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第2章(2回目の人生とやり直し期間)
17話
しおりを挟むマリアにあの綺麗な人と僕の噂のことを聞いてみようとは思ったけどいいのかな…
他に聞ける人もいないし…
それに…たぶん外出して噂を聞く方法もあるとは思うけど…なんだかギルがいるとそれもできない気がする
うーん…
やっぱり、とりあえずマリアに聞いてみるか
コンコン。
「奥様、失礼します。」
「どうぞ」
「今日はどのような髪型にされますか?」
「うーん。僕はあんまり髪型に詳しくないからマリアの好きにしてくれると嬉しいな!」
「そうですか…わかりました。うんと、可愛くさせていただきますね!」
マリアが髪を結ってくれているので、今なら自然と聞けるかなと思った。
「ねぇマリア」
「なんですか?」
「あのね…僕、あまり街や外に出ることがなかったから自分の社交界の立場や噂を知らないんだ…。教えてもらえないだろうか」
「そうですね…フィル様はとても愛らしくて心優しく、社交界やにあまり出られなかったのも病弱で仕方なく学園は通うこともできませんでしたが優秀だという噂が多いですね。」
「え…?それは本当に僕のことなの?悪い噂はない?」
「悪い噂はありませんよ!奥様はこんなにお綺麗で使用人にも分け隔てなく接してくださいますし…。それに旦那様との仲も良好だと街では劇になっているほどです!」
「ええっ!知らなかった…。でもギルとの仲がよくて本当にいいのかな…」
「何か心配ごとでもあるのですか?」
「マリアは知ってる…?名前は知らないのだけれどギルの友人か大切な人でピンク色の透き通った髪に碧眼のとても綺麗なお方がいると思うのだけれど…。もしかしたらギルはその人と結婚したかったんじゃないかってそう思って…………ごめん、変な話をしてしまったね、忘れてくれ」
「奥様…差し出がましいのは重々承知ですが一度旦那様に聞いてみてはどうでしょうか?その方は旦那様の学園からのご友人だとは思いますが、旦那様が愛しているのは奥様だけだと思います。」
「ありがとう、マリア。でも聞く勇気がでないんだ。もし…拒絶されたらって…。こんなの僕の我が儘だってわかってるんだけどね」
「そんな!我が儘なんかではありません!それならおまかせください!私に策があるので…!」
「え!いやでも悪いよ。忘れて…」
「でもこのままでは奥様も旦那様もご自分のことをお話にならないでしょう。きちんとお話し合いをされた方がよろしいと思いますよ。」
「マリア…ありがとう。ならよろしく頼むよ。ただ、外部に何か頼むことがあれば一言教えてくれ。あまり事を大きくはしたくないから」
「大丈夫ですよ!外部に頼まずとももっと簡単な方法があるので…!」
「それならよかった。本当にありがとう、マリア」
「いえいえ!とりあえず今日は旦那様に可愛いと思ってもらえるような髪型にしますね!」
「ありがとう」
そうして髪を結ってくれたりメイクをしてくれる間、マリアと色んな話をした。
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