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第2章(2回目の人生とやり直し期間)
16話(ギル視点)
しおりを挟む《ギル視点》
仕事をしているといきなりフィルの弟がやってきたとディルが走ってやってきた。
余計な仕事を増やしやがって…
正直、フィルの弟のことは嫌いだ。
あいつのせいでかなり処理が面倒だった。
元よりあいつがした行いを全てフィルに押し付けていたようだが学園にいたやつなんかは特にだが、弟が悪いことをわかっている。
この兄にしてあの弟がいると思っているやつもいるにはいるが、そういうやつはフィルのことを一目見せれば嘘だと分かるだろう。
フィルは素直で可愛らしく、相手を騙したり貶したりするやつとは大違いだからな。
屋敷の前で大騒ぎしているから迷惑だな。
公爵家のほうに申し出て謝罪してもらおう。
それでもう公爵家とフィルとの関係をたてばいい。
そうすれば何かあった時に関わりのないものとできる。
テトに養子にするように頼んであるから大丈夫だろう…。
それにしても噂を流すなど言語道断だ。
まあ好きにすればいい。
今までは上手くいっただろうが、そうはいかない。
俺は二度と同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。
俺が決断を誤って…あの時フィルを助けられなかった。
最初からフィルの噂を払拭して公爵家との仲をたち、弟が悪いのだとすればよかった。
何もしていないフィルが苦しむ必要なんかない。
フィルは何も知らなかったのだからな。
今頃情報屋にでも行っているのだろうな。
今までそうしてきたのはもうわかってる。
だからフィルの情報を流すやつがいたら取り合わないように全ての場所に流していた。
フィルの情報を流そうとするやつは裏があるやつばかりだろう。
フィルの本当の情報を流し、俺との関係性が良好であること、それに加えてフィルを痛め付けようとしたやつらが今まで行ったことを逆に流すようにするように命じればいいだけだ。
騎士団とはいえ、表のやつだけでなく裏のやつと出会う機会も多くある。
基本的には裏の出来事も流れてくる。
自分がしたことに後悔すればいい。
お前が…お前が苦しめたせいでフィルがあんな目にあったんだ。
あいつ本人が罰を受けるべきだったんだ。
自業自得だ。
お前が気づいたときにはもう遅い。
くくっ、可哀想なやつだな。
でもこれで終わりにはしない。
あいつが何かした時のために考えられうる対策はとった。
フィルを苦しめた罪は重い。
お前が足掻けば足掻くほど足元が崩れさっていくのだろうな…。
ただ、…フィルはこんなこと知らなくていい。
手を汚すのは俺だけで十分だ。
幸せになってもらいたい。
フィルの望むことは何でも叶えてやろう
それが同時に俺の願いでもあるのだから。
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