告げてから腰をゆっくり動かせば彼はシーツを強く掴んだ。
挿入を繰り返すと中が一際キツくなり、レイルは頭を左右に振った。
「ッあ!ん、い…ッ!…も、んあぁっ!……あっ!」
身体を反らし、少し震えながらイったようだった。髪は乱れて表情は窺えないが肩で息をしている様子からして意識はあるようだ
息を長く吐きながらゆっくりと引き抜いた。彼の身体もかなり汗ばんでいたけれど、ベッドもかなり濡れていた。
「っ、は…あっ……あ… あっ……あ、ぁ…」
レイルは口をパクパクとさせて何かを伝えたいようだったが、言葉になっておらず理解出来なかった。
「…落ち着いてからでいいよ」
まだ興奮はしているものの、狂ったように俺を求める状態ではなくなったみたいだった。
ベッドから降りて俺はタオルを取りに向かった。ついでに自分の体も雑に拭いてから彼の元へと戻ればレイルは目を瞑っていた。
寝息がはっきり聞こえているので寝てしまったのだろう、身体を拭いてあげながらシーツを剥ぎ取る。
(そりゃ疲れるよな…あんな酷い目にあって、それでも俺を優先して……)
そう思いながら彼を抱えつつ空いている隣のベッドへと運ぶも、俺より筋肉のある彼を抱えるのは大変だった。
それでもなんとか移動させて、寝やすい姿勢にしてから彼の体を再び拭いてやる。
体のあちこちには古傷があって、これもゲームを通してしまえば“ないもの”になってしまうのだろう
はあ、と息を吐いて自らの下半身を見つめた。少し時間が経ったとはいえ、一度も達することはなかった俺自身。
ちらりとレイルを窺うも、起きる様子はなさそうだった。
(……寝よう、疲れててそれどころじゃない)
あらかじめ作っていた彼の横にある空間へ寝転がり、タオルケットを掛けて眠りについた。
2人は、どうやらぐっすりと眠っているようだった。一足先に目覚めた俺は体を起こした。
通路を挟んだ隣のベッドにはマスターとリヒトが寝ていて、その距離の近さに思わず怪訝な表情をしてしまった。
(……近い)
そもそもマスターと初めに出会ったのはリヒトだ。彼が俺よりリヒトを頼る傾向にあるのは何らおかしいことではない
それでもマスターが1番初めに生み出したのは、俺なのに―――なんて、少し考えてからすぐにため息をついた。
(それより、今後どうしていくのか考える必要がある)
依頼は一段落したものの、この手応えからしても思うような結果は得られていない
俺自身も人捜しの手掛かりは今の所得られていない、この状態では探しようもないのが1番の理由だが
それでもマスターと出会ってから確実に“何か”は変わりつつあった。
この世界に存在し得ないこと、それと彼が主人であるという影響が大きいだろう
(…もう1人、俺とリヒト以外にもう1人…… 居たはず)
目をつむって寝返りを打ち、思い出そうとしてみた時だった。ぎしりと小さくベッドが鳴って俺は目を開いた。
「あ、バレちゃった」
「マスター……」
ぎゅ、と両手で二の腕を揉まれる。反応に困りつつ受け入れていると、今度は胸板をぐっと押したりしてきた。
「…!……マスタっ…」
さり気なくなのか、わざとなのか。軽く擦れる程度に乳首へ触れられた。
「わ…ごめん、そんなつもりじゃなかった。ほ…ほらっ!筋肉、すごいから…」
「そう、だったか」
その間にも胸筋に触れられ、むず痒さを感じる。褒められて悪い気はしないものの、これはどう応えるべきなのだろう
「次は… どんな依頼を引き受ける予定なんだ?」
「依頼?えっと~…… どうしよっか?」
困ったようにポリポリと頬を掻く、それならと俺は上体を起こした。
「ベストレルはどうだろう」
交錯する希 ベストレル、要は闘技場のことを指す。紅・翠・蒼を基調とする3つの会場が有名なのだが、賭け事も盛んで情報交換も活発である。
「そこっておいしいの?」
「おいしい…?」
尋ね返すとマスターは少し瞬いてからハッとなって腹部を押さえた。
「お腹が空いちゃって…!有名なご当地グルメとか!」
そうか、俺達はまだしもマスターは空腹を感じるだろう。一先ず何か腹ごしらえをする必要がありそうだった。
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