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第2章(2回目の人生とやり直し期間)

24話

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抱き締めあっていた体を離して僕らは見つめあっていた。

寒いだろうからとギルは僕に服を着せながら

「フィル…実はフィルの痣のことを知っていたんだ。」

「え…いつ」

フィルは顔を青ざめた。

「その…前の人生でフィルのことや公爵家のことを調べているときに絵で見たんだ。それを見て思い出したんだ…。嫌な記憶だろうから君は忘れているかもしれないが…君が10歳の頃のことだが…」


「え…!ギル…覚えているのですか…?」

「ああ、もちろんだ。最初はあの子がフィルだとは気づかなかったが痣を見て思い出したんだ。今思えば、あの時から俺はフィルのことを気になっていたんだと思う。だからフィル…俺はその痣でフィルを嫌いになったりなんかしない。」

「ほんとうに…?うそではなく?」

涙が頬を伝っていく。

「嘘なんかじゃない。痣も…嫌なんかじゃない。むしろその傷が痛くないか心配になるしフィルの大切な証だと思っている。」

「ぼく…この痣でギルに嫌われてしまうんじゃないかって、ずっと、怖かったんです。」

涙が溢れて止まらなかった。

「嫌いになったりなんかしない。
君の痣も、何もかも全部含めて俺はフィルを愛してるんだ…。」

「ギルに…そう言って頂けて嬉しいです」

フィルは泣きながらも微笑んだ。

「あ…でも…」

「でも…なんだ?不安になることがあるなら言ってくれ」

「ギルには…大切な人がいるでしょう?本当はその人と結婚したかったんじゃないかって…」

「誰のことだ…?俺の大切な人はフィルしかいない。」

「でも…あのピンク色の髪の綺麗な人のこと会えなくて寂しかったって前の人生の時に言ってたじゃないですか…だから僕より本当はあの人といたいんじゃないかって…」

「もしかしてテトのことか?そいつは幼馴染みで小さい頃から一緒にいるからたぶん冗談でふざけて言ったんだろう。もう2度とそんなこと冗談でも言わない。フィルのことを一番愛しているから。それに…あいつは既婚者で相手とは相思相愛だし誰が見ても思い合っているのはわかるからな。今度紹介しよう。」

「あ…そうだったのですね…。勘違いして恥ずかしい。」

顔が熱くなってきて手で頬をはさんだ。

「恥ずかしがることないじゃないか。君が俺のことを好きなんだって感じられて嬉しいよ。」

そう言って頭を撫でてくれた。


「なあ、他にも色々自分達のことを話さないか。何でもいい。ただ、フィルのことをもっと知りたいんだ。」

「はい。ぼくももっとギルとお話ししたいです。」

「とりあえず、食事にしよう。お腹も空いてくる頃だしここは少し寒いから…」

そうして僕らは手を繋ぎながらリビングへと向かった。
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