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第2章(2回目の人生とやり直し期間)
33話(ギル視点)
しおりを挟む《ギル視点》
部下からの報告を受けて、ユーリが無事に辺境の地におくられたことがわかった。
辺境の地におくることを家族にも口止めさせることを条件に平民落ちすることを取り止めて子爵家にさせた。
まあ、実質的な力もなく、名前だけの存在だがな。
フィルには言っていないが、辺境の地は殺人などの罪をおかしたものやかなり大きなことをしでかした危ない奴らが最後におくられる場所だ。
ユーリがフィルに危害を加える可能性もあったからとりあえず、領地まできた。
だが、まだわからない。
ユーリに監視はつけているが安心はできないからな。
対策を打てるのなら打てるだけ打っておいたほうが安心だからな。
対策を考えていると、フィルが身じろいだ。
「ん…んっ」
カーテンの隙間から差す光が眩しいのか、少し眉間に皺がよっている。
思わず皺をのばすと、撫でられたと思ったのかふわふわと笑っていて愛らしかった。
少しずつ目を開いて俺を見るとふにゃっと笑っていた。
本当に可愛いな…
「おはよう…ギル」
「ああ、おはよう。眠れたか?」
「うん…いっぱい寝れた…ギルあったかい」
まだ寝ぼけているのかぽやぽやとしていた。
「そうか…まだ早いから寝てていいぞ」
「う…ん、でもギルとおはなししたい…」
この体制だからか上目遣いで見てきた。
「んんっ、じゃあこのまま少し話そうか」
「うん…。このあとなにするの?」
「ピクニックに行く予定だろう?」
「ん~、そうだった。ギルと行けるのうれしい…」
まだかなり眠いのかふわふわとしているようだった。
「ん…」
また眠ってしまったみたいだ。
小動物みたいで可愛いな…。
可愛すぎないか?
この光景が…この幸せな日々が続くように俺は祈っていた。
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